マーゲイ

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マーゲイ
Margaykat Leopardus wiedii.jpg
マーゲイ Leopardus wiedii
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
亜綱 : 獣亜綱 Theria
: 食肉目 Carnivora
亜目 : ネコ亜目 Feliformia
: ネコ科 Felidae
: Leopardus
: マーゲイ L. wiedii
学名
Leopardus wiedii
(Schinz, 1821)
シノニム

Felis wiedii

英名
Long-tailed spotted cat
Margay
Margay Cat
Tiger cat
Tree ocelot
Margay area.png
マーゲイの生息分布図

マーゲイLeopardus wiedii)は、哺乳綱食肉目ネコ科に分類される南アメリカ原産の動物。種小名はドイツの探検家Prinz Maximilian zu Wied-Neuwiedに献名して名付けられた[1]。木登りがとても上手く、樹上生活を主とする。ここではLeopardus属に含めているが、ネコ属に含めてFelis wiediiとする場合もある。

分布[編集]

マーゲイはメキシコ北部から中央アメリカを経て、南アメリカにかけて分布し、生息域の南端はウルグアイアルゼンチンに達する。生息地は、熱帯常緑樹林から熱帯サバンナ林や雲霧林までにかけての密林が殆どであるが、時にはコーヒーココアプランテーションで見られることもある[2]

形態[編集]

体長46.3-79 cm、尾長33-51 cm、肩高30-45 cm、体重は3-9 kg[3]オセロットによく似ている。マーゲイのほうが頭がやや小さく、目が大きく、尻尾と脚が長く[2]、尻尾の模様も違う。暗褐色の大きく美しい目を持つ。雌は雄より体が小さい。他のネコ科の動物と違い、雌の乳頭が2つしかない[2]

体毛は黄褐色または灰褐色で、腹の方は色が薄い。全身に縁が黒く中が褐色の斑や黒のみの斑があり、それらが縦方向に並ぶ[3]。しっぽには特に多くの斑があり、先端は黒い。耳の後ろは黒く中央に白く丸い模様がある[2]。後足を回して反転させられるので、頭から木を駆け下りることができる。ネコ科の動物の中で後足を反転できる種はマーゲイの他にウンピョウだけである。また前足でも後足でも木の枝を掴むことができ、一本足で枝からぶら下がったりできる[3]

生態[編集]

パナマ、市営サミット自然公園のマーゲイ

ネコ科の動物の中では飛び抜けて木登りが上手い。その能力からツリーオセロット (tree ocelot) と呼ばれることがある[2]。夜行性で、繁殖期以外は単独で生活する[3]。オセロットが普通地上で獲物を追いかけるのに対して、マーゲイは専ら樹上で生活し、狩りも樹上で行う[2]

妊娠期間は約83日。1度の出産で産む仔は1匹、たまに2匹と、他の小型のネコ類に比べてとても少ない[3]

食性[編集]

マーゲイは夜行性であるため、彼らの野生の生活環境に出会えることは稀である。そのため食性は胃の内容物やフンの調査を基に研究されている。主食は樹上で生活するネズミ類やリスなどのげっ歯類。他にもオポッサム、小型のサル、トカゲ類、鳥類、タマゴ、アマガエル昆虫果実などを食べる[3][4]。 草などの植物を食べることもあるが、これは消化を助けるためだと考えられている。2006年の報告では野生のマーゲイは樹上のみで狩りを行うところが観察されたが[5]、時には地上で狩りを行うこともあり、地上に生息するアフリカアシネズミモルモットを食べるという報告もなされている[2]

また、獲物となる動物の一種を引き寄せるために、その鳴き声をまねすることが報告されている。南米に生息するオマキザル科の一種であるフタイロタマリンの成獣グループが近くにいた時、マーゲイがその子供の声真似をするところが見つかったのである。その時のマーゲイはフタイロタマリンの捕獲に成功しなかったが、この報告は新熱帯区の捕食動物が狩りにある種の攻撃擬態を用いることを初めて示した[6][7]

亜種[編集]

現在のところ以下の10亜種が確認されている[8]

Status[編集]

LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver. 3.1 (2001))

Status iucn3.1 LC.svg

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  1. ^ Leopardus wiedii, common name: margay”. 2007年4月15日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g Sunquist, Mel; Sunquist, Fiona (2002). Wild cats of the World. Chicago: University of Chicago Press. pp. 135–141. ISBN 0-226-77999-8. 
  3. ^ a b c d e f 。今泉忠明 『野生ネコの百科[最新版]』 データハウス、2004年、p.138-141、ISBN 978-4-88718-772-6
  4. ^ Wang, E. (2002). “Diets of Ocelots (Leopardus pardalis), Margays (L. wiedii), and Oncillas (L. tigrinus) in the Atlantic Rainforest in Southeast Brazil”. Studies on Neotropical Fauna and Environment 37 (3): 207–212. doi:10.1076/snfe.37.3.207.8564. http://taylorandfrancis.metapress.com/index/FN1FYN6WTTEKT95X.pdf 2007年6月15日閲覧。. 
  5. ^ Solórzano-filho, J.A. (2006). “Mobbing of Leopardus wiedii while hunting by a group of Sciurus ingrami in an Araucaria forest of Southeast Brazil”. Mammalia 2006 (1_2): 156–157. doi:10.1515/MAMM.2006.031. 
  6. ^ Calleia, F. O.; Rohe, F.; Gordo, M. (June 2009). “Hunting Strategy of the Margay (Leopardus wiedii) to Attract the Wild Pied Tamarin (Saguinus bicolor)”. Neotropical Primates (Conservation International) 16 (1): 32–34. doi:10.1896/044.016.0107. http://www.primate-sg.org/PDF/NP16.1.pdf 2010年7月18日閲覧。. 
  7. ^ Dell'Amore, Christine (2010年7月13日). “Jungle Cat Mimics Monkey to Lure Prey—A First”. National Geographic Daily News. National Geographic Society. 2010年7月18日閲覧。
  8. ^ Wozencraft, W. Christopher (2005年11月16日), “Order Carnivora (pp. 532-628)”, in Wilson, Don E., and Reeder, DeeAnn M., eds, Mammal Species of the World: A Taxonomic and Geographic Reference (第3 ed.), Baltimore: Johns Hopkins University Press, 2 vols. (2142 pp.), pp. 539–540, ISBN 978-0-8018-8221-0, http://www.bucknell.edu/msw3 

外部リンク[編集]

  • Cat Specialist Group 2002. Leopardus wiedii. In: IUCN 2006. 2006 IUCN Red List of Threatened Species.