マツダ・シャンテ

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マツダ・シャンテ 360cc
フロントビュー
Chantez-F.jpg
リアビュー 左右のテールランプは完全同一パーツ。コストダウン策である
Chantez-R.JPG
サイドビュー オーバーハングの小さいロングホイールベースな構造がわかる
Chantez-S.JPG
乗車定員 4名
ボディタイプ 2ドアセダン
エンジン 水冷 2気筒2ストローク359cc(ロータリーディスクバルブ付き)
圧縮比 10.0
35仏馬力/6,500rpm
4.0 kg-m/5,500rpm
変速機 4速MT
駆動方式 FR
サスペンション 前・ストラット
後・リーフ
全長 2,995mm
全幅 1,295mm
全高 1,290mm
ホイールベース 2,200mm
車両重量 490kg
最小回転半径 4.0m
型式名 KMAA
先代 キャロル
-自動車のスペック表-

シャンテChantez )は、東洋工業(現・マツダ)がかつて製造した軽自動車である。

概要[編集]

マツダは1960年発売のR360クーペで軽乗用車市場に参入、続いて本格的な4人乗り軽乗用車のキャロルを1962年に発売し、軽乗用車初の4ドアモデルを投入するなどの戦略で、1960年代中期までは一時的に軽乗用車市場の有力メーカーであった。

しかしその後ロータリーエンジン搭載の登録車(小型乗用車)に重点を置いた開発・販売戦略を採ったため、キャロルは軽乗用車分野で他社の高性能な後発モデルに対する優位性を失い、モデルチェンジの機をも逸したまま販売不振に陥って1970年で生産を終えた。

キャロルの衰退と生産終了によるマツダの軽乗用車市場での失地を奪回するための製品がシャンテであった。その切り札として当初シャンテにはシングルローターのロータリーエンジンが搭載される計画だったが、キャロル末期型での試みに引き続き、技術面での困難さと、監督官庁および軽自動車業界他社に軽自動車へのロータリーエンジン採用阻害の動きがあり、目論見は頓挫した。

このため実際には商用車ポーターキャブ用の空冷2気筒2ストロークエンジンを水冷化・高性能化したエンジンが採用された。車両重量490kgに対し、最大出力35仏馬力/6,500rpmを得ており、実用面での性能は確保されていた。

シャンテの構造的特徴は、R360やキャロルのリアエンジン・全輪独立懸架を廃し、後車軸を固定軸とした手堅いフロントエンジン・リアドライブを採用したことにある。ボディタイプはキャロルと異なり2ドアのみだったが、当時の軽乗用車最長であるホイールベース2,200mmを実現しており、競合他車に比べると室内は広く、運転席の足下もゆとりがあったという。またリアシートバックは前方可倒式で、軽乗用車クラス最大級のラゲッジルームを得るなど、実用性に長けていた。カーステレオや吊り下げ式クーラーは同時期の競合各車同様にオプション扱いで装備可能となっていた。

しかしすでにマツダ自体が軽自動車市場での地歩を減退させており、シャンテも2ドアのみで4ドア設定なし、バンモデルの設定なしなど商品訴求力・展開力を欠くきらいもあって、販売は伸びなかった。加えて当時、それまで軽自動車に免除されていた車検の新たな適用開始や、排気ガス規制への対処など、軽乗用車業界全体に逆風が生じ、ホンダが小型車重視施策のために軽乗用車市場から撤退する事態も起きていた。更にマツダは、オイルショックで顕在化した、ロータリーエンジンの燃費不良問題対処という厳しい課題も突きつけられた。

シャンテの販売成績は一向に振るわず、軽自動車の550ccへの規格向上に際しては軽トラックのポーターキャブが改良存続したのに対し、シャンテは360ccのまま販売を終了、以後マツダのブランドによる軽乗用車は十数年間に渡り市場から消えることになった。

歴史[編集]

チューニングカー[編集]

RE雨宮が当時のキャロルロータリーエンジン化(当初はキャロルとして販売する予定であった)の発売頓挫からのオマージュなのかRX-7用エンジンを移植したチューニングカー、「REシャンテ」を発表したこともある。最終的にはK26タービン(KKK製)を使用した12A2ローターターボエンジンへ換装されている。

車名の由来[編集]

フランス語で「歌う」「歌おう」といった意味。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]