マイクル・コナリー

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マイクル・コナリー
(Michael Connelly)
MConnelly.jpg
バウチャーコンにて(2010年)
誕生 (1956-07-21) 1956年7月21日(61歳)
アメリカ合衆国の旗 ペンシルベニア州フィラデルフィア
職業 作家
言語 英語
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
最終学歴 フロリダ大学
活動期間 1992年 -
代表作 ハリー・ボッシュ・シリーズ
主な受賞歴

エドガー賞 処女長編賞
1993年 ナイト・ホークス

シェイマス賞長編賞
2006年 リンカーン弁護士
デビュー作 『ナイトホークス』
配偶者 Linda McCaleb
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マイクル・コナリーMichael Connelly1956年7月21日-)は、フィラデルフィア出身のアメリカの探偵・犯罪小説家・テレビ脚本家である。日本ではハードボイルド派小説家に分類されることが多い。

クリントン元米大統領などの支持もあり、米国以外の国でも人気を得ているが、よって版権料も高くなり、日本では彼の作品の翻訳権を巡っていくつかの出版社からの発刊にまたがる結果となっている。

略歴[編集]

1980年、フロリダ大学でジャーナリズムを専攻として卒業するが、その専攻のきっかけは、在学中にレイモンド・チャンドラーの小説に出会い、作家となる決意をしたためという。卒業後は、フロリダで新聞記者となり、複数の新聞において、主として警察及び犯罪事件を担当する。当時、南フロリダ地区は、いわゆる「コカイン戦争」の真っ只中であり、コナリーはその犯罪と警察について記事を書き続けた。

1985~6年、コナリーは他の記者2名とともに、デルタ航空191便墜落事故からの生還者達にインタビューを行い、このレポートは雑誌に発表され、また、ピューリツァー賞候補にも推された。この報道により、コナリーはジャーナリストとしての地位を高め、ロサンゼルス・タイムス社の犯罪担当記者となり、大学生時代に憧れたチャンドラーが描いた街に赴くこととなった。

ロサンゼルスで3年間の犯罪記者経験の後、ロサンゼルス市警察(LAPD)の刑事ヒエロニムス(ハリー)・ボッシュを主人公とした小説を書き始める。1992年、シリーズ第1作となる“The Black Echo”(邦題『ナイトホークス』)を発表。実際にロサンゼルスで起きた事件を一部に題材として描いた本作は、初版わずか15,000部、しかも全米で一切新聞広告の露出がなかったにもかかわらず、各書評で非常に高い評価を得て、更には同年度、アメリカ探偵作家クラブエドガー賞 処女長編賞を獲得した。

コナリーの小説は、現在までに35か国で翻訳されている。2003-2004年には、アメリカ探偵作家クラブ(MWA)の会長を務めた。現在は、夫人、愛娘と共に、フロリダ在住。FOXで放送されているキャッスル 〜ミステリー作家は事件がお好きにて、主人公の大先輩としてデニス・ルヘインとともにカメオ出演している。

「ハリー・ボッシュ・シリーズ」に基づいてテレビドラマ化された「BOSCH/ボッシュ」ではプロデューサーを務め、複数のエピソードの脚本を書いている。

作品リスト[編集]

マイクル・コナリーの作品を読むにあたっては、ハリー・ボッシュ・シリーズに属する作品であるかどうかを問わず、その作品群をできる限り発表順に読破したほうが良い、という意見がある。その理由としては、

  1. 主たる作品群であるハリー・ボッシュ・シリーズにおいて、ハリー・ボッシュが、自身の不幸な生い立ちやベトナム従軍体験、警察組織内での孤立などを克服しつつ難事件を解決することによって、アイデンティティの確立を果たしていく、というテーマがシリーズ全体を貫いていること
  2. 作品群全般を貫く深い人物造詣や心理描写と複雑かつスリリングなプロット展開が、過去作品から段階的・派生的に絡み合っていること
  3. ハリー・ボッシュ・シリーズの主人公以外の登場人物(テリー・マッケイレブなど)が、ハリー・ボッシュ・シリーズ以外の作品群の主人公となる、いわゆる「スピン・オフ」する例が度々あるため、それらも含めて発表順に作品を読まない場合、探偵小説としての興を著しくそがれる場合があること …があげられる。
  • 例えば、ハリー・ボッシュ・シリーズ第10作『天使と罪の街』(原題:The Narrows )の場合、その作品の内容には、シリーズの先行作品はもちろんのこと、前篇にあたる『ザ・ポエット』(原題:The Poet )、およびテリー・マッケイレブの登場する『わが心臓の痛み』(原題:Blood Work)と『夜より暗き闇』(原題:A Darkness More Than Night)の内容も深く関係している。
  • ボッシュ・シリーズ第6作『堕天使は地獄へ飛ぶ』(原題:Angels Flight、後『エンジェルズ・フライト』に改題)には、マッケイレブ・シリーズ『わが心臓の痛み』に関する若干のエピソードが盛り込まれており、ボッシュとマッケイレブが同時に活躍する『夜より暗き闇』への興味深い布石ともなっている。
  • また、2002年発表の『チェイシング・リリー』(原題:Chasing The Dime )は、シリーズ物ではない単発作品であるが、ハリー・ボッシュ・シリーズ第1作『ナイトホークス』(原題:The Black Echo )での重大事件と密接につながっている。

発表順小説リスト[編集]

# 邦題 原題 出版年
アメリカ合衆国の旗
出版年
日本の旗
訳者 出版社
日本の旗
備考
1 ナイトホークス The Black Echo 1992年 1992年 古沢 嘉通 扶桑社ミステリー HB
2 ブラック・アイス The Black Ice 1993年 1994年 古沢 嘉通 扶桑社ミステリー HB
3 ブラック・ハート The Concrete Blonde 1994年 1995年 古沢 嘉通 扶桑社ミステリー HB
4 ラスト・コヨーテ The Last Coyote 1995年 1996年 古沢 嘉通 扶桑社ミステリー HB
5 ザ・ポエット The Poet 1996年 1997年 古沢 嘉通 扶桑社ミステリー RW,JM
6 トランク・ミュージック Trunk Music 1997年 1998年 古沢 嘉通 扶桑社ミステリー HB
7 わが心臓の痛み Blood Work 1998年 2002年 古沢 嘉通 扶桑社ミステリー HB,TM
8 堕天使は地獄へ飛ぶ/エンジェルズ・フライト Angels Flight 1999年 2001年/2006年 古沢 嘉通 扶桑社/扶桑社ミステリー HB
9 バッドラック・ムーン Void Moon 2000年 2001年 木村 二郎 講談社文庫 HB,CB
10 夜より暗き闇 A Darkness More Than Night 2001年 2003年 古沢 嘉通 講談社文庫 HB,JM,TM
11 シティ・オブ・ボーンズ City Of Bones 2002年 2005年 古沢 嘉通 ハヤカワ・ミステリ文庫 HB
12 チェイシング・リリー Chasing The Dime 2002年 2007年 古沢 嘉通, 三角 和代 ハヤカワ・ミステリ文庫 HB
13 暗く聖なる夜 Lost Light 2003年 2005年 古沢 嘉通 講談社文庫 HB
14 天使と罪の街 The Narrows 2004年 2006年 古沢 嘉通 講談社文庫 HB,RW,TM,CB(わずか別名で)
15 終決者たち The Closers 2005年 2007年 古沢 嘉通 講談社文庫 HB
16 リンカーン弁護士 The Lincoln Lawyer 2005年 2009年 古沢 嘉通 講談社文庫 MH
17 エコー・パーク Echo Park 2006年 2010年 古沢 嘉通 講談社文庫 HB,RW
18 死角 オーバールック The Overlook 2007年 2010年 古沢 嘉通 講談社文庫 HB,RW
19 真鍮の評決 リンカーン弁護士 The Brass Verdict 2008年 2012年 古沢 嘉通 講談社文庫 HB,MH,JM
20 スケアクロウ The Scarecrow 2009年 2013年 古沢 嘉通 講談社文庫 RW,JM
21 ナイン・ドラゴンズ Nine Dragons 2009年 2014年 古沢 嘉通 講談社文庫 HB,MH(わずか)
22 判決破棄 リンカーン弁護士 The Reversal 2010年 2014年 古沢 嘉通 講談社文庫 HB,MH,RW(わずか)
23 証言拒否 リンカーン弁護士 The Fifth Witness 2011年 2016年 古沢 嘉通 講談社文庫 HB(1ページのみ),MH
24 転落の街 The Drop 2011年 2016年 古沢 嘉通 講談社文庫 HB
25 ブラックボックス The Black Box 2012年 2017年 古沢 嘉通 講談社文庫 HB,RW(わずか)
26 罪責の神々 リンカーン弁護士 The Gods of Guilt 2013年 2017年 古沢 嘉通 講談社文庫 MH
27   The Burning Room 2014年  年     HB,RW,LS
28   The Crossing 2015年  年     MH,LS
29   The Wrong Side of Goodbye 2016年  年     HB,MH
30   The Late Show 2017年  年     RB
31   Two Kinds of Truth 2017年  年     HB

HB: ハリー・ボッシュシリーズ、MH: ミッキー・ハラーシリーズ、RW: レイチェル・ウォリング登場、JM: ジャック・マカヴォイ登場、TM:テリー・マッケイレブ登場、CB: キャシー・ブラック登場、LS: ルシア・ソート登場、RB: リーニー・バラード登場 ([1]公式サイトのリストによる)

刑事 "ハリー・ボッシュ" シリーズ[編集]

FBI捜査官 "テリー・マッケイレブ" シリーズ[編集]

刑事弁護士 "ミッキー・ハラー" シリーズ[編集]

  • The Lincoln Lawyer (2005) - 新シリーズ・弁護士ミッキー・ハラー (Mickey Haller) もの
  • The Brass Verdict (2008) - ミッキー・ハラーが主人公だが、ハリー・ボッシュも重要な役どころを務める
  • The Reversal (2010) - ハリー・ボッシュも登場
  • The Fifth Witness (2011) - ハリー・ボッシュも登場
  • The Gods of Guilt (2013) - ハリー・ボッシュも登場
  • The Crossing (2015) - ハリー・ボッシュが主人公
  • The Wrong Side of Goodbye (2016) - ハリー・ボッシュが主人公

その他[編集]

ノン・フィクション[編集]

  • Crime Beat (2006)

受賞歴[編集]

なお、『暗く聖なる夜』(原題:Lost Light )では、デビュー(新人賞受賞)後10年の節目にあって、2004年度エドガー賞 長編賞の受賞を本命視されていたが、作者自身が主催のMWAの会長職の立場にあったことを理由にノミネートを辞退している。ちなみに本賞受賞に関しては、上記2004年度(受賞:イアン・ランキン 『甦る男』、他の対立候補に桐野夏生 『OUT』)の他、1999年『わが心臓の痛み』(受賞:ロバート・クラーク『記憶なき殺人』)、2003年『シティ・オブ・ボーンズ』(受賞:S・J・ローザン 『冬そして夜』)、2006年『リンカーン弁護士』(受賞:ジェス・ウォルター『市民ヴィンス』)が受賞候補としてノミネートされた(「エドガー賞 長編賞」参照)。

映画化[編集]

ドラマ化[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]