薬丸岳

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薬丸 岳
(やくまる がく)
誕生 (1969-08-26) 1969年8月26日(54歳)
兵庫県明石市
職業 推理作家
国籍 日本の旗 日本
活動期間 2005年 -
ジャンル 推理小説
主な受賞歴 江戸川乱歩賞(2005年)
デビュー作天使のナイフ
ウィキポータル 文学
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薬丸 岳(やくまる がく、1969年8月26日 - )は、日本の小説家。本名は同じ漢字でやくまる たけしと読む[1]

兵庫県明石市出身。1988年駒澤大学高等学校を卒業。2005年、『天使のナイフ』で第51回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。日本推理作家協会現会員。

人物・経歴

幼い頃から映画に熱中し、特に好きだったのはスティーブ・マックイーン名画座に通いつめる内に、作り手になりたいと思うようになる。金子正次が脚本・主演を担当した「竜二」を見て俳優を志し、東京キッドブラザースの入団試験を受け合格するが、ミュージカルが肌に合わずに断念、半年ほどで退団した[1]。その後、バーテンダーなどを経て、シナリオを学び始め、日本脚本家連盟ライターズスクール66期卒業、同連盟理事の脚本家西条道彦に師事していた。ライターズスクールで偶然隣の席になったことから仲良くなったのが、歌手木山裕策であり、現在も親交が続いている[1]

脚本家の道も成果が出ず、漫画原作者を目指すようになり、『MANGAオールマン』の佳作に入選したこともあったが、その道にも行き詰まりを感じるようになった。そんな時に出会ったのが、第47回江戸川乱歩賞受賞作の高野和明の「13階段」であった。この作品に衝撃を受け、本格的に小説家を目指すようになった。こうして生まれたのが少年法を扱った「天使のナイフ」であり、そもそも少年法に興味を持つきっかけとなったのは、19歳の頃に起こった女子高生コンクリート詰め殺人事件であった[1]。乱歩賞受賞当時は「秋葉俊介」というペンネームだったが、逢坂剛のアドバイスにより現在の筆名に変更した[1]

文学賞受賞・候補歴

作品リスト

単行本

刑事・夏目信人シリーズ

  • 刑事のまなざし(2011年6月 講談社 / 2012年6月 講談社文庫
    • 収録作品:オムライス / 黒い履歴 / ハートレス / 傷痕 / プライド / 休日 / 刑事のまなざし
  • その鏡は嘘をつく(2013年12月 講談社 / 2016年3月 講談社文庫)
  • 刑事の約束(2014年4月 講談社)
    • 収録作品:無縁 / 不惑 / 被疑者死亡 / 終の住処 / 刑事の約束

その他

  • 天使のナイフ(2005年8月 講談社 / 2008年8月 講談社文庫)
  • 闇の底(2006年9月 講談社 / 2009年9月 講談社文庫)
  • 虚夢(2008年5月 講談社 / 2011年5月 講談社文庫)
  • 悪党(2009年7月 角川書店 / 2012年9月 角川文庫
    • 収録作品:悪党 / 復讐 / 形見 / 盲目 / 慟哭 / 帰郷 / 今際
  • ハードラック(2011年9月 徳間書店
  • 死命(2012年4月 文藝春秋 / 2014年11月 文春文庫
  • 逃走(2012年10月 講談社 / 2014年7月 講談社文庫)
  • 友罪(2013年5月 集英社
  • 神の子(2014年8月 光文社【上・下】)
  • 誓約(2015年3月 幻冬舎
  • アノニマス・コール(2015年6月 KADOKAWA
  • Aではない君と(2015年9月 講談社)

アンソロジー

「」内が薬丸岳の作品

  • ザ・ベストミステリーズ 2007 推理小説年鑑(2007年7月 講談社)「オムライス」
    • 【分冊・改題】MARVELOUS MYSTERY 至高のミステリー、ここにあり ミステリー傑作選(2010年11月 講談社文庫)
  • ザ・ベストミステリーズ 2008 推理小説年鑑(2008年7月 講談社)「黒い履歴」
    • 【分冊・改題】Doubt きりのない疑惑 ミステリー傑作選(2011年11月 講談社文庫)
  • ザ・ベストミステリーズ 2010 推理小説年鑑(2010年7月 講談社)「休日」
    • 【分冊・改題】Logic 真相への回廊 ミステリー傑作選(2013年4月 講談社文庫)
  • 現場に臨め(2010年10月 光文社カッパ・ノベルス / 2014年4月 光文社文庫)「償い」
  • デッド・オア・アライヴ(2013年12月 講談社 / 2014年9月 講談社文庫)「不惑」
  • ザ・ベストミステリーズ 2014 推理小説年鑑(2014年5月 講談社)「不惑」

単著未収録短編

  • ロール・レタリング(講談社『小説現代』2005年9月号)
  • 同姓同名(講談社『小説現代』2007年2月号)
  • 誰かが私のそばにいる(新潮社小説新潮』2007年6月号)
  • スターティング・オーバー(新潮社『小説新潮』2007年12月号)
  • 償い(講談社『小説現代』2008年4月号)
  • アイデンティティー(新潮社『小説新潮』2009年1月号)
  • ムジナ(集英社小説すばる』2010年3月号)
  • メッセンジャー(講談社『小説現代』2012年2月号)
  • wannabe(ワナビー)(新潮社『小説新潮』2012年2月号)
  • 少年のまなざし(講談社『IN★POCKET』2013年10月号)

映像化作品

テレビドラマ

脚注

  1. ^ a b c d e 野性時代』(角川書店)2009年9月号 『悪党』刊行記念ロングインタビューより