コンテンツにスキップ

アリスティデス・アキーノ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アリスティデス・アキーノ
Aristides Aquino
メキシコシティ・レッドデビルズ #56
基本情報
国籍 ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
出身地 サントドミンゴ
生年月日 (1994-04-22) 1994年4月22日(30歳)
身長
体重
195 cm
108 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 外野手
プロ入り 2011年 アマチュアFA
初出場 MLB / 2018年8月19日
NPB / 2023年3月31日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

アリスティデス・アキーノ・ヌニェスAristides Aquino Núñez[注 1]1994年4月22日 - )は、ドミニカ共和国サントドミンゴ出身のプロ野球選手外野手)。右投右打。

愛称は「パニッシャー[3]

経歴

[編集]

プロ入りとレッズ時代

[編集]
AAA級ルイビル・バッツ時代
(2022年7月17日 PNCフィールド

2011年1月に、ドミニカン・プロスペクト・リーグ英語版からアマチュア・フリーエージェントシンシナティ・レッズ契約金11.5万ドルマイナー契約を結びプロ入り[4]。同年5月28日にレッズ傘下のマイナーチームであるR級DSLレッズ英語版でプロデビュー。

2011年はDSLに専属し、233打席で打率.188、3本塁打、21打点を記録した。

2012年もDSLに専属し、274打席で打率.197、3本塁打、26打点を記録。

2013年はR級AZLレッズ英語版でシーズンを迎え、8月18日にR+級ビリングス・マスタングス英語版に昇格。このシーズンは2チーム合計で279打席で打率.262、7本塁打、48打点を記録した。

2014年はR+級ビリングスでシーズンを専属し、307打席で打率.292、16本塁打、64打点を記録。

2015年はA級デイトン・ドラゴンズでシーズンを迎えた。4月25日に腹部の張りでDL英語版入り。6月28日にR+級ビリングスで実戦復帰。7月15日にA級デイトンに再昇格した。このシーズンは2チーム合計で303打席で打率.247、7本塁打、40打点を記録。シーズンオフにウィンターリーグであるLIDOMレオネス・デル・エスコヒードに所属。以降、2017年オフまでの毎シーズンオフにレオネスに所属した。

2016年はA+級デイトナ・トーテュガスに昇格し、シーズンを専属した。シーズン成績は484打席で打率.273、23本塁打、79打点を記録し、リーグ最優秀選手英語版に選出された[4][5]。シーズンオフにレッズはアキーノを40人ロスターに追加した[6]

2017年はAA級ペンサコーラ・ブルーワフーズに昇格し、シーズンを専属した。シーズン成績は504打席で打率.216、17本塁打、56打点を記録した。

2018年はAA級ペンサコーラでシーズンを迎えた。

2018年8月17日にジョーイ・ボット10日間故障者リスト入りした入れ替わりでメジャー昇格[7][8]、翌々日19日に行われたサンフランシスコ・ジャイアンツ戦で代打として出場しメジャーデビュー[9]。メジャー初打席は三振だった。このシーズンのメジャー出場はこの試合のみで、8月25日にAA級ペンサコーラに降格しシーズンを終えた。マイナー成績は445打席で打率.240・OPS.754・20本塁打を記録。11月30日にマイナーFAとなり、12月1日にレッズとマイナー契約を結んだ。シーズンオフにLIDOMのティグレス・デル・リセイに所属した。

2019年はAAA級ルイビル・バッツでシーズンを迎えた。4月23日に右肩の張りで故障者リスト入りし、5月18日に復帰。8月1日にメジャー昇格し、同日行われたアトランタ・ブレーブス戦で「6番・右翼手」でメジャー初スタメン入り[10]。8月3日のブレーブス戦でメジャー初安打及びメジャー初本塁打を記録。8月6日のロサンゼルス・エンゼルス戦から8月10日のシカゴ・カブス戦にかけて4試合連続本塁打を記録し、8月10日のカブス戦で1試合3本塁打を記録[11]。8月第2週[注 2]プレイヤー・オブ・ザ・ウィークに選出された[12]

2020年は、メジャー出場が、23試合に減少。

2021年は、メジャーにて、84試合で10本塁打。

2022年は開幕から不振で、4月30日にDFAとなり[13]、傘下AAA級のルイビル・バッツに合流した。5月20日にCOVID-19ワクチン未接種者の入国が許可されていないカナダのトロントで行われるブルージェイズとのアウェーゲームにて、制限リスト入りした選手の代替としてアクティブロースター入りした[14]。オフの11月15日にDFAとなり、18日に自由契約となった[15]

中日時代

[編集]

2022年11月28日にNPB中日ドラゴンズと契約したことが発表された。推定年俸は120万ドル(約1億6700万円)プラス出来高払い[16][17][18]。背番号は9。開幕前は侍ジャパンの強化試合で戸郷翔征からホームランを放ち、オープン戦でも4本塁打と活躍を見せていたが、シーズンは20試合の出場で打率.154、1本塁打、6打点と全く振るわず、そのままシーズンが終了し、10月4日に退団を発表した[19]

メキシカンリーグ時代

[編集]

2024年2月20日、メキシカンリーグに所属するメキシコシティ・レッドデビルズへの入団が発表された[20]

選手としての特徴

[編集]

強肩強打が特徴の外野手[21]トニー・バティスタに似た特徴的な打法を持つ[22]

2022年シーズンにはMLB全体でも上位8%に入る最高打球速度113.6マイル(約182.8キロ)記録するなど飛び抜けたパワーを誇る一方で[23]、メジャー通算打席の3分の1以上で三振を喫するなどと粗さがあり、特にスライダーやカーブなどのブレイキング・ボールに弱い[21]

肩の強さはメジャーでもトップクラスであり、2022年シーズンは最速101.6マイルの送球で外野出場わずか78試合ながらリーグ最多の12個の補殺を記録した[21][24]

俊足の持ち主であり、2022年シーズンのスプリントスピード[注 3]は28.8(ft/秒)を記録した。これは、同シーズンの大谷翔平鈴木誠也を上回り、同年までに2年連続で年間30盗塁を記録したトミー・エドマンに匹敵する数値である[25]

詳細情報

[編集]

年度別打撃成績

[編集]
















































O
P
S
2018 CIN 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .000 .000 .000 .000
2019 56 225 205 31 53 8 0 19 118 47 7 0 0 2 16 2 2 60 5 .259 .316 .576 .891
2020 23 56 47 7 8 1 0 2 15 8 1 0 0 0 6 0 3 18 1 .170 .304 .319 .623
2021 84 204 174 25 33 6 1 10 71 23 2 2 0 2 27 2 1 75 0 .190 .299 .408 .707
2022 80 276 259 24 51 13 0 10 94 30 2 3 0 0 17 0 0 101 1 .197 .246 .363 .609
2023 中日 20 68 65 2 10 4 0 1 17 6 0 1 0 1 2 0 0 32 0 .154 .176 .262 .438
MLB:5年 244 762 686 87 145 28 1 41 298 108 12 5 0 4 66 4 6 255 7 .211 .285 .434 .719
NPB:1年 20 68 65 2 10 4 0 1 17 6 0 1 0 1 2 0 0 32 0 .154 .176 .262 .438
  • 2023年度シーズン終了時

年度別守備成績

[編集]
一塁守備


一塁(1B)












2019 CIN 1 0 0 0 0 ----
MLB 1 0 0 0 0 ----
外野守備


左翼(LF) 中堅(CF) 右翼(RF) 外野
















































2018 CIN - - 1 0 0 0 0 ---- -
2019 - - 54 97 3 2 0 .980 -
2020 13 19 0 0 0 1.000 1 0 0 0 0 ---- 4 3 0 0 0 1.000 -
2021 35 34 0 3 0 .919 14 20 1 0 0 1.000 27 30 0 0 0 1.000 -
2022 7 10 2 0 0 1.000 2 5 0 0 0 1.000 69 125 10 5 4 .964 -
2023 中日 - - - 16 32 0 3 0 .914
MLB 55 63 2 3 0 .956 17 25 1 0 0 1.000 155 255 13 7 4 .975 -
NPB - - - 16 32 0 3 0 .914
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最多

表彰

[編集]
MiLB
MLB

記録

[編集]

NPB

[編集]
初記録

背番号

[編集]
  • 63(2018年)
  • 44(2019年 - 2022年)
  • 9(2023年)

登場曲

[編集]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ スペイン語発音: [a.ɾis.ˈti.ðes a.ˈki.no ˈnu.ɲes][1]英語発音: [ˌɑrɪˈstidz əˈkinoʊ ˈnunɛz][2]
  2. ^ 8月5日から8月11日
  3. ^ 走塁時における最も速い1秒間をトップスピードとして抽出した数値。

出典

[編集]
  1. ^ スペイン語の発音記号変換ツール”. easypronunciation.com. 2019年8月11日閲覧。
  2. ^ 英語のIPA発音記号変換(アメリカ英語)”. tophonetics.com. 2019年8月11日閲覧。
  3. ^ Mark Sheldon (August 11, 2019). “New stance helps 'The Punisher' earn nickname”. MLB.com. August 11, 2019閲覧。
  4. ^ a b No. 22 Cincinnati Reds prospect Aristides Aquino jkeeps slugging for Daytona Tortugas - MiLB.com News - The Official Site of Minor League Baseball”. 2016年10月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。November 19, 2016閲覧。
  5. ^ Dean, Zach. “Daytona Tortugas' Aristides Aquino named 2016 FSL Player of the Year”. November 19, 2016閲覧。
  6. ^ Jesse Winker among 7 protected from Rule 5 draft”. November 19, 2016閲覧。
  7. ^ Cincinnati Reds place 1B Joey Votto on the 10-day disabled list with a leg injury”. cincinnati.com. August 11, 2019閲覧。
  8. ^ Reds' Aristides Aquino: Heading to majors”. www.cbssports.com. CBS Interactive (August 17, 2018). August 22, 2018閲覧。
  9. ^ Balanced Reds sweep Giants with 11-4 romp”. www.foxsports.com. Fox Sports Interactive Media, LLC. (August 19, 2018). August 22, 2018閲覧。
  10. ^ RotoWire Staff (August 1, 2019). “Reds' Aristides Aquino: Gets big-league call”. CBS Sports. August 1, 2019閲覧。
  11. ^ Mark Sheldon (August 11, 2019). “Aquino hits 3 HRs, has 7 in 10 career games”. MLB.com. August 11, 2019閲覧。
  12. ^ Jorge Soler, Aristides Aquino named W.B. Mason Players of the Week”. Major League Baseball. August 12, 2019閲覧。
  13. ^ Aristides Aquino designated for assignment by Reds”. www.mlb.com. 2022年5月1日閲覧。
  14. ^ “Reds Make Series Of Roster Moves”. MLB Trade Rumors. (2022年5月20日). https://www.mlbtraderumors.com/2022/05/reds-make-series-of-roster-moves.html/email 2022年5月22日閲覧。 
  15. ^ Aristides Aquino Stats, Fantasy & News” (英語). MLB.com. 2022年11月27日閲覧。
  16. ^ 新外国人選手契約のお知らせ - 中日ドラゴンズ公式ウェブサイト 2022年11月28日閲覧
  17. ^ 中日がアキーノ外野手の獲得発表「日本の野球に適応し、勝利に貢献したい」メジャー通算41本塁打”. 中日スポーツ (2022年11月28日). 2022年11月28日閲覧。
  18. ^ 【中日】メジャー通算41発のアキーノ獲得発表「持ち前のパワーを発揮したい」貧打解消に2億円助っ人”. スポーツ報知 (2022年11月28日). 2022年11月28日閲覧。
  19. ^ 【中日】アルモンテ&アキーノの退団を正式発表「来年の今頃はビーチでのんびりしているさ」既に帰国の途”. スポーツ報知 (2023年10月4日). 2024年1月27日閲覧。
  20. ^ DiablosRojosMX [@DiablosRojosMX] (2024年2月20日). "Lo que se viene con nuestro roster". X(旧Twitter)より2024年2月20日閲覧
  21. ^ a b c 規格外のパワーとMLB屈指の強肩を誇る中日新助っ人アキーノ。日本での成功を左右する「決定的な弱点」とは?<SLUGGER>”. THE DIGEST. 日本スポーツ企画出版社 (2022年11月28日). 2023年1月29日閲覧。
  22. ^ Andrew Mearns (August 10, 2019). “I'm not sure who Aristides Aquino is, but he might be the best baseball player of all time”. Cut4 MLB.com. August 11, 2019閲覧。
  23. ^ 中日新助っ人が秘める“特殊能力”「ムキムキ上腕」からの怪力が貧打竜打線を救う”. Full-Count (2023年1月14日). 2023年1月29日閲覧。
  24. ^ https://www.mlb.com/news/statcast-top-plays-of-2022
  25. ^ Statcast Sprint Speed Leaderboard”. Baseball Savant. 2023年8月7日閲覧。
  26. ^ a b c “【中日】新外国人アキーノが来日初安打&初打点とハッスル 先発の小笠原慎之介を援護”. スポーツ報知. (2023年3月31日). https://hochi.news/articles/20230331-OHT1T51221.html?page=1 2023年4月1日閲覧。 
  27. ^ “【中日】代打・アキーノが来日1号の130メートル弾で追加点 アルモンテと“AA砲”アベックアーチ”. スポーツ報知. (2023年4月12日). https://hochi.news/articles/20230412-OHT1T51239.html 2023年4月12日閲覧。 

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]