駄菓子

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昭和の駄菓子 昭和なつかし博覧会 2007年2月17日明石市立文化博物館

駄菓子(だがし)とは、茶席や贈答にも使われる高級菓子に対し、主に子供向けに製造販売される、安価な菓子のことである。

歴史

元は江戸時代雑穀水飴などを材料に使って作り上げ、庶民の間食として食べられていたのと、安さもあり一文菓子と呼ばれていた[1]

地方においては常備食として蓄えていた「(ほしい)」の払い下げを行っていたことから、それを材料とした駄菓子を作り上げ、今も売られる伝統的な郷土菓子として定着した地方もある。特に東北地方の仙台藩会津藩鶴岡藩南部藩などは有名。

駄菓子という名称は、高級な上菓子の対照としてつけられたもので、関西地方では雑菓子(ざつがし)とも称されている。この頃の駄菓子は製造に用いる材料が制限され、高価な白砂糖などを用いることは許されなかった。伝統的な駄菓子に「干し柿の甘さ」という言葉が残されているが、これは当時の様子を示す言葉だったとも考えられている。

現在、駄菓子として売られているものは、明治時代からの流れを受け、戦後に発達したものがほとんどで、その種類も豊富である。パッケージに児童に人気のスポーツ選手アニメキャラクターを使用する、物によってはクジ引きが出来、当たりが出ればおまけがもらえるなど、顧客の子供たちを飽きさせない工夫がなされている。

流通経路として、昭和期には駄菓子屋が全国の街角に見られ一時代を築いたが、社会事情の変化で現在は少なくなり、近年はコンビニエンスストアや大型ショッピングセンタースーパーマーケットなどに販売の中心が移った。しかし少子化などで、駄菓子業界も淘汰の時代を迎え、中小駄菓子メーカの廃業がニュースなどでしばしば報道されている。

現在も売られている伝統的な駄菓子

現在売られている駄菓子の種類

カッコ内は備考。

ふ菓子
あんこ玉

出典

  1. ^ 中島久枝『人と土地と歴史をたずねる 和菓子』柴田書店 2001年 ISBN 4-388-05882-3

関連項目

外部リンク

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