昭和史発掘
『昭和史発掘』(しょうわしはっくつ)は、小説家松本清張によるノンフィクション作品。1964年7月6日号から1971年4月12日号まで文藝春秋の週刊誌『週刊文春』に連載された。発行部数は300万部を突破している[1]。
田中義一の陸軍機密費問題から日本近代史の分岐点と捉えた二・二六事件までを、関係者への取材や膨大な史料を駆使して描いている。
内容
文春文庫新装版(全9巻、2005年)による。
- 第1巻 陸軍機密費問題、石田検事の怪死、朴烈大逆事件、芥川龍之介の死、北原二等卒の直訴
- 第2巻 三・一五共産党検挙 、満洲某重大事件、佐分利公使の怪死、潤一郎と春夫、天理研究会事件
- 第3巻 「桜会」の野望、五・一五事件、スパイ"M"の謀略
- 第4巻 小林多喜二の死、京都大学の墓碑銘、天皇機関説、陸軍士官学校事件
- 第5巻 二・二六事件:相沢事件、軍閥の暗闘、相沢公判
- 第6巻 二・二六事件:北・西田と青年将校運動、安藤大尉と山口大尉、二月二十五日夜
- 第7巻 二・二六事件:襲撃、諸子ノ行動、占拠と戒厳令
- 第8巻 二・二六事件:奉勅命令、崩壊、特設軍法会議
- 第9巻 二・二六事件:秘密審理、判決、終章
※単行本(1965-1972)及び文庫旧版は全13巻。なお、単行本第13巻の末尾には、74ページにわたる全巻の人名索引が付されているが、文庫版では索引が省略されている。内容の詳しい検討を望む人は留意されたい。
脚注・出典
- ^ 佐野洋・半藤一利・郷原宏による「週刊誌連載時代の松本清張」(『松本清張研究』第8号 北九州市立松本清張記念館 2007年)