クイーン+アダム・ランバート

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クイーン+アダム・ランバート
2014年7月1日に行われたクイーン+アダム・ランバートのサンノゼ公演(左からロジャー・テイラーアダム・ランバートブライアン・メイ
基本情報
出身地 イングランド
ジャンル ロックオペラ
活動期間 2011年 -
共同作業者 クイーンアダム・ランバート
メンバー ブライアン・メイ
ロジャー・テイラー
アダム・ランバート
スパイク・エドニー
ニール・フェアクロー
タイラー・ウォーレン
旧メンバー ルーファス・タイガー・テイラー

クイーン+アダム・ランバート(Queen + Adam Lambert)は、イングランドのロックバンドであるクイーンブライアン・メイロジャー・テイラーとアメリカの歌手のアダム・ランバートによるコラボレーション・バンドである。略称は「Q+AL」「QAL」。

2009年に終了したクイーン+ポール・ロジャースプロジェクト以来のコラボレーション・バンドとなる。クイーン+ポール・ロジャースと同様、1997年に引退したクイーンのベーシストのジョン・ディーコンは不参加となっている。

2019年現在、このコラボレーション・バンドでのリリース作品はライブアルバム・映像作品のみとなっているが、メイとテイラーは(このバンドでの)オリジナル楽曲をレコーディングする可能性を述べている[1]

メンバー[編集]

名前 担当 在籍期間
ブライアン・メイ ギター
ボーカル
2011年 - 現在
ロジャー・テイラー ドラムス
パーカッション
ボーカル
2011年 - 現在
アダム・ランバート ボーカル 2011年 - 現在
スパイク・エドニー
Spike Edney
キーボード
バッキング・ボーカル
2011年 - 現在
ニール・フェアクロー
(Neil Fairclough)
ベース
バッキング・ボーカル
2011年 - 現在
タイラー・ウォーレン
(Tyler Warren)
パーカッション
ドラムス
バッキング・ボーカル
2017年 - 現在
過去のメンバー
ルーファス・タイガー・テイラー[注釈 1]
Rufus Tiger Taylor
パーカッション
ドラムス
2011年 - 2017年

経歴[編集]

結成まで[編集]

2009年、クイーンのメンバーであるブライアン・メイロジャー・テイラーはアメリカのオーディション番組『アメリカン・アイドル』にゲスト出演する。シーズン8の結果発表の前にふたりの演奏で最終候補者のクリス・アレンアダム・ランバートが「伝説のチャンピオン」を熱唱する[2]。メイとテイラーはランバートのボーカルに惚れこみ、その場でクイーンへの参加を打診したとローリング・ストーン誌は伝えている[3]。その件に関してその気があるのかとAP通信がランバートに聞いたところ「それは難しい質問だね。だって、正直クイーンにならないかっていう申し出をどう断ったらいいんだ?そんなの信じられないよ!でも、今、自分でやりたいこともあって、それが僕の目標でもあるんだ。だから、できることなら両方やってみたいね」と述べている。

2011年11月、MTV Europe Video Awardsにてメイとテイラーはランバートと再共演し「ショウ・マスト・ゴー・オン」「ウィ・ウィル・ロック・ユー」「伝説のチャンピオン」の3曲をメドレーで披露した[4]

アダム・ランバートはクイーンとの共演について「僕の見方としては僕はフレディの代わりを演じるつもりも、フレディの上を行くつもりも、フレディと競うつもりもまったくないし、そんなことはまるで考えてないんだ。フレディとバンドとで書いた音楽を歌って、それをステージに持っていっていいショーをやるように請われたってことはすごい光栄なことだと、そう思ってるんだ。でも、観てるみんなが比較することばかりに気を取られると、きっとライヴを楽しめなくなるとも思うよ」と語っている[5]

2012年 - 現在[編集]

2012年6月から7月にかけてウクライナロシアポーランドイギリスの4都市で6公演を行った[6]2013年の活動は「iHeartRadio Music Festival 2013」への出演だけだったが、2014年には6月から7月にかけて24公演の北米ツアーを行い、8月には「SUMMER SONIC 2014」のヘッドライナーとして日本公演を行った。2016年にも日本武道館で日本公演を開催。

2017年1月26日に北米ツアーを敢行することが発表された。このツアーは、2017年6月23日アリゾナ州フェニックスから始まり、8月5日テキサス州ヒューストンで千秋楽を迎えた[7]4月ヨーロッパ公演を行なうことが発表され[8]、2か月後に2018年2月から3月にかけてニュージーランド公演とオーストラリア公演を行なうことが発表された[9]

2019年2月25日に行なわれた第91回アカデミー賞のオープニング・アクトとして、「ウィ・ウィル・ロック・ユー」と「伝説のチャンピオン」を披露。演奏終盤には、背後のスクリーンに赤いマントを羽織ったフレディ・マーキュリーが大きく映し出される演出があった[10]

2018年12月3日、2019年7月から8月にかけて行われる北米ツアー「The Rhapsody Tour」を発表した[11]。同年4月7日、2020年2月にオーストラリアでスタジアム6公演を行うことを発表し、2019年4月8日にはニュージーランドでさらに3公演行うことを発表した[12][13]。2019年4月17日、2020年1月の日本公演(東京、大阪、名古屋の4公演)が発表され[14]さいたまスーパーアリーナ京セラドーム大阪ナゴヤドームの3会場で公演を行った[15]

2020年3月31日、世界的なCOVID-19パンデミックのため、この年予定していたツアーの日程が2021年まで延期されたことを確認した[16]

2023年8月1日、2024年2月の日本公演(名古屋、大阪、札幌、東京の5公演)が発表された。

2023年11月29日、第74回NHK紅白歌合戦の特別企画での出場が発表された[17]

ディスコグラフィ[編集]

  1. ライヴ・イン・ジャパン サマーソニック20142016年
  2. ライヴ・アラウンド・ザ・ワールド2020年

NHK紅白歌合戦出場歴[編集]

年度 放送回 曲目 備考
2023年 第74回 Don't Stop Me Now 特別企画出場歌手として追加発表[17]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ ロジャー・テイラーの次男

出典[編集]

  1. ^ Queen Hint at Recording New Material with Adam Lambert”. Ultimate Classic Rock. Townsquare Media, Inc. (2014年3月13日). 2019年5月3日閲覧。
  2. ^ “Kris Allen, Adam Lambert Tear Up Queen’s ‘We Are The Champions’”. MTV News (MTV). (2009年5月20日). http://www.mtv.com/news/1611896/kris-allen-adam-lambert-tear-up-queens-we-are-the-champions/ 2019年5月20日閲覧。 
  3. ^ Brian Hiatt (2009年5月22日). “Exclusive: Queen's Brian May Addresses Adam Lambert Rumors”. Rolling Stone. https://www.rollingstone.com/music/news/exclusive-queens-brian-may-addresses-adam-lambert-rumors-20090522 2019年5月3日閲覧。 
  4. ^ “クイーン+アダム・ランバート、会場中を大熱狂の渦に”. BARKS (ジャパンミュージックネットワーク株式会社). (2012年7月13日). https://www.barks.jp/news/?id=1000081422 2019年5月3日閲覧。 
  5. ^ “アダム・ランバート「クィーンでフレディ・マーキュリーの代わりを演じるつもりはない」”. rockinon.com (ロッキング・オン). (2012年2月27日). https://rockinon.com/news/detail/64597 2019年5月3日閲覧。 
  6. ^ Lyndsey Parker (2012年7月12日). “Queen + Adam Lambert Rock London With "Queenbert" Concert”. Yahoo! Music. 2019年5月3日閲覧。
  7. ^ Press Release: Queen + Adam Lambert Announce 25 Date North American Tour”. QueenOnline.com (2017年1月26日). 2017年1月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年5月3日閲覧。
  8. ^ Press Release: Queen + Adam Lambert Announce UK and European Tour!”. QueenOnline.com (2017年4月18日). 2017年4月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年5月3日閲覧。
  9. ^ Queen and Adam Lambert will rock you down under early next year”. news.com.au (2017年6月13日). 2019年5月3日閲覧。
  10. ^ “アカデミー賞2019、クイーンとアダム・ランバートによるヒット曲で幕開け”. Rolling Stone Japan (CCCミュージックラボ株式会社). (2019年2月25日). https://rollingstonejapan.com/articles/detail/30071 2019年5月3日閲覧。 
  11. ^ Lifton, Dave. “Queen + Adam Lambert Announce 2019 North American Tour”. Ultimate Classic Rock. 2020年10月20日閲覧。
  12. ^ Press Release: Australian Dates Announced!”. QueenOnline.com. 2019年4月8日閲覧。
  13. ^ Press Release: New Zealand Shows Added!”. QueenOnline.com. 2019年4月8日閲覧。
  14. ^ QueenOnline.com - News”. www.queenonline.com. 2019年4月17日閲覧。
  15. ^ “ついに「本物」がやってくる! 待望の来日公演が決定したクイーン+アダム・ランバート、その注目ポイントをおさらい”. rockinon.com (ロッキング・オン). (2019年4月27日). https://rockinon.com/blog/yogaku/185828 2019年5月3日閲覧。 
  16. ^ Simpson, George (2020年3月31日). “Queen and Adam Lambert UK tour Postponed to 2021: Brian May and Roger Taylor 'Devastated'”. express.co.uk. 2020年4月10日閲覧。
  17. ^ a b クイーン+アダム・ランバートの出場決定”. nhk.or.jp (2023年11月29日). 2023年11月30日閲覧。

外部リンク[編集]