チャヴ

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チャヴのイラスト

チャヴ(Chav)とは、イギリスの低所得労働者階級を親に持つ不良少年少女の俗称である。フーディーズ(Hoodies)と呼ばれることもある。

生態[編集]

一説によれば、「Chav」という名称は「Council Housed And Violent」の略称である。「Council House(カウンシル・ハウス)」とは、イギリス政府が低所得者層に提供している公営住宅のことであり、チャヴ達は普段これらの住宅に家族と共に住んでいる。服装はいわゆるストリートファッションであるとされ、フードの付いたパーカージャージに加え、特にバーバリーなどのブランド物を好んで着用する。またヒップホップ文化とも親和性が高い。たむろしている場所は自宅にあたるカウンシルハウスの周辺や公園、ショッピングセンターなど街のいたるところであり、彼らが電車や街頭などの公共の場所で一般市民に喧嘩を売り、暴言を吐く動画がYoutubeなどに投稿されている。

撮影や通信手段として匿名性の高いブラックベリーの無料のメッセージ機能「BBM(BlackBerry Messenger)」が多く使われた。BBMは無料で一度に多数のユーザーに送信でき、データが暗号化されるため当局が追跡できないことから、2011年のイギリス暴動に参加した若者に多く利用されていたという[1]

チャヴの中にはストリートギャングのメンバーとして、ドラッグの売買など組織的な犯罪に走る者も存在する。

社会的影響[編集]

チャヴ達は万引き恐喝などの常習犯としてイギリス社会で危険視されており、一部の商店では彼らのようなチャヴを締めだすために「パーカー着用での入店禁止」「バーバリーの衣服を着た状態での入店禁止」といった異例の処分を下している。また、チャヴが身につけている衣服のブランドはイメージが低下してしまうケースがあり、それらのブランドの売上低下の一因にもなっている。

2008年には5人のチャヴの少年がゴシックファッションに身を包んだ若いカップルを集団で襲い、そのうち1人がカップルの片割れの女性を執拗に暴行して殺害するという事件も発生している。2011年の8月におきたイギリス暴動の他、12月にはロンドンの繁華街で18歳のチャヴの少年が刺殺される抗争事件も発生している。

このような反社会的な振る舞いに対して、イギリスでは著名人からも否定的なコメントが多く、チャヴによる犯罪を扱った映画『狼たちの処刑台』で主演を勤めた俳優のマイケル・ケインは「彼らのような暴走する若者には、軍隊教育が必要だ」と語り、自らも労働者階級の出身であり、チャヴ達にも人気のある元オアシスノエル・ギャラガーも2011年の暴動に対しては、「あのバカ共は自らのコミュニティを自分自身で破壊している、理解出来ない」と批判している。

一方で、チャヴと呼ばれる階層の若者にも、前述のノエル・ギャラガーやサッカー選手のウェイン・ルーニーなど音楽やスポーツ、学問などに優れた才能を発揮し、チャヴとしての生活を抜けだした者もいる。

「チャヴ」が登場する作品[編集]

関連項目[編集]

参考文献・注釈[編集]