ハイラックス

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イワダヌキ目
ケープハイラックス
ケープハイラックス
Procavia capensis
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
上目 : アフリカ獣上目 Afrotheria
: イワダヌキ目 Hyracoidea
: イワダヌキ科 Procaviidae
学名
Hyracoidea Huxley, 1869
Procaviidae Thomas[1]1892
和名
ハイラックス、イワダヌキ(岩狸)
英名
Hyrax

ハイラックスは、イワダヌキ目(ハイラックス目、岩狸目)に属する哺乳類の総称である。イワダヌキ目はイワダヌキ科の1科のみからなる。

目次

[編集] 解説

イワダヌキ(ハイラックス)は比較的小型の動物で、耳を小さくしたウサギのような外見をしているが、ゾウ目ジュゴン目と類縁関係にあり、足にに似た扁爪(ひらづめ)がある。食性は草食性である。他の哺乳類に比べ、体温調節の能力が劣るため、早朝や夕暮れは日光浴をし、暑い時は日陰で体を冷やす等、爬虫類のような生活をしている。中東アフリカサバンナに点在する岩場等に隠れ棲み、数頭から30頭程度の群れを作り生活している。

イワダヌキの仲間は上顎の門歯が一生伸び続ける特徴から、かつてはネズミ目に分類されていた。1766年には Cavia capensis という学名が付けられ、テンジクネズミと同じ Cavia 属に分類された。その後、フランス博物学者ジョルジュ・キュビエは、歯と足の特徴を調べた結果、イワダヌキの仲間は原始的な有蹄動物であると結論付けた。イワダヌキの上顎の門歯は一生伸び続けるが、下顎の門歯はある時点で成長が止まってしまうという点で、ネズミ目ウサギ目とは異なる。また、上顎の臼歯はウマ目(奇蹄目)のサイに、下顎の臼歯はウシ目(偶蹄目)のカバに似た特徴を有している。また、全身の骨格はサイのものを小型にしたような特徴を持ちながら、前足の骨はゾウに類似している。の構造はウマに似ている。このように様々な動物に少しずつ似た特徴を持っているが、化石記録や分子生物学的な解析から、ゾウ等の原始的な有蹄類と類縁関係があることが明らかになり、近蹄類の一目としてイワダヌキ目(ハイラックス目)という独立した目に分類されるようになった。

[編集] 人間との関わり

  • 旧約聖書には、詩篇104章18節、箴言30章26節などで、住処を岩の中に作る、知恵ある動物として、コニー (Coneyという名で登場している[2]マルティン・ルターがこれをヘブライ語からドイツ語に翻訳する際、ハイラックスをウサギと誤訳している[3]
  • また、レビ記11章5節には、「これは反芻するが、蹄が割れても分かれてもいないから」食べても、死体に触れてもいけない穢れた動物として、ウサギ、ラクダ等と共に出る。反芻動物であると誤解されたのは「常に口を動かしている為」か、「胃袋が反芻動物とよく似ているため」と考えられる。
  • スペイン(イスパニア)」という国名の由来には諸説あるが、一説に、現地で初めてウサギを見たフェニキア人が、「ハイラックス(この場合はウサギの意)の島」と呼んだことに由来するという。なお、フェニキア語に近縁のヘブライ語では、ハイラックスは saphan(隠れる者) である[4]
  • 今泉忠明の『世界珍獣図鑑』によれば、ある日本の動物園で、12頭ほどのハイラックスを、巨大な土管状の畜舎に入れて展示したところ、吸盤状の足によってよじ登り、その日のうちに全て脱出した[5]という。

[編集] 日本で飼育している動物園

国内での飼育はすべてケープハイラックスProcavia capensisのみである。

[編集] 分類

イワダヌキ目(ハイラックス目)は近蹄類の一目とされる。(近蹄類#系統分類参照。)

イワダヌキ目(ハイラックス目)は1科、3属が知られている[6]

滅んだ科としては、中新世から始新世頃に活動したプリオハイラックス科(Pliohyracidae)が知られる[7]

[編集] ギャラリー

[編集] 注釈、出典

  1. ^ David Thomas (1776–1859) or Oldfield Thomas (1858-1929)
  2. ^ BibleGateway.com Leviticus 11:3-8 (21st Century King James Version)
  3. ^ もっとも、当時ハイラックスとウサギの区別は知られておらず、ハイラックスはヨーロッパには棲息せず、「ハイラックス」という語彙も存在しなかったわけであるから、「ウサギ」と訳するのはごく妥当であったと思われる。
  4. ^ スペイン語版 es:Hispania#Origen del nombre による。
  5. ^ 今泉忠明 『世界珍獣図鑑』 111頁
  6. ^ 厚生労働省 『動物の輸入届出制度について』
  7. ^ 渡邊 誠一郎 『哺乳類の系統分類』 ※ページサイズが大きいので注意(337K)

[編集] 外部リンク

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