キャラバンサライ

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北シリアのキャラバンサライ

キャラバンサライペルシア語: كاروانسرا kārvānsarā、トルコ語: kervansaray)は、ペルシア語で「隊商宿」の意味。隊商のための取り引きや宿泊施設を指す。バザールスークに隣接して建てられた。アラビア語では、ハーンkhan)、カイサリーヤ、フンドゥクとも呼ばれた。

一般的には中庭がある2階建ての建築物で、1階は取引所、倉庫、厩、管理人や使用人の住居にあてられ、2階は客人である隊商の商人たちの宿泊施設となっていた。アガと呼ばれる責任者や、荷運びの監督、夜警などの役職が常駐していた。

キャラバンサライは、遠隔地交易の商人の他に、地元の卸売商人の事務所や倉庫にも使われた。イスファハンでは、前者をタージェル、後者をボナクダールと呼んで区別した。地元の卸売商人はティームやティームチェと呼ぶ取引場や、ダーラーン(通廊)で取引を行った。行商人は、卸売商人から商品を仕入れて近郊の農村や遊牧地をまわった[1]

現在では宿泊所としての機能は消え、事務所、倉庫、卸売店舗として用いられている。

出典・脚注[編集]

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  1. ^ 坂本「イスラーム都市の市場空間とイスファハーン」 p44

参考文献[編集]

  • イブン・ジュバイル 『イブン・ジュバイルの旅行記』 藤本勝次池田修監訳、講談社〈講談社学術文庫〉、2009年。 - 12世紀から13世紀のキャラバンサライについての記述がある。
  • イブン・バットゥータ 『大旅行記』全8巻 イブン・ジュザイイ編、家島彦一訳、平凡社〈平凡社東洋文庫〉、1996-2002年。 - 14世紀のキャラバンサライについての記述がある。
  • 黒田美代子 『商人たちの共和国』 藤原書店、1995年。 - アレッポの事例を中心にキャラバンサライについて解説している。
  • 坂本勉「イスラーム都市の市場空間とイスファハーン」(佐藤次高岸本美緒編 『市場の地域史』 山川出版社、1999年。)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]