バチスタ手術
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バチスタ手術(バチスタしゅじゅつ)は拡張型心筋症に対する手術術式。正式には「左室縮小形成術」と呼ばれる。名称はこの術式の考案者であるブラジル人医師・ランダス・バチスタ(Randas Jose Vilela Batista)に由来する。
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[編集] 概要
特発性拡張型心筋症(DCM)に対する外科的治療として1994年に考案されたものであり、拡張した心臓の左心室を3分の1程度切り取り形を整える。心臓外科手術では難易度の高い手術に分類されるが、DCMの根本治療とはなり得ない。後年この手術により期待される効果がその危険性に比して小さいことが判明したため、現在多くの病院ではこの手術を禁じており、心不全治療のガイドラインもこの手術を認めていない[1]。
[編集] 拡張型心筋症の治療法
詳細は「特発性拡張型心筋症#治療」を参照
さまざまな治療が試みられているものの、唯一の根本治療は心臓移植のみとなっている。
[編集] バチスタ手術
バチスタ手術は心臓移植を行うことが難しい患者や、移植手術待ちの患者にとって非常に有効で、術後の結果も良好として注目されている。バチスタ手術は1980年代からクリチバでバチスタの手によって行われていたが、これは中南米に多いシャーガス病による心肥大を縮小するためであり、当時は国際的にはあまり注目されていなかった。その後、トーマス・サレルノ (Tomas Salerno) がバチスタ手術の有用性を認め、救命不能と診断されたDCM症例が驚異的に回復することを示した。
日本では1996年(平成8年)12月2日に須磨久善(当時:湘南鎌倉総合病院副院長兼心臓血管外科部長、現在:心臓血管研究所スーパーバイザー)が湘南鎌倉総合病院において初めて実施した。1998年(平成10年)1月には医療保険の対象となった。
主な有用点(主に心臓移植と比較して)としては
- 心臓を提供してくれるドナーを待つ必要がない。
- 15歳未満、60歳以上の年齢でも患者(患児)の状態しだいでは日本国内で手術を行うことができる。
- 個人差はあるが劇的な症状回復がある場合がある。
- 非自己組織を移植しないので拒絶反応は起こらない。
- 保険が適用されて、移植に比べて安価に手術を行うことができる。
しかし、問題も数多く存在する。
- 完治はしない(根本治療ではない、心臓移植の代替とはなりえない)。
- 基本的には心臓移植に比べて回復は小さい。
- 左心室の再拡大が起こらないかどうかはわからない。また、起こるとしたらそれはどのくらいの期間をおいて起こるのかは未だ統計不足でわからない。
- 近年、研究が進み技術・術後処置が確立されつつあるものの未だ適合基準、時期が不確定である。
- リスクが高い。
- 遠隔生存率は心臓移植術に劣る。
- 遠隔心不全回避率が術後3年で25%と非常に悪い。
等があげられている。バチスタ手術は現在も不確定要素の未だ多い術式である。しかし、心臓手術の代替術式としては有効という見解が一般的である。
[編集] 今後
2011年(平成23年)現在、バチスタ手術を応用・発展させた手術として左室縮小術(Overlapping cardiac volume reduction operation)が注目されている。バチスタ手術は予後の心不全回避率が3年後には25%と比較的悪いが、これは左心室の一部を切り取ってしまうため心筋の収縮能力が著しく低下してしまうためだと考えられている。
これを改善するために発案されたのが左室縮小術である。左室縮小術は心臓を切り取って小さくするのではなく、左心室に心筋に沿ってメスを入れてそれを左室壁に巻き込んで縫い付ける手術である。バチスタ手術の応用として現在、世界的に注目をされているが、執刀数の少なさ、心臓外科医に要求される技術の高さ、また、ガイドラインが不確定なことが問題視されている。一部の国では、その危険性などから禁止術式とされている。
[編集] 脚注
- ^ Tønnessen T, Knudsen CW (August 2005). “Surgical left ventricular remodeling in heart failure”. Eur. J. Heart Fail. 7 (5): 704–9. doi:10.1016/j.ejheart.2005.07.005. PMID 16087128.
[編集] 参考文献
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- バチスタ手術体験記
- Suma Heart Consultation
- Left ventricular volume reduction(英語)実際にバチスタ手術中の心臓の写真が掲載されています、そういったものが苦手な方は閲覧をお控えください
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