ネコ科

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ネコ科
トラ Panthera tigris
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
亜綱 : 獣亜綱 Theria
: ネコ目(食肉目) Carnivora
亜目 : ネコ亜目 Feliformia
: ネコ科 Felidae
学名
familia Felidae
Johann Fischer von Waldheim, 1817
和名
ネコ科
英名
Felids
下位分類群(亜科)

ネコ科学名familia Felidae英語名:Felids)は、脊椎動物亜門 哺乳綱 ネコ目(食肉目)に属する動物の一分類群(1)。

最初のネコ科の動物が現れたのは始新世のことであり、4000万年ほど昔のことである。人間にとってもっとも身近な種であるイエネコが人間に飼われ始めたのは約10000年前からとされている。ネコ科の種は幅広い環境に適応しており、アフリカからアジア南北アメリカにわたって野生の個体が生息している。生育地の多くは保護されており、猟などは禁止されている。

ネコ科は便宜的に(系統と無関係に)大型ネコと小型ネコに分けることができる。大型ネコにはよく知られる猛獣のライオントラヒョウジャガーチーターなどが含まれる。小型ネコにはオオヤマネコピューマボブキャットなどがいる。イエネコ以外の小型ネコはヤマネコと総称される。

特徴

ネコ科の動物は肉食であるため、狩りに適した身体的特徴をもつ。

身体はしなやかな筋肉質で、瞬発力を活かした動きで狩りを行う一方、持久力に乏しく、長距離を追い回すような狩りは行わない。多くの種は木に登ることが得意で、背中に迷彩模様をもつ。非常に強力な後ろ足を持ち陸上動物の中で最速の110km/hで走るチーターや、6m以上ジャンプするユキヒョウ、木からジャンプして飛ぶ鳥を捕食する種などもある。なかには、水中で狩りをするスナドリネコのような例も存在する。

は頭蓋の前方を向き、立体的に獲物までの距離を知ることができる。網膜内に光の反射層(タペータム)があり、弱い光でも増幅して見ることができる構造になっている。瞳孔は縦スリット型で明るさの変化への順応が早く、縮瞳時と散瞳時とで瞳孔径の差が大きい。これらは、多くが元々夜行性で、森で活動していたためと考えられている。なお、暗い場所にいるネコ科の動物に正面から光を当てると目が光って見えるのは、網膜の反射層によるものである。

陸棲食肉目の中で最大の犬歯と鋭い裂肉歯を持ち、短く大きいにより咬む力は相当強い。第二・第三大臼歯は完全に退化していて、裂肉歯の奥にある上顎第一大臼歯は痕跡器官となっている。

は頭の上に立つ形のものがほとんどで、目と同じように、両耳を揃えて前方に向けると高い指向性を発揮し、獲物の距離や方向を音からも鋭敏に知ることができる。可聴帯域は比較的広く、種によっては100kHzまでの帯域をカバーする。

獲物の捕獲や木登りに用いる鉤は常に鋭く研がれており、チーターを除く全ての種で収納することが可能である。この特徴は他の食肉目にはないネコ科特有のものである。また、他の食肉目と同様に足の裏に肉球をもつ。これらの特徴は獲物に近づく際に足音を抑えて、獲物に気づかれにくい利点があるとされている。

生態

夜行性で森や茂みの中で生活する種が多い。単独で狩りをする種がほとんどで、ライオンのような群れで行動する種は少ない。オーストラリアニュージーランド南極大陸を除き、ほぼ全ての地域に野生の種が存在していたが、その個体数は減少の一途をたどっている。

肉のみを食料とする種も多く、ほとんどの地域で食物連鎖の頂点にいる。

ネコ科の動物

ネコ亜科 Felinae

チーター属 Acinonyx

カラカル属 Caracal

Catopuma

ネコ属 Felis

Leopardus

サーバル属 Leptailurus

オオヤマネコ属 Lynx

Oncifelis

アンデスネコ属 Oreailurus

マヌルネコ属 Otocolobus

マヌルネコ 神戸市立王子動物園にて

アフリカゴールデンキャット属 Profelis

ベンガルヤマネコ属 Prionailurus

ピューマ属 Puma

ヒョウ亜科 Pantherinae

ウンピョウ属 Neofelis

ヒョウ属 Panthera

マーブルキャット属 Pardofelis

ユキヒョウ属 Uncia

化石種

Status

地域での自然破壊と野生動物の減少に従い、多くの野生種は野生絶滅の危機に瀕し、保護地域で生存するのみとなっている。さらに、毛皮を求める人間の乱獲により個体数の減少に拍車をかけている。飼育によって繁殖できる種もあり、種としての絶滅に近い物は数種類だが、生態がよく研究されていない種も多いのが現状である。

関連項目

外部リンク

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