マニキュア液

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手の爪に塗られるマニキュア液

マニキュア液(マニキュアえき、nail polish, nail varnish, nail enamel)は、手足のを装飾したり保護したりするために使われるラッカーである。装飾の効果を上げたり、ひび割れや剥離を抑えたりするために、マニキュア液の調合法は再三にわたり変更されてきた。マニキュア液は、有機ポリマーとそれ以外の成分との混合から成っており、銘柄によって異なっている[1]

歴史[編集]

マニキュア液は中国に起源があり、その歴史は紀元前3000年に遡る[1][2]。紀元前600年頃、王朝の時代において、王室では爪を金色と銀色に塗ることが好まれていた[1]。やがて、それらの金属的な色に代わり、赤色と黒色が王室のお気に入りとなった[1]王朝の時代において、マニキュア液は蜜蝋卵白ゼラチン、植物性染料、アラビアガムを混ぜて作られていた[1][2]

エジプトでは、下層階級の者たちは爪を淡い色に塗り、上層階級の者たちは赤茶色に塗っていた[3][4]

着色されたマニキュア液は1920年代に登場した。初期のマニキュア液は、ラベンダー油、コチニール色素、酸化スズ、ベルガモット油といった基本的な成分で作られていた[5]。着色された粉末とクリームを使って、光沢が出るまで爪を磨くことが、より一般的であった。その頃に販売されていた商品の一つに、Graf's Hygloがある[5]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e Toedt, John; Koza, Darrell; Cleef-Toedt, Kathleen van (2005). Chemical Composition Of Everyday Products. Greenwood Publishing Group. p. 49. ISBN 978-0-313-32579-3 
  2. ^ a b Sherrow, Victoria (2001). For appearance' sake: The historical encyclopedia of good looks, beauty, and grooming. Phoenix: Oryx Press. p. 119. ISBN 978-1-57356-204-1 
  3. ^ Draelos, Zoe Diana (2011). Cosmetic Dermatology: Products and Procedures. John Wiley & Sons. p. 46. ISBN 978-1-4443-5951-0 
  4. ^ Alpert, Arlene; Altenburg, Margrit & Bailey, Diane (2002). Milady's Standard Cosmetology. Cengage Learning. p. 8. ISBN 978-1-56253-879-8 
  5. ^ a b “On How to Be Lovely” (英語). Edwardian Promenade. (2010年4月15日). http://www.edwardianpromenade.com/beauty/on-how-to-be-lovely-2/ 2018年5月6日閲覧。 

関連文献[編集]

  • Panati, Charles (1987). Extraordinary Origins of Everyday Things. Harper & Row 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]