ランドローバー・ディフェンダー

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ランドローバー・ディフェンダー
ランドローバー・ディフェンダー 110 300Tdi
キャメルトロフィーレプリカ
Diffender110 cameltrophy.jpg
販売期間 1983年 -
ボディタイプ 3/5ドアステーションワゴン
3/5ドアバン
シングルキャブピックアップ
4ドアダブルキャブピックアップ
キャブシャシ
エンジン 直4ガソリン/ディーゼル
直5ディーゼル
V8ガソリン
変速機 4MT、5MT/4AT
駆動方式 4WD
サスペンション F:リーディングアーム+固定車軸+コイルスプリング
トレーリングアーム+ワッツリンク+固定車軸+コイルスプリング
先代 ランドローバー・シリーズ III
-自動車のスペック表-

ランドローバー・ディフェンダーLand Rover Defender)は、インドタタ自動車の子会社である、イギリスランドローバー社が発売している四輪駆動車である。以前はランドローバー・90Land Rover Ninety)およびランドローバー・110Land Rover One Ten)と呼ばれていた。

ディフェンダーの源流となるシリーズ1開発生産1948年に始まっている。ラダーフレームシャシアルミニウムボディを採用し、多彩なバリエーションが提供されている。また、消防車のような特装車も存在する。

名称[編集]

1983年、ランドローバー・シリーズ III のマイナーチェンジにあたり、ランドローバー・90/110と改称された。それぞれの数字はホイールベースインチで表したもので、車名のように広告マニュアルにも記載された他、ラジエーターグリル上のバッヂにも記載された。

1985年業務用としての積載性向上のため、バンピックアップ、キャブシャシに127インチホイールベースのランドローバー・127が追加された。

90/110/127が揃った時点でランドローバーの他のモデルは高級SUVレンジローバーのみであり、両者の区別は容易であったが、ランドローバー第三のモデルとして1989年ディスカバリーが登場したことを受け、混乱を避けるため、1991年に90/110/127の名称をディフェンダー90/110/130に変更した。127は切り良く130となったが、ホイールベースに変更は無い。フロントのバッヂも"Defender 90/110/130"となった。

2007モデルからはフロントのバッヂには何も描かれなくなり、ボンネットの前端に"Land Rover"とレタリングされるようになった。リアには新しい"Defender"と描かれたバッヂがつく。現在ではバッヂにはホイールベースの数字は描かれなくなった。

アメリカおよびカナダでは、北米仕様(NAS)のディフェンダーが1989年から1997年にかけて販売されたが、"90"および"110"は付かず単に"ランドローバー"として販売された。

ランドローバー90/110/127[編集]

ランドローバー・90/110/127
ランドローバー・90
Land Rover 90 County Staation Wagon.JPG
販売期間 1983年-1990年
ボディタイプ 3ドア ステーションワゴン (90)
5ドア ステーションワゴン (110)
2ドア ピックアップ (90)
3ドア バン (90)
エンジン 2.3 L 75 hp (56 kW) 直4 (1983–1985)
2.3 L 62 hp (46 kW) 直4 ディーゼル (1983)
2.5 L 68 hp (51 kW) 直4 ディーゼル (1984–1993)
2.5 L 83 hp (62 kW) 直4 (1985–1993)
2.5 L 85 hp (63 kW) 直4 ターボディーゼル (1986–1990)
3.5 L 113 hp (84 kW) V8 (1983–1986)
3.5 L 134 hp (100 kW) V8 (1986–1993)
変速機 LT95型 4速 マニュアル (初期の110のV8モデルのみ)
LT77型 5速 マニュアル
LT85型 5速 マニュアル(90, 110 V8)
全長 160.5 in (4077 mm) (90)
全幅 70.5 in (1791 mm)
全高 80.2 in (2037 mm) (90)
84 in (2134 mm) (110)
ホイールベース 92.9 in (2360 mm) (90)
110 in (2794 mm) (110)
127 in (3226 mm) (127)
姉妹車 ランドローバー・ウルフ
サンタナ PS-10
-自動車のスペック表-

現在ディフェンダーとして知られるモデルの生産は1983年にランドローバー・110として始まった。名前は単純にホイールベースの長さが110 インチ(2,794 mm)であったことに由来する。93 インチ(2,362 mm)のランドローバー・90と、127 インチ(3.226 m)のランドローバー・127がその後登場した。[1]

ランドローバー・シリーズIIIとの外観上の差はほとんどなく、フルレングスのボンネット、グリルの変更、ホイールアーチの拡張が最も顕著な変化であった。エンジンやボディーパネルはシリーズIIIからキャリーオーバーされたが、機構的には以下のように大幅に近代化された。

  • コイルスプリング
  • フルタイム4WD
  • モダンなインテリア
  • ワンピースのウィンドシールドスクリーン

それに加え、将来のためによりパワフルでモダンなエンジンが設計されていた。

110は1983年に登場し、続いて90が1984年に登場した。1984年からドアウインドウがレギュレーターハンドルによる巻き上げ式となり(シリーズ IIIと初期の110は引き違い窓だった)、2.5 リットル51 kWディーゼルエンジンが搭載された。このエンジンは以前の2.3 リットル版の改良版であったが、より近代的な燃料噴射システムが搭載され、性能が向上された。レンジローバーの3.5 リットルローバー・V8エンジン圧縮比を下げたバージョンが5速トランスミッションと組み合わされて採用された。[2]


ディフェンダー[編集]

ランドローバー・ディフェンダー
ディフェンダー 90
Land Rover 50th Anniversary.JPG
ディフェンダー 90(2007)
Land Rover Defender front 20070518.jpg
販売期間 1990年-
ボディタイプ 3ドア ステーションワゴン (90)
5ドア ステーションワゴン (110)
2ドア シングルキャブピックアップ (90)
4ドア ダブルキャブピックアップ (110)
2ドア ハードトップ (90,110,130)
エンジン 2.5 L 107 hp (80 kW) 直4 ターボディーゼル (1990–1994)
2.5 L 111 hp (83 kW) 直4 ターボディーゼル (1994-1998)
3.9L 182 hp (136 kW) V8
2.5 L 122 hp (91 kW) 直5 ターボディーゼル
2.4 L 122 hp (91 kW) 直4 ターボディーゼル
変速機 LT77 5速 マニュアル
R380 5速 マニュアル
ZF4-HP22 4速 AT
GFT MT-82 6速 マニュアル
全長

144 in (3658 mm) (90 ピックアップ)
153 in (3886 mm) (2000s 90)
172 in (4369 mm) (110 ピックアップ)
182.3 in (4630 mm) (2000s 110)
183 in (4648 mm) (110 ハードトップ)
174.7 in (4437 mm)
157.1 in (3990 mm) (1997-2000s 90)
160.5 in (4077 mm) (1990-94 90)

181.1 in (4600 mm) (1990s 110)
(130 ダブルキャブ)
204 in (5182 mm) (130)
全幅 70.5 in (1791 mm) (1990s)
70 in (1778 mm) (2000s 90)
全高 80 in (2032 mm) (2000s 90)
80.2 in (2037 mm) (1990s 90)
90.0 in (2286 mm) (110)
ホイールベース 92.9 in (2360 mm) (1990s 90)
93 in (2362 mm) (2000s 90)
110 in (2794 mm) (110)
127 in (3226 mm) (130)
姉妹車 ランドローバー・ウルフ
サンタナ PS-10
イヴェコ Massif
-自動車のスペック表-

1990年、ランドローバー・90/110はランドローバー・ディフェンダーとなった。1989年にディスカバリーが発売されたため、混乱を避けるための変更であった[1]。ディスカバリーには新しいターボディーゼルエンジンが搭載された。これは既存の2.5 リットルエンジンをベースにはしていたが、よりモダンなシリンダーヘッドやターボチャージャーの改善、直噴とインタークーラが搭載された。ランドローバー・200Tdiエンジンと呼ばれるこの新しいエンジンは 111 hp (83 kW)の最高出力と195 lb·ft (264 N·m)の最大トルクを達成した(ディフェンダーに搭載されたエンジンは排気周りの変更のためディスカバリー版(111 hp)からデチューンされた)。[1]

1994年、新しいターボディーゼルエンジンであるランドローバー・300Tdiエンジンが登場した。200Tdiは大幅に改良はされていたが、古いターボディーゼルを直噴システムに対応させたものだった。対照的に300Tdiは本質的に変更が加えられ、同じ排気量にもかかわらず111 bhp (83 kW)の最高出力と195 ft·lbf (264 N·m)の最大トルクを達成した。[1]

1998年に登場した50周年記念モデルの90にはレンジローバーの4.0L V8エンジンが搭載された。

Td5エンジン[編集]

1998年、ランドローバー・Td5エンジンが搭載された。2.5 リットル直5ターボディーゼルエンジンで、ユーロIII排出ガス規制に適合していた。電子制御システムが搭載され、最高出力は122 hp (91 kW) / 4850 rpmと11馬力Tdiエンジンより向上した。電子制御システムの導入を伝統主義者はシビアな状況で不良があると批判したが、それは根拠がないと証明された。[1]

2007年モデル[編集]

2007年春、主に排出ガス規制と安全法案を満たすために大幅は変更が行われた。最大の変更はドライブトレーンである。Td5エンジンはフォードのデュラトルクシリーズのエンジンに置き換えられた。Td5エンジンはソリハルの自社工場で生産されていたが、新エンジンはフォードのDagenham工場で生産される。フォード・トランジットに搭載されたZSDファミリーの2.4 リットル直4ユニットが選択された。エンジンの潤滑やシーリングはオフロードでの水やホコリ、極端な角度にも対応された。最高出力は122 hp (91 kW)と同一であるが、ピークの回転数は落とされ、牽引時や加速時のパフォーマンスは向上した。最大トルクは可変ジオメトリーターボチャージャーにより221 lb·ft (300 N·m)から265 lb·ft (359 N·m)に向上した。エンジンは新しい6速トランスミッションと組み合わされる。1速は以前のトランスミッションより低く設定され、より低速でのコントロールを容易にした。6速は高速でのノイズや燃料消費を低減するためより高く設定された。

他の大きな変更としてはインテリアがある。1983年の110から続く(1971年のシリーズIIIと非常に似ていた)ダッシュボードはのレイアウトはフル幅のフェイシアと新しいインストルメント・パネルに変更された。インストルメント・パネルはディスカバリー3のもので、センターパネルのいくつかはフォード・トランジットのものである。いくつかのスイッチは以前のものから持ち越された。新しい空調システムにより大幅に除湿性能および暖房性能が向上した。

その他のインテリアのチェンジとしてはシートレイアウトがある。EUの法律により以前のランドローバーのステーションワゴンが採用していた内向きのリアシートは違法になった。そのため2007年モデルのディフェンダーでは4つの内向きシートが2つの前向きシートに置き換えられた。これによりディフェンダー90ステーションワゴンは4人乗りとなり(以前は6または7人乗り)、ディフェンダー110ステーションワゴンは以前の7人乗りとなった(以前は9人乗り)。これにより積載量は大幅に減少し、ディフェンダーは同様のレイアウトを採用する競合他社と同じ土俵で競争しなくてはならなくなった。新しいボディースタイルとして110ステーションワゴンに'ユーティリティ'が導入された。5ドアステーションワゴンのボディーだが3列目シートやリアサイドの窓が取り外され、安全で屋根のある荷室を持つ5人乗り車となっている。

エクステリアの変更は細部のみである。ボンネットは新しいエンジンを収めるためと、歩行者保護ルールへの対応のためバルジが設けられた。新しいダッシュボードと空調システムにより、ランドローバーのユーティリティモデルの特徴となっていたフロントガラス下のフラップは不要になった。フラップは無くなったがバルクヘッドのプレスは同一のため、フラップのアウトラインは未だ残されている。

2012年モデル[編集]

2012年モデルよりエンジンとパッケージオプションが変更された[3]

最大の変更はエンジンであり、EU5に対応した2.2Lターボディーゼルエンジンに置き換えられた。最高出力および最大トルクは従来のエンジンと同一で、122PS / 3,500rpmおよび360Nm / 2,000rpmとなる。新エンジンにはDPFが搭載される。

パッケージオプションとして、コンフォートパックとオフロードパックが設定された。コンフォートマップではエアコン、外部入力付きCDプレイヤー、パワーウィンドウ、リモート集中ロックがセットとなる。オフロードパックではABS、ヘビーデューティ仕様のリム、MTタイヤ、トゥーボール、アンダーガードがセットとなる。

  • DEFENDER 90 HARDTOP
  • DEFENDER 90 PICK UP
  • DEFENDER 90 STATION WAGON
  • DEFENDER 110 HARDTOP
  • DEFENDER 110 PICK UP
  • DEFENDER 110 STATION WAGON
  • DEFENDER 110 UTILITY WAGON
  • DEFENDER 110 DOUBLE CAB PICK UP
  • DEFENDER 110 CHASSIS CAB
  • DEFENDER 110 HIGH CAPACITY PICK UP
  • DEFENDER 130 CHASSIS CAB
  • DEFENDER 130 DOUBLE CAB CHASSIS
  • DEFENDER 130 DOUBLE CAB HIGH CAPACITY PICK UP

日本での販売[編集]

1997年4月、ディフェンダー 90が500台限定で導入された。1998年12月、ディフェンダー 90SW 50周年記念モデルが450台限定で導入された。

2002年4月、ディフェンダー 110SWが導入された。2002年9月、110のダブルキャブピックアップモデルがディフェンダー ブラックとして50台限定で導入された。2003年7月、マイナーチェンジされディフェンダー 110SEとディフェンダー 110Sの2グレード構成となった。

過去のグレード[編集]
  • ディフェンダー 90(1997年4月- 1998年12月)
ローバー製 V型8気筒OHV 3950cc(182ps/32.2kg・m)、4速AT、左ハンドル。
  • ディフェンダー 90SW 50周年記念モデル(1998年12月- 1999年6月)
ローバー製 V型8気筒OHV 3950cc(182ps/32.2kg・m)、4速AT、右ハンドル。
  • ディフェンダー 110SW(2002年4月- 2003年7月)
Td5型 直列5気筒SOHC 2492cc(122ps/30.6kg・m)、5速MT、右ハンドル。
  • ディフェンダー ブラック(2002年9月- 2003年7月)
Td5型 直列5気筒SOHC 2492cc(122ps/30.6kg・m)、5速MT、右ハンドル。
  • ディフェンダー 110SE(2003年7月- 2005年8月)
Td5型 直列5気筒SOHC 2492cc(122ps/30.6kg・m)、5速MT、右ハンドル。
  • ディフェンダー 110S(2003年7月- 2005年8月)
Td5型 直列5気筒SOHC 2492cc(122ps/30.6kg・m)、5速MT、右ハンドル。

参考文献[編集]

  1. ^ a b c d e Eric Dymock. The Land Rover File. Dove. ISBN 0-9534142-8-0. 
  2. ^ M Pfanmuller & B Schmidt. Fifty Years of the Best 4x4xFar. autovision. ISBN 3-9805832-0-1. 
  3. ^ 2012 Land Rover Defender Updated with New 2.2L Turbo Diesel and Additional Option Packages”. 2011年12月19日閲覧。

外部リンク[編集]