キング・オブ・ザ・ヒル

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キング・オブ・ザ・ヒル』(原題: King of the Hill)は、『ビーバス・アンド・バットヘッド』の製作者マイク・ジャッジと『ザ・シンプソンズ』の脚本家グレッグ・ダニエルズ英語版によって制作された、米国フォックス放送テレビアニメ

概要[編集]

テキサス州アーレンというアメリカ南部の架空の郡を舞台に、主人公ハンク・ヒルとその家族、周囲の人々との日常生活を緻密に描いたシチュエーション・コメディアニメ。平均的・典型的な保守系南部アメリカ人を戯画化しつつ、基本的には友情・家族愛・郷土愛が描かれるが、現代アメリカの抱える諸問題を風刺する社会性も併せ持つ。原則として一話完結で、一話あたり約22分。

1997年1月12日放映開始、2009年9月13日放映終了。全13シーズン計259エピソードで、米国においては同じフォックス放送の『ザ・シンプソンズ』に次ぐ長寿アニメだった(放映終了当時)。

2007年にはタイム誌により史上最高のテレビ番組トップ100に選ばれる。また、エミー賞を2回受賞、7回ノミネートされたほか、アニー賞など多くの重要な賞を獲得。ハリウッド俳優やミュージシャンなど著名人のゲスト出演も多い。

米国以外の世界各国でも放送されており、日本ではFOXチャンネルでシーズン9まで、2009年からFOXムービーでシーズン10以降が放送された。

なお、題名は「ヒル家の主」こと主人公のハンクと、「お山の大将」という遊び・慣用句をかけたもの。各エピソードの副題も、ダブルミーニングやパロディーといった言葉遊びであることが多い。

主な登場人物[編集]

ヒル家[編集]

ハンク・ヒル(Hank Hill)声:マイク・ジャッジ/龍田直樹
ヒル家の主。黒縁メガネに白Tシャツとジーンズがトレードマーク。プロパンガスとその周辺機器を販売するストリックランドプロパン社地元支店のアシスタントマネージャー。高校時代はアメフトで活躍、愛国心に満ち、仕事に誇りを持ち、趣味は日曜大工に芝生の手入れにバーベキュー、家族と友人を愛する典型的なアメリカの良き父親だが、怒りっぽいのが玉に瑕。幼なじみで隣人のデール、ビル、ブームハウアーとビール片手に井戸端会議するのが日課で、彼らの中では最も常識的なリーダー格。
ペギー・ヒル(Peggy Hill)声:キャシー・ナジミー
ハンクの妻。メガネにまとめ髪、キュロットスカートがトレードマーク。主にミドルスクールでスペイン語を教える熱心な代理教師だが、肝心の語学力はいまひとつ。教養人を自負し負けず嫌いの性格だが、左様に実力が伴わずトラブルを招くこともしばしば。地元新聞のコラムニストや、シリーズ後期には不動産販売員としても働く。特技はボグル(綴り遊びの一種)とソフトボール。自宅のボイラー室を書斎とし、時代遅れのケイプロ製パソコンを操る。女性としては並外れた足の大きさが悩み。
ボビー・ヒル(Bobby Hill)声:パメラ・アドロン/瀧本富士子
ヒル家の一人息子。丸刈り頭に肥満体型、ハスキーボイスが特徴。無邪気で社交的なお調子者で、友達を笑わせたり目立ったりすることが好き。ショービジネスに憧れており、コントやダンスなどをイベントで披露するエピソードも多い。文化系のさまざまな趣味に熱中する一方、スポーツは不得手でときに父を失望させるが、射撃の才能はある。シリーズを通して11歳から13歳に成長する。
ルーアン・プラッター(Luanne Platter)声:ブリタニー・マーフィ
ヒル家に居候しているペギーの姪。ボビーとはいとこ同士だが姉のような存在。豊かな金髪と緑色のノースリーブがトレードマーク。美人でグラマー、明るく快活だが根が単純で、男運が悪い。美容学校に通っているが、成績はビリで学費にも苦労している。彼女の母はアルコール中毒で夫への暴力により服役しており、その夫である彼女の父は遠方へ出稼ぎに出ている。母譲りの闘争心を秘めており、シリーズ半ばから格闘技をたしなむようになる。

隣人[編集]

デール・グリブル(Dale Gribble)声:ジョニー・ハードウィック/長島雄一
ハンクの幼なじみ。害虫駆除業を営む。跳ね上げ式サングラスと禿げ隠しの赤いキャップがトレードマークのチェーンスモーカー。政府を信じない銃愛好家で、常に斜に構えた態度で過激な言動をするトラブルメーカーだが、根は小心。地元テレビ局でお天気キャスターを務める美人妻ナンシーと一人息子ジョセフを溺愛しているが、妻は長年不倫しており、ジョセフはその不倫相手レッドコーンとの間にできた子である。このことは周知の事実だが、デールだけは気付いていない。
ビル・ドートリーブ(Bill Dauterive)声:スティーブン・ルート/乃村健次
ハンクの幼なじみ。独身。肥満と禿げ頭が特徴。離婚した元妻を忘れられず孤独感にさいなまれ、生活がすさんでいる。不潔でだらしない外見だが、相手を選り好みしないせいか女性に関するエピソードは意外に多い。高校時代はハンクと並ぶアメフトの有能選手で、中退してアメリカ陸軍に入隊。現在は地元駐屯地の内勤で、主に理容師(将兵の散髪係)を務めている。階級は軍曹。ケイジャンの家系でフランス語が堪能。
ジェフ・ブームハウアー(Jeff Boomhauer)声:マイク・ジャッジ
ハンクの幼なじみ。独身。飄々としているが、常に女性を欠かさないプレイボーイ。友人たちの中ではもっぱら聞き役だが、口を開くと非常な早口のうえ発音も内容も不明瞭。視聴者にはとても理解しがたいが、ハンクたち主要登場人物は難なく理解している。レースに出るほどのクルマ好きで、愛車はクラシックスポーツカー。謎の多い人物で、ファーストネームや職業は最終シーズンでようやく明らかとなった。
カーン・スパヌセポン(Kahn Souphanousinphone)声:トビー・ハス
ヒル家の隣に住むラオス人。家族に妻ミンと娘コニー、愛犬ドギーがいる。移民特有の愛国心を持つものの、傲慢で協調性に欠ける性格ゆえに周囲と折り合いが悪く、西海岸からやむなくアーレンに引っ越してきた。IT業界で働く典型的なインテリ・ホワイトカラーで、ハンクたちを田舎者とさげすむ一方、上司や成功者への追従に余念がない。しかし青年時代は反抗的な自由人で、失職時には開き直ってチンピラと付き合うなど、上昇志向へのストレスをのぞかせる一幕も。

隣人の子供たち[編集]

ジョセフ・グリブル(Joseph Gribble)声:ブリタニー・マーフィ → ブレッキン・メイヤー
デールの一人息子。ボビーの親友。実の父はネイティブ・アメリカンのレッドコーンで、黒い髪に浅黒い肌を持つが、デールは隔世遺伝と信じている。実父譲りの体格に恵まれスポーツ万能だが、女の子には奥手。シリーズ中盤に身長が一気に伸びて声変わりする(声優も変わる)。
コニー・スパヌセポン(Kahn "Connie" Souphanousinphone Junior)声:ローレン・トム
カーンの一人娘。本名はカーン・ジュニアで、息子がほしかった父に名付けられた。教育熱心な両親の影響により、勤勉で成績優秀、バイオリンも達者だが、本人は少なからずプレッシャーを感じている。同い年のボビーやジョセフともよく遊ぶ、根は活発な少女。一時はボビーのガールフレンドだった。

その他[編集]

ジョン・レッドコーン(John Redcorn)声:ビクター・アーロンジョナサン・ジョス
町外れのトレーラーハウスに住むネイティブ・アメリカン。精悍な風貌にたくましい体格、黒い長髪が特徴。伝統的ヒーラー兼整体師業を営んでおり、顧客であるデールの妻ナンシーと長年関係を持つ。そうして生ませた実の息子ジョセフを心から愛するが、父親と名乗れず苦しんでいる。自らもバンドのボーカルを務めるハードロック愛好家でもある。
コットン・ヒル(Cotton Hill)声:トビー・ハス
ハンクの父親。数々の武勲を立てた太平洋戦争の英雄だが、負傷により両スネを切断しており、脚が短い。現在は予備役大佐で、地元在郷軍人会の親分格。差別やハラスメントをいとわぬ極端に右翼的かつ男尊女卑的な頑固老人で、日本人をいまだに「トージョー(日本兵の蔑称)」と呼び習わし、ペギーのことは「ハンクの嫁」としか呼ばない。ハンクの実母マチルダと離婚した後、ハンクの幼なじみディディと再婚し、第二子G.H.(グッドハンク)をもうける。ただし多くの婚外子もいるらしく、日本にはハンクそっくりの息子ジュンイチローがいる。
バック・ストリックランド(Buck Strickland)声:スティーブン・ルート
ストリックランドプロパン社の社長で、ハンクの雇い主。髪が薄く肥満しており、心臓を患っている。飲む・打つ・買うを地でいく道楽者だが、ひたむきに働いてきた過去を共有するハンクは彼に敬意を抱いている。一方バックは忠実でよく働くハンクを“金のガチョウ”とみなして重宝しており、互いの思いにズレはあるものの結束は固い。
M・F・サザートン(Milton Farnsworth Thatherton)声:バート・レイノルズ → トビー・ハス
ハンクの元同僚で、現在は独立してプロパンガス会社を営んでいるライバル。口ひげにテンガロンハットのカウボーイスタイルが特徴。仕事を金儲けの手段としか考えておらず、プロパンガスを愛するハンクとしばしば対立する。
カール・モス(Carl Moss)声:デニス・バークレイ
ボビーが通うミドルスクールの校長。ハンクとは高校時代の同級生で、アメフト仲間でもあった。しかし現在は規律や予算の維持が第一の事なかれ主義で、ハンクたちとの友情よりもトラブル回避を優先する。
チャック・マンジョーネ(Chuck Mangione)声:本人
実在のジャズトランペット・ミュージシャン。劇中では大手スーパーマーケットチェーン「メガロマート」の広告塔との設定で、テレビCMや店頭イベントに出演する。店の宣伝以外にも、国歌など何らかの演奏をする場面には必ず登場してトランペットを吹くが、いつも途中から自分の曲「フィール・ソー・グッド」にすり替えてしまう。
マーク・バックリー(Mark Buckley)声:デビッド・ハーマン
シリーズ序盤におけるルーアンのボーイフレンド。メガロマートの怠惰な店員で、自らの過失による事故で命を落とす。のちのエピソードに幻として現れ、ルーアンの進路に影響を及ぼす。
ラッキー・クラインシュミット(Elroy "Lucky" Kleinschmidt)声:トム・ペティ
シリーズ後半からのルーアンのボーイフレンド。失職したカーンと付き合うチンピラの一人として初登場した。学問こそないものの世故に長けており、ルーアンと結婚するためGEDの取得を目指すなど根は誠実。「ラッキー」はあだ名で、とある店での転倒事故で多額の和解金を得た過去が由来。ジョン・レッドコーンのバンドのギタリストでもある。
ジミー・ウィッチャード(Jimmy Whichard)声:デビッド・ハーマン
知能が足りず、いいかげんな仕事をしながら町をぶらついている。抑えの利かない性格で、子供をこき使ったり人々に乱暴を働いたりする一方、アウトサイダーアーティストとして祭り上げられたり詐欺師に騙されたりなど、都合よく利用されることもしばしば。
レディバード(Ladybird Hill
ヒル家の愛犬。おとなしい雌の老ブラッドハウンド。新婚時代、慢性ストレスの影響で子供を作りにくい体質と診断されたハンクが、落ち込む妻に贈った犬。結局、レディバードと遊ぶことでリラックスしたハンクは体質が一時的に改善し、子作りに成功する。以来、一家の中でもとりわけハンクはレディバードを大切にしている。
モンシニョール・マルチネス(Monsignor Martinez)声:マイク・ジャッジ
アーレンで放映中のメキシコ製人気アクションドラマ(劇中劇)の主人公。カトリックの司祭に扮した覆面刑事で、「Vaya con Dios(神に召されよ/神のご加護を)」の決め台詞と共に銃を抜くのがお約束。ちなみに、スピンアウト作品としてこのキャラクターをフィーチャーした実写ドラマのパイロット版が撮影されたが、司祭が人々を射殺するのは不謹慎と判断されてお蔵入りした。

各話リスト[編集]

第1シーズン(1997年)[編集]

  1. ヒル家の人々(Pilot)
  2. ガリ勉ペギー(Square Peg)
  3. ストレートアロー団(The Order of the Straight Arrow)
  4. ルーアンの悲劇(Luanne's Saga)
  5. ハンクのヒーロー(Hank's Got the Willies)
  6. 新・ご近所物語(Westie Side Story)
  7. ハンクの口に出せない問題(Hank's Unmentionable Problem)
  8. 親父のスネ(Shins of the Father)
  9. 奥様はチャンピオン(Peggy the Boggle Champ)
  10. ニコチン・ウォーズ(Keeping Up With Our Joneses)
  11. マネキン(Plastic White Female)
  12. ザ・カンパニーマン(The Company Man)
  13. キング・オブ・ザ・アリ(King of the Ant Hill)

声のゲスト出演[編集]

その他[編集]

  • ブームハウアーの特徴である不明瞭な話法は、マイク・ジャッジがかつて『ビーバス・アンド・バットヘッド』を制作していたころに受けたとあるクレーム電話の主の話し方に基づいている。
  • 『ザ・シンプソンズ』のいくつかのエピソードにヒル一家がゲスト出演している。また、ボビーの部屋にシンプソンズの人形が飾られていることがある。

外部リンク[編集]