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ジョー・ルダック

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジョー・ルダック
ジョー・ルダックの画像
1975年
プロフィール
リングネーム ジョー・ルダック
ブッチャー・ルダック
カナディアン・ランバージャック
ザ・ヘッドバンガー
本名 ミシェル・ピジョン
ニックネーム カナダの荒熊
身長 188cm
体重 130kg - 140kg
誕生日 1944年8月31日
死亡日 (1999-05-01) 1999年5月1日(54歳没)
出身地 カナダの旗 カナダ
ケベック州の旗 ケベック州
モントリオール
トレーナー スチュ・ハート
デビュー 1968年
引退 1995年
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ジョー・ルダックJos LeDuc、本名:Michel Pigeon1944年8月31日 - 1999年5月1日)は、カナダプロレスラーケベック州モントリオール出身のフランス系カナダ人ケベック人)。

ネルシャツジーンズをコスチュームに、カナダのランバージャックギミックとしたパワーファイターとして、カナダ各地をはじめアメリカ合衆国の主要テリトリーで活躍した[1][2]

より原音に近いリングネームの読みは「ジョー・ルデューク」だが、本項では日本で定着している表記を使用する。

来歴

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ケベックの警察官を経て、同郷のポール・ルダックの勧めでプロレスラーに転向[1]1968年のデビュー後はポールの弟のジョー・ルダックJos LeDuc / Joe LeDuc)を名乗り、ルダック・ブラザーズとして地元のモントリオールカルガリーなどカナダの激戦区を転戦する[1]。シングルでもモントリオールIWAのインターナショナル・ヘビー級王座を獲得し[3]マッドドッグ・バションキラー・コワルスキーなどのビッグネームとも対戦した。1971年3月には日本プロレスの第13回ワールド・リーグ戦に初来日[4]。翌1972年3月の第14回大会にも、リングネームをカナディアン・ランバージャックThe Canadian Lumberjack)に変えて連続出場している[5]

1973年より、ポールとのルダック・ブラザーズでアメリカ南部NWAフロリダ地区(エディ・グラハム主宰のチャンピオンシップ・レスリング・フロム・フロリダ)に参戦[6]ベビーフェイスの兄弟チームとして活動し、当時まだヒールだったダスティ・ローデスディック・スレーターのコンビからフロリダ・タッグ王座を奪取した[7]1974年には、同じくギミック上の兄弟であるマッドドッグ&スタン・バションのバション・ブラザーズとの「兄弟タッグ抗争」も展開された[8]

ルダック・ブラザーズ解散後はバーン・ガニア主宰のAWAに登場。ラリー・ヘニングと組んで1975年バリアント・ブラザーズと抗争し、1976年にはブラックジャック・ランザ&ボビー・ダンカンAWA世界タッグ王座に再三挑戦、ニック・ボックウィンクルAWA世界ヘビー級王座にも挑んだ[9]1978年テネシー州メンフィスCWAジェリー・ローラーモンゴリアン・ストンパーと抗争[10]。この時期よりヒールでの活動が増え、古巣のフロリダでも当初はベビーフェイス陣営でオックス・ベーカーパク・ソンと抗争していたが、1979年ヒールターンを行い、同地区のヒーローとなっていたローデスと遺恨試合を展開した[11]。フロリダでは1977年から1979年にかけて、タンパマイアミビーチにてハーリー・レイスNWA世界ヘビー級王座に度々挑戦している[12]

1979年9月、国際プロレスへの参戦で7年半ぶりの来日が実現。10月3日に黒石にてラッシャー木村IWA世界ヘビー級王座に挑戦し[13]、当時木村と抗争していた上田馬之助とも共闘した[14]。この来日時には、10月5日に国際プロレスに特別参戦(上田と組んでマイティ井上&アニマル浜口IWA世界タッグ王座に挑戦)した大木金太郎の代役として、同日に行われた横浜での全日本プロレスのシリーズ開幕戦に出場してグレート小鹿と対戦している[15]。翌1980年4月の再来日では、4月30日に弘前にて木村のIWA世界ヘビー級王座に再挑戦[13]。5月15日には大宮で大木のインターナショナル・ヘビー級王座にも挑戦したが[16]、同時参加していたマイク・ジョージの活躍に食われ、目立った戦績を残すことはできなかった[17]

1981年ニュージーランドに遠征して、マーク・ルーインと英連邦ヘビー級王座を巡る抗争を展開[18]。アメリカに戻るとアラバマ地区でキラー・カール・コックスボブ・アームストロングロン・フラーテリー・ゴディジャック・ルージョー・ジュニアらとサウスイースタン・ヘビー級王座を争った[19]1982年からはジム・クロケット・ジュニアの運営するノースカロライナNWAミッドアトランティック地区に進出、9月19日にジミー・バリアントを破ってTV王座を獲得している[20]。不正があったとしてタイトルを一時剥奪されるも、翌1983年4月30日、スレーターを十八番のランバージャック・デスマッチで葬り、王座に返り咲いた[20]

以降もフロリダ、アラバマ、テネシー、ジョージアジム・バーネット主宰のジョージア・チャンピオンシップ・レスリング)など南部エリアを転戦。古巣のフロリダでは1983年7月23日にスコット・マギー、9月18日にバリー・ウインダムを破り、1978年以来となるフロリダ・ヘビー級王座への戴冠を果たす[21]。テネシーでは当初はベビーフェイスとして、ローラーと組んで1984年3月12日にイライジャ・アキーム&カリーム・モハメッドからAWA南部タッグ王座を奪取したが、1週間後にローラーを裏切ってタイトルは空位となり[22]、以降はジミー・ハートマネージャーに迎えてローラーとの抗争を再開した[23]。同年4月には全日本プロレスに来日[24]。帰米後の5月にはテキサスサンアントニオ地区にて、全日本に同時参戦していたブルーザー・ブロディとの連戦が行われた[25]

地元のモントリオール(ジノ・ブリットらが主宰していたインターナショナル・レスリング)ではベビーフェイスに戻り、1984年下期から1985年上期にかけて、アブドーラ・ザ・ブッチャーセーラー・ホワイトマスクド・スーパースターキング・トンガレオ・バークらと抗争[25]ディノ・ブラボーリック・マーテルのパートナーとなってロード・ウォリアーズとも対戦した[25]。1985年下期からは再びヒールとなり、インターナショナル・レスリングとWWFの合同興行ではトニー・アトラスS・D・ジョーンズと対戦[26]。11月15日にはティト・サンタナが保持していたインターコンチンネンタル・ヘビー級王座に挑戦している[27]1986年ダラスWCCWに参戦してリック・ルードディンゴ・ウォリアーと共闘した[28]

WWFには1988年4月から7月にかけても、フレンチ・マーチンをマネージャーに迎えて短期間参戦しており[29]ハルク・ホーガンの主演映画 "No Holds Barred" にもザ・ヘッドバンガーThe Headbanger)の役名で出演[30]。WWFではブッチャー・ルダックButcher LeDuc)とも名乗り、ラニー・ポッフォスコット・ケーシーサム・ヒューストンなどから勝利を収めている[31]

1989年12月、FMWへの参戦で5年半ぶりの来日が実現。栗栖正伸と組んで大仁田厚ターザン後藤と対戦し、12月10日の後楽園ホール大会では、ディック・マードックとの外国人同士のチェーン・デスマッチが行われた[32]1990年代もインディー団体へのスポット出場を続け、1992年ジム・コルネットが主宰するスモーキー・マウンテン・レスリングに登場した。1995年には、ジャッキー・ファーゴフィル・ヒッカーソンエディ・ギルバートらと共に "Memphis Wrestling Hall of Fame" に迎えられている。

1999年5月1日、肺感染症のため54歳で死去[2]。生涯最後の試合は1995年6月10日、テネシー州メンフィスのUSWA(かつて主戦場としていたCWAの後継団体)で行われたイベント "Memphis Memories II" における、ヒッカーソンと組んでの旧敵ローラー&バリアント戦だった[25]

得意技

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獲得タイトル

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スタンピード・レスリング
  • NWAインターナショナル・タッグ王座(カルガリー版):1回(w / ポール・ルダック)[33]
IWAモントリオール / グランプリ・レスリング
  • IWAインターナショナル・ヘビー級王座:1回[3]
  • IWAタッグ王座:1回(w / Tony Baillargeon)[34]
  • GPWタッグ王座:2回(w / ポール・ルダック)[35]
チャンピオンシップ・レスリング・フロム・フロリダ
コンチネンタル・レスリング・アソシエーション
サウスイースタン・チャンピオンシップ・レスリング
ミッドアトランティック・チャンピオンシップ・レスリング
オールスター・プロレスリング
  • NWA英連邦ヘビー級王座:2回[18]
ワールド・レスリング・カウンシル
  • WWC北米ヘビー級王座:1回[41]

脚注

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  1. ^ a b c Jos Leduc dead at 55”. Slam Wrestling (1999年5月4日). 2009年9月22日閲覧。
  2. ^ a b Jos LeDuc (1944-1999)”. Find A Grave Memorial. 2020年5月24日閲覧。
  3. ^ a b IWA International Heavyweight Title”. Wrestling-Titles.com. 2009年9月22日閲覧。
  4. ^ JWA 1971 The 13th Annual World League”. Puroresu.com. 2016年4月28日閲覧。
  5. ^ JWA 1972 The 14th Annual World League”. Puroresu.com. 2016年4月28日閲覧。
  6. ^ The CWF matches fought by Jos LeDuc in 1973”. Wrestlingdata.com. 2014年8月8日閲覧。
  7. ^ a b NWA Florida Tag Team Title”. Wrestling-Titles.com. 2009年9月22日閲覧。
  8. ^ The CWF matches fought by Jos LeDuc in 1974”. Wrestlingdata.com. 2014年8月13日閲覧。
  9. ^ The AWA matches fought by Jos LeDuc in 1976”. Wrestlingdata.com. 2014年8月13日閲覧。
  10. ^ The USWA matches fought by Jos LeDuc in 1978”. Wrestlingdata.com. 2014年8月8日閲覧。
  11. ^ The CWF matches fought by Jos LeDuc in 1979”. Wrestlingdata.com. 2014年8月8日閲覧。
  12. ^ Harley Race vs. Jos LeDuc”. Wrestlingdata.com. 2014年8月13日閲覧。
  13. ^ a b 『忘れじの国際プロレス』P101(2014年、ベースボール・マガジン社ISBN 4583620802
  14. ^ IWE 1979 Dynamite Series”. Puroresu.com. 2016年4月28日閲覧。
  15. ^ AJPW Giant Series Day 1”. Wrestlingdata.com. 2014年8月13日閲覧。
  16. ^ 『忘れじの国際プロレス』P103(2014年、ベースボール・マガジン社、ISBN 4583620802
  17. ^ IWE 1980 Big Challenge Series”. Puroresu.com. 2016年4月28日閲覧。
  18. ^ a b NWA British Empire/Commonwealth Heavyweight Title”. Wrestling-Titles.com. 2009年9月22日閲覧。
  19. ^ a b NWA Southeastern Heavyweight Title”. Wrestling-Titles.com. 2009年9月22日閲覧。
  20. ^ a b c NWA Mid-Atlantic Television Title”. Wrestling-Titles.com. 2008年4月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年9月22日閲覧。
  21. ^ a b NWA Florida Heavyweight Title”. Wrestling-Titles.com. 2015年4月17日閲覧。
  22. ^ a b NWA (Mid-America) / AWA Southern Tag Team Title”. Wrestling-Titles.com. 2015年4月17日閲覧。
  23. ^ The USWA matches fought by Jos LeDuc in 1984”. Wrestlingdata.com. 2015年4月17日閲覧。
  24. ^ 『全日本プロレス 来日外国人選手 PERFECTカタログ』P104(2002年、日本スポーツ出版社
  25. ^ a b c d Jos LeDuc: Matches 1983-1995”. Cagematch.net. 2017年1月10日閲覧。
  26. ^ The IW matches fought by Jos LeDuc in 1985”. Wrestlingdata.com. 2015年4月17日閲覧。
  27. ^ WWF at Montreal 1985/11/15”. Wrestlingdata.com. 2015年11月11日閲覧。
  28. ^ The WCCW matches fought by Jos LeDuc in 1986”. Wrestlingdata.com. 2015年4月17日閲覧。
  29. ^ WWE Yearly Results 1988”. The History of WWE. 2016年4月28日閲覧。
  30. ^ Movies: Jos LeDuc”. Cagematch.net. 2022年2月16日閲覧。
  31. ^ The WWE matches fought by Jos LeDuc in 1988”. Wrestlingdata.com. 2017年1月12日閲覧。
  32. ^ The FMW matches fought by Jos LeDuc in 1989”. Wrestlingdata.com. 2015年4月17日閲覧。
  33. ^ Stampede Wrestling International Tag Team Title”. Wrestling-Titles.com. 2015年4月17日閲覧。
  34. ^ International Wrestling Association Tag Team Title”. Wrestling-Titles.com. 2015年4月17日閲覧。
  35. ^ Grand Prix Wrestling Tag Team Title”. Wrestling-Titles.com. 2015年4月17日閲覧。
  36. ^ NWA Southern Heavyweight Title [Florida]”. Wrestling-Titles.com. 2015年4月17日閲覧。
  37. ^ NWA United States Tag Team Title [Florida]”. Wrestling-Titles.com. 2015年4月17日閲覧。
  38. ^ NWA (Mid-America) / AWA Southern Heavyweight Title”. Wrestling-Titles.com. 2015年11月2日閲覧。
  39. ^ NWA Alabama Heavyweight Title”. Wrestling-Titles.com. 2015年4月17日閲覧。
  40. ^ NWA Southeastern Tag Team Title”. Wrestling-Titles.com. 2015年4月17日閲覧。
  41. ^ WWC North American Heavyweight Title”. Wrestling-Titles.com. 2015年4月17日閲覧。

外部リンク

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