シートリップ

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シートリップ
Ctrip.com international Ltd.
Ctrip-logo-h-default-lg.png
種類 公開会社
市場情報
NASDAQ CTRP
本社所在地 中華人民共和国の旗 中国
200335
上海市, 福泉路99号
北緯31度13分12秒 東経121度21分28秒 / 北緯31.22000度 東経121.35778度 / 31.22000; 121.35778座標: 北緯31度13分12秒 東経121度21分28秒 / 北緯31.22000度 東経121.35778度 / 31.22000; 121.35778
設立 1999年[1]
業種 サービス業
事業内容 航空券ホテル鉄道等のオンライン予約
代表者 孙洁(CEO
従業員数 16000人以上[2]
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シートリップCtrip携程)は、中国を中心とした、航空券ホテル鉄道等の、旅行に関するオンライン予約を扱う、ウェブサイトおよびアプリ。また、Ctrip.com international Ltd.携程旅行网)は、中国・上海市に本拠地を置く、同サービスを運営するオンライン・トラベル・エージェンシーOnline Travel Agency, OTA)である。

Ctrip.com international Ltd.(運営企業)[編集]

中国のOTAとしては最大手であり[3]、中国本土や香港・台湾などに、9つのグループ会社を持つ[4]。中国に加えて、日本・韓国・シンガポールに事業拠点を置き[5]、地域別にローカライズされた10のウェブサイト・アプリを運営する。カスタマーサービスセンターは外部委託をせず直営で運営され、上海と南通に設けられている[4]

シートリップは1999年オラクルに勤務するエンジニアであった梁建章(James Liang)を中心に[6]范敏季琦沈南鹏Neil Shen)を加えた4名により共同設立された[1]シティバンクを経てドイツ銀行に勤務していた沈南鹏など[7]シリコンバレーの動向に敏感なメンバーがスタッフの中核であった[6]。当初は旅行口コミサイトとしてスタートしたものの、すぐにホテルの代理販売に進出した[6]。当時中国では一般層のインターネット利用がまだ少なかったため、初期はコールセンター対応の旅行予約が多くの割合を占めていた[6]。旅行の際に旅行代理店での煩雑な手続きを強いられていた当時の中国の旅行市場において、空港や鉄道駅・バスターミナル等の交通拠点で、ホテルで利用できる自社カードを配布する活動を行い、認知度を高めた[6]。ホテル予約では、決済方法としてエージェンシーモデル(料金ホテル決済)を採用したが、中国工商銀行とのジョイントベンチャーを設立し料金クレジットカード払いのシステムを構築することで、航空券予約(料金OTA決済)にも進出した[6]

シートリップは設立から約4年間私企業として運営されていたが[6]2003年NASDAQに上場し、公開会社となった。中国国内では2000年代前半、シートリップ以外にも多くのOTAが設立されたが、大半は中国の実態に不案内な投資家の資金により支えられていたため、その後の経済危機やSARSの流行を経て淘汰、シートリップはアメリカの動向を参考に効率化と技術投資を続けることでマーケットシェアの拡大に成功した[6]。現在は中国でのスマートフォンの普及に伴い、アプリ・ウェブサイトを中心とした事業形態となっている[8]2016年の収益(Revenue)は28.5億米ドル(OTAグループとして世界3位)で、世界1位のプライスライングループの27%の規模であり、分野毎の比率は、航空券・鉄道等のチケット予約が45%、宿泊予約が37%、パッケージ商品が12%等となっている[4]

2004年から2007年の期間、楽天がシートリップの株式を取得し、シートリップは楽天の持分法適用関連会社となっていた[9][10]。その後2014年に、プライスライングループが、シートリップの少数株式取得を発表している[11](その後増資し2015年12月に15%取得[12])。シートリップのホテル予約がエージェンシーモデルであることから、同じビジネスモデルに強いプライスライングループとの協業関係強化が選択されたと見られている[13]2015年10月、中国の検索最大手である百度が、傘下の旅行検索サイトQunar去哪儿)の株式をシートリップに売却すると共に、シートリップの株式の25%を取得している[14]2016年1月、シートリップは、インド最大のOTAであるメイクマイトリップの少数株式取得を発表した[15]。2016年11月、CEOは創業以来の梁建章から、元アプライド・マテリアルズ勤務の孙洁Jane Jie Sun)に代わった[16]。同月、旅行メタサーチを運営するスカイスキャナーの買収を発表[17]、12月に完了した[18]

日本法人(シートリップジャパン)は、2014年5月に開設され、東京(日本橋茅場町)と大阪(ヒルトンプラザ大阪)にオフィスを持つ[8]2015年日本旅行業協会(JATA)の正会員に加入した[19]

訪日中国人の半数がシートリップのサービスを利用しているとされ[20]、中国語版は、中国本土における旅行商品予約を中心に、伸張する中国人の海外旅行需要に対応し、世界各地域への航空券やホテルの予約など、機能拡大がなされている。日本のホテルに関して、「中国人に優しい」レベルを表す「華」マークを付けるなど、中国人に対する情報提供が行われている[21]。2015年8月、日本のレストラン予約に関して一休と提携、シートリップ中国語版から一休提供のプランを予約可能とするサービスを開始した[22]

サービス内容[編集]

日本語に対応したサービスとして、2012年jp.ctrip.comが開設されている[23]。jp.ctrip.comは、主に日本人の中国旅行にローカライズされた仕様となっている。支払いは日本円を含む世界22の通貨で可能。フライトとホテルを組み合わせたダイナミックパッケージの予約にも対応している。

フライト検索
片道・往復・オープンジョーを指定して検索が可能。
ホテル検索
検索表示されるホテルでは、事前決済・現地決済の区別のほか、口コミを読むことができ、シートリップに投稿された口コミに加えて、トリップアドバイザーに投稿された口コミも併せて表示される仕様となっている。
列車検索
高速鉄道の予約も可能。予約した切符に関しては、中国国内に配送するか、中国国内の鉄道駅または販売代理所で引き取ることになる[24]
その他
「シーマネー」と呼ばれるポイントサービスを行っており、シートリップを利用してフライト・ホテル(対象外の場合もある)・列車を予約するとポイントが付き、特定の前払いのホテルの予約に利用することができる。「シーマネープラス」への交換を行うと、航空券の支払いにも利用可能となる[25]
日本の航空会社では、日本航空(JAL)全日本空輸(ANA)が、シートリップを利用した宿泊予約により、マイルが貯まるサービスを行っている。シートリップ専用のバナーを経由して予約すると、マイルが貯まる(詳細は外部リンク参照)。

脚注[編集]

  1. ^ a b Ctrip's Remarkable Journey” (英語). フォーブス (2010年3月29日). 2015年1月31日閲覧。
  2. ^ Company profile”. Ctrip.com international Ltd.. 2015年1月31日閲覧。
  3. ^ China OTA Market Transactions Close to $10 Billion in Q2 2014” (英語). China Internet Watch (2014年8月4日). 2015年3月22日閲覧。
  4. ^ a b c Ctrip Reports Unaudited Fourth Quarter and Full Year 2016 Financial Results” (英語). Ctrip.com international Ltd. (2017年2月22日). 2017年3月27日閲覧。
  5. ^ 訪日客5千万人時代へ 世界三大OTAの戦略 (PDF)”. 観光経済新聞 (2016年1月1日). 2015年12月27日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h The Definitive Oral History of Online Travel” (英語). Skift (2016年6月1日). 2016年8月11日閲覧。
  7. ^ 投資の要点をセコイア・チャイナのニール・シェン氏が語る”. ログミー (2015年11月9日). 2016年8月11日閲覧。
  8. ^ a b 株式会社 CTRIP JAPAN (PDF)”. 日本貿易振興機構 (2015年6月). 2015年10月4日閲覧。
  9. ^ 楽天、中国旅行サイト「Ctrip.com」に出資、具体的な連携協議へ”. トラベルビジョン (2004年6月14日). 2015年3月22日閲覧。
  10. ^ 楽天、保有するCtrip株約664万株を売却へ”. ロイター (2007年8月7日). 2015年3月22日閲覧。
  11. ^ 米プライスライン、中国同業大手シートリップと資本・業務提携へ”. モーニングスター (2014年8月8日). 2015年3月22日閲覧。
  12. ^ Ctrip Announces Investment by The Priceline Group and a Long-Term Equity Investment Firm” (英語). PR Newswire (2015年12月10日). 2015年12月13日閲覧。
  13. ^ Partnership With Priceline Should Boost International Hotel Booking Sales For Ctrip” (英語). フォーブス (2014年8月13日). 2015年10月4日閲覧。
  14. ^ Ctrip, Qunar Agree to Share Swap, Form Business Partnership” (英語). ブルームバーグ (2015年10月26日). 2015年11月3日閲覧。
  15. ^ MakeMyTrip Announces Investment by Ctrip” (英語). NASDAQ (2016年1月7日). 2016年1月24日閲覧。
  16. ^ Ctrip Appoints Jane Jie Sun As CEO, James Liang Remains Executive Chairman” (英語). 中国金融投資網 (2016年11月17日). 2016年11月20日閲覧。
  17. ^ 中国大手旅行シートリップが旅行比較スカイスキャナー社を買収、経営陣や世界各地のチームは維持へ”. トラベルボイス (2016年11月24日). 2016年11月24日閲覧。
  18. ^ Ctrip Announces Completion of Acquisition of Skyscanner” (英語). PR Newswire (2016年12月9日). 2016年12月14日閲覧。
  19. ^ JATA会員リスト”. 日本旅行業協会 (2015年12月22日). 2015年12月27日閲覧。
  20. ^ 観光業界人インタビュー 拡大する中国市場 旅館の受け入れ策④”. 観光経済新聞 (2015年10月24日). 2015年10月25日閲覧。
  21. ^ 中国最大手OTAのシートリップ(Ctrip)に、中国人旅行者のニーズと今後の事業展開を聞いてきた”. トラベルボイス (2015年9月29日). 2015年10月4日閲覧。
  22. ^ ニュースリリース 中国最大のオンライン旅行サイト「Ctrip.com」と訪日旅行客向けレストラン予約サービスにつき提携しました (PDF)”. 一休 (2015年8月31日). 2015年12月27日閲覧。
  23. ^ C-TRIPが日本へ本格進出、中国の地方都市へのビジネス客狙う”. 日経BP (2012年3月9日). 2015年1月31日閲覧。
  24. ^ よくあるご質問 > 列車”. Ctrip.com international Ltd.. 2015年1月31日閲覧。
  25. ^ よくあるご質問 > シーマネー”. Ctrip.com international Ltd.. 2015年1月31日閲覧。

外部リンク[編集]

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