システマティック・ケイオス

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システマティック・ケイオス
ドリーム・シアタースタジオ・アルバム
リリース
録音 2006年9月 - 2007年2月
ニューヨークアバター・スタジオ
ジャンル プログレッシヴ・メタル
時間
レーベル ロードランナー・レコード
プロデュース ジョン・ペトルーシ
マイク・ポートノイ
専門評論家によるレビュー
ドリーム・シアター アルバム 年表
スコア〜フル・オーケストラ・ライヴ2006
(2006年)
システマティック・ケイオス
(2007年)
グレイテスト・ヒット+21ソングス
(2008年)
ミュージックビデオ
「Forsaken」 - YouTube
「Constant Motion」 - YouTube
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システマティック・ケイオス』 (Systematic Chaos) は、プログレッシヴ・メタルバンドドリーム・シアターの9作目のスタジオ・アルバムである。バンドが新たに契約したレーベルのロードランナー・レコードから初めてリリースされた。

歴史[編集]

システマティック・ケイオスは、2006年9月から2007年2月まで、ニューヨークアバター・スタジオで曲作りとレコーディングが行われた。ドラマーマイク・ポートノイギタリストジョン・ペトルーシの共同でプロデュースされ、ポール・ノースフィールドによってエンジニアリングされた。最終ミックスは、バレンタインデーである2月14日に終了した[1]CDの最終マスターが完成し、収録曲が発表されたのは2月21日[2]、 日本でアルバムがリリースされたのは6月6日であった。通常版と、普通のCDに加えアルバムの5.1チャンネルミックスと"Chaos in Progress - The Making of Systematic Chaos"とタイトルがつけられた90分のアルバム制作時のドキュメンタリーを収録したDVDを含む、スペシャル・エディションが存在する[3]。現時点で、これまでリリースしたバンドのアルバムの中ではアメリカにおいてチャートの順位が最も高い。

アルバムはLP2枚組でもリリースされている(日本盤未発売)。

楽曲[編集]

Tama.comのインタビューにおいて、ドラマーのマイク・ポートノイはアルバムについて、「人々がドリーム・シアターに期待する要素のすべて、つまりヘヴィでテクニカル、パワフル、ダイナミックさがある。スタイルとサウンドのすべては変わっていないが、われわれは本物の音の爆発にすることを望んでいた。とてもドラマティックで攻撃的だ」と書いている[4]

ニューヨークからの50名のドリーム・シアターのファンが、2007年1月にポートノイのインターネットフォーラムを通じ新作に参加するチャンスを与えられ、「プロフェッツ・オブ・ウォー」での歌を歌い、同じく「イン・ザ・プレゼンス・オブ・エネミーズ」でも使われた。

アルバム5曲目の「リペンタンス」は、『シックス・ディグリーズ・オブ・インナー・タービュランス』に収録された「グラス・プリズン」、『トレイン・オブ・ソート』に収録された「ディス・ダイイング・ソウル」、『オクタヴァリウム』に収録された「ザ・ルート・オブ・オール・イーヴル」に続く、マイク・ポートノイのアルコール依存症の経験についての一連の楽曲であるAlcoholics Anonymous suiteの4番目の曲である。この曲は、アルコホーリクス・アノニマス12ステップのプログラムの8番目と9番目をあらわしている[5]

アルバムからの最初のシングルとなる「コンスタント・モーション」は4月27日にリリースされ、ビデオが7月13日にリリースされた。曲がシングルとしてアナウンスされる前、アルバムにおいて作詞者が公表されていない唯一の曲であるため、インストゥルメンタルだと推測された。しかし、そのケースには当てはまらないため、インストゥルメンタルのない3番目のアルバムとなった(ほかの2つは『イメージズ・アンド・ワーズ』、『オクタヴァリウム』)。この曲はロードランナー・レコードのこのURIと公式MySpaceからダウンロード可能となったが、現在はMySpaceからのみ利用可能である。

プロデューサーの1人であるマイク・ポートノイによれば、「イン・ザ・プレゼンス・オブ・エネミーズ」は単にレコードの曲順のために分けられたので、単一の楽曲のままである。ポートノイは、2つの楽曲は続けてライヴ演奏すると詳しく述べた。これにより、厳密に解釈するとドリーム・シアターで2番目に長い曲となるが、「ア・チェンジ・オブ・シーズンズ」や「オクタヴァリウム」とは異なり、分離したパーツに分けられる。

リペンタンスの曲での声の謝罪で、ジョン・アンダーソンジョー・サトリアーニスティーヴ・ヴァイスティーヴ・ホガースデイヴィッド・エレフソンニール・モースダニエル・ギルデンロウスティーヴン・ウィルソンミカエル・オーカーフェルトコリィ・テイラー、さらにプロレスラーのクリス・ジェリコといった、プログレッシヴ・ロックプログレッシヴ・メタルの大御所・中堅をはじめとした多彩なミュージシャン仲間をゲストに迎えている。

ビデオクリップ・情報漏洩[編集]

2007年4月20日金曜日、マイク・ポートノイは「プロフェッツ・オブ・ウォー」のサウンドクリップビデオを公開した。このクリップには、曲のイントロアウトロのインストゥルメンタルが収録されている[6]

ビデオはSystematic Chaos Recording Session with the Fans - YouTubeで見られる。

サウンドクリップとアルバムのスタジオ場面をフィーチャーしたプロモーション・ビデオは、Dream Theater - Sytematic Chaos Promo - YouTubeで見られる。

2007年4月28日、「ザ・ダーク・エターナル・ナイト」のミックスされていないバージョンが、ロードランナー・レコードによってYouTube上で公開された。

アルバム全体は、リリース1ヵ月前に漏れた。

コンスタント・モーションのプロモーション・ビデオの特別版は、2007年7月13日にバンドのウェブサイトで公開された。

2008年1月26日、「フォーセイクン」のミュージック・ビデオが公開された。近未来を舞台としたアニメーションで、監督はソエジマヤスフミである。

ツアー[編集]

ドリーム・シアター2007年6月3日ミラノのGods of Metal festivalにおいて、Chaos In Motionと名づけられたツアーを開始した。このツアーは、European Dream Theater Summer TourNorth American Dream Theater Summer TourEuropean Dream Theater Fall Tourの3つに分かれている。続いて、韓国日本2008年1月15日日本武道館)、シンガポールの3日間がアナウンスされた。

  • European Summer Tourでは、ヨーロッパにおける様々なフェスティバルでの演奏を行う。多くのショーでは、元ドリーム・シアターのヴォーカリスト・チャーリー・ドミニシをフィーチャーしたバンド・Dominiciが出演する。その他のスペシャルゲストは、To-Mera、Riverside、メガデス、Dreamtoneである。
  • North American Dream Theater Summer Tourでは、スペシャルゲストのRedemptionとInto Eternityとともに、ヘッドライナーとして演奏する。
  • ヨーロッパツアー全体の計画は、現在も変わっている。この期間のスペシャルゲストはシンフォニー・エックスである。

ツアーはイングランドブラックバーンで演奏を行う2007年11月11日まで延長されている。

2007年の残りのツアーのアナウンスも期待され、2008年のはじめにはアジア南米、おそらくオーストラリアを訪れる。

バンドは『イメージズ・アンド・ワーズ』のリリース15周年を祝い、アルバム全曲を15会場で演奏するとアナウンスしている。

収録曲[編集]

全作曲: Dream Theater (James LaBrie, John Petrucci, John Myung, Jordan Rudess, Mike Portnoy)。
#タイトル作詞作曲・編曲時間
1.「イン・ザ・プレゼンス・オヴ・エネミーズ パート1
"In the Presence of Enemies - Part I"
  • I. プレリュード "Prelude"
  • II. 復活〜リザレクション〜 "Resurrection"
PetrucciDream Theater (James LaBrie, John Petrucci, John Myung, Jordan Rudess, Mike Portnoy)
2.「フォーセイクン
"Forsaken"」
PetrucciDream Theater (James LaBrie, John Petrucci, John Myung, Jordan Rudess, Mike Portnoy)
3.「コンスタント・モーション
"Constant Motion"」
PortnoyDream Theater (James LaBrie, John Petrucci, John Myung, Jordan Rudess, Mike Portnoy)
4.「ザ・ダーク・エターナル・ナイト
"The Dark Eternal Night"」
PetrucciDream Theater (James LaBrie, John Petrucci, John Myung, Jordan Rudess, Mike Portnoy)
5.「リペンタンス
"Repentance"
  • VIII. 後悔〜リグレット〜 "Regret"
  • IX. 回復〜リスティテューション〜 "Restitution
  • PortnoyDream Theater (James LaBrie, John Petrucci, John Myung, Jordan Rudess, Mike Portnoy)
    6.「プロフェッツ・オヴ・ウォー
    "Prophets of War"」
    LaBrieDream Theater (James LaBrie, John Petrucci, John Myung, Jordan Rudess, Mike Portnoy)
    7.「ザ・ミニストリー・オヴ・ロスト・ソウルズ
    "The Ministry of Lost Souls"」
    PetrucciDream Theater (James LaBrie, John Petrucci, John Myung, Jordan Rudess, Mike Portnoy)
    8.「イン・ザ・プレゼンス・オヴ・エネミーズ パート2
    "In the Presence of Enemies - Part II"
  • III. 異端者〜ヘレティック〜 "Heretic"
  • IV. 地獄へ落ちた者達の虐殺〜ザ・スローター・オヴ・ザ・ダムド〜 "The Slaughter of the Damned"
  • V. 報い〜ザ・レコニング〜 "The Reckoning"
  • VI. 救済〜サルヴェイション〜 "Salvation
  • PetrucciDream Theater (James LaBrie, John Petrucci, John Myung, Jordan Rudess, Mike Portnoy)
    合計時間:

    ワーキングタイトル[編集]

    "Chaos in Progress - The Making of Systematic Chaos"のDVDにおいて見られる、曲のワーキングタイトルとオリジナルの楽曲リストは以下の通りである。

    1. "The Pumpkin King" (In The Presence Of Enemies)
    2. "Korma Chameleon" (Constant Motion)
    3. "Carpet Babies" (Prophets Of War)
    4. "Schindlers Lisp" (The Ministry Of Lost Souls)
    5. "N.A.D.S" (The Dark Eternal Night)
    6. "Jetlag" (Forsaken)
    7. "Fisheye" (Repentance)

    チャート順位[編集]

    クレジット[編集]

    バンド[編集]

    参照[編集]

    外部リンク[編集]