ミスト (映画)
| ミスト | |
|---|---|
| The Mist | |
| 監督 | フランク・ダラボン |
| 脚本 | フランク・ダラボン |
| 原作 | スティーヴン・キング 『霧』 |
| 製作 | フランク・ダラボン リズ・グロッツァー |
| 製作総指揮 | リチャード・サパースタイン ボブ・ワインスタイン ハーヴェイ・ワインスタイン |
| 出演者 | トーマス・ジェーン マーシャ・ゲイ・ハーデン ローリー・ホールデン |
| 音楽 | マーク・アイシャム |
| 撮影 | ロン・シュミット |
| 編集 | ハンター・M・ヴィア |
| 製作会社 | ディメンション・フィルムズ ダークウッド・プロダクションズ |
| 配給 | |
| 公開 | |
| 上映時間 | 125分 |
| 製作国 | |
| 言語 | 英語 |
| 製作費 | $18,000,000[1] |
| 興行収入 | $57,293,715[1] $25,594,957[1] |
『ミスト』(The Mist)は、スティーヴン・キングの1980年の中編小説『霧』を原作とした、2007年のアメリカ合衆国のSFホラー映画である。監督・脚本はフランク・ダラボンであり、過去にキング原作の『ショーシャンクの空に』、『グリーンマイル』も手がけている。
深い霧に包まれた街で巻き起こる怪異と、徐々に秩序を失う人々が描かれる。
目次
あらすじ[編集]
激しい嵐が町を襲った翌朝、湖のほとりに住むデヴィッド・ドレイトン(トーマス・ジェーン)とその妻のステファニー(ケリー・コリンズ・リンツ)は自宅の窓やボート小屋が壊れているのを見つける。デヴィッドは補強品などの買い出しのため、8歳の息子のビリー(ネイサン・ギャンブル)と隣人のブレント・ノートン(アンドレ・ブラウアー)と共に車で地元のスーパーマーケットへ向かった。店は客たちで賑わっていたが、冷蔵庫以外は停電していた。デヴィッドたちが買い物をしていると、店外ではパトカーや救急車が走り回り、サイレンが鳴り始めた。その直後、鼻血を流したダン・ミラー(ジェフリー・デマン)が店内へ逃げ込み、「霧の中に何かがいる」と叫ぶ。店内の一同が戸惑うなか、店外の辺り一面は白い霧に包まれていく。不安に駆られた客たちは、店内へ閉じこもった。 霧の中に潜む怪物たちの襲撃に晒された集団は、徐々にカルト信者のミセス・カーモディ(マーシャ・ゲイ・ハーデン)にすがるようになっていく ミセス・カーモディとその信者たちを恐れたデヴィッドと一部の生存者たちは、物資をかき集めて店外への脱出を計画するが…
キャスト[編集]
役名、俳優、日本語吹替。
- デヴィッド・ドレイトン
- 演 - トーマス・ジェーン、日本語吹替 - 堀内賢雄
- 主人公。田舎に住みながら、ニューヨークやハリウッドで活躍する大物画家。
- ミセス・カーモディ
- 演 - マーシャ・ゲイ・ハーデン、日本語吹替 - 宮寺智子
- 狂信者の女性。徐々に信者を増やしていく。
- アマンダ・ダンフリー
- 演 - ローリー・ホールデン、日本語吹替 - 日野由利加
- 最近町に越してきた新任の女教師。ビリーの面倒を見てくれている。
- ブレント・ノートン
- 演 - アンドレ・ブラウアー、日本語吹替 - 古澤徹
- デヴィッドの近隣に住む一流弁護士。過去にデヴィッドと境界線についてのトラブルを起こした。 デヴィッドたちが外にいる謎の生物の話をするも一向に信じようとしない。何人か仲間を連れて外へ助けを呼びに出て行ってしまう。
- オリー・ウィークス
- 演 - トビー・ジョーンズ、日本語吹替 - 茶風林
- スーパーマーケットの副店長。特技は射撃。デヴィッドの話をよく理解してくれる。
- ジム・グロンディン
- 演 - ウィリアム・サドラー、日本語吹替 - 辻親八
- 機械工の作業員。外に何かがいるとデヴィッドに忠告されるも一切信じずにシャッターを開け、ノームが犠牲となってしまう。
- ダン・ミラー
- 演 - ジェフリー・デマン、日本語吹替 - 佐々木敏
- 序盤に霧の中にいる何かに襲われ、鼻血を出しながらスーパーに逃げてきた年配の男性。
- アイリーン・レプラー
- 演 - フランシス・スターンハーゲン、日本語吹替 - 羽鳥靖子
- 小学校で教師をしている白髪の老女。
- ビリー・ドレイトン
- 演 - ネイサン・ギャンブル、日本語吹替 - 佐藤利奈
- デヴィッドの息子。8歳。
- バド・ブラウン
- 演 - ロバート・トレヴァイラー、日本語吹替 - 小室正幸
- スーパーマーケットの店長。デヴィッドから怪物の話を聞いた時は嘲笑っていたが、切り落とした触手の先を見て事態を把握。
- マイロン
- 演 - デヴィッド・ジェンセン、日本語吹替 - ふくまつ進紗
- 機械工の作業員でジムの同僚。デヴィッドたちとシャッターを確認しに行った一人。。
- サリー
- 演 - アレクサ・ダヴァロス、日本語吹替 - うえだ星子
- スーパーの若い女店員。ジェサップとは恋仲。
- アンブローズ・コーネル
- 演 - バック・テイラー
- 髭が特徴的な老男。
- ウェイン・ジェサップ
- 演 - サム・ウィットワー
- 休暇中の軍人。階級は二等兵。サリーとは恋仲。
- ノーム
- 演 - クリス・オーウェン、日本語吹替 - 中野光貴
- スーパーの若い店員。デヴィッドの言葉を聞かずに、外の機械を調べにシャッターを開けてしまい、生物の触手に捕まり霧の中に引きずり込まれる。
- バイカー
- 演 - ブライアン・リビー
- バンダナを巻いた初老男性。ノートンが外へ出るタイミングでアンブローズの車に置いてある銃を取りに出て行く。
- MP
- 演 - アミン・ジョセフ、日本語吹替 - 魚建
- 軍の憲兵。
- 演 - ケリー・コリンズ・リンツ、日本語吹替 - 加納千秋
- デヴィッドの妻でビリーの母。家で留守番をしている。
- 家に子供を残してきた女性
- 演 - メリッサ・マクブライド
- 霧が出始めた直後に、二人の子供を家で待たせているためスーパーから自宅まで送ってくれる人を探すが誰も応じず、一人で店を出て行く。
- ハティ
- 演 - スーザン・ワトキンス、日本語吹替 - 新田万紀子
- レプラーの友人でビリーの世話をしてくれる短髪の初老女性。
製作[編集]
企画[編集]
監督のフランク・ダラボンはカービー・マッコーリー編のホラー小説アンソロジー『闇の展覧会』(1980年)に収録されているスティーヴン・キングの中編小説『霧』を初めて読んだ際[2]、これの映画化で監督デビューをしようと考えていた。結局ダラボンは同じくキングの中編『刑務所のリタ・ヘイワース』(1982年)を原作とした『ショーシャンクの空に』でデビューした[3]。
1994年10月、『ショーシャンクの空に』が完成した後、ダラボンは改めて『霧』の映画化に興味を示した[4]。だがその後企画が進まず、ダラボンは1999年にキング原作の『グリーンマイル』を映画化した[5]。
結局ダラボンは『ミスト』のためにパラマウント映画とファースト・ルック契約を交わし、キングから映画化権を委託された[3]。2004年12月までにダラボンは『ミスト』の脚本執筆作を開始したと述べ[6]、2006年10月までにプロジェクトはパラマウントからディメンション・フィルムズに移り、ダラボンは監督となり、またトーマス・ジェーンへ出演交渉がされた[3]。
脚本執筆[編集]
ダラボンは「とてもダイレクトで、マッスラーな映画を作りたかった」ために、『ショーシャンクの空に』、『グリーンマイル』のような「ストレートなドラマ」の後に『ミスト』を選んだ。ダラボンは映画化の際に新しい結末を考案した。原作者のキングはダラボンの新しい結末を賞賛し、「この結末は衝撃。恐ろしい。だがホラー映画を見に行く人々は必ずしもポリアンナ・エンディングを望んでいるわけではない」と述べた[7]。
原作小説ではデヴィッドはアマンダと性的関係を持つ展開があるが、ダラボンは不倫要素を映画に盛り込もうとは思わなかった。デヴィッドを演じたトーマス・ジェーンは、自分と息子、そしてアマンダで一種の家族が形成されていると説明した。またアマンダ役のローリー・ホールデンは、ハリケーン・カトリーナの際のルイジアナ・スーパードームの避難経験を引き合いに出した[8]。
キャスティングと撮影[編集]
2006年12月、ジェーンはスタジオとの出演交渉を完了させた[9]。2007年1月、アンドレ・ブラウアーとローリー・ホールデンがキャストに加わった[10]。
撮影は翌2月にルイジアナ州のステージワークスとシュリーブポートの映画製作施設で始まった[11]。同月末にマーシャ・ゲイ・ハーデンとトビー・ジョーンズがキャストに加わった[12]。
ダラボンの前作『ショーシャンクの空に』、『グリーンマイル』に出演したウィリアム・サドラー、ジェフリー・デマン、ブライアン・リビーが端役として出演した。またサイドラーは1986年のオーディオブック版でデヴィッド・ドレイトンを演じた。
オープニングは、主人公のデヴィッド・ドレイトンがスティーヴン・キングの長編小説シリーズ『ダーク・タワー』のポスターを描く場面であった。
特殊効果[編集]
ダラボンは映画に登場する生物のデザインに協力してもらう為、ジョルジュ・シェル[13] とバーニー・ライトソンを雇った[14]。
グレゴリー・ニコテロは生物のデザインとメイクアップ、エヴェレット・ブレルは視覚効果スーパーバイザーを務めた。ニコテロは1980年代にダラボンが映画化を構想していた際にデザイン案をスケッチしていた。映画化が決定した際、ニコテロ、ブレル、ダラボンはカフェSFのミーティングで生物のデザインについて話した[8]。視覚効果スタジオは、ダラボンがギレルモ・デル・トロに『パンズ・ラビリンス』の視覚効果を作成したスタジオを聞いて勧められたために選ばれた。登場する生物たちは小説にも書かれているものがあるが、ダラボンは新しいものも作り上げようとした。
映画史とジャンル史に熟達していたニコテロは、類似したデザインを避けるという過去の生物デザインを見返した[15]。デザインが完成したとき、ニコテロとブレルはキャストたちに人形とそれらの目と口の機能を見せて教えた。人形は撮影中のモーションキャプチャ・ドットとして使われた[8]。
公開[編集]
2007年10月18日にショウイースト映画祭でプレミア上映され、フランク・ダラボンには本作と『ショーシャンクの空に』、『グリーンマイル』の功績と合わせてコダック賞が贈られた[16]。
日本ではブロードメディア・スタジオの配給で公開された。日本語字幕は松浦美奈が担当した。
興行収入[編集]
アメリカ合衆国とカナダでは2007年11月21日に封切られた[1]。アメリカ合衆国とカナダでは累計2559万3755ドル、全世界では5728万9103ドルを売り上げている[1]。
批評家の反応[編集]
Rotten Tomatoesでは141件のレビューで支持率は73%となっている[17]。またMetacriticでの加重平均値は29件のレビュで58/100となっている[18]。
受賞[編集]
- 映画館大賞「映画館スタッフが選ぶ、2008年に最もスクリーンで輝いた映画」第48位
脚注[編集]
- ^ a b c d e “The Mist (2007)” (英語). Box Office Mojo. Amazon.com. 2010年6月19日閲覧。
- ^ Stax (2007年7月28日). “SDCC 07: Chatting in The Mist”. IGN 2007年11月19日閲覧。
- ^ a b c Michael Fleming (2006年10月18日). “'Mist' envelops Dimension”. Variety 2007年5月17日閲覧。
- ^ Patrick Z. McGavin (1994年10月4日). “LONG LIVE THE KING”. Chicago Tribune
- ^ “The Green Mile (1999)”. Internet Movie Database. 2007年5月17日閲覧。
- ^ “Frank Darabont on Adapting The Mist”. ComingSoon.net. (2004年5月15日) 2007年5月17日閲覧。
- ^ Breznican, Anthony (2007年6月20日). “Stephen King adapts to Hollywood”. USA Today 2007年11月19日閲覧。
- ^ a b c Rebecca Murray (2007年8月15日). “Behind the Scenes of The Mist Based on a Stephen King Story”. About.com 2007年11月19日閲覧。
- ^ “The Punisher Enters The Mist”. IGN. (2006年12月6日) 2007年5月17日閲覧。
- ^ Borys Kit (2007年1月26日). “Braugher, Holden float to 'Mist'”. The Hollywood Reporter. オリジナルの2007年2月17日時点によるアーカイブ。 2007年5月17日閲覧。
- ^ Alexandyr Kent (2007年1月19日). “'The Mist' creeping into Shreveport”. The Times
- ^ Michael Fleming (2007年2月21日). “Actors will emerge from King's 'Mist'”. Variety 2007年5月17日閲覧。
- ^ “Jordu Schell: Avatar Lead Characters Designer”. Avatar Movie Zone. オリジナルの2009年9月2日時点によるアーカイブ。 2010年4月20日閲覧。
- ^ Edward Douglas (2007年7月27日). “Comic-Con '07: Two Clips From The Mist!”. ShockTillYouDrop.com 2007年7月30日閲覧。
- ^ Edward Douglas (2007年11月16日). “An Exclusive Interview with Mr. Frank Darabont!”. ShockTillYouDrop.com 2007年11月20日閲覧。
- ^ Carl DiOrio (2007年10月16日). “ShowEast to close high on Darabont”. The Hollywood Reporter. オリジナルの2007年10月18日時点によるアーカイブ。 2007年11月20日閲覧。
- ^ “The Mist”. Rotten Tomatoes. 2010年1月26日閲覧。
- ^ “Mist, The (2007): Reviews”. Metacritic. 2010年1月26日閲覧。