nasne

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nasne(ナスネ)は、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)より2012年8月30日に発売された、ハードディスク・レコーダー機能搭載ネットワークストレージ(NAS)。SCEでは「ネットワークレコーダー&メディアストレージ」と称している。

概要[編集]

地上BS110度CSの3波に対応したデジタルチューナー(データ放送・ラジオ放送は非対応)と500GBまたは1TBのハードディスクを内蔵し、ネットワークを介する形でPlayStation 3(PS3)、PlayStation Vita(PS Vita)、またはVAIOを使ってテレビの視聴や録画・再生を可能とする。それに加えてDLNADTCP-IP対応のメディアサーバとしても機能するため、録画した番組コンテンツについてはPS VitaやSony Tablet SP/Xperia Tablet SXperiaでも視聴が可能なほか、システムソフトウェアのアップデートでDLNA対応機種ではnasneに保存した画像や音楽、動画の再生が可能となる。

DLNAとDTCP-IPに完全対応していてDLNAの認証も通っているので、再生はソニー製品限定対応ではない。然しながらnasneからのEPGデータ受け取り等の事はあるのでAPIを独自に持っている部分は存在する[1]。また、DTCP-IPムーブによる録画番組の書き出しについては、他社で採用例の多い「アップロード型」(ダビング元の機器からダビング先を指定し、録画番組を送り出す)ではなく「ダウンロード型」(ダビング先の機器からダビング元の録画番組を操作する)を採用したため、発売直後は同方式に対応した他社製品がなかったものの、後に対応製品が発売されている[2]

テレビで見る場合にはPS3を介する必要があるが、この際のアプリには既に発売されている地上デジタルレコーダーキット「torne」のPS3用TV視聴・録画アプリケーション(バージョン4.0以降)[3]をそのまま使用する。このため、torneの地デジ視聴・録画機能とnasneの機能を一括して操作・管理することが可能となる。また、PS3には最大4台までのnasneを登録可能で、torneの地デジ環境を合わせると最大5番組同時録画が可能となる。

また、VAIO用にも専用の視聴・録画アプリケーション「VAIO TV with nasne」が提供され、ネットワーク経由でテレビの視聴や録画予約が可能なほか、nasneに録画した番組コンテンツをBDやDVDにダビングする、またはVAIOのHDDやSSDに書き出すことができ、nasneを最大8台登録することで8チャンネル同時録画も可能となっている。

PS Vitaでは当初はPS3のリモートプレイを介する形での視聴か、「uke-torne」によるPS3を介してのデータ書き込みのみだったが、2012年12月20日配信開始の「torne PlayStation Vita」を使うことで、PS3のtorne同様のユーザーインターフェースによるテレビ・ビデオ視聴やWi-Fiによる録画番組の書き出しが可能となる。

このほか、「Gガイド.テレビ王国CHAN-TORU」とも連動し、外出先でもPS Vita、パソコン、タブレット端末、スマートフォンなどから録画のリモート予約が可能となっている。

なお、日本では2014年2月22日に発売のPlayStation 4(PS4)へも対応する予定[4]

主な機能[編集]

ネットワークレコーダー機能
  • DLNADTCP-IP対応によるネットワークを介したテレビのライブ視聴、録画した番組コンテンツのストリーミング配信(最大2本同時配信可能)
  • テレビ番組の録画(DRモード/3倍録画モード)、リモート録画機器の登録、インターネット経由での録画予約
  • 再生時のトリックプレイ、シーンサーチ、レジューム
  • 専用アプリケーションを使ってのPS3、PS Vita、Sony Tablet/Xperia Tablet、Xperiaでのネットワーク経由での視聴・再生
  • 録画コンテンツの2機器同時再生
  • PlayStation Portable(PSP)、PS Vita、Xperia Tablet、Xperia(「ムービー」アプリ搭載機種)、ウォークマン(2012年12月中旬予定のアップデート対象機種[5])への録画コンテンツの書き出し
  • VAIOのHDD/SSDへの書き出し、BD/DVDへのダビング(ダビング10、DTCP-IP Move対応)
メディアサーバー機能
  • ライブチューナー(テレビ放送)と録画コンテンツのDMS配信
  • 画像・音楽・ビデオファイルのDMS配信
ファイルサーバー機能
  • 共有ディレクトリの設定
  • ワークグループの設定
  • PS Vitaのコンテンツバックアップ機能(システムソフトウェア1.71で対応)
  • AnytimeAccess(リモートアクセス機能、システムソフトウェア2.0で対応)
  • nasneシェア(インターネット経由による複数台フォルダ同期機能、システムソフトウェア2.0で対応)

主な仕様[編集]

  • 外形:約43x189x136mm
  • 質量:約460g
  • 対応放送:地上デジタル(ISDB-T)、衛星デジタル(ISDB-S)
  • 受信チャンネル:VHF 1〜12ch、UHF 13〜62ch、CATV C13〜C63ch、BS/110度CSデジタル 1032〜2071MHz
  • 内蔵HDD:SATA 2.5インチ、500GB(CECH-ZNR1J)/1TB(CECH-ZNR2J)
  • アンテナ端子:入出力共にF型コネクタ、地上デジタル/BS/110度CS混合
  • ネットワーク端子:RJ-45、100BASE-TX/1000BASE-T
  • USB端子:USB2.0準拠、Type A、外付けHDD接続用(FAT32フォーマット、最大2TB)
  • B-CASカードスロット(赤色B-CASカード付属)
  • 電源:AC100V、DC12V/1.5A
  • 消費電力:録画中/2ストリーム配信時 9.5W、省電力モードスタンバイ時 1.5W

型番[編集]

  • 500GBモデル - CECH-ZNR1J
  • 1TBモデル - CECH-ZNR2J

両者の違いは希望小売価格、内蔵HDDの容量のほか、同梱物のPS3版『torne』について、BD-ROM(500GBモデル)・プロダクトコード(1TBモデル)の何れであるかの3点である[6](録画操作については、PS Vita/PS Vita TV等PS3以外から行うには機種別に別途有償提供されているtorneが必要)。

システムソフトウェア[編集]

本節ではシステムソフトウェアのバージョンについて記す。PS3用TV視聴・録画アプリケーションについてはtorneのものと同一であるため、torneの記事を参照。

バージョン1.00

  • 2012年7月19日
    • 初期リリース

バージョン1.50

  • 2012年8月30日
    • 発売日当日にアップデーターが配信される。
      • DLNAによるメディアストレージとしての画像・音楽・動画のDMS配信機能を追加
      • DLNA対応機器上のnasneアイコンのカスタマイズ機能を追加
        • アクセスされた機器に応じて表示されるアイコンを変更できる。アイコンは25種類用意されており、このうち13種類は「リアル茄子出現システム」としてアクセスする機器の組み合わせやリモートユーザーの登録数など条件を満たすことで使用できるようになる。
      • システムソフトウェアアップデート情報の自動通知に対応
        • DLNA機器上に表示されるnasneのサーバアイコン上にアップデート情報の通知がおこなれる。
      • DLNAクライアント機器管理機能の追加
      • 「nasne HOME」のスマートフォン表示に対応
      • 「Gガイド.テレビ王国CHAN-TORU」でのリモートユーザー登録を簡素化
      • データベースの手動更新に対応
      • 「nasne HOME」内からのアンテナレベル確認に対応

バージョン1.51

  • 2012年9月13日
    • 受信待機機能を追加
      • WOWOWスカパー!e2などの有料放送契約時に、申し込んだチャンネルを選局し、電波を一定時間受信して視聴できる状態にする。
    • 動作の安定性を改善

バージョン1.52

  • 2012年12月13日
    • 外付けハードディスクに一定容量以上のファイルを保存できない場合がある不具合を改善
    • 動作の安定性を改善

バージョン1.71

  • 2013年4月17日
    • Wi-Fiを介してPS Vitaと接続し、nasneとPS Vitaの間でのデータ転送やPS Vitaのバックアップをとることが可能になった(PS Vitaのシステムソフトウェアをバージョン2.10にする必要がある)
    • DLNA対応機器との互換性の向上
    • システムソフトウェアの安定性向上

バージョン2.00

  • 2013年10月10日
    • Anytime Access
      • 専用のアプリケーション「naspocket」(PS Vita用)「nasne ACCESS」(Android用)を使用して、PS VitaやAndroidスマートフォンからWi-Fiまたはモバイルネットワークを介してnasneに保存した画像・音楽・映像データにリモートアクセスできる(テレビ録画データ、PS Vitaのバックアップファイルは再生不可)
    • nasneシェア
      • インターネットを経由して、異なる場所に設置された2台のnasneをリアルタイム同期させ、特定のフォルダのデータを共有できる
    • Reader for PlayStation Vitaで購入した電子書籍データをnasneで保存できるようになった(Reader for PlayStation Vitaをバージョン1.40にする必要がある)
    • システムソフトウェアの動作の安定性を改善

バージョン2.10

  • 2013年12月12日
    • 録画番組へのチャプター自動生成機能の追加
      • 音や映像の切り替わりを検知してチャプターを自動生成する。torneバージョン4.5以上及びtorne PlayStation Vita/Vita TVバージョン1.1以上で再生可能
    • DLNA対応機器との互換性の向上
    • システムソフトウェアの安定性向上

バージョン2.11

  • 2014年1月30日
    • システムソフトウェアの動作の安定性を改善

沿革[編集]

2012年
4月17日:SCEがnasneを発表[7]。偶然にも「なすび記念日」と一致[8]
7月13日:500GBモデル(CECH-ZNR1J)の発売日に合わせてシステムソフトウェア1.50の配信を行うと発表[9]
7月18日:一部の製品に内蔵HDDが輸送による部分的破損が発生したとして、本来予定していた7月19日の発売を延期すると発表。全台数を再検査した後、改めて発売日を発表するとした[10]
8月7日:延期されていた発売日を8月30日にすると発表。同時にシステムソフトウェア1.50とtorneのソフトウェアバージョン4.1、VAIO TV with nasne、RECOPLAのアップデーターの配信もこの日に行う[11]
8月30日:500GBモデル発売開始。
12月20日:torne PlayStation Vitaの配信を開始。
2013年
9月9日:1TBモデル(CECH-ZNR2J)の追加発売とシステムソフトウェア2.0配布を発表[12]
10月1日:グッドデザイン賞受賞。
10月10日:1TBモデル発売開始及びシステムソフトウェア2.00、AnytimeAccess用アプリケーション「naspocket」「nasne ACCESS」の配信開始。

脚注[編集]

  1. ^ “【西田宗千佳のRandomTracking】「nasne」が切り開くレコーダの未来”. AV Watch (Impress Watch). (2012年5月18日). http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/rt/20120518_533628.html 2012年5月18日閲覧。 
  2. ^ “【レビュー】nasneの録画番組をBD/DVD化。「DiXiM BD Burner 2013」”. AV Watch (Impress Watch). (2012年11月6日). http://av.watch.impress.co.jp/docs/review/review/20121106_570473.html 2012年12月3日閲覧。 
  3. ^ nasneにBD-ROMが同梱されるほか、既存のtorneのユーザーに対してもオンラインアップデートが2012年6月19日より提供されている。
  4. ^ PS4®はnasne(ナスネ)™に対応していますか? SME 2013年10月4日閲覧。
  5. ^ “ウォークマン”「NW-Z1050/NW-Z1060/NW-Z1070」のAndroid™ 4.0を含む本体システムソフトウェアアップデートプログラムおよび「NW-F805/NW-F806/NW-F807」「NW-F805K/NW-F806K」「NW-F805BT」の本体システムソフトウェアアップデートプログラム開始予定のお知らせ
  6. ^ nasne公式Webページのギャラリー/スペックを参照。
  7. ^ “ネットワークレコーダー&メディアストレージ 『nasne(ナスネ)™』 2012年7月19日(木)に16,980円(税込)にて発売” (プレスリリース), ソニー・コンピュータエンタテインメント, (2012年4月17日), http://www.scei.co.jp/corporate/release/120417a.html 2012年12月3日閲覧。 
  8. ^ 西田宗千佳 (2012年5月18日). “記事に書かなかった話その1:ナスの日にnasneが発表されたのは偶然。関係者もTweetで知って驚愕。”. 2012年5月18日閲覧。
  9. ^ “「nasne」が発売当日にDLNAサーバー対応アップデート”. AV Watch (Impress Watch). (2012年7月13日). http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20120713_546708.html 2012年7月18日閲覧。 
  10. ^ “SCE、「nasne」の発売を延期。輸送時のHDD破損が原因”. AV Watch (Impress Watch). (2012年7月18日). http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20120718_547381.html 2012年7月18日閲覧。 
  11. ^ “ネットワークレコーダー&メディアストレージ 『nasne(ナスネ)™』 2012年8月30日(木)発売決定” (プレスリリース), ソニー・コンピュータエンタテインメント, (2012年8月7日), http://www.scei.co.jp/corporate/release/120807.html 2012年8月7日閲覧。 
  12. ^ “ネットワークレコーダー&メディアストレージ『nasne(ナスネ) ™』10月10日(木)より大容量1TBのHDDを搭載した新モデルを発売同日にシステムソフトウェアバージョン2.00を提供し機能を追加 〜家庭内ネットワークの枠を超え、よりフレキシブルなコンテンツの楽しみ方を実現〜” (プレスリリース), ソニー・コンピュータエンタテインメント, (2013年9月9日), http://www.scei.co.jp/corporate/release/pdf/130909i.pdf 2013年9月9日閲覧。 

関連項目[編集]

関連ハードウェア[編集]

  • torne - 本製品を含む、デジタルレコーダキットの制御に用いられるPlayStationシリーズ専用アプリケーション。地上デジタルレコーダキットの名称としても知られる。
  • PlayStation 3 - 同社の据え置き型ゲーム機
  • PlayStation 4 - 同社の据え置き型ゲーム機
  • PlayStation Vita - 同社の携帯型ゲーム機

関連製品[編集]

その他[編集]

外部リンク[編集]