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七試艦上戦闘機

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七試艦上戦闘機(しちしかんじょうせんとうき)は、1930年代に試作された日本海軍の単座艦上戦闘機。「七試艦戦」と略称される。三菱での機種番号は1MF10

1932年(昭和7年)度から始まる海軍機の試製3ヵ年計画の一環として、九〇式艦上戦闘機の更新を目的として、三菱中島二社へ競争試作の形で発注された。「三菱七試艦上戦闘機」には「A3M1」、「中島七試艦上戦闘機」には「A3N1」の略符号が与えられた。

同3カ年計画中で予定されていた八試複座艦上戦闘機(八試複戦)との兼ね合いから、「七試単戦」とも呼ばれた。この時期、戦闘機の設計は複葉から単葉への移行期にあったため、中島は同社設計のパラソル翼単葉の陸軍九一式戦闘機を海軍の要求仕様に沿って改設計したものを提示したが、三菱は七試艦戦をより進歩的な低翼単葉で設計した。 三菱の七試艦戦は後に零戦を生んだ堀越二郎が設計主務者として担当した初の機体だったが、飛行時の安定性が極めて悪く、製作した2機とも飛行試験中に墜落してしまった。

競合した中島機と共に制式採用されることなく終わったため、次期艦戦には九五式艦上戦闘機を一時的に採用することで対応した。

スペック(三菱七試艦上戦闘機)

  • 乗員: 1名
  • 全長: 6.92m
  • 全幅: 10.00m
  • 全高: 3.36m
  • 主翼面積:17.70m²
  • 自重: 1,225kg
  • 全備重量: 1,578kg
  • 動力: A-4星型14気筒 空冷エンジン
  • 出力: 570hp
  • 最大速度: 320km/h
  • 巡航速度: 300km/h
  • 航続時間: 3.0h
  • 実用上昇限度: --- m
  • 上昇率: 3,000/4'00"
  • 武装: 機関銃7.7mm機銃×2
  • 爆装: 爆弾30kg×2

関連項目