バトルランナー (映画)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
バトルランナー
The Running Man
監督 ポール・マイケル・グレイザー
脚本 スティーヴン・E・デ・スーザ
原作 リチャード・バックマン
製作 ジョージ・リンダー
ティム・ジンネマン
製作総指揮 キース・バリッシュ
ロブ・コーエン
出演者 アーノルド・シュワルツェネッガー
音楽 ヴァッサル・ベンフォード
ハロルド・フォルターメイヤー
主題歌 「Running Away With You」
ジョン・パー
撮影 トーマス・デル・ルース
編集 マーク・ロイ・ワーナー
エドワード・ウォースチカ
ジョン・ライト
配給 アメリカ合衆国の旗 トライスター・ピクチャーズ
日本の旗 日本ヘラルド映画
公開 アメリカ合衆国の旗 1987年11月13日
日本の旗 1987年12月12日
上映時間 101分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $270,00,000[1]
興行収入 $381,22,105[1] アメリカ合衆国の旗カナダの旗
テンプレートを表示

バトルランナー』(原題:The Running Man)は、1987年公開のアメリカ映画リチャード・バックマンスティーヴン・キングの別名義)による同名小説の映画化だが、原作とは内容に差異がある。

あらすじ[編集]

2017年、独裁政権が支配し社会経済が混乱したアメリカでは、テレビだけが民衆に与えられた娯楽であった。

正義感に溢れる警官ベン・リチャーズは、食料を求めて暴動を起こした一般市民への発砲を拒否したため、無実の罪を着せられ強制労働所へ収容されていた。施設で知り合った反政府組織の仲間と結託して脱獄を果たしたベンは、かつて弟エドワードの住んでいたアパートの一室に侵入。そこへ現在の住人であるテレビ局員アンバー・メンデスが帰宅し、ベンにエドワードは既に連行されたと告げる。ベンは国外へ逃亡すべく、アンバーを連れて空港へ向かうが、アンバーが大声を出して助けを求めたため発見され、警備員に捕らえられた。人気司会者デーモン・キリアンが率いる「凶悪犯と正義の戦士との戦い」を放映するテレビ番組『ランニング・マン』のスタッフ達はベンに目をつけ、彼を新たなチャレンジャーとしてゲームに参加させる。

『ランニング・マン』は地下に広がる巨大なコースを舞台に、トラップとストーカー(死のハンター)を突破して、ランナーが三時間の制限時間内にゴールできるかを競うゲームだった。凶悪犯であるランナーはゲームオーバー=死亡だが、無事に脱出できれば無罪放免され、膨大な賞金を手に入れることができる。ベンはストーカー達に仲間を殺されながらもコースを走るが、ベンの濡れ衣の証拠を掴んでしまったせいでプレイヤーに仕立て上げられたアンバーと再会する。TVの中継器を使って真相を報道しようと走り続ける二人に、やがて視聴者は喝采をあげて応援するようになっていく。

やがてゲームをクリアしたはずのランナーたちも密かに殺されていたこと[注 1]を突き止めたベンたちは、レジスタンスと合流を果たす。キリアンは予想外の展開に業を煮やし、ベンたちが処刑される合成映像をTVに流して[注 2]視聴者達からの支持を取り戻そうとする。だが、そこにTV局を制圧したレジスタンスとベンが現れ、ベンが射殺命令を拒否する映像や『ランニング・マン』をクリアした(とされている)ランナーの死体の映像を流し、番組の真実が暴露される。追い詰められたキリアンは視聴者の求めるものを与えただけだと弁解するが、ベンは視聴者の求めるものを与えてやるといって彼をランナーをスタート地点に送り出すシューターに閉じ込め、壁に向けて発射する。激突したシューターは爆発四散し、観客は大歓声をあげ、ベンのもとにアンバーが現れて祝福し『ランニング・マン』はフィナーレを迎える。

そして最後に「みなさんがこんな目に遭わないためには、マスコミの顰蹙を買うような事をしないことです」という文章が表示され[注 3]、本作は幕を下ろす。

登場人物[編集]

ベン・リチャーズ
本作の主人公。戦闘では容赦のない一面が目立つが、正義感が強く、相手が悪人でも無抵抗の者ならば殺さないことをモットーとする。元は警官だったが「暴徒を射殺せよ」という上官の命令に逆らったため、逆に「上官の命令に逆らい無抵抗の市民を射殺した」という濡れ衣を着せられて投獄されていた。レジスタンスの協力で脱獄し、アンバーを連れて国外逃亡を図ろうとするところを捕らえられ『ランニング・マン』に強制参加させられる。
アンバー・メンデス
テレビ局の女性職員。当初はベンを凶悪犯だと思い込んでいたが、ベンが空港で逮捕されたニュースの中で嘘の情報[注 4]が流されたことから報道機関に対して疑問を抱き、暴徒殺戮の真相を探ろうとしたところを捕らえられる。荒んだ生活を送って来たベンの恋人という名目で無理矢理ゲームに参加させられてしまうが、ベンと共闘するうちに信頼関係を築く。彼女がレジスタンスに提出した編集前のテープがキリアンと『ランニング・マン』の実態を暴く切っ掛けとなる。
ウィリアム・ラウリン
レジスタンスのメンバー。強制労働所でベンと知り合い仲間になる。最後はベンをかばってバズソーが切り付けた傷が元で命を落とす。死ぬ間際にベンにレジスタンスのアジトの場所を伝える。
ハロルド・ヴァイス
レジスタンスのメンバーで、ハッカー。強制労働所でベンと知り合い仲間になる。放送乗っ取り用の暗号コードを取得しアンバーに伝えた後、ダイナモに感電死させられる。
デーモン・キリアン
『ランニング・マン』のプロデューサー兼司会者。表向きは人当たりが良く温厚な人物に見えるが、本性は自己中心的で自分の気に入らない者は抹殺すら厭わない冷血漢。番組の真実が明かされたことで最後は孤立し[注 5]、ベンによってランナー用のシューターに乗せられて壁に激突死させられる。
サブゼロ
最初に送り込まれたストーカー。過去に30人以上のランナーを処刑してきたと紹介され、登場時のパフォーマンスでは分厚い銅鑼を真っ二つに切り裂いた。アイスホッケー選手の格好をしており、専用のスティックで斬りかかる戦法を得意としている。スケートリンクのような場所でベン達と戦った。ラウリンをゴールに模した檻に閉じ込めて、勢いのままベンに襲いかかるが、逆にベンによって有刺鉄線で首を絞められ死亡する。
バズソー
ダイナモと同時に送り込まれた2番目のストーカー。鉄パイプすら簡単に切断するチェーンソーが武器。ラウリンをチェーンソーで切り付けた上にベンを切り殺そうとするが、逆にベンによって自分の方にチェーンソーを向けられ斬死する。
ダイナモ
バズソーと同時に送り込まれた3番目のストーカー。強力な電気を発射するスタンガンを武器にしており、電飾に覆われた防具を装備している。登場時にはオペラの歌声を披露しながら「ファンなら拍手を」と自身の名前が書かれたネオンを得意の電気で点灯させた。ヴァイスを感電死させるが、アクシデントで自分の乗ったバギーに閉じ込められた際に命乞いをして「無抵抗の者は殺さない」とベンに見逃される。物語終盤でアンバーを犯そうとするが、アンバーがスプリンクラーを破壊した際に大量の水を被って感電してしまう。
ファイアーボール
最後に送り込まれたストーカー。火炎放射器が武器。ランナーたちの死体を目撃したアンバーを焼き殺そうとするが、逆にベンによって火炎放射器のパイプを抜かれた上に発炎筒を投げつけられ爆死する。
キャプテン・フリーダム
引退したチャンピオンという肩書で、普段はエアロビのインストラクターをしている。ファイアーボールの戦死後にキリアンから最後の刺客として指名される。己の肉体での闘いに誇りを持っており、ランナー殺傷用の兵器を装着されたことに腹を立てて自ら出演を拒否する。その後は不明。

キャスト[編集]

役名 俳優 日本語吹き替え
フジテレビ版 テレビ朝日 DVD
ベン・リチャーズ アーノルド・シュワルツェネッガー 大塚明夫 玄田哲章
アンバー・メンデス マリア・コンチータ・アロンゾ 土井美加 幸田直子 沢海陽子
デーモン・キリアン リチャード・ドーソン 石田太郎 山内雅人 糸博
キャプテン・フリーダム ジェシー・ベンチュラ 秋元羊介 谷口節 高瀬右光
ファイアーボール ジム・ブラウン 大山高男 筈見純
サブゼロ プロフェッサー・トオル・タナカ 大友龍三郎
ダイナモ アーランド・ヴァン・リドス 飯塚昭三 郷里大輔
バズソー ガス・レスウィッシュ 島香裕 笹岡繁蔵
ウィリアム・ラウリン ヤフェット・コットー 池田勝 麦人 広瀬正志
ハロルド・ヴァイス マーヴィン・J・マッキンタイア 富山敬 江原正士 宮本充
フィル ロジャー・バンパス 千田光男 大塚芳忠 古田信幸
ブレンダ カレン・リー・ホプキンス 一柳みる 駒塚由衣
トニー カート・フラー 佐古雅誉
ミック ミック・フリートウッド 坂口芳貞 宮内幸平 城山堅
スヴェン スヴェン=オーレ・トールセン 徳丸完
役不明又はその他 沢木郁也
幹本雄之
牛山茂
塚田正昭
速水圭
色川京子
秋元千賀子
斉藤茂
竹口安芸子
松本梨香
島美弥子
前田敏子
峰恵研
西村知道
横尾まり
田中正彦
巴菁子
叶木翔子
鈴木勝美
高橋玲子
喜田あゆ美
水内清光
小形満
山野井仁
翔香
中田雅之
山田みほ
佐藤ゆうこ
加勢田進
翻訳 たかしまちせこ 平田勝茂 瀬谷玲子
演出 蕨南勝之 松川陸 春日一伸
調整 金谷和美 遠西勝三 金谷和美
効果 南部満治
大橋勝次
河合直
佐藤良介
プロデューサー 圓井一夫
制作 ザックプロモーション カルチュア・パブリッシャーズ
ビーライン
初回放送 1989年10月21日
ゴールデン洋画劇場
1990年12月30日
日曜洋画劇場

原作との違い[編集]

  • 原作では逃げる場所に制限は無いが、映画では番組を収録する地下スタジオ内のみとされている。
  • 原作における番組は「一般公募から選ばれた追われ役が、制限期間(30日間)を逃げ切れば10億ドルの賞金、逃げ延びている1時間ごとに100ドルの賞金を得られる」というもの。映画での追われ役は番組が選んだ“犯罪者”(表向きは)に限られ、制限時間は3時間。
  • 原作のベン・リチャーズは妻子を強盗たちに殺害されるが、映画のベン・リチャーズは弟を国家権力に連行される。
  • 大きな違いの一つはラストシーンであり、映画は娯楽作らしい明快な幕切れとなっている。

その他[編集]

  • この映画でもシュワルツェネッガーの代名詞"I'll be back."が登場する。DVD版での日本語訳は「また会おうぜ」となっている。
  • ダイナモ役のアーランド・ヴァン・リドスは、作品制作終了後の1987年9月23日に心不全で急死したため、本作が遺作となった。かつてオペラの舞台に立った経験があり、作中での登場シーンでは吹き替えなしでオペラを歌っている。
  • ランナー(参加者)を追う刺客達は、追い回す者を意味する「ストーカー」と呼ばれているが、日本では(性的な場合が多い)犯罪行為としての付け回す者のイメージが強い言葉なため、テレビ東京系列での放送時の吹き替えでは「死のハンター」へ、そしてDVD版の字幕及び日本語吹替えではただ単に「ハンター」へと呼称が変えられている。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ いずれのランナーも表向きは南国の島で優雅に暮らしていることになっていたが、実際には死体となって会場の地下に遺棄されていた。
  2. ^ キャプテン・フリーダムが降板したため、スタッフ達はスタントマンと合成技術を使ってベンとアンバーがフリーダムに敗れて命を落とす映像を作成した。
  3. ^ TVオンエアではカットされている。
  4. ^ 逮捕時にベンが無抵抗の警備員を射殺した、と報道されていたが、アンバーが居合わせた現場ではそのようなことはなかった。
  5. ^ 彼を護衛していたガードマンから見捨てられる描写がある。

出典[編集]

  1. ^ a b Running Man (1987)” (英語). Box Office Mojo. Amazon.com. 2011年2月24日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]