生島大輔

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生島 大輔
淡路島ウォリアーズ 監督兼選手 #6
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 奈良県大和郡山市
生年月日 (1986-06-12) 1986年6月12日(37歳)
身長
体重
175 cm
76 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 内野手
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
選手歴
指導者歴
  • 和歌山ファイティングバーズ
    和歌山ウェイブス (2018 - 2023)
  • 淡路島ウォリアーズ (2024 - )

生島 大輔(いくしま だいすけ、1986年6月12日 - )は、日本プロ野球選手内野手[1]、野球指導者。右投左打。

来歴[編集]

プロ入り前[編集]

奈良県大和郡山市出身[2]。小学1年生の時に野球を始める[2]

大阪桐蔭高等学校では主将も務め[2]、3年生だった2004年の第76回選抜高等学校野球大会に1番打者の遊撃手として出場した[3]早稲田大学に進学し、野球部在籍当時は東京六大学リーグで5回の優勝を経験した[2][3]。大学の同期には上本博紀がいる[4]

大学卒業後の2009年にJR東日本硬式野球部に入部したが、「ハングリーさ」の乏しい環境に飽き足らず、2011年に退社を決める[2][3]

BCリーグ・富山時代[編集]

2012年ベースボール・チャレンジ・リーグ富山サンダーバーズに入団した[5]。しかし初年度は負傷のために十分に試合に出られず、シーズン終了後に球団ウェブサイトの選手ブログに「ファンの皆様、球団社長、監督、チームスタッフ、チームメイトに申し訳ない。ただただそれに尽きます。」と綴った[5]。富山時代に結婚して娘をもうけている[3]

BCリーグ・福島時代[編集]

2014年シーズン終了後、リーグの新規参入球団のための分配ドラフトで、福島ホープスから指名を受け[6]、移籍する。球団発足後初のシーズン開幕時点で28歳となっていた生島は、「若い選手たちが遠慮せずに思い切りやれる環境を作っていきたい」と自身の経験を伝えながら若手を育てる抱負を語っていた[7]。このシーズンは打率.310を記録してチームの後期優勝にも貢献した[8]。福島には2シーズン在籍したが、リーグの設けた選手の年齢規定に抵触するため2016年シーズンで退団した[2]

関西独立リーグ・兵庫時代[編集]

2017年からは関西独立リーグ[注釈 1]にプレーの場を移す。同年は兵庫ブルーサンダーズに入団し、1シーズンプレーした[2]

関西独立リーグ・和歌山時代[編集]

2018年に同じリーグの和歌山ファイティングバーズにコーチ兼任選手として入団した[2]。この年、チームは初優勝を達成している[9]2019年は運営会社の経営難からコーチ料が出ず、オフに運営会社が交代したが、「あなたが残らないとチームは無くなります」と慰留を受けて残留した[4]2020年は開幕から4番を任されたほか、ノッカー打撃投手ブルペン捕手といった裏方の仕事も担当していたが、9月に右足親指の付け根を骨折[4]。手術か2か月間の安静を要する診断を受けたが、前述の通り、生島は多くの役割を担っていたことから最終戦まで出場を続け、最終打席でも安打を打ち、打率3割台でシーズンを終えている[4]

2021年シーズンには、34歳にして打率.393を記録し、自身初のタイトルとなる首位打者および最多安打を獲得[3][10][11]、MVPにも選出された[12]

チーム名が和歌山ウェイブスとなった2023年は、9月2日にリーグ新記録となる通算283本目の安打を放ち[13]、9月29日にはチームが5年ぶりの優勝を最終戦で達成して、その際に監督の川原昭二とともに胴上げされた[9]。シーズン終了後の10月には、指名打者のポジションでファン投票によるリーグベストナインに選出された[14]。11月1日に、自由契約で和歌山を退団[15]

関西独立リーグ・淡路島時代[編集]

11月23日、同じリーグの淡路島ウォリアーズの監督に就任することが発表された[16]選手兼任での就任となる[17]

人物[編集]

前記の通り富山時代に結婚して家族を持つが、和歌山時代の報道では家族は富山に残しており、2022年の時点で娘と会うのは年に2回ほどと紹介されている[2][3]。また、和歌山ではコーチ料を支払われているものの[注釈 2]、それだけでは生活できないため、地元の農家(ミカンや梅)の手伝いや塗装業、飲食店の皿洗いや民宿などでアルバイトをおこなっていた[2][3]

詳細情報[編集]

独立リーグでの打撃成績[編集]

出典はBCリーグおよび関西独立リーグウェブサイトの過去選手成績[18][19]、および関西独立リーグウェブサイトよりリンクされている一球速報.com[20]

















































O
P
S
2012 富山 34 100 88 5 18 3 0 0 21 8 4 - 1 1 7 - 3 11 2 .205 .283 .239 .521
2013 70 289 256 34 76 6 3 0 88 16 16 - 10 2 17 - 4 31 5 .297 .348 .344 .691
2014 67 284 258 34 69 14 3 1 92 20 8 - 1 1 22 - 2 40 7 .267 .329 .357 .685
2015 福島 66 - 252 34 78 10 1 0 90 32 4 - 5 4 20 - 3 32 7 .310 .362 .357 .719
2016 67 - 219 25 69 9 4 1 89 34 0 - 6 3 11 - 4 22 1 .315 .354 .406 .761
2017 兵庫 - . . . .
2018 和歌山 - . . . .
2019 - . . . .
2020 24 104 87 14 27 2 1 0 31 12 10 - 1 0 13 - 0 5 0 .310 .388 .356 .745
2021 47 202 178 33 70 9 3 0 86 25 23 2 2 2 18 - 2 11 3 .393 .450 .483 .933
2022 47 187 163 18 47 5 2 0 56 24 15 0 1 4 18 - 1 14 7 .288 .355 .344 .699
2023 48 205 179 23 52 6 1 0 60 24 10 5 4 2 15 - 5 10 2 .291 .358 .335 .693
BCL:5年 304 - 1073 132 310 42 11 2 380 110 32 - 23 11 77 - 16 136 22 .289 .342 .354 .697
KDL:7年 - - . . . .
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

背番号[編集]

  • 5 (2012年 - 2014年)
  • 6 (2015年 - 2016年、2018年 - )
  • 54 (2017年)

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 2017年当時のリーグ名称は「BASEBALL FIRST LEAGUE」。2019年より関西独立リーグとなる。
  2. ^ 関西独立リーグは選手に対しては基本的に無給である[11]

出典[編集]

  1. ^ 生島大輔 - 高校野球ドットコム(福島時代)2023年12月28日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j “独立リーグ現役10年 和歌山FBの生島大輔選手”. 紀伊民報. (2022年1月18日). https://www.agara.co.jp/article/174794 2023年12月28日閲覧。 
  3. ^ a b c d e f g “みかん畑でバイトしながら首位打者に 夢追う34歳は元甲子園球児”. 朝日新聞. (2021年11月12日). https://www.asahi.com/articles/ASPCB4661PC7PTQP009.html 2023年12月28日閲覧。 
  4. ^ a b c d 大野宏「「恩返し」リーグ10年目へ 和歌山FBのコーチ兼選手 [和歌山県]」『朝日新聞デジタル』2021年1月19日。2024年1月26日閲覧
  5. ^ a b 生島大輔 - 富山GRNサンダーバーズ(選手ブログアーカイブ)
  6. ^ “新規参入球団、分配ドラフト 信濃から篠田・笹平指名”. 信濃毎日新聞. (2014年10月25日). https://www8.shinmai.co.jp/grandserows/article.php?id=GRAN20141025003090 2023年12月28日閲覧。 
  7. ^ 球団創設1年目の監督は元メジャーリーガー 発展途上ながらも魅力を秘めた福島ホープス - ベースボールチャンネル(2015年4月16日)2023年12月28日閲覧。
  8. ^ 香川、愛媛、新潟、福島、福井、富山が最終決戦へ ?チャンピオンシップ展望 - SPORTS COMMUNICATIONS(2015年9月16日)2023年12月28日閲覧。
  9. ^ a b “和歌山ウェイブス5年ぶり優勝 野球の関西独立リーグ”. 紀伊民報. (2023年9月30日). https://www.agara.co.jp/article/310306 2023年12月28日閲覧。 
  10. ^ 【2021年度】個人タイトルのお知らせ - 関西独立リーグ(2021年10月27日)
  11. ^ a b 山岡則夫 (2022年4月3日). “関西独立リーグが向かうのは「挑戦と諦め」の両方がある場所”. Spportunity. 2023年12月28日閲覧。
  12. ^ 関西独立リーグ [@kandokuleague] (2021年12月4日). "【2021年度タイトルホルダー】". X(旧Twitter)より2023年12月28日閲覧
  13. ^ 関西独立リーグ [@kandokuleague] (2023年9月2日). "【新記録】". X(旧Twitter)より2023年12月28日閲覧
  14. ^ 【2023年】さわかみ関西独立リーグ ベストナイン&MVP - さわかみ関西独立リーグ公式note(2023年10月22日)2023年12月28日閲覧。
  15. ^ 公示2023年11月1日 - 関西独立リーグ
  16. ^ 新監督決定のお知らせ - 淡路島ウォリアーズ(2023年11月23日)2023年12月28日閲覧。
  17. ^ 関西独立リーグ [@kandokuleague] (2023年11月24日). "【interview】". X(旧Twitter)より2023年12月27日閲覧
  18. ^ 過去の成績 - ベースボール・チャレンジ・リーグ
  19. ^ 過去選手成績 - 関西独立リーグ
  20. ^ 和歌山ウェイブス - 一球速報.com

関連項目[編集]

外部リンク[編集]