古書店

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

古書店(こしょてん)は、古書を取り扱う書店で、古物商の一種。古本屋(ふるほんや)とも呼ばれるほか、屋号を●●古本店(ふるほんてん)とする古書店もある。20世紀末に成立した業態である新古書店も古書店の一形態だが、この項目では伝統的な古書店を中心に扱う。

概要[編集]

古書店の店内(松雲堂書店、東京都千代田区神田神保町

製紙印刷の技術が普及するまで、は主に手作業で執筆・写本され、多大なマンパワーを費やされた有価物であった(が発明されず、高価な羊皮紙などを用いていた中世以前のヨーロッパではその傾向がさらに顕著であった)。そのため本質が情報媒体であり物理的な劣化による減価が遅く、保存も比較的容易な本は、洋の東西を問わず古物としての売買が盛んに行われてきた。

近代以降も、古書や古本の需要はなくなることはなかった。稀覯書・希少本など入手が難しい書物、新刊購入が可能でも特別な価値がある本(著者サイン入り、初版や特装版など)、発行部数が多かったり重版・復刊が続いていたりする本を安く買える中古販売(大学生らが必要とする教科書参考書学術書から趣味書、漫画小説まで)など、様々なニーズから古書業は存在し続けている。

「古書店」「古本屋」の厳密な区分は存在しない。2300以上の事業者が加盟する全国古書籍商組合連合会(全古書連)が、インターネットで在庫販売や加盟店、古書即売会の案内などを行うサイトの名称は「日本の古本屋」である[1]。「古書」という言葉には上品なニュアンスがあり、骨董的価値や歴史的希少性を持つ本を指すことが多い。これに対して、新品より安い中古を「古本」と呼ぶ傾向にある。これらの使い分けは店主の自称や自己認識などにより流動的である。同じ店内で、古い希少本と、刊行されたばかりの中古本を両方販売する古書店も多い。

老舗の古書業者は好事家のコレクションや遺品の処分、旧家の解体・整理に関わることも多いため、一部の店では本以外に絵葉書書画骨董なども扱う。

買い取りにより仕入をする古書店は、日本では古物商に該当するため、営業するためには古物営業法に基づき、店の所在地を所轄する都道府県公安委員会の許可が必要である。また古書店に本の買い取りを求める際には、身分証明書の提示を求められる。

販売形態[編集]

店頭販売[編集]

狭義の古書店は、実店舗を構えて古書を販売している店を指す。本全般を買い取ったり販売したりする店もあれば、店主や店員の鑑識眼に基づいて、近代文学や漫画、学術書アイドル写真集といった特定の分野・テーマに沿って品揃えする店もある。価格は、希少性の判断や主人の美意識・価値観によってつけられ、価値あるものとみなされた場合は刊行時定価の数倍以上の高額にもなる場合もある。一方、新古書店とみなされることもあるブックオフなどのチェーン店では、店員がマニュアルに従って機械的に価格を付け、判断が難しい昔の書籍は希少であっても買い取り・販売をしないこともある。

無店舗販売[編集]

店頭以外に、目録を配って注文を募り、先着順または抽選で販売する方法も古くからある。また、古書店団体が運営する古書会館(東京神田小川町高円寺東五反田名古屋市大阪市などに所在)や百貨店などの商業・公共施設、路上などでは、複数の業者が在庫を持ち寄る古書即売会(古本まつり)がしばしば開かれる。即売会に合わせて合同目録が発行されることも多い。

このほか20世紀末から、古書のネット売買も活発になってきている。入手競争率が高い本であれば高値で売れることが期待できるネットオークションの利用や、古本買い取り専門サイトも増加している。こうした目録・即売会・ネットでの販売は、店頭と並行して手掛ける店もあれば、無店舗販売のみの業者もある。

ネット販売の普及に伴い近年、個人が自分が読み終わった不用本を販売したり、古本屋で潜在的な価値より安く売られていた本を購入して転売したりすることも容易になった。

古書店街[編集]

大都市の一部では、神田古書店街のように古書店が複数集まる古書店街を形成している。特に大規模な学校の近隣や、学校が集まっている地域には、上記の通り学生や教職者向けに各種専門書の継続的な需要と供給が期待できるため、古書店も集まりやすい。

脚注[編集]

  1. ^ “日本の古本屋について”. 日本の古本屋ホームページ. https://www.kosho.or.jp/wppost/plg_WpPost_post.php?postid=82 2017年8月6日閲覧。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]