ミャンマーの鉄道

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ミャンマーの鉄道(ミャンマーのてつどう)では、ミャンマーにおける鉄道について記す。

概要

ミャンマー(旧称:ビルマ)における鉄道はイギリス大英帝国植民地時代の1877年に、最初の路線(ヤンゴン - プローム間)が軌間1,000mm(メーターゲージ・狭軌)によって建設されたのを創始とする。この軌間を採用したのは、インドの鉄道において1,000mm軌間の鉄道を広軌の1,676mm軌間に変更する工事が行われ、その際に車両線路などの余剰品が発生し、それを流用したからである。

その後第二次世界大戦中には、日本陸軍によってタイバンコクからマンダレーまでを結ぶ軍用鉄道の泰緬鉄道が建設されたこともあったが、大戦後にミャンマー側の線路は撤去された。

現在、中核をなすヤンゴン - マンダレー間622kmの路線などを有するが、元々が中古品で建設された鉄道であったこと、更には整備・保守が行き届いていないことから、いずれも老朽化が進んでいて遅延も多く、乗り心地はお世辞でも良いとはいえない状況となっている。近年まで蒸気機関車も現役で使われていて、それを目当てに日本から訪れる鉄道ファンも多く存在した。なお、鉄道施設を無断で写真撮影することは禁止されており、写真撮影にはミャンマー国鉄の許可が必要である。

近年は、日本で不要となった中古車両が数多く譲渡されている。名古屋鉄道伊勢鉄道JR西日本のと鉄道天竜浜名湖鉄道北海道ちほく高原鉄道甘木鉄道JR東日本から譲渡された気動車の他に、JR貨物から譲渡されたディーゼル機関車が使用されている。

運行概要

等級はアッパークラス(一等)とオーディナリークラス(二等)の二種類で、特急列車急行列車寝台車も存在する。

また、メイン路線のヤンゴン - マンダレー間には「ダゴン・マン・エクスプレス」(Dagon Man Express Trains)とよばれる主に外国人観光客向けの特別列車も運行されており、この列車に限り一等寝台車で編成され、エアコンも装備されている。しかし前述のように線路の状況が悪いため、最優等列車といえるこの列車でも同区間に約15時間(表定速度41.5km/h)を要する。

ヤンゴンには環状運転を行う路線が存在しており、1周2時間半程度で走行している。ただ日本の山手線大阪環状線などとは異なり、環状線といっても日に数本程度しか運行されず、郊外には田園地帯を走る区間もある。

また、外国人に関しては正規料金の10倍近くにもなる外国人料金が適用され、更には二等車しか連結していない場合でも一等車の運賃・料金で計算される。