ウド

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ウド
Aralia cordata SZ25.png
シーボルト『日本植物誌』に掲載のウド
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし : キク類 asterids
階級なし : キキョウ類 campanulids
: セリ目 Apiales
: ウコギ科 Araliaceae
: タラノキ属 Aralia[1][2]
: ウド A. cordata[3]
学名
Aralia cordata
Thunb. (1784)[3][4]
シノニム
和名
ウド
英名
oudo,[4] spikenard,[4] udo[4]

ウド(独活、学名Aralia cordata)は、ウコギ科タラノキ属多年草。若い葉や茎は香りが強く、山菜野菜として好まれる。季語、晩春。

名称[編集]

和名ウドの語源については、古い書物に、葉が生育すると中空になることから宇登呂(うどろ)とよばれ、それが略されてウドとなったという説がある[7]。漢字では「独活」と書くが、この由来についてはよくわかっていない[8]

野生種を「ヤマウド」と呼んで栽培種と区別することもあるが、同じ植物である[7]。中国植物名は土当帰(どとうき)という[9]

分布・栽培地[編集]

日本では北海道から本州四国九州までのほか、国外では朝鮮半島中国千島樺太に分布する。山野の林縁など当たりのよい場所か半日陰の傾斜地などに自生するが、畑に植えられたり、(むろ)で軟化栽培もされている[9]

形態・生態[編集]

大型の多年草で丈が高く、高さ約1 - 1.5メートル (m) に生長し[10]、大きなもので2 mほどになる[7]

は円柱形で太く、緑色をしており毛が生える[11]

互生し、2回羽状複葉で三角形をしており、長めの葉柄がつく[11]小葉は卵型をしており細かい毛があり、葉縁にぎざぎざがある[11]

花期は晩夏から初秋ごろ(8 - 9月)[7]。茎の上部に球状の大きな散形花序を多数つけ[8]、柄がある径3ミリメートル (mm) ほどの白色もしくは薄緑色の小さなを咲かせる[11]。花弁は5枚つき、上部は両性花、下部は雄花となる[10]雄しべが5本、下位子房に5本の花柱がある[11]

果実は、直径3 mmほどの球状の液果が実り、熟すと黒紫色になる[10][11]。一果中に3 - 5個のゴマ状の種子をもつ。種子は鳥によって運ばれ、意外な場所に実生がでることもある[8]

利用[編集]

うど 茎 生[12]
100 gあたりの栄養価
エネルギー 75 kJ (18 kcal)
4.3 g
食物繊維 1.4 g
0.1 g
0.8 g
ビタミン
チアミン (B1)
(2%)
0.02 mg
リボフラビン (B2)
(1%)
0.01 mg
ナイアシン (B3)
(3%)
0.5 mg
パントテン酸 (B5)
(2%)
0.12 mg
ビタミンB6
(3%)
0.04 mg
葉酸 (B9)
(5%)
19 µg
ビタミンC
(5%)
4 mg
ビタミンE
(1%)
0.2 mg
ビタミンK
(2%)
2 µg
ミネラル
カリウム
(5%)
220 mg
カルシウム
(1%)
7 mg
マグネシウム
(3%)
9 mg
リン
(4%)
25 mg
鉄分
(2%)
0.2 mg
亜鉛
(1%)
0.1 mg
(3%)
0.05 mg
他の成分
水分 94.4 g
水溶性食物繊維 0.3 g
不溶性食物繊維 1.1 g
ビオチン(B7 0.5 µg

ビタミンEはα─トコフェロールのみを示した[13]。軟白栽培品。廃棄部位: 株元、葉及び表皮
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標RDIの割合。

初夏ゴールデンウィーク頃)に芽吹いた小さな苗は山菜として利用できる[11]。根茎や根は薬用に使われ、ジテルペンアルデヒドなどの精油アミノ酸タンニンなどを含んでいる[7]。精油は一般に中枢神経を刺激する作用があり、内服すれば発汗や血液循環を促進して、便通もよくする働きがある[14]。タンニンには収斂作用がある[14]

食用[編集]

ウドは山菜として有名で[9]、若葉、つぼみ、およびの部分が食用になり、独特の歯ごたえがあり香りもよい[9][11]。つぼみや茎は採取期間が短いが、若葉はある程度長期間に渡って採取することができる。スーパーや八百屋などで見られる白いものは、日の当たらない地下の室(むろ)で株に土を盛り暗闇の中で栽培した軟白栽培によるもので、モヤシのように茎を白く伸ばして出荷する[9][15]

料理の分野では前者を山ウド、後者を白ウドと呼び区別することが多い。ウドは特産野菜として栽培もされており[8]、白ウドは立川市を中心とした東京都多摩地域特産品東京うど)や大阪府茨木市太田および千堤寺地区特産の「三島うど」などがある。 山ウドはややアクが強く、山菜として葉や先端を天ぷらなどにする他、ぬた、茹でたものを酢味噌和え、味噌汁の実とする。白ウドは前記の他、水でアク抜きをして煮浸しサラダとしても食べられる。また、皮も柔らかく、短冊切りにしてキンピラにすると美味しいため、白ウドは捨てるところがほとんどない。

一ヶ所から数本のウドの大木が生えている場合は、1本は切り倒してよい。茎の硬い皮を削ぎ取ると芯の部分はセロリのように美味である。ここまで大きくなると生のままでもほとんどアクがなく、雑味もない。また、先端の部分はまだ柔らかいので、若葉や花芽がまだ出ていないものは摘んで天婦羅にできる。

ただし、食物アレルギーがあるので、食べる際注意が必要。山中に生える物は太く立派だが、平地の林等に生える物は生長しても細い事が多い。

薬用[編集]

通例根茎を生薬にしたものを独活(どくかつ)、もしくは和独活(わどっかつ)[9][14]、あるいは土当帰(どとうき)[9]と称し、独活葛根湯などの各種漢方処方に配剤されるほか、根も和羌活として薬用にされる[16][17]。生薬にするときは、秋の10 - 11月ころに根茎や根を掘り取って陰干しとし、半ば乾いたところを湯につけて土砂と細根を取り除いて、厚さ0.5 - 1センチメートル (cm) の輪切りにしてから、さらに陰干しか天日干しして調製する[14]

民間療法では、風邪の初期症状、神経痛リウマチ頭痛などに、和独活を1日量3 - 10グラムを水400 - 600 ccでとろ火で煮詰めた煎じ液(水性エキス)を3回に分けて服用すると、体を温めるとともに痛みを和らげて顔のむくみに効用があるとされる[14][9]。茎葉を使う場合は、9 - 10月の花が咲いている時期に、地上部を刈り取って長さ5 cmに切り刻んで陰干しにしたものを使い、布袋に入れて浴湯料にして風呂に入れると、肩こり、腰痛、冷え症などの鎮痛、補温に役立つといわれている[14]

また、アイヌ民族はウドを「チマ・キナ」(かさぶたの草)と呼び、根をすり潰したものを打ち身の湿布薬に用いていた。アイヌにとってウドはあくまでも薬草であり、茎や葉が食用になることは知られていなかった。

セリ科シシウドの根は唐独活(中国産の独活[14])と呼ばれ、日本薬局方外生薬規格2018に収載されている[17]。漢方で使う独活は、腰痛に効くセリ科のシシウドの根の部分で、昔は独活の代用品としてウドが使われた[9]

ウドの名前をもつ他の植物[編集]

慣用句[編集]

ウドの大木
(ことわざ)。前述の通り、ウドは1.5メートル前後の大きさに育つが、茎が太く育った頃には食用にもならず[10]、また茎が柔らかすぎて木材にも適さないということから[11]、転じて「図体はでかいが中身が伴わず、役に立たないもの」のたとえ。ただし、前述したようにウドは樹木ではなく、草本の一種である。

脚注[編集]

  1. ^ 米倉浩司『高等植物分類表』北隆館、2010年、重版。ISBN 978-4-8326-0838-2
  2. ^ 大場秀章(編著)『植物分類表』アボック社、2010年、第2刷。ISBN 978-4-900358-61-4
  3. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Aralia cordata Thunb.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2012年8月4日閲覧。
  4. ^ a b c d "'Aralia cordata Thunb.". Tropicos. Missouri Botanical Garden. 2200807. 2012年8月4日閲覧
  5. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Aralia taiwaniana Y.C.Liu et F.Y.Lu”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2012年8月4日閲覧。
  6. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Aralia cordata Thunb. f. biternata Nakai”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2012年8月4日閲覧。
  7. ^ a b c d e 田中孝治 1995, p. 170.
  8. ^ a b c d 大嶋敏昭監修 2002, p. 77.
  9. ^ a b c d e f g h i 貝津好孝 1995, p. 152.
  10. ^ a b c d 山田孝彦 & 山津京子 2013, p. 65.
  11. ^ a b c d e f g h i 内藤俊彦 1995, p. 287.
  12. ^ 文部科学省 「日本食品標準成分表2015年版(七訂)
  13. ^ 厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2015年版)
  14. ^ a b c d e f g 田中孝治 1995, p. 171.
  15. ^ 本山荻舟『飲食事典』平凡社、1958年12月25日、56頁。
  16. ^ 第十七改正日本薬局方”. 2019年2月12日閲覧。
  17. ^ a b 日本薬局方外生薬規格2018について - 日本一般用医薬品連合会”. 2019年2月12日閲覧。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]