エスパ

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エスパ (ESPA) は、かつてセブン&アイ・ホールディングスの中核企業であるイトーヨーカ堂が「アップグレードGMS(ゼネラルマーチャンダイズストア)」として開発・展開していた業態である。

概要[編集]

エスパ (ESPA) とは、

  • Enjoy エンジョイ
  • Shopping ショッピング
  • Plaza プラザ
  • Arena アリーナ

の略で、従来の「イトーヨーカドー」よりもグレード感のある商品をお手頃価格で提供することを目標として掲げている。しかし「イトーヨーカドー」自体が低価格路線を転換しつつあるため、両者の差は狭まってきていた(この点は、西友が運営するリヴィンの例に近いが、こちらは逆に低価格路線に近づいている)。

もともと、1号店である昭島店が出店したのは、既存店の同一商圏内においての自己防衛的な意味合いもあるが、立川や新宿など他地域の百貨店などへの顧客流出を食い止めるのも目的だったとされる。昭島店出店の翌年(1985年)にはグループでロビンソン百貨店の展開を始めている。

イトーヨーカドーと同じく、店舗看板は2005年に「セブン&アイ・ホールディングス」の図柄に変更されたが、衣料品売り場のレジ袋や店舗入口の看板などでは引き続きエスパのロゴマークが使用されていた。

沿革[編集]

  • 1984年(昭和59年) - モリタウンに第一号店の昭島店(昭島市)開店
  • 1993年(平成5年) - 琴似店(札幌市)開店(後に「イトーヨーカドー」に転換)
  • 1994年(平成6年) - 我孫子店(我孫子市)開店
  • 1995年(平成7年) - 福住店(札幌市)開店(後に「イトーヨーカドー」に転換)
  • 1996年(平成8年) - 松本店(松本市)開店(「イトーヨーカドー」から転換、2011年12月16日に「アリオ松本」に改装[1]、2017年9月10日閉店[2]
  • 2000年(平成12年) - 川崎店(川崎市)開店
  • 2012年(平成24年)
    • 1月18日 - 現存する3店舗(昭島店・我孫子店・川崎店)をイトーヨーカドーに転換することを発表[3]。2月以降にはエスパ3店舗で閉店売り尽くしやイトーヨーカドー転換のため一部改装を実施。
    • 3月1日 - 28年に及んだエスパが消滅。既存のイトーヨーカドー我孫子店は我孫子南口店と改名。

出店傾向[編集]

  • 4号店の福住店までは既存のイトーヨーカドー店舗の近隣に出店していた。
    • 2003年10月頃まで「エスパ昭島店」はJR青梅線昭島駅を挟んで「イトーヨーカドー昭島店(初代)」と向かい合っていた。後に旧エスパ店舗が「イトーヨーカドー昭島店(2代目)」へリニューアルされ、初代昭島店は東京西徳州会病院の道路向かいに移転し「拝島店」となる。初代昭島店の跡地にはマンションが建設された。なお、拝島店は2024年4月21日に閉店。
    • 「エスパ琴似店」の近隣には「イトーヨーカドー琴似店(初代)」が所在し、イトーヨーカドー専門店→ザ・プライスと変遷を経ながら2003年8月31日まで営業を継続した。現在は専門店ビル「5588KOTONI」として営業。
    • 「エスパ我孫子店」はJR常磐線我孫子駅を挟んで「イトーヨーカドー我孫子店(初代)」と向かい合っていた。2012年3月1日より旧エスパ店舗が「イトーヨーカドー我孫子店(2代目)」となり、初代我孫子店だった店舗が「我孫子南口店」となった。
    • 「エスパ福住店」の近隣には「イトーヨーカドー月寒店」が2001年6月まで営業していた。この店舗はカウボーイ月寒店としての営業の後、2008年10月に閉店し、跡地には2011年から2015年にかけて老人ホームと介護施設が複数建設された。2015年、跡地にはドラッグストア「サツドラ月寒西1条店」が出店し、さらに2021年には日本医療大学の学生寮が建設された。
  • 「エスパ松本店」から転換した「アリオ松本」は2017年9月10日閉店し、旧エスパ店舗では初の閉鎖店舗となった。その他の店舗は2017年現在「イトーヨーカドー」として営業を継続している。

脚注[編集]

  1. ^ 12/16(金)午前9時 ショッピングセンター『アリオ松本』オープン! (PDF) - イトーヨーカ堂ニュースリリース 2011年11月16日
  2. ^ アリオ松本、39年の歴史に幕 イトーヨーカドー、エスパと続く駅前商業施設松本経済新聞(2017年9月11日)2017年9月14日閲覧。
  3. ^ 組織変更および人事異動のお知らせ (PDF) - イトーヨーカ堂ニュースリリース 2012年1月11日

外部リンク[編集]