あんたが大将 オレさま烈伝

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。122.25.10.78 (会話) による 2015年8月24日 (月) 18:35個人設定で未設定ならUTC)時点の版であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

あんたが大将 オレさま烈伝』(あんたがたいしょう オレさまれつでん)は、有野篤作のモータースポーツ漫画。

2003年から2006年にかけて『週刊オートスポーツ』(三栄書房)で月一回連載されていた(原則として「F REGENERATION 瑠璃」の休載時に掲載)。紙面リニューアルに伴い連載は一旦終了したが、2008年2月より短期集中連載の形で連載が復活した。2006年までの連載分は2007年に「オレさま烈伝 -F1を制した男たち-」の題名で単行本全3巻が発売されている。

内容は実在するF1ドライバーの伝記を面白おかしく脚色したもの。ただし、少々マニアックなネタや正確な情報も多い。

主な登場人物

コジママキ
モータースポーツ雑誌「嘔吐☆スポーチュ」の編集者。初回登場時は27歳。毎回ウヒョーによるドタバタに巻き込まれる。連載当時のフジテレビF1中継(F1グランプリ)のバラエティ路線に反発する一人。作中ではうどん大食い勝負で優勝するなど意外な一面も。名前の由来はコジマエンジニアリングマキエンジニアリングから[1]
ウヒョー
自称「F1の妖精」。常にヘルメットを被り風呂敷を身にまとっており正体不明。あるとき突然マキちゃんの家に居候するようになり、事あるごとに超常現象を引き起こしては過去の有名F1ドライバーと出会うきっかけを作る。「元F1ドライバー」であり、ミカ・サロと元チームメイトだった。
ミカ・サロ
作中にちょくちょく登場する割に、肝心の本人に関する経歴はさっぱり語ってもらえないかわいそうな人。回によって電器屋を経営していたり、寿司職人をやっていたりと役どころが変わる。ウヒョーとは古い友人らしい。

登場ドライバーと登場方法

  • 第1回 - ナイジェル・マンセル
    • ウヒョーの風呂敷の中にマキちゃんが包まれタイムスリップ。
  • 第2回 - アラン・プロスト
    • ウヒョーにスッカラカン波[2]を照射され頭がスッカラカンになったマキちゃんがまたまたタイムスリップ。
  • 第3回 - マイケル・アンドレッティ
    • 自宅でCS放送が見られないマキちゃんが近所のサロ家電でインディ500を見せてもらっていると、中継終了後突如謎の番組がスタート。
  • 第4回 - ネルソン・ピケ
    • 海水浴に来たマキちゃんとウヒョー。オーバーヒートで倒れたウヒョーの体から怪しいガスが発生し時空がゆがんだと思ったら、そこから豪華クルーザーが登場し…。
  • 第5回 - デイモン・ヒル
    • マキちゃんとウヒョーがビアガーデンで生ビールを飲んでいたら、実は生演奏のバンドがスペシャルゲストのデイモン・ヒルバンドだった!
  • 第6回 - ニキ・ラウダ
    • マキちゃんが美容院でもらってきた無料チケットで東京遊覧飛行(航空会社は「浦田航空」[3])に行くと、なんとパイロットがラウダだった!
  • 第7回 - ジャン・アレジ
    • 「嘔吐☆スポーチュ」編集部のある戸越銀座商店街[4]でウヒョーが蕎麦屋から食い逃げで逃げようとして通行人と衝突。その相手がなんとアレジ。
  • 第8回 - ケケ・ロズベルグ
    • アパートの裏庭で落ち葉そうじをしていて、集まった落ち葉で焼き芋を焼こうとしたところ、なぜかその落ち葉の中でロズベルグが寝ていた。
  • 第9回 - ロベルト・モレノ
    • ウヒョーが勝手に大画面テレビを購入したため、支払いのためにマッチ売りを始めたマキちゃん。試しにマッチを擦るとマッチの中からモレノが登場。
  • 第10回 - エディ・アーバイン
    • ウヒョーがおつかいに出たところ、なぜか道端でバナナをたたき売りしている佐藤正幸(セルモ代表)と遭遇。そのバナナを食べた二人がお約束どおり皮ですべると…。
  • 第11回 - エマーソン・フィッティパルディ
    • 家で暇をもてあましていた二人。ふと新聞の番組表を見ると、MHK教育してやるTVで「こんにちわブラジル F1レーサーの悲喜こもごも」という番組が。
  • 第12回 - アレッサンドロ・ナニーニ
    • F1中継に苦情を言いに行くべくお台場に乗り込んだ二人。しかしあっけなく追い返され地団駄を踏んでいると、そこに自らの店[5]を視察に来ていたナニーニが通りかかる。
  • 第13回 - ジョン・サーティース
    • 峠にツーリングに来ていた二人の前に、MVアグスタに乗る謎の老人が登場。老人はマン島を走っていたというのだが…。
  • 第14回 - ゲルハルト・ベルガー
    • 深夜に編集部で連載漫画の原稿待ちをしていたマキちゃんのところに「ベルガー急便」[6]の配達員としてベルガー本人が登場。
  • 第15回 - ミカ・ハッキネン
    • 珍しくウヒョーが寿司をおごってくれるというので、ミカ・サロの寿司屋に出向いた二人。そこに現れたのはなんとハッキネン。
  • 第16回 - ファン・マヌエル・ファンジオ
    • ウヒョーがオークションで落札した古タイヤをマキちゃんにかぶせると、なんとその古タイヤが記憶しているレースのイメージが脳内に流れ込み…。それを見たミシュランのビバンダムが激怒!!
  • 第17回 - ジョニー・ハーバート
    • 台風でアパートの屋根(とついでにウヒョー)が飛ばされたマキちゃん。とりあえず部屋を片付けていると、片隅にあったハーバートのフィギュア人形が突然動き出し…。
  • 第18回 - クレイ・レガッツォーニ
    • 山にきのこ狩りに来た二人の前に、突然現れたレガッツォーニ。早速三人できのこを食べると三人とも幻覚に襲われる。
  • 第19回 - ジャッキー・スチュワート
    • 年越し資金を稼ぐため街頭でホイールキャップを売るウヒョー。帰り道に雪の積もった地蔵にホイールキャップを被せて帰ってきたところ…。
  • 第20回 - リカルド・パトレーゼ
    • ウヒョーとマキちゃんがアパートでけんかしていると、下の階からうるさいと苦情が。なぜかその苦情の主がパトレーゼ。
  • 第21回 - ジャック・ブラバム
    • アパート裏の家庭菜園にウヒョーが持っていた豆を埋めたところ、次の日には巨大な木が生え、その豆のさやからなんとジャック・ブラバムが(「ジャックと豆の木」ならぬ「ジャックが豆!の木」)。
  • 第22回 - ジェームス・ハント
    • 恥丘博[7]に来て「オレさま秘宝館」に入った二人。すると場内の3D映画でハントの映像が…。
  • 第23回 - ティエリー・ブーツェン
    • 話題のドラマ「エンヅン」[8]を見ようと早くに帰宅したマキちゃん。しかしテレビをつけるとやっていたのはブーツェンの特番。
  • 第24回 - ジョディ・シェクター
    • 動物園にレッサーパンダを見に来た二人。すると遠くから、動物達にかつがれた御輿に乗る謎のおっさんが登場。
  • 第25回 - スターリング・モス
    • 香川県の山中で行われるスピードとうどんの祭典「グッド・ウッドん」[9]に参加した二人。スペシャルゲストとしてモスが登場し、マキちゃんとうどん大食い対決をする。
  • 第26回 - アレッサンドロ・ザナルディ
    • お盆過ぎに海水浴に来た二人。時期的にクラゲが多くなる時期なのだが、なぜかそこにいたのはアメリカ近海に生息する「ターゲットクラゲ」[10]
  • 第27回 - アラン・ジョーンズ
    • 近所のスーパーに買物に行ったマキちゃん。するとカップ麺の試食コーナーでおかわりを要求し続ける謎の外人が。
  • 第28回 - イヴァン・カペリ
    • フリーマーケットでやたらとレイトンハウスのブルゾンを勧めてくる謎の外人と会ったマキちゃん。その外人がレイトンハウスのブルゾンを着ると急に後光が差し…。
  • 第29回 - ジム・クラーク
    • 編集部の書庫で、特集に使う井上隆智穂のフォトエッセイを探していたマキちゃん。すると本棚から次々と落ちてくる本に当たり、気を失うたびにジム・クラークの過去にさかのぼる。
  • 第30回 - ハインツ=ハラルド・フレンツェン
    • 真冬に近所の池で、赤の海パン一丁で寒中水泳をしている外人と遭遇したマキちゃんとウヒョー。
  • 第31回 - ヨッヘン・リント
    • ウヒョーが「霊界交信できる」というので試しにやらせてみると、ボウリングのピンとハンディモップで作った人形からなんとリントの霊が…。
  • 第32回・第33回 - ミハエル・シューマッハ
    • 連載復活後第一作で初の前後編。海外レース取材のため成田に向かうべくタクシー[11]を拾ったマキちゃんとウヒョーだったが、そのタクシーのドライバーはなぜか妙に顎が長く…。

脚注

  1. ^ どちらも1970年代の日本のF1コンストラクター。
  2. ^ 連載当時話題となっていた、パナウェーブ研究所スカラー波のパロディ。
  3. ^ ラウダは引退後ラウダ航空を経営していた。
  4. ^ 実際の「オートスポーツ」編集部も戸越銀座にある。
  5. ^ お台場のMEGAWEBにはナニーニが経営する喫茶店「アレッサンドロ・ナニーニ・カフェ」が実在する。
  6. ^ ベルガーは引退後、実家の運送会社を経営している。
  7. ^ 愛・地球博のパロディ。
  8. ^ これもエンジン (テレビドラマ)に引っ掛けたもの。
  9. ^ グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードのパロディ。
  10. ^ チップ・ガナッシ・レーシングのメインスポンサーであるターゲットのパロディ。ターゲットクラゲは実在しない。
  11. ^ 本編掲載前にシューマッハがタクシーを無免許運転したというニュースが話題となった[1]。また、F1デビューにもベルトラン・ガショーがタクシー内で起こした催涙スプレー事件が絡んでいる。

外部リンク