ヤクルト

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ヤクルト

ヤクルト(Yakult)は、株式会社ヤクルト本社が製造・販売する乳製品乳酸菌飲料である。

概要[編集]

ヤクルトは、京都帝国大学医学部で微生物を研究していた医学博士代田稔が、1930年昭和5年)に乳酸菌の一種であるラクトバチルス・カゼイ・シロタ株(L. カゼイ YIT9029)の強化・培養に成功し、1935年(昭和10年)に福岡県福岡市で代田保護菌研究所のもとに飲料として製造・販売を開始したことに始まる[1]

「ヤクルト」(Yakult)という商品名は、エスペラント語でヨーグルト意味する「ヤフルト」(Jahurto)を元にした造語である[1]

日本国内でヤクルトの販売量が最多を記録したのは1972年(昭和47年)で、1日平均で1,600万本を売り上げた。これは約7人に1人が毎日ヤクルトを飲んでいた計算になる。2006年(平成18年)4月時点では、オリジナルのヤクルトだけで1日約300万本、ファミリー商品を含めると約900万本が販売されている[2]

沿革[編集]

ヤクルト400
  • 1930年(昭和5年) - 代田稔がラクトバチルス・カゼイ・シロタ株の強化、培養に成功。
  • 1935年(昭和10年) - 代田保護菌研究所が福岡県福岡市でヤクルトの製造・販売を開始[3]
  • 1938年(昭和13年) - ヤクルトの商標を登録。
  • 1963年(昭和38年) - 婦人販売店システム(ヤクルトレディ)の導入を開始。
  • 1968年(昭和43年)10月 - 容器がプラスチック製になる。
  • 1981年(平成3年) - ヤクルト80発売。内容量80ml、シロタ株100億個/本。ビタミンCカルシウムを強化。宅配専用商品。
  • 1991年(平成3年) - ヤクルト80Ace発売。ヤクルト80のリニューアル品。シロタ株300億個/本。
  • 1998年(平成10年) - ヤクルトLT発売。砂糖不使用。内容量65ml、シロタ株150億個/本。
  • 1998年(平成10年) - ヤクルトが特定保健用食品の表示の許可を受ける。
  • 2005年(平成17年) - ヤクルト300V発売。内容量80ml、シロタ株300億個/本。ガラクトオリゴ糖、ビタミンC、ビタミンEを配合。
  • 2008年(平成20年) - ヤクルトSHEs発売。カルシウム、コラーゲン等を配合。ピーチ味。
  • 2008年(平成20年) - ヤクルト400LT発売。
  • 2009年(平成21年) - ヤクルトカロリーハーフ発売。
  • 2011年(平成23年) - ヤクルトの容器の形状が立体商標登録を受ける。
  • 2013年(平成25年) - ヤクルトAce発売。
  • 2013年(平成25年) - NewヤクルトNewヤクルトカロリーハーフ発売。シロタ株を150億個/本から200億個/本に増やした。
  • 2014年(平成26年) - ヤクルトゴールド発売。グルコサミンローヤルゼリー、カルシウム等を配合。
  • 2014年(平成26年) - 食べるタイプのヤクルトカップ de ヤクルト発売。

容器[編集]

ヤクルトのガラス瓶容器

発売以来、ヤクルトの容器にはガラス瓶が使用されていた。第二次世界大戦後すぐには、販売店ごとに独自の瓶を使用し、容量も数種類あったこともあった。ガラス瓶容器は牛乳瓶を小さくしたような形状で、瓶口は紙栓で閉じられ、牛乳瓶と同様に専用の紙蓋取りが配られていた。しかし、ガラス瓶には回収に手間がかかるという問題があった。また、1963年に婦人販売店制度が始まったが、重量のあるガラス瓶は女性にとっては大きな負担となった[2]

そこで、1968年10月にはプラスチック製の容器が採用された。この容器のデザインはインテリアデザイナーとして著名な剣持勇が担当。容器の中央に設けられたくびれには容器を持ちやすくする働きがあり、容器を落とさずしっかりつかむことができた。また、容器の中の液体がいったんくびれで止まって一気に流れ出さない上に、容器全体が安定して製造ライン上で倒れにくいという利点もあった。容器は、にもアルカリにも強く、安全性が高く衛生的なポリスチレンが採用された。また、外部からの空気の混入による品質劣化を防ぐために、キャップは高純度アルミ箔製とされ、容器に密着するようシール加工が施された。65mlという容量は、老人や子供が一度に飲み切ることができること考慮して決められた[2][4][5]

この容器は2008年度グッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞している[6]

また、この容器の形状は立体商標として登録されている。ヤクルトは、1997年に容器の立体商標を出願したが、特許庁は登録できないとの判断を示し、最高裁まで争ったものの認められなかった。その後、2008年5月に知財高裁コカ・コーラの瓶の立体商標を認める判決を出したことから、ヤクルトも同年9月に改めて立体商標を出願。特許庁は登録を認めなかったが、2010年11月に知財高裁で特許庁の判断が取り消され、立体商標が登録されることとなった[7][8]

販売[編集]

ヤクルトレディー

ヤクルトは発売当初から宅配で販売されてきた。これはヤクルトの長所を顧客に説明し普及する必要があったためである。発売当初は牛乳販売店を中心に販売されていたが、1940年(昭和15年)からヤクルトを専門に販売する代田保護菌普及会が日本各地に設立され、多いときで500社を数えたという[2]

1955年(昭和30年)にヤクルト本社が設立され、全国の販売会社を統括するようになった[2]。また、1963年(昭和35年)には婦人販売店(現在のヤクルトレディー)のシステムが導入された。ヤクルトの中には、宅配専用で、店舗では販売されていない製品もある[9]

製品[編集]

ヤクルトは1970年代までオリジナルの1種類のみが販売されていた。なお、1960年(昭和35年)頃には、菌を強化・短縮培養するために、クロレラが利用されていた時期もあった[2]。1980年代に入ると、1981年(昭和56年)のヤクルト80の発売を皮切りに、ファミリー商品が展開され、甘さを抑えたり、シロタ株の数を増やした製品が発売されるようになった[2]

2018年5月時点では、以下の7製品が発売されている。

名称 保健機能食品 シロタ株
(L.カゼイ YIT 9029)
その他の成分 内容量 容器 特徴
Newヤクルト 特定保健用食品 200億個 - 65ml アルミキャップ付ポリスチレン容器 [10]
Newヤクルトカロリーハーフ - 200億個 - 65ml アルミキャップ付ポリスチレン容器 Newヤクルトに比べてカロリー・糖質が50%低い[11]
ヤクルト400 特定保健用食品 400億個 - 80ml アルミキャップ付ポリスチレン容器 宅配限定[9][12]
ヤクルト400LT 特定保健用食品 400億個 - 80ml アルミキャップ付ポリスチレン容器 宅配限定[9]。ヤクルト400に比べてカロリーが30%低い[13]
ヤクルトAce 特定保健用食品 300億個 ビタミンC
ビタミンD
ガラクトオリゴ糖
80ml アルミキャップ付ポリスチレン容器 [14]
毎日飲むヤクルト - 300億個 - 100ml 紙製容器+ポリエチレン製フタ セブン&アイグループの店舗で販売[15]
シンバイオティクス ヤクルト W - 300億個 ガラクトオリゴ糖2.5g 100ml 紙製容器+ポリエチレン製フタ [16]

脚注[編集]

  1. ^ a b ヤクルトの概況 (PDF)”. ヤクルト本社広報室 (2014年8月). 2018年5月1日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g ヤクルト ニッポン・ロングセラー考”. COMZINE. nttコムウェア. 2018年5月1日閲覧。
  3. ^ 「ヤクルト」発売80年ヒストリー”. ヤクルト80周年記念サイト. ヤクルト本社. 2018年5月1日閲覧。
  4. ^ 高度経済成長期一覧”. 戦後日本のイノベーション100選. 公益社団法人発明協会. 2018年5月1日閲覧。
  5. ^ 乳製品乳酸菌飲料 ヤクルト”. Good Design Award. 公益財団法人日本デザイン振興会. 2018年5月1日閲覧。
  6. ^ 2008年度 グッドデザイン・ロングライフデザイン賞”. Good Design Award. 公益財団法人日本デザイン振興会. 2018年5月1日閲覧。
  7. ^ “ヤクルトの容器は「立体商標」 知的財産高裁”. 日本経済新聞. (2010年11月16日). https://www.nikkei.com/article/DGXNASFL1608G_W0A111C1000000/ 
  8. ^ “ヤクルト容器の立体商標が認められる” (プレスリリース), ヤクルト本社, (2010年11月16日), http://www.yakult.co.jp/news/article.php?num=515 
  9. ^ a b c ヤクルト400特設サイト”. ヤクルト本社. 2018年5月1日閲覧。
  10. ^ Newヤクルト”. ヤクルト本社. 2018年5月1日閲覧。
  11. ^ Newヤクルトカロリーハーフ”. ヤクルト本社. 2018年5月1日閲覧。
  12. ^ ヤクルト400”. ヤクルト本社. 2018年5月1日閲覧。
  13. ^ ヤクルト400LT”. ヤクルト本社. 2018年5月1日閲覧。
  14. ^ ヤクルトAce”. ヤクルト本社. 2018年5月1日閲覧。
  15. ^ 毎日飲むヤクルト”. ヤクルト本社. 2018年5月1日閲覧。
  16. ^ シンバイオティクス ヤクルト W”. ヤクルト本社. 2018年5月1日閲覧。

外部リンク[編集]