大関友久

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大関 友久
福岡ソフトバンクホークス #42
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 茨城県土浦市
生年月日 (1997-12-14) 1997年12月14日(26歳)
身長
体重
185 cm
94 kg
選手情報
投球・打席 左投左打
ポジション 投手
プロ入り 2019年 育成選手ドラフト2位
初出場 2021年6月4日
年俸 1100万円(2022年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

大関 友久(おおぜき ともひさ、1997年12月14日 - )は、茨城県土浦市出身[2]プロ野球選手投手)。左投左打。福岡ソフトバンクホークス所属。

経歴

プロ入り前

小学校1年生から野球を始め、土浦市立都和中学校時代は硬式野球のクラブチームである常総ドリームボーイズに所属[3]茨城県立土浦湖北高等学校では1年秋からチームのエースとなったが、3年夏は右手を疲労骨折していた影響もあって3回戦で敗退し、プロ志望届を提出したものの指名漏れとなった[3]甲子園出場は無し[4]

その後仙台大学に進学し、1年春からリーグ戦に出場。リーグ戦では通算19試合に登板し、54回1/3を投げて4勝3敗・防御率3.15という成績を残し[5]2019年9月24日付でプロ志望届を提出したが[6]、チームのエース格ではなく、ドラフト前の調査書が届いたのは福岡ソフトバンクホークスのみであった[4]

10月17日に行われた2019年のドラフト会議でソフトバンクから育成2位指名を受け[7]、支度金300万円、年俸400万円で仮契約。背番号122で入団が発表された[8]

プロ入り後

2020年ウエスタン・リーグでは5試合に登板し、計5イニングを投げて無失点[9]。三軍戦では23試合の登板で63回1/3を投げ、2勝3敗・防御率3.98という成績を残した[10]

2021年は春季キャンプをB組でスタートしたが、2月23日にA組へ昇格すると[11]、同日の埼玉西武ライオンズとの練習試合で2回無失点と好投し[12]、その後もアピールを続けた[13]。ただ、オープン戦最終戦に登板して1回2安打2四球2失点と結果を残せず、開幕を二軍で迎えた[14]。ウエスタン・リーグでは15試合の登板で1勝1敗3セーブ・防御率1.66と結果を残し[15]、5月28日に支配下登録[16]。推定年俸は800万円[15]、背番号は42へ変更となり[16]、同日に出場選手登録をされ[17]、6月4日の阪神タイガース戦でプロ初登板を果たした[18]。その後は7月14日に出場選手登録を抹消され[19]、10月2日に再登録となり[20]、そのまま一軍でシーズンを終え、この年は中継ぎとして12試合に登板し、防御率2.35を記録[21]。オフに300万円増となる推定年俸1100万円で契約を更改した[22]

2022年は先発転向を目指し、春季キャンプをA組でスタートすると初日から精力的に投げ込んだ[23]。3月4日の千葉ロッテマリーンズとのオープン戦に先発予定であった千賀滉大が新型コロナウイルス濃厚接触者の疑いで登板回避となり[24]、急遽先発すると3回2安打無失点と好投[25]。開幕ローテーション争いに加わったものの、開幕ローテーション5枠目は松本裕樹が内定し、6枠目は田中正義が最有力となっていた[26]。ただ、6枠目を決める3月20日の広島東洋カープ戦で田中が右肩の違和感で緊急降板し、二軍再調整[27]。さらに松本はプライベートで受けた鍼治療中に事故に遭い、体内に残った鍼の除去手術を受け、開幕直前にリハビリ組へ合流となった[28]。このような事態を受けて開幕ローテーションに入り[29]、3月31日のロッテ戦でプロ初先発となり、7回途中6安打無四球1失点の好投でプロ初勝利を挙げた[30]。続く4月10日の西武戦では4回2/3を5失点(自責点4)でプロ初黒星を喫すると[31]、守護神森唯斗の二軍再調整などのチーム事情もあってリリーフへ配置転換となり[32]、同23日の北海道日本ハムファイターズ戦ではプロ初の救援勝利を記録[33]。3試合のリリーフ登板を経て[34]5月1日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦に先発登板すると[35]、続く同7日のロッテ戦では9回3安打1四球6奪三振無失点と好投し、プロ初完投初完封勝利を挙げた[36]。5月28日の広島戦でシーズン4勝目を挙げて[37]以降は3試合連続で勝利投手の権利を持って降板しながらも勝ち星から見放されたが[38]、6月25日の日本ハム戦では9回4安打無失点と好投し、約1か月ぶりの勝利を自身初の無四球完封で飾り[39]、次の登板となった対楽天9回戦(はるか夢球場)でも6回2失点で勝利投手となったが、その後は公式戦3連敗。監督推薦で初出場となったオールスターゲームでは、PayPayドームで開催された第1戦の先発投手に選ばれ、1回1失点で降板。8月3日、球団より大関が左精巣に見つかった腫瘍の摘出手術を同月2日に受けたことが発表され[40]、同日付で出場選手登録抹消となった。その後の病理検査で腫瘍以外には見つからず[41]、9月25日に一軍に復帰し、2回を2安打無失点に抑えた。復帰後は中継ぎとしてシーズンを終えた。

選手としての特徴

身長185cmという恵まれた体格[3]から最速152km/hのストレート[39]カーブスライダーチェンジアップフォーク[42]ツーシーム[43]を投じる。

詳細情報

年度別投手成績





















































W
H
I
P
2021 ソフトバンク 12 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 88 23.0 12 1 10 0 2 13 0 0 6 6 2.35 0.96
2022 21 15 2 2 1 7 6 0 0 .538 409 101.1 88 8 28 0 4 70 1 1 37 33 2.93 1.14
通算:2年 33 15 2 2 1 7 6 0 0 .538 497 124.1 100 9 38 0 6 83 1 1 43 39 2.82 1.11
  • 2022年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績



投手












2021 ソフトバンク 12 1 2 0 0 1.000
2022 21 4 15 1 1 .950
通算 33 5 17 1 1 .957
  • 2022年度シーズン終了時

記録

初記録
投手記録
  • 初登板:2021年6月4日、対阪神タイガース1回戦(阪神甲子園球場)、7回裏に2番手で救援登板・完了、2回1失点
  • 初奪三振:同上、7回裏に青柳晃洋のスリーバント失敗
  • 初先発登板・初勝利・初先発勝利:2022年3月31日、対千葉ロッテマリーンズ3回戦(ZOZOマリンスタジアム)、6回1/3を1失点
  • 初完投・初完投勝利・初完封勝利:2022年5月7日、対千葉ロッテマリーンズ7回戦(ZOZOマリンスタジアム)、9回3安打1四球無失点6奪三振
打撃記録
その他の記録

背番号

  • 122(2020年 - 2021年5月27日)
  • 42(2021年5月28日 - )

登場曲

脚注

  1. ^ “ソフトバンク - 契約更改 - プロ野球”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). https://www.nikkansports.com/baseball/professional/koukai/team/koukai-hawks.html 2021年12月4日閲覧。 
  2. ^ 【ソフトバンク】育成2位の仙台大・大関、指名あいさつ「チームに貢献したい」 - スポーツ報知(2019年10月23日)2021年6月1日閲覧。
  3. ^ a b c 【ソフトバンク】大関友久、恩師が勇退の日にプロ初先発初勝利 小川幸男監督「運に恵まれていない子が…」”. スポーツ報知 (2022年4月1日). 2022年4月2日閲覧。
  4. ^ a b ソフトバンクの「シャドーする男」がプロ初先発で初勝利 1万種のフォーム試す”. 西日本スポーツ (2022年4月1日). 2022年4月2日閲覧。
  5. ^ 大関 友久(仙台大)|ドラフト・レポート”. draftrepo.blog.fc2.com. 2020年8月15日閲覧。
  6. ^ 仙台大トリオの小林、大関、稲毛田がプロ志望表明 - アマ野球 : 日刊スポーツ”. 日刊スポーツ (2019年9月24日). 2020年8月15日閲覧。
  7. ^ 【ソフトバンク】ドラフト結果速報・指名選手一覧”. 週刊ベースボールONLINE. 2020年8月15日閲覧。
  8. ^ yuki (2019年12月6日). “ソフトバンクが新入団選手発表、選手の推定年俸・背番号と活躍の予想”. ドラフト会議ホームページ2020 Draft home page. 2020年8月15日閲覧。
  9. ^ 2020年度 福岡ソフトバンクホークス 個人投手成績(ウエスタン・リーグ)”. 日本野球機構. 2020年11月15日閲覧。
  10. ^ 3軍選手成績 非公式戦個人成績 投手成績 2020/10/20(火)現在”. 福岡ソフトバンクホークス オフィシャルサイト. 2020年11月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月15日閲覧。
  11. ^ ソフトバンク育成の新星左腕がA組昇格「1軍に残り得る」工藤監督期待”. 西日本スポーツ (2021年2月22日). 2022年4月2日閲覧。
  12. ^ ソフトバンク期待の育成左腕・大関、西武を2回0封! 支配下へ猛アピールも本人は緊張感たっぷり”. 西日本スポーツ (2021年2月23日). 2022年4月2日閲覧。
  13. ^ ソフトバンク育成左腕大関、初の本拠地マウンドで支配下にまた一歩”. 西日本スポーツ (2021年3月4日). 2022年4月2日閲覧。
  14. ^ ソフトバンク育成大関、開幕メンバー外れる 捕手2人制でスタート”. 西日本スポーツ (2021年3月21日). 2022年4月2日閲覧。
  15. ^ a b “育成・大関の支配下は工藤監督の要望「お願いさせていただいた」”. 西日本スポーツ (西日本新聞社). (2021年5月28日). https://www.nishinippon.co.jp/nsp/item/n/746141/ 2021年6月6日閲覧。 
  16. ^ a b “ソフトバンク2年目・大関が支配下登録 「スタートラインに立てた」”. スポニチ Sponichi Annex. (2021年5月28日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2021/05/28/kiji/20210528s00001173249000c.html 2021年5月28日閲覧。 
  17. ^ “中日堂上、西武メヒアら登録、中日京田ら抹消/28日公示”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2021年5月28日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/202105280000627.html 2021年6月6日閲覧。 
  18. ^ “ソフトバンク大関プロ初登板2回1失点 大山に被弾も佐藤輝明から三振奪う”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2021年6月4日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/202106040001206.html 2021年6月6日閲覧。 
  19. ^ ソフトバンク甲斐野央ら登録、田中正義、石川柊太ら抹消/14日公示”. 日刊スポーツ (2021年7月14日). 2022年4月2日閲覧。
  20. ^ 【2日の公示】ソフトバンク・長谷川ら抹消、楽天・小郷ら登録”. Sponichi Annex (2021年10月2日). 2022年4月2日閲覧。
  21. ^ 来季先発候補大関「もう1個空振り取れる球を」フォーク習得中”. 西日本スポーツ (2021年11月18日). 2022年4月2日閲覧。
  22. ^ ソフトバンク大関友久300万円増「来季は先発で」期待のサウスポー”. 日刊スポーツ (2021年12月4日). 2021年12月4日閲覧。
  23. ^ ブレーク候補の大関が暴露 !杉山の胃袋は横綱級!?”. 西日本スポーツ (2022年2月14日). 2022年4月2日閲覧。
  24. ^ ソフトバンク千賀、4日の登板を急きょ回避 濃厚接触者の疑い”. 西日本スポーツ (2022年3月4日). 2022年4月2日閲覧。
  25. ^ 緊急先発で大関が好投、開幕ローテ入りへアピール”. 西日本スポーツ (2022年3月4日). 2022年4月2日閲覧。
  26. ^ 3投手がローテ1枠かけ20日に登板 5枠目は松本ゲット”. 西日本スポーツ (2022年3月15日). 2022年4月2日閲覧。
  27. ^ 田中正義の2軍再調整が決定 初の開幕ローテ入り目前で右肩違和感”. 西日本スポーツ (2022年3月22日). 2022年4月2日閲覧。
  28. ^ ソフトバンク松本、開幕は絶望的 はり治療中に事故―プロ野球”. 時事通信 (2022年3月23日). 2022年4月2日閲覧。
  29. ^ 開幕ローテ大混乱のソフトバンク…松本も離脱 レイ、チャトウッド急ピッチ仕上げも”. 西日本スポーツ (2022年3月24日). 2022年4月2日閲覧。
  30. ^ チャンス生かした左腕 育成出身の大関、初勝利―プロ野球・ソフトバンク”. 時事通信 (2022年3月31日). 2022年4月2日閲覧。
  31. ^ 「先に点与え、5回2死から粘れず反省」ソフトバンク大関、今季初黒星 5回途中5失点”. 西日本スポーツ (2022年4月10日). 2022年5月8日閲覧。
  32. ^ 大関、中継ぎで好投 先発から配置転換後初登板で2回零封”. 西日本スポーツ (2022年4月17日). 2022年5月8日閲覧。
  33. ^ 大関、救援で2勝目 ポーカーフェイスの左腕を変えた藤本監督の言葉と操縦術”. 西日本スポーツ (2022年4月24日). 2022年5月8日閲覧。
  34. ^ 大関「魂込めて」大学時代過ごした仙台で先発”. 西日本スポーツ (2022年5月1日). 2022年5月8日閲覧。
  35. ^ 大関、反省半分、手応え半分「次に生かしていきたい」”. 西日本スポーツ (2022年5月1日). 2022年5月8日閲覧。
  36. ^ ソフトバンク・大関がプロ初完封!16得点の大量援護「本当に感謝です」”. BASEBALL KING (2022年5月7日). 2022年5月8日閲覧。
  37. ^ 育成バッテリー喜びひとしお 大関4勝目、7回1失点”. 西日本新聞 (2022年5月29日). 2022年6月26日閲覧。
  38. ^ 大関「思い切って首を振らせてもらった」 勝ち星逃すも「頼もしい存在」”. 西日本スポーツ (2022年6月19日). 2022年6月26日閲覧。
  39. ^ a b 【ソフトバンク】大関友久、無四死完封で5勝目 左腕でシーズン2度15年大隣以来7年ぶり 藤本監督「関脇にしときましょうか」”. スポーツ報知 (2022年6月26日). 2022年6月26日閲覧。
  40. ^ "【ソフトバンク】大関友久、精巣がん疑いで摘出手術受けていた 復帰は未定 直近は7月30日先発". ニッカンスポーツ・コム. 日刊スポーツ新聞社. 3 August 2022. 2022年8月3日閲覧
  41. ^ “左精巣摘出手術の大関友久、今季中の復帰は見送りへ 藤本監督「来年また頭から入って」”. 西日本スポーツ. (2022年8月18日). https://www.nishinippon.co.jp/nsp/item/n/974697.amp 2022年10月16日閲覧。 
  42. ^ ソフトバンク・大関友久 すべてにこだわって「やっている以上は、すべて極めたい」”. 週刊ベースボールONLINE (2021年4月20日). 2022年5月9日閲覧。
  43. ^ ソフトB大関 2軍戦で“プロ初完封”「スタンドからの拍手うれしかった」”. Sponichi Annex (2021年9月23日). 2022年5月9日閲覧。
  44. ^ a b 球場使用曲一覧”. 福岡ソフトバンクホークスオフィシャルサイト. 2021年3月10日閲覧。

関連項目

外部リンク