ガッチャマン (映画)
ガッチャマン | |
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GATCHAMAN | |
監督 | 佐藤東弥 |
脚本 | 渡辺雄介 |
出演者 |
松坂桃李 綾野剛 剛力彩芽 濱田龍臣 鈴木亮平 |
音楽 | ニマ・ファクララ |
主題歌 | BUMP OF CHICKEN「虹を待つ人」 |
配給 | 東宝 |
公開 | 2013年8月24日 |
上映時間 | 113分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 4億8000万円 |
『ガッチャマン』 (GATCHAMAN) は、2013年8月24日[1]に公開された日本映画。制作は日活、配給は東宝が担当した。同時上映は『劇場版 おはよう忍者隊ガッチャマン』[2]。
キャッチコピーは「その力は、正義か、破壊か―」。
概要
タツノコプロ原作のアニメ作品『科学忍者隊ガッチャマン』の実写版映画作品である。2007年4月10日に同じくタツノコプロ原作のアニメ作品『ヤッターマン』と共に実写版映画の制作が発表され[3]、まずは2009年3月7日に、『ヤッターマン』が公開された。2012年10月12日には本作の概要が明らかになり[4][5][6]、日本テレビ放送網開局60周年、日活の100周年ならびにタツノコプロの50周年記念作品として制作されることも発表された[7]。また、アクションシーンは最新のVFX技術を駆使して描かれる。
タツノコプロのアニメ作品としては、『新造人間キャシャーン』(『CASSHERN』)、『マッハGoGoGo』(『スピード・レーサー』)、『ヤッターマン』に続いての実写映画化となる。
2013年4月11日に一部のビジュアルが公開された。これまでのシリーズと異なりダークヒーローのようなデザインのGスーツを着用するほか、ギャラクターの支配者である総裁Xは登場しない[8][9]。
撮影は2012年10月15日にクランクイン、12月27日にクランクアップ。ロケセットは、つくば市と高萩市に造られた[10][11]。
ストーリー
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西暦2050年代。突如現れた謎の組織ギャラクターは全世界に宣戦布告を行い、わずか17日で地球の半分を占領した。人類は不思議な結晶体である石に人類絶滅阻止をかけることになり、それを受けて国際科学技術庁の南部博士は、約800万人に1人といわれるその石の能力を引き出せる適合者探しを開始する。南部博士は適合者5人を探し出した上で施設に強制収容し、究極の兵器になるよう訓練を行う。そして究極の兵器に変身した5人はガッチャマンと名乗り、ギャラクターに立ち向かう。
登場人物
ガッチャマン
国際科学技術庁(以下:ISO)に収容され、兵器として訓練を受けた5人の適合者。
- 鷲尾健(わしお けん)
- 「ガッチャマン」のリーダーで、ナンバーは0071。石の「適合者」として高い能力を持つ。武器は鳥型のブーメラン「バードラン」。責任感が強く任務完遂を至上課題とする。
- ジョージ浅倉 / ジョー(じょーじ あさくら)
- ISOヨーロッパ支部から移籍してきた凄腕の「ガッチャマン」。ナンバーは0062。武器は「羽根手裏剣」。幼少期より健・ナオミと共に「適合者」訓練を受けてきた。ナオミに告白した直後にギャラクターの襲撃を受けてナオミを失ったことから、ギャラクターに強い復讐心を抱いている。エピローグではナオミと関係を持ったことから「ウイルスX」に感染しておりジョーの目が赤く光り、ジョーが次のベルクカッツェになることを示唆するシーンで終わりになる、
- 大月ジュン(おおつき じゅん)
- 「ガッチャマン」の紅一点。ナンバーは0283。石との適合率は健より高いが情緒が不安定。武器は電磁ヨーヨー。9歳の頃に両親がギャラクターの捕虜となった過去を持つ。健に恋心を寄せアタックし続ける。
- 大月甚平(おおつき じんぺい)
- ジュンの実弟。ナンバーは0284。ハッキングなどの情報処理技量が高い。戦闘ではアメリカンクラッカー型の武器を操る。大人びているが、場の雰囲気を和ませるために子供っぽさを演じる。
- 中西竜(なかにし りゅう)
- ナンバーは0135。怪力を活かした戦闘が得意でガッチャマン専用機「ゴッドフェニックス」の操縦担当。15歳まではストリートチルドレンだったが、石の「適合者」だったためISOへ強制連行され訓練を受けた。鹿児島弁が特徴で心優しい性格。
その他
- 南部博士
- ISO所属の科学者で、ガッチャマンの生みの親。
- カークランド博士
- ISOの科学者で、ガッチャマンに対抗すべく、石の力を使った衛星兵器「モスコーン」を開発した。
- ナオミ / ベルクカッツェ
- 健、ジョーと共に幼少期から訓練を受けてきた「適合者」の一人。幼馴染みであるジョーのプロポーズを受けた直後にギャラクターの襲撃を受け、命を落としたとされていた。しかし、実際はギャラクターの3代目「ベルクカッツェ」となって生存しており、健・ジョーとは、自由に対する考えの違いから敵対することになる。
- イリヤ
- ギャラクターのNo.2を名乗る謎の侵略者。ベルクカッツェとの覇権争いに敗北した後、情報提供を条件にISOへ亡命を希望する。
キャスト
- 鷲尾健:松坂桃李
- ジョージ浅倉:綾野剛
- 大月ジュン:剛力彩芽
- 大月甚平:濱田龍臣
- 中西竜:鈴木亮平
- ギルマン:新上博巳
- メイ:Yumiko
- マイクミラー:川本耕史
- アンダーソン長官:グレゴリー・ペーカー
- ISO職員:菜葉菜
- 大使館員:アレクサンダー・クレメンス
- 来賓夫婦・夫:マノジュ・マントリ
- 来賓夫婦・妻:ディララ・イスラム・ティナ
- 来場者1:リー・デイビッド・カーマイケル
- 来場者2:サッド・ギルバート
- 屋台店主:バルニー
- 健(子役):奥井長門
- ジョー(子役):大元喜翔
- ジュン(子役):石井心愛
- 甚平(子役):岩田遥
- 竜(子役):吉田翔
- ナオミ(子役):古味来夢
- ISO係員1:増田健一
- ISO係員2:松田ジロウ
- ISO係員3:岩田有弘
- 南部博士の妻(写真):屋敷紘子
- 南部博士の娘(写真):矢吹奈子
- 女性アナウンサー:馬場典子(日本テレビ)
- 男性アナウンサー:佐藤義朗(日本テレビ)
- ドクロベエ(声):滝口順平
- ナオミ / ベルクカッツェ:初音映莉子
- カークランド博士:光石研
- イリヤ:中村獅童(特別出演)
- 南部博士:岸谷五朗
スタッフ
- 原作:タツノコプロ
- 企画:日本テレビ放送網、日活
- 監督:佐藤東弥
- 脚本:渡辺雄介
- キャラクターデザイン:荒牧伸志
- 製作総指揮:城朋子、佐藤直樹
- エクゼクティブプロデューサー:奥田誠治
- 製作:門屋大輔、柏木豊、富山幹太郎、田中修一郎
- プロデューサー:藤村直人、田中正、山本章
- 音楽:ニマ・ファクララ
- 主題歌:「虹を待つ人」(BUMP OF CHICKEN)[12]
- サウンドデザイナー:谷口広紀
- 録音:山方浩
- 編集:渋谷陽一
- VFX:白組
- 制作:映画「ガッチャマン」製作委員会(日本テレビ放送網、日活、東宝、読売テレビ放送、バップ、タカラトミー、タツノコプロ、札幌テレビ放送、宮城テレビ放送、静岡第一テレビ、中京テレビ放送、広島テレビ放送、福岡放送)
- 制作プロダクション:ジャンゴフィルム
- 配給:東宝
評価
TOHOシネマズ日劇他全国307スクリーンで公開され、2013年8月24日、25日の初日2日間で興収1億1,569万7,600円 動員9万318人になり映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第6位となった[13]。しかし、興行成績は不振を極め、わずか3週間で打ち切りとなった[14]。2014年に発表された最終興行収入は4億8000万円だった[15]。米Box Officeの調査では日本国内興行収入は3,944,512米ドル=公開最終日の円ドルレート100.02円換算で394,530,090円。
映画専門紙の文化通信のアンケート調査によると、観客層も中高年中心で若年層は少ないことが判明した。
映画評論家の安保有希子は本作について「原作にあった鳥の設定が無くなり、男女の三角関係が持ち込まれたこと」「世界が壊滅的状況にありながら東京は無傷など、設定と映像が乖離していること」「アクション映画でありながら、誰一人肉体的訓練をしているように見えないこと」などの問題点を挙げ、往年のファンも新規ファンも取り込めない作品になったと評している[16]。同様の批判は同じく映画評論家の柳下毅一郎からも出ており、「地球の半分がギャラクターに制圧されたのに、それまでの日常と変わらず全く緊迫感のない東京の光景に、17年間もギャラクターは何をしていたのか?」という旨でその矛盾を指摘している。また、劇中で作戦遂行中に痴話喧嘩を始めてしまうなど、TPOをわきまえない恋愛描写について、「アマチュア臭く、観客を呆れさせてしまう」と苦言を呈している[17]。
映画評論家の前田有一は、本作を「主人公らが語る青臭い中二病的理屈と、剛力彩芽が演じるジュンのケンへの横恋慕で作品のほとんどが構成され、原作に対するリスペクトが全くない」と批判し、100点満点中4点という厳しい評価を下している[18][19]。
劇場へ足を運んだ観客の反応も芳しくない。映像や音楽、アクションを評価する声も一部にはあるものの、脚本や構成に対する批判が多く、原作へのリスペクトが存在しないことも批判の要因となっている。こうした状況について、宣伝と実際の内容とのかい離や中途半端な世界観がファンの怒りを買った、と指摘する映画サイト編集者もいる[20]。
本作について、「集客力がありそうなタレントにガッチャマンの扮装をさせるだけでヒットする」と作り手が安易に考えていたことや、地球を救うという原作本来のテーマを余所に「ガッチャマン内恋愛」を延々と描いた脚本が、観客から不評を買ったと指摘する映画関係者もいる[21]。
雑誌『映画芸術』による2013年日本映画ベストテン&ワーストテンでは、ワースト10位[22]、雑誌『映画秘宝』が発表した2013年度の映画に対するワーストランキング「HIHOはくさいアワード」では6位と評価された[23]。
Blu-ray/DVD
2014年3月5日発売。発売・販売元はバップ。
- ガッチャマン(品番:VPBT-13870(2枚組DVD)、VPXT-71293(Blu-ray+DVD))
脚注
- ^ “東宝、2013年もアニメ満載 ジブリ2本にレギュラー作品のラインナップ発表”. アニメ!アニメ! (2012年12月14日). 2013年9月1日閲覧。
- ^ “『おはよう忍者隊ガッチャマン』が映画化! 実写版と同時上映”. ぴあ映画生活 (2013年8月13日). 2013年8月13日閲覧。
- ^ “(ニュースリリース)『ヤッターマン』と『科学忍者隊ガッチャマン』の実写映画化決定”. インデックス・ホールディングス、日活 (2007年4月10日). 2013年3月20日閲覧。
- ^ 「ガッチャマン」実写映画化決定!主演は松坂桃李 映画.com 2012年10月12日
- ^ 「ガッチャマン」初実写映画化!松坂桃李主演 SANSPO.com 2012年10月12日
- ^ 松坂桃李主演で『ガッチャマン』実写化 ヒロインは剛力彩芽 ORICON STYLE 2012年10月12日
- ^ “100周年記念映画『ガッチャマン』2013年夏公開決定 !”. 日活 (2012年10月12日). 2013年3月20日閲覧。
- ^ ガッチャマン実写映画はダークヒーロー日刊スポーツ 2013年4月11日
- ^ 映画「ガッチャマン」 総額2000万円、5人のGスーツ公開 最先端のデザインに注目アニメ!アニメ! 2013年4月11日
- ^ つくばフィルムコミッション
- ^ 高萩フィルムコミッション
- ^ BUMP OF CHICKEN新曲が映画「ガッチャマン」主題歌にナタリー 2013年6月21日
- ^ 『風立ちぬ』6週連続1位!動員600万人&興収80億円を突破!【映画週末興行成績】シネマトゥデイ 2013年8月27日
- ^ “Gatchaman”. Box Office Mojo. 2014年9月1日閲覧。
- ^ 「2013年 日本映画・外国映画業界総決算」『キネマ旬報(2月下旬決算特別号)』第1656号、キネマ旬報社、2014年、201頁。
- ^ 『実写版「ガッチャマン」火の鳥ならぬ火の車! 中途半端な原作要素にファン怒り』zakzak 2013年9月2日
- ^ 『『殺しの映画レビュー ガッチャマン』「これぞ科学忍法火の鳥だね!」・・・頭を空っぽにして見に行ってみるが、やっぱりあんたらただのバカ』(柳下毅一郎の皆殺し映画通信 2013年9月12日)
- ^ 『「剛力ジュンが、原作ファンを過激に挑発」超映画批評で『ガッチャマン』4点(100点満点中)』ガジェット通信 2013年8月22日
- ^ 超映画批評「ガッチャマン」4点(100点満点中)
- ^ 『「もはやガッチャマンではない、別の何か」実写版『ガッチャマン』興収1億1,570万円で大コケ確定か』 日刊サイゾー 2013年08月28日
- ^ 『「ガッチャマン」と「宮崎駿引退」にみる日本映画の終焉』アサ芸プラス 2013年9月5日
- ^ 「映画芸術」2013年日本映画ベストテン&ワーストテン決定!!(2014年1月17日)、映画芸術、2014年1月28日閲覧。
- ^ 『映画秘宝』2014年3月号、および2013年最もガッカリしたトホホなダメ映画が決定!映画秘宝はくさいアワード発表!(2014年1月21日)、シネマトゥデイ、2014年1月28日閲覧。
外部リンク
- 映画『ガッチャマン』公式サイト
- 映画「ガッチャマン」 (@gatchaman_movie) - X(旧Twitter)
- エラー: subst: がありません。Movielink ではなく subst:Movielink としてください。
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