イエス大師

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イエス大師(Master Jesus)[1]は、神智学協会に発する近代神智学、およびその影響を受けたアセンデッド・マスターの教え英語: Ascended Master Teachings)において、キリスト教の救世主イエス・キリストを霊的指導者のひとりとみなしたもの。キリスト教世界に衝撃を与え、カトリック教会に近代神智学を嫌悪させる一因になった。

概要[編集]

イエス大師は、ネオ神智学の教義においては古の知恵の大師方英語: Masters of the Ancient Wisdom)の一人、アセンデッド・マスターの教えにおいてはアセンデッド・マスター英語: Ascended master)〔「上昇(昇天)したマスター」の意〕の一人であり、大白色同胞団(グレート・ホワイト・ブラザーフッド)の一員とされる。神智学徒アリス・ベイリー英語版によれば、イエス大師は神智学的概念である7つの光線英語: Seven rays)のうち、第六光線を司る[2]

イエス大師の前世[編集]

エリザベス・クレア・プロフェット英語版によると、イエス大師はアトランティスの皇帝に二度転生しているという。一度目は紀元前33050年、二度目は紀元前15000年のことである[3]。アリス・ベイリーによるとイエス大師はかつて紀元前13世紀にヘブライの軍事指導者ヨシュアに、紀元前16世紀に大祭司ヨシュアに生まれ変わった[4]

イエスの磔[編集]

アセンデッド・マスターの教えの信奉者は、イエス大師はエルサレムでの磔によって「第四段階のイニシエーション」(近代神智学の概念)を受けたのだと信じている。

イエスの復活[編集]

アリス・ベイリーやベンジャミン・クレーム英語版は、イエスは肉体から復活した時、テュアナのアポローニオス英語版に生まれ変わったと信じている。一方、アセンデッド・マスターの教えの信奉者は、イエスが自身の肉体を伴って復活し昇天したというキリスト教の見方を支持する。

復活後の活動[編集]

アセンデッド・マスターの教えの信奉者は、復活の後イエスが40日目に昇天したとき、彼はユダヤからカシミールに空中に浮遊して移動し、ここで81歳になるまで生き、そこでシャンバラに昇天したと信じている[5]

懐疑的見解[編集]

K・ポール・ジョンソン英語: K. Paul Johnson)は、ブラヴァツキー夫人は大師方について書き、大師方からの手紙をこしらえたが、その大師方とは実際には彼女の助言者であった人々を理想化したものにすぎなかった、と主張している[6]。ニューヨーク・タイムズの記事でポール・ツワイクは、ブラヴァツキー夫人の啓示は欺瞞的なものであったと主張した[7]

ただし、イエス大師はブラヴァツキー夫人が出会ったことがあると主張した「大師方」の一人ではなかった。イエスはアニー・ベサントチャールズ・ウェブスター・レッドビータ英語版によって、両名の1913年の共著 Man: Whence, How and Whither (『人間 - どこから、どうやって、そしてどこへ』)において大師の一人に加えられたのである[8]

参照[編集]

  1. ^ Image of the Master Jesus distributed by ZakaiRan and painted by New Age Artist Peter Fich Christiansen
  2. ^ Bailey, Alice A, A Treatise on Cosmic Fire (Section Three - Division A - Certain Basic Statements), 1932, Lucis Trust. 1925, p 1237
  3. ^ Prophet, Elizabeth Clare and Prophet, Mark (as compiled by Annice Booth) The Masters and Their Retreats Corwin Springs, Montana:2003 Summit University Press Pages 142-143
  4. ^ Bailey, Alice A. Initiation, Human and Solar New York: 1922--Lucis Publishing Page 56
  5. ^ Prophet, Elizabeth Clare and Prophet, Mark (as compiled by Annice Booth) The Masters and Their Retreats Corwin Springs, Montana:2003 Summit University Press Pages 144
  6. ^ Johnson, Paul K. Initiates of Theosophical Masters Albany, New York:1995 State University of New York Press
  7. ^ "Talking to the Dead and Other Amusements" by Paul Zweig New York Times October 5, 1980
  8. ^ Besant, Annie and Leadbeater, C.W. Man: How, Whence, and Whither? Adyar, India:1913 Theosophical Publishing House Page Page 133