レッドネック
レッドネック (英: Redneck) はアメリカ合衆国の、主に貧困白人層を指す侮蔑語。
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概論 [編集]
アメリカの南部やアパラチア山脈周辺などの農村部や牧草地帯に住む、貧困層の白人に対する軽蔑を含む侮辱的な言葉である。(山脈民に関してはヒルビリーと称する場合も多い。) 元来は南北戦争当時、北部の人間を“ヤンキー”、そして南部の人間を“レッドネック”と侮辱的に互いを呼び合っていたのが始まりと考えられ、農作業など炎天下での野外労働を強いられる南部や田舎の貧乏な白人は「首が赤く日焼けしている」ことから、この言い方で呼ばれるようになった。 しかし現在では、その出身・居住地域や属性に関係なく、ある一定のステレオタイプに当てはまる人々やその気質を持つ人(物)をレッドネックと呼ぶ。 単純に白人貧困層を指す場合にはホワイト・トラッシュ (White Trash, ゴミ屑白人) という表現が使われる。ヒルビリー、プアホワイト、プアホワイトトラッシュとも呼ばれる。
ステレオタイプ [編集]
映画などのメディアに描かれるレッドネックのステレオタイプは次のようなものである。
- アメリカ南部の、おもに片田舎に住んでいる。職業は肉体労働者や零細農業で、所得は低い。
- 間延びした南部訛りで、体型は若いうちは肋骨が出るほど痩せており、中年以上はだらしなく腹が出ている。 腕や背中などに刺青をしている。乱杭歯だったり、歯並びが悪い[1]。
- 教育程度が低く、知的ではない。政治的には保守で、共和党に投票する。人種差別の傾向が強く、黒人に偏見を持っている。
- 服装は薄汚なく、格子縞のネルシャツ、野暮ったいTシャツやランニングシャツ、自分で袖を切り落としたノースリーブなどを着る。しばしば上半身裸で歩きまわる。下はすりきれたジーンズやオーバーオールを穿いている。太った中年以上の女性の場合はムームーを着ている場合も多い。 野球帽(カー用品ブランド、釣具ブランド、銃器ブランド、トラクター ブランドなどのロゴ入り)や 使い古した麦わらのカウボーイハットなどを被っている。
- 銃や軍隊的なものに執着が強く、銃規制には断固反対している。拳銃や、ライフル、散弾銃のどれかを最低一丁は所有している。迷彩柄の衣類を身に着けることも多い。
- ヘアスタイルは野暮ったく、襟足だけを長く伸ばしたマレットが典型的であるが、軍人風丸刈りもしばしば見受けられる。女性の場合はビッグヘアー (Big hair) と呼ばれる古臭いボリュームのあるヘアスタイル。中年だとカーラーをつけっぱなしの頭であることも多い。
- 夫婦が家の中や路上で大声で喧嘩をしていたり、テレビを見るために戸を開けたままトイレで用を足す夫を妻がたしなめたりするシーンがある。
- デニーズで妻にプロポーズした[2]。
- 古いトレーラーハウスやショットガンハウスに住んでいる。庭には古タイヤで作ったブランコがあったり、壊れた便器が放置してあるなど乱雑である。居間には第二次世界大戦に出征した曾爺さんの戦利品である日本軍の寄せ書き日章旗などが飾ってある。特にナチのワルサーP38や日本軍将校の軍刀は家宝として秘蔵され、特別な来客に対してのみもったいぶって披露される。[3]
- 旧式のピックアップトラックや、キャデラック・ビュイックなど中古の米国製大型車を愛用する。
- 飲酒を好み、コーン・ウイスキーや缶ビールなど安酒を愛飲し、ラッパ飲みしてげっぷをするなどマナーも洗練されていない。喫煙者で、しばしばコーンパイプを愛用する。
- 宗教的にはキリスト教右派やキリスト教原理主義である。信心深く、毎週日曜日に教会に行く。創造説を信じ、学校で創造説を教えないという理由だけから子供を学校に行かせない場合もある。教会に行くときは上着の襟に国旗のバッチをつけている[3]。旗は南部連合の軍旗である場合も多い。
- 音楽の嗜好はカントリー・ミュージックや白人系のブルースロック、もしくは1980年代のハードロックなどである。しばしば自分でもバンジョーやボトルネック・ギターを弾く。
- テレビを好み、その嗜好も低俗である。フットボールや野球やプロレスの中継、ワイドショーや討論バラエティ番組、模擬裁判番組やコップスなどを見ている(また、それらの番組に登場する一般人もレッドネックやホワイト・トラッシュ (White trash) である場合が多い)。
- NASCARのファンであり、レースの日にはトラックで大挙してサーキットに乗り込む。
- 一族で集まると、誰も絶対に話題にしないいとこがいる[2]。
- 妊娠中絶に反対しており、女性はしばしば十代で出産するので世代の間隔が短く、おばあちゃんが妊娠することもある[2]。
- ブルース・ウィリスかアーノルド・シュワルツネッガーのアクション映画が好きである。もう少し階層が落ちると、ジャン=クロード・ヴァン・ダム、チャック・ノリス、スティーブン・セガールとなる。
エンターテイメント [編集]
元々は侮辱的な意味が強かったレッドネックという言葉だが、近年その田舎臭さや野性味を誇りとし自己のキャラクターとして主張する傾向も強くなってきている。また、逆にそのキャラクターや田舎臭さなどは、自虐的な笑いにも頻繁に使われている。
レッドネックの格好よさや誇りなどは、カントリーを中心とした音楽のPVや歌詞などで表現され、お笑いネタとしては ジェフ・フォックスワーシー (Jeff Foxworthy) やラリー・ザ・ケーブルガイ (Larry the Cable Guy) などが、南部訛りの英語でレッドネックに関するジョークを言う代表的なコメディアンである。
米国社会は現在、かつてからかいの対象としていた、黒人、ヒスパニック、メスティーソ(白人と先住民との混血)[4]、ユダヤ人、日系人、東欧系移民などに対するブラック・ジョークはタブーであるが、白人はマジョリティという理解から、例外的にレッドネックにたいするそれは看過されている。1962年のテレビドラマ「ビバリー・ヒルビリーズ」は、所有地から思いがけず石油が発見され、大富豪になってビバリーヒルズに引っ越した粗野なレッドネックの一家が、周囲の富裕層と起こす文化摩擦や珍騒動を描き、ヒット番組になった。日本でも「じゃじゃ馬億万長者」のタイトルで放映された。
動画リンク (PV)
- 『Rough and Ready』 : トレース・アドキンス (Trace Adkins)
- ひ弱な都会人の男と対比し、「レッドネックの男は女にモテる」といったイメージを表現。
- 『Hicktown』 : ジェイソン・アルディーン (Jason Aldean)
- "Hicktown", つまり田舎町の良さを歌った曲。
- 『Redneck Woman』 : グレッチェン・ウィルソン (Gretchen Wilson)
- レッドネック女性の逞しさやカッコ良さを歌ったグレッチェン・ウィルソンのデビュー曲。
- 『Redneck Yacht Club』 : クレイグ・モーガン (Craig Morgan)
- 「内陸部に住むレッドネックは、海のかわりに湖や川でマリンスポーツやパーティーを楽しむ」という様子を表現。
動画リンク(お笑い動画)
- 『Redneck Game』 : 台詞-ジェフ・フォックスワーシー (Jeff Foxworthy) 歌-アラン・ジャクソン (Alan Jackson)
- アトランタオリンピック直前、「レッドネックの天国、ジョージア州(アトランタ)でオリンピックを開いたら きっとこうなる」というジョーク。
- 例 : フェンシングを家畜や人間をフェンスで囲う競技と勘違い。
- 『Real Redneck Games』
- 『Texas Redneck Games』
- Redneck Photos : 個人投稿
- レッドネック的な写真を集めたミュージッククリップ
関連項目 [編集]
外部リンク [編集]
- ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記 - You might be a REDNECK IF…(クズ白人の条件) - ジェフ・フォックスワーシーのレッドネックねたについて解説している。
- Rednecks Defined : レッドネックのサブカルチャーやユーモアを集めたサイト(英語)
- ^ ブルース・ウィリス主演の映画マーキュリー・ライジング(1998)に登場する銀行強盗の犯人グループに典型的に描かれている。
- ^ a b c TomoMachiベイエリア在住町山智浩アメリカ日記
- ^ a b Fussell, Paul.1983 Class:a guide through the American status system. Summit Books, New York
- ^ メスティーソをからかうジョークはライト・スタッフのホセ・ヒメネスを参照のこと。
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