上海アリス幻樂団

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上海アリス幻樂団(しゃんはいアリスげんがくだん)とは同人ゲーム同人音楽を制作している日本の同人サークルである[1]。上海アリス幻楽団と表記される場合もあるが、こちらの表記も認められている[2]。代表作は「東方Project」シリーズ。

凡例[編集]

東方Project#凡例を参照。

概要[編集]

サークルはZUN(ずん)により運営されている。

ZUNは1995年東京電機大学の非公認サークル「Amusement Makers」に入部、1998年12月まで「ZUN Soft」という個人制作のブランド名で弾幕系シューティングゲーム「東方Project」旧作品(PC-98版)の開発や発表などを行っていた。コミックマーケット55(1998年12月)で頒布した『怪綺談』を最後に大学卒業・就職に伴ってゲームの個人制作活動は休止していた[3]が、その後も「Amusement Makers」の他のメンバー達(現・サークル「瞬殺サレ道?」)の「西方Project」作品(2000年『秋霜玉』、2001年『稀翁玉』)の作曲や東方Projectからのゲストキャラクターの部分などに携わっている。

コミックマーケット61(2001年12月)に音楽サークルとして参加する予定で、サークル名「上海アリス幻樂団」として申し込みするも落選。次のコミックマーケット62(2002年8月)でWindows版の「東方Project」(『紅魔郷』)と音楽CD『蓬莱人形』を頒布した[4]。これを期にウェブサイト名も夏コミ前(2002年7月)に『東方幻想空間「博麗神社」』から現在の『上海アリス幻樂団』に変更[5]、現在に至る。

音楽サークルとして立ち上げたものの個人ゲーム制作も復帰させた理由としては『プロギアの嵐』をやっていて新作シューティングゲームを創ってみたくなったこと、冬コミに落選して次の新作音楽CDを当面考える必要がなくなり半年の制作期間が生まれたこと[6]、シューティングゲームのボスの段階が変わるごとに段階の名称が登場するシステムを誰かが出す前に発表したかったこと、ゲームのほうが音楽を聞いてもらえると思ったこと、仕事としてゲーム開発に携わり溜まったストレスの発散[4]、Windowsでゲームを作ることでWindowsプログラミングとDirectXを覚えるためでもあったこと[7]などがZUNから挙げられている。

ゲームの制作以外にも、ZUN名義で東方Projectに関する書籍も出版している。主に原作・文章部分などを担当。

メンバー[編集]

ZUN(ずん、本名:太田 順也[8]3月18日生まれ[9]
長野県白馬村出身[10][11]東京電機大学卒業。既婚[12]。子持ち[13]#転送 [[1]]
実家が喫茶店を営んでおり、幼少の頃からテーブル筐体に触れていたことがゲームに興味を持ったきっかけだという[14]。中学での授業をきっかけに作曲を始め、プログラミングを始めたのは大学に入ってからで[15]、「Amusement Makers」にも初めは主にゲームミュージックを作るつもりで入部したという[16]
大学卒業後にタイトーに就職。ゲーム開発者(プログラマー)として携わり[17][18]、後に退職[19]。『ラクガキ王国』や『ラクガキ王国2』には彼がデザインした「ハクレイのミコ」という登場人物が隠れキャラクターとして存在する。
「ZUN」は元々アーケードゲームネームエントリーが3文字しか入らないため使用していた名称[20]。ファンなどからは「神主」と呼ばれている[6]。本人も「神主」の呼称は認めているらしく、公式サイトにかつてあった自己紹介ページのタイトルを「神主紹介」としていた[21]ことや『永夜抄』のスタッフロールで「“幻創神主”ZUN・ゲームを作る(創る)程度の能力」と称したこともある。また『求聞史紀』裏表紙など各所で、ファンから贈られた[22]「博麗神主」と彫られた印鑑を使用している。
出身地・長野県伝承を自身の作品(『風神録』)にモチーフとして取り入れたこともある[23]
2008年9月5日放送のNHK-BS2のバラエティ番組『ザ☆ネットスター!』や、2010年5月2日放送のNHK-BS2の情報・トーク番組『MAG・ネット』に顔出しで登場している。
自分自身のテーマ曲として「童祭 〜 Innocent Treasures」(音楽CD『夢違科学世紀』収録)を作曲している[24][25]

作品[編集]

東方Projectの作品群[編集]

詳しくは東方Project、および各作品の項目を参照。

ゲーム[編集]

音楽CD[編集]

  • ZUN's Music Collection シリーズ
    • 蓬莱人形 〜 Dolls in Pseudo Paradise(2002年8月 C62・2002年12月 C63発表)
    • 蓮台野夜行 〜 Ghostly Field Club(2003年12月 C65発表)
    • 夢違科学世紀 〜 Changeability of Strange Dream(2004年12月 C67発表)
    • 卯酉東海道 〜 Retrospective 53 minutes(2006年5月 第3回博麗神社例大祭発表)
    • 大空魔術 〜 Magical Astronomy(2006年8月 C70発表)
    • 未知の花 魅知の旅(2011年5月 第8回博麗神社例大祭発表[26]
    • 鳥船遺跡 〜 Trojan Green Asteroid(2012年4月 第6回COMIC1発表)
    • 伊弉諾物質 〜 Neo-traditionalism of Japan.(2012年8月 C82発表)
  • 幺樂団の歴史 〜 Akyu's Untouched Score シリーズ
    • 幺樂団の歴史1 〜 Akyu's Untouched Score vol.1(2006年5月 第3回博麗神社例大祭発表)
    • 幺樂団の歴史2 〜 Akyu's Untouched Score vol.2(2006年12月 C71発表)
    • 幺樂団の歴史3 〜 Akyu's Untouched Score vol.3(2006年12月 C71発表)
    • 幺樂団の歴史4 〜 Akyu's Untouched Score vol.4(2007年12月 C73発表)
    • 幺樂団の歴史5 〜 Akyu's Untouched Score vol.5(2007年12月 C73発表)

書籍[編集]

その他の作品[編集]

以下はZUN名義で参加した作品である。

上海アリス幻樂団以前の同人ゲーム作品[編集]

西方Project
秋霜玉(2000年12月 C59発表 / 音楽・一部キャラクターグラフィックス担当)
サークル「瞬殺サレ道?」(作品発表時「Amusement Makers」所属)制作の弾幕系シューティングゲーム。西方Project1作目。東方Projectの登場人物もゲスト参戦している。
稀翁玉(2001年12月 C61発表 / 音楽・一部キャラクターグラフィックス担当)
サークル「瞬殺サレ道?」(作品発表時「Amusement Makers」所属)制作の対戦型シューティングゲーム。西方Project2作目。東方Projectの登場人物もゲスト参戦している。
このほか、1998年11月の東京電機大学理工学部の大学祭(鳩山祭)の展示作品、1999年11月の同祭展示作品でも、それぞれZUNが音楽を担当した。
トルテルマジック(2001年5月発表 / 音楽担当)
ハンドルネーム「ぴえとろ」が習作として制作したフリーゲーム。『天からトルテ!』の二次創作シューティングゲーム。

上海アリス幻樂団以降の同人ゲーム作品[編集]

黄昏酒場〜Uwabami Breakers〜(2007年12月 C73発表 / プログラム・キャラクターグラフィックス・スクリプト・音楽1曲担当)
呑んべぇ会制作。弾幕シューティングゲーム。
神魔討綺伝 〜 Magus in Mystic Geometries.(2008年3月発表 / 音楽1曲担当)
D.N.A.Softwares制作。東方Projectの二次創作全方位シューティングゲーム。呑んべぇ会名義で制作に参加している。
東方幻想麻雀(2009年3月発表 / 音楽2曲担当・キャラクター出演)
D.N.A.Softwares制作。東方Projectの二次創作麻雀ゲーム。本ゲームオリジナルの音楽は1曲。ZUN本人が登場人物として実写で出演している。

同人誌[編集]

霊偲志異2(2004年12月 C67発表 / 小説「東方香霖堂 神々の道具」担当)
twirl-lock制作。東方Projectの二次創作小説の合同本。
東方紫香花 〜 Seasonal Dream Vision.(2005年10月 刊行 / テーマ指定・小説「六十年ぶりに紫に香る花」・一部音楽担当)
株式会社虎の穴から刊行。

この他、いくつかの東方Projectの二次創作合同本にゲスト寄稿している。

同人音楽CD[編集]

Cradle 東方幻樂祀典(2004年8月 C66発表)
sound sepher制作。東方Projectの二次創作音楽CD。同人イベント「第1回博麗神社例大祭」(2004年4月)で行われた『妖々夢』スコアアタックイベント用にステージ短縮した特別仕様版の使用曲と、アレンジ1曲でゲスト参加している。
幻想曲抜萃 東方萃夢想 ORIGINAL SOUND TRACK(2005年8月 C68発表)
黄昏フロンティア制作。『萃夢想』のオリジナルサウンドトラック。ZUNは3曲提供。
全人類ノ天楽録 東方緋想天 ORIGINAL SOUND TRACK(2008年8月 C74発表)
黄昏フロンティア制作。『緋想天』のオリジナルサウンドトラック。ZUNは3曲提供。
東方幻想麻雀 オリジナルサウンドトラック(2009年8月 C76発表)
D.N.A.Softwares制作。『東方幻想麻雀』で使用されたBMGが収録された音楽CD。ZUNは2曲提供。
核熱造神ヒソウテンソク 東方非想天則 ORIGINAL SOUND TRACK(2009年12月 C77発表)
黄昏フロンティア制作。『非想天則』のオリジナルサウンドトラック。ZUNは2曲提供。

商業作品[編集]

博麗神主のゲームが先かお酒が先か(コンプティーク2009年12月号~2013年7月号、コンプエース2013年9月号~)
酒に関するコラム。

脚注[編集]

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  1. ^ 登録商標5452774号
  2. ^ 上海アリス幻樂団創作物の二次創作・使用関連ページ
  3. ^ 『怪綺談』同梱の「OMAKE.TXT」。
  4. ^ a b -特集- シューティングの方法論第1回 ZONE Z』。
  5. ^ アーカイブ 2002年7月24日 - ウェイバックマシン
  6. ^ a b 「博麗神社 神主・ZUNインタビュー 神主の言霊」 『三月精 第1部』単行本 pp.110-113。
  7. ^ 「幻想掲示板」2003年1月14日の投稿。
  8. ^ 『紅魔郷』『永夜抄』ジャケットなど。
  9. ^ Twitterでの2011年3月18日のZUNの発言
  10. ^ 『博麗幻想書譜』2006年8月7日「何処に行っても望郷の念」など。
  11. ^ あきば通 inニコニコ動画 試験動画002(2009年02月04日投稿)
  12. ^ 2012年2月29日に、前年に入籍していたことを明かした。
  13. ^ 第一子が無事産まれました。元気な男の子です。やったね! とTwitterで明かした
  14. ^ 東方文花帖 〜 Bohemian Archive in Japanese Red.』収録のインタビュー「“東方”ゲームデザイン概論」 (pp.163-167) 。
  15. ^ 『幻想掲示板』2004年4月15日の投稿。
  16. ^ 2004年に明治大学で行われた講演会「東方の夜明け(アフターレポート2ページ目)」。
  17. ^ 開発者へのインタビューを参照。タイトーのゲームソフト武刃街の公式サイトに登場している。
  18. ^ 七邊信重による、日本デジタルゲーム学会 同人ゲームの潮流第1回「同人ゲームの過去、現在、未来」(2008年9月26日開催)での研究発表。4Gamer.netの記事東方Projectに関する研究のスライド
  19. ^ 「【特別対談】ZUN×竜騎士07 同人ゲームの起こした「奇跡」の真相」『PLANETS』vol.7、第二次惑星開発委員会、2010年8月、pp.122-131。同書p.128に「会社を辞めた」との発言がある。
  20. ^ Twitterでの2010年7月29日のZUNの発言
  21. ^ 神主紹介(イントロダクション オブ プリースト)
  22. ^ 『東方書譜』2005年1月23日「有難う御座いました」 - ウェイバックマシン(2005年4月8日アーカイブ分)
  23. ^ 「神主ZUN、『風神録』についてかく語りき!」 『キャラ☆メル』Vol.3、一迅社、2007年、pp.104-111。
  24. ^ 『文花帖(書籍)』p.91。
  25. ^ ZUN講演会「東方の夜明け(アフターレポート1ページ目)」。
  26. ^ 2011年3月13日開催予定だった同人イベント「第8回博麗神社例大祭」で『神霊廟』体験版CD-ROMが頒布されることが事前に予告されていたが、3月11日に起きた東北地方太平洋沖地震東日本大震災)の影響でイベントは5月8日に延期になり頒布は一旦見送られた。その後、4月16日に体験版のWeb版が、4月20日には同人ショップ委託を介してCD-ROM版が頒布された。5月の「例大祭」では『神霊廟』は頒布されず、代わりに音楽CD『未知の花 魅知の旅』が頒布された。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]