ココリ

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ココリ(KoKori)
ココリ(2010年9月1日撮影)
ココリの位置(山梨県内)
ココリ
情報
用途 店舗/駐車場/専門学校/集合住宅
設計者 シグマ建築企画
施工 西松建設
建築主 甲府紅梅地区市街地再開発組合
事業主体 甲府紅梅地区市街地再開発組合
管理運営 大京(居住部分)
山梨県(専門学校部分)
西松建設(テナント部分)
構造形式 鉄骨鉄筋コンクリート造(一部鉄骨)
敷地面積 約4,635 m²
建築面積 約3,900 m²
延床面積 約36,300 m²
階数 地上20階、地下1階
高さ 73m[1]
着工 2008年6月16日
竣工 2010年8月23日
開館開所 2010年9月6日(専門学校部分)
2010年9月22日(居住部分)
2010年10月22日(テナント部分)
所在地 400-0031
山梨県甲府市丸の内1丁目16番20号
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イオン甲府ココリ店
ÆON Kofu Kokori
店舗概要
所在地 400-0031
山梨県甲府市丸の内1丁目16番20号
開業日 2016年(平成28年)7月12日
施設管理者 イオンリテール株式会社
延床面積 1,369 m²
商業施設面積 871 m²
営業時間 10:00 - 20:00
外部リンク ココリ
イオン甲府ココリ店

ココリ(KoKori)は山梨県甲府市丸の内にある高層複合商業ビルである。

なお、竣工前のビル全体の名称は『紅梅地区再開発ビル』であり、『ココリ』は低層階の商業施設(テナント)部分の名称を公募で決定したものである(後述)。高層の居住部分は『ライオンズタワー甲府』、中層は『山梨県立宝石美術専門学校』となっているが、当項目では商業施設の名前を使用し商業施設および住居部分について記述する。

概要[編集]

名称の由来になったオリオン通り

甲府駅南口にある丸の内地区(旧・紅梅地区)には岡島百貨店山交百貨店をはじめ、いくつもの商店街が軒を連ねるなど県内最大の繁華街として栄えている。県内大手スーパーマーケットであるオギノ1991年に旧本社施設を改修しファッションモール『パセオ』として当地区で運営していた。

しかしバブル景気が終焉したことによる不況に加え、郊外にショッピングセンターが次々と開業したことにより丸の内地区の店舗は打撃を受け、同地域にある甲府西武トポスは撤退、商店街もシャッター通り化した。改修したばかりのパセオも例外ではなく、入居していた店舗が次々と郊外へ転出していくなど業績は悪化の一途をたどっていた。

これに対し市街地の活性化を図りたい甲府市役所や甲府商工会議所側とパセオを再開発し建て直しを行ないたいオギノ側で考えが一致し、パセオ跡地に共同で再開発ビル建設に着手することになった。

開発の事業主体は「甲府紅梅地区市街地再開発組合」。事業費約107億円のうち約47億円を国や県、市からの補助金から捻出した[2]。なお、組合は2012年(平成24年)1月を以て解散し[3]、現在は各運営会社・組織が管理を行なっている。

名称の経緯と由来[編集]

ココリ(KoKori)という建物の名称は、山梨県在住者を対象にした公募によるもので、応募総数479点の中から同再開発組合の選考によって選ばれた。ココリ(KoKori)の名の由来は、甲府、再開発地区の旧町名である紅梅、同地にあるショッピングアーケード街オリオン通りからの、3つの地名を元にした造語であり、甲府市在住の歯科医師により考案された[4]

各施設の状況[編集]

居住部分[編集]

居住部分は家族向け分譲マンションとし、当初は日本綜合地所が販売・管理を手掛ける予定であった。着工前後に表面化した世界金融危機およびリーマン・ショックの影響により2009年(平成21年)2月5日に日本綜合地所が会社更生法の申立てを行ない、同年6月12日に再開発事業から撤退することを発表した[5]。組合や県・市などは代わりの事業者を選定し、同年12月11日に「ライオンズマンション」を手掛ける大京に決定された[6]。この際大京に予定価格より安価で売却され、その不足分を国からの景気対策費によって充当された。

大京は2010年(平成22年)4月より受付を開始。周辺のマンション価格より安価であることから募集者が集まり、6月までに完売した。

テナント部分[編集]

オープン前の状況
2005年1月に構想が発表された当初は地上3階地下1階の全フロアと地上4階から6階までの1部を商業施設とし、売場面積は11,400m2であったが[7]、周辺商業施設の影響を考慮して2007年2月時点の計画では地上3階地下1階に縮小。さらに専門学校の移転入居が決定したことで再縮小され、最終的に地上2階地下1階売場面積5,400m2となった[注 1]。また、核店舗として食品スーパーの入居が予定されていたが、こちらも岡島百貨店食品売り場やオギノかすがもーる店(ココリ竣工前の2009年2月に撤退)など競合店が多くあったことから核店舗としては断念し、かわりに規模が大幅縮小された生鮮館が入居することになった。
グランドオープン半年前の2010年3月の時点で全フロアの8割が埋まっていない状況であったが[8]、組合は東京のコンサルティング会社の協力のもと「甲府楽市」と称し、2階部分を50から60の小規模店舗が定期的に入れ替わる方式に変更した[4]
開店直後と相次ぐ撤退
上述の甲府楽市や1階にプレミアムアウトレットジュエリーモールを入れるなどし、2010年(平成22年)10月22日に全面オープンを迎える。地元紙の山梨日日新聞は全施設がオープンしたことで賑わいを見せているとの記事を掲載したが[9]、全国紙の地方版は1階の3区画が埋まらないままオープンを迎えたことを指摘している[10]。程なくして全国紙が危惧していた通り客足が遠のき、1ヶ月が経過した11月には早くも撤退店舗が現れ[11]、12月にはクリスマスシーズンにもかかわらず客が十数人しか入っていない状況が報じられている[12]。年が明けた2011年(平成23年)も撤退店舗が相次ぎ、2月をもって生鮮館が閉鎖(後に生鮮館の名前も削除された)、5月にはコンサルティング会社の撤退により2階の甲府楽市が閉店し[13]、オープンから1年足らずで約100店舗入居していた商業施設はわずか30店舗まで激減した[14]。撤退した店舗に代わる新たな店舗を模索するも「周囲の人通りが少ない」「(賃料が)ただでも出店は無理」と言われるなど断られ、管理者の西松建設と所有者、組合とで意見が対立が起きていると報じられている[15]
各関係者による考えの相違
マスメディアによる商業施設関連の報道に対し、宮島雅展市長は会見で「活性化のインパクトを発揮していない」と述べたことをはじめ[12]、一部山梨県議や甲府市議からは「巨額の公費を使って建てたもので市民からの不信感が強い」「業者に責任転嫁するのではなくビル全体の立て直しに一定の責任を負うべき」等議会で問題を指摘している[16]。一方、組合は「報道される内容が組合の趣旨と異なっている可能性が高い」ことを理由に取材拒否を行ない[17]、甲府市の都市計画課も「居住、駐車場、教育は成功している」と主張している[18]。組合の公式ホームページ(現在は閉鎖)では「都市機能の更新」「土地の高度利用・有効利用」「住環境の整備」「防災性の向上」を事業の目的としており、都市計画課も「防災機能の向上」と「住宅、教育、駐車場、商業機能を中心街にもたらす」と主張するなど[17]、あくまでも商業施設の失敗を「ココリ全体の失敗」と主張するマスメディア[注 2]とそれに反応する首長と議会、それに対し本来の目的は達成されていると主張する組合・自治体とで温度差が起きている。
「ホビータウン甲府」の開店と再度の店舗撤退
甲府楽市の撤退で2階は一度完全閉鎖となったが、その後に改修を実施し、2011年(平成23年)12月にらしんばんやパセオ時代に山梨県民情報プラザ向かいへ転出したアニメイトなどサブカルチャーの店舗と新たに契約し、ホビータウン甲府として再開[19]。2012年(平成24年)9月には山梨県民会館にあった献血ルームを移転開設し、さらに2013年(平成25年)夏に1階北側にモンテローザ系列の串揚げ居酒屋が入居し、一時的に空きフロアが順次埋まる状態になったが、串揚げ居酒屋と同じ時期にホビータウン甲府内に出店していたハイカラ横丁甲府店が無期限休業すると同年11月末にはケータイ・スマートフォンショップが撤退。さらに2014年(平成26年)1月には1階のプレミアムアウトレットジュエリーモールが、別業者の入居希望を受けて別の客入りの良い場所に移転する形で撤退を検討していることが2014年1月14日付のUTYニュースで報じられるなど、再び流出に転じている。
イオンモールおよびサンリオの支援
2014年(平成26年)2月5日、イオングループのショッピングセンター運営会社であるイオンモールがココリのテナントを支援することが山梨日日新聞や各全国紙県内版、YBSニュースなどで報じられ、地下1階の生鮮館跡地に飲食店等、1階の空きフロア部分と2階の南側にテナントを入居させるなどの方針を表明した。これについて一部メディアが「イオンモール甲府昭和の増床計画を理解してもらうため」と報道され、増床計画に反対している甲府商店街連盟などが警戒していた[20]が、イオンモール側が数日後に「イオンモール甲府昭和の増床計画とは別である」と否定。その後、テナント部分を管理する西松建設との契約等が進み、近く正式契約すると報じられている[21]
2015年(平成27年)1月30日、甲府市は「ハローキティ」で知られるサンリオが開発事業に協力すると発表した。また、上述のイオンモールによる支援も同日プロパティマネジメント締結の発表があり[22]、これによる参入店舗は3月下旬から順次オープンするとしている[23]
同年3月20日にリニューアルオープン。ホビータウン甲府は残ったがプレミアムアウトレットジュエリーモールが撤退し、入れ替わりや空き店舗の場所に未来屋書店築地銀だこ(2年後に閉店し、現在は中央部の大手ゲームセンターが拡張した)、コンタクトレンズ店やエステ店などが入居した[24]。その後も4月24日にはパソコンショップドスパラが2階に、27日にはサンマルクカフェが1階にオープンしている。
2016年7月12日に系列のイオンリテールにより地下1階の生鮮館があった場所に「イオン甲府ココリ店」が、1階のサンマルクカフェの隣に「イオンリカー」オープンした[25]。ただし、1階のアイシティと唯一残っていたジュエリー系の店が2017年中に閉店し、1階は空きテナントが目立っている(2階はゲーセンの一部が銀だこ跡に移転拡張した)。

フロア構成[編集]

大きく分かれて「居住者エリア」「専門学校エリア」「駐車場」「商業施設エリア」に分かれている。「駐車場」は居住者用と商業施設用に分かれており、居住者用は「ライオンズタワー甲府」居住者以外が駐車することは不可。一般用駐車場は有料であり、商業施設へ直結している。なお、商業施設は核店舗を有さない、いわゆる「寄合百貨店」の形態となっている。

フロア概要 施設名 管理
9‐20F 居住者エリア ライオンズタワー甲府 大京
7‐8F 専門学校エリア 山梨県立宝石美術専門学校 山梨県
6F 居住者用駐車場 大京
3‐5F 一般用駐車場 西松建設
B1-2F 商業施設 西松建設

商業施設の主な入居店舗[編集]

2016年7月12日現在。★はイオングループの店舗。

2階
1階
地下1階

沿革[編集]

建設中のココリ(2010年3月撮影)
  • 2005年(平成17年)1月12日 - 山梨日日新聞において建設構想が掲載される。
  • 2007年(平成19年)
    • 1月 - 甲府紅梅地区市街地再開発組合が設立される。
    • 2月3日 - 再開発ビルの詳細が発表される。この時点では地上23階地下1階建高さ75メートルであり、地上8階以上が居住部、地上3階以下が商業施設、その間に駐車場が設置される予定であった。
    • 5月29日 - 横内正明山梨県知事山梨県立宝石美術専門学校を当ビルへ移転することを発表。
    • 7月25日 - 建設予定地にあるパセオが閉店。その後同年秋頃より解体工事が始まる。
  • 2008年(平成20年)6月16日 - 解体工事および地質調査が完了し、起工式が行なわれる。
  • 2009年(平成21年)11月14日 - 公式サイトオープン。
  • 2010年(平成22年)
    • 6月30日 - ビル名が「ココリ」に決定する。
    • 8月23日 - 一部施設の工事が完了し、竣工式が行われる。
    • 8月24日 - 駐車場施設の供用開始。
    • 9月6日 - 山梨県立宝石美術専門学校が移転開校。
    • 9月22日 - 住宅施設の入居開始。
    • 10月22日 - 商業施設の供用開始によりグランドオープン。
  • 2011年(平成23年)12月10日 - 2階をテコ入れ改装し、ホビータウン甲府としてリニューアルオープン。
  • 2012年(平成24年)
    • 1月12日 - 組合の解散が山梨県に承認される。
    • 9月13日 - 2階に献血ルームを開設。
  • 2014年(平成26年)2月5日 - イオンモールが商業施設の支援を表明。
  • 2015年(平成27年)
    • 1月30日 - イオンモールとPM業務受託を締結。サンリオが支援を表明。
    • 3月20日 - 未来屋書店や築地銀だこなどイオンモールの誘致により入居した店舗がオープン。
  • 2016年(平成28年)7月12日 - 地下1階に「イオン甲府ココリ店」がオープン。

関連項目[編集]

再開発関連
建物規模関連
関連・類似施設
  • グランパーク - かつて甲府市内(ただし、中心部ではなく甲府バイパス沿い)にあった商業施設。ココリ同様多額の補助金が費やされたものの経営難により店舗が相次いで撤退し、2014年3月をもって閉鎖された。なお、施工はココリと同じ西松建設である。
  • イーラde - 静岡県沼津市にある複合施設。入居施設が上から住居、駐車場、商業施設と専門学校の有無を除けば構造がココリとよく似ている。また、再開発で建てられた点や商業施設の入居で曲析があった点など、ココリと共通点が多くみられる。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ この数値は新聞報道によるものであり、日本ショッピングセンター (PDF) の情報では8,600m2となっている。ただし、こちらの情報はイオンモール甲府昭和が映画館を除いた値に対してラザウォーク甲斐双葉がアミューズメントを含めた附帯施設込みになっていたりと、統計にばらつきがある。
  2. ^ 但しマスメディア間にも報道の仕方に相違があり、地元紙の山梨日日新聞は行政・組合側の視点で記事を掲載するなど運営サイド寄りの記事を掲載しているのに対し、全国各誌は店舗・利用者寄りの視点でネガティブ的な記事を掲載することが多い。

出典[編集]

  1. ^ 市街地再開発事業(県内実施状況)
  2. ^ 朝日新聞県内版、2010年10月23日付記事
  3. ^ 山梨県公報 第2194号 (PDF)
  4. ^ a b 山梨日日新聞2010年6月26日付朝刊、第2版28面
  5. ^ 山梨日日新聞2009年6月13日付朝刊記事
  6. ^ 読売新聞山梨県版2009年12月12日付朝刊記事
  7. ^ 「甲府・パセオ一帯に再開発計画 21階建て複合ビル 店舗やマンション入居」『山梨日日新聞』2005年(平成17年)1月12日付20面。
  8. ^ 山梨日日新聞2010年3月2日付朝刊記事
  9. ^ 「ココリ」 全施設がオープン 専門店や「甲府楽市」 にぎわう街の“顔”(2010年11月3日、山梨日日新聞)
  10. ^ 「深層追跡 甲府中心街 正念場 ココリ店舗埋まらず / 郊外イオンは着々」『読売新聞』2010年(平成22年)10月31日付朝刊35面(山梨)。
  11. ^ 毎日新聞県内版、2010年11月23日付朝刊記事
  12. ^ a b 朝日新聞県内版、2010年12月21日付朝刊記事
  13. ^ 山梨日日新聞2011年5月18日付朝刊記事
  14. ^ NHK甲府放送局県内ニュースより
  15. ^ 毎日新聞県内版、2011年9月6日付朝刊記事
  16. ^ 朝日新聞県内版、2011年6月2日付朝刊記事
  17. ^ a b 読売新聞県内版、2011年10月23日付朝刊記事
  18. ^ 毎日新聞県内版、2011年9月8日付朝刊記事
  19. ^ 山梨日日新聞2011年12月10日付朝刊記事
  20. ^ 山梨日日新聞2014年2月5日付記事
  21. ^ 山梨日日新聞2014年6月11日付24面。
  22. ^ ココリPM業務受託について (PDF)
  23. ^ 「甲府「ココリ」に新テナント 市発表 サンリオ、「銀座ビル」に協力」『読売新聞』2015年(平成27年)1月31日付朝刊33面(山梨)。
  24. ^ 甲府のココリ、20日に新装開店(2015年3月18日、産経新聞)
  25. ^ イオン系スーパー 甲府ココリに開店 食品や酒販売(2016年7月13日、毎日新聞)

外部リンク[編集]

座標: 北緯35度39分45.85秒 東経138度34分11.3秒 / 北緯35.6627361度 東経138.569806度 / 35.6627361; 138.569806