エンカウント
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エンカウントとは、主にコンピュータRPGにおいて、移動画面(フィールド画面)上で敵キャラクターと遭遇し、その際に移動画面から戦闘画面(バトル画面)に切り替わることを指す。これは和製英語であり、語源は「遭遇する」という意味の英単語 "encounter" である(注: *encount という英単語はない)。本来の英単語からエンカウンターとも呼ばれる。
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[編集] ランダムエンカウント
敵のキャラクターが直接表示されないゲーム画面のフィールド上において、自身のキャラクターが移動している時に一定の確率で敵と遭遇し、新たな画面が表示されて戦闘が始まる形式をランダムエンカウント(ランダム・エンカウンター、英語:random encounter)という。『ドラゴンクエスト』シリーズ(VIII以前)、『ファイナルファンタジー』シリーズ(X-2以前)など多くのRPGで採用されている。
[編集] ランダムエンカウントにおけるエンカウント率
ランダムエンカウントの場合、その確率を操作して、ゲームバランスをゲームデザイナーの意図したレベルに調整できる。エンカウントが起こる確率はエンカウント率(エンカウンター率)と呼ばれる。例えばキャラクターが移動するごとにエンカウント判定がなされる場合、エンカウント率は次の式によって算出される。
- エンカウント率 (%) = 100 / 戦闘後、次の敵に遭遇するまでの平均歩数
- 注:この式はプレイヤーが得られる情報から「エンカウント率の平均値」を推測する手段に過ぎない。実際のゲームプログラム内部では、制作者が設計したより複雑なルーチンに基づいて敵との遭遇が決定される。
一般的にランダムエンカウントは、プレイヤーに対し予告なく、突然の出来事として起こる。このためランダムエンカウントにおけるエンカウント率はプレイヤーの快、不快に大きな影響をおよぼす。ファミリーコンピュータ全盛期のRPGは「エンカウント率が非常に高い」「“エンカウント発生後、数歩の間は再び発生しない”措置がない」などの理由で、ユーザーにストレスを与えることが少なくなかった。
エンカウント率はプレイの難易度とテンポ、ひいてはゲーム全体の良否にも関わる重要な問題として慎重な設定が要求されることになる。ただし、そのゲーム内での「1歩」の定義や移動速度、フィールドの広さ、戦闘に要する時間などによっても体感的なエンカウント頻度は大幅に増減する。このため、エンカウント率だけを変更する単純な調整は意味をなしにくく、総合的には移動、戦闘に関する設定全般もエンカウント率と関連づけて考慮されることになる。
また特殊な調整として、状況やプレイヤーにエンカウント率を変化させる仕組みを持たせる方法も取られることがある。
[編集] ゲーム状況による変化
エンカウント率が、プレイを通じて常に一定であるとは限らない。場所や時間によってエンカウント率が異なる作品もある。
たとえば、平原や海のような開けた地形では低めに、山や森などの見通しが利かない場所や夜間は少し高めに、ダンジョンでは野外よりも高くに設定されているケースがある。作品によっては「エンカウントしない状況」が設定されているケースもある[1]。
ゲームバランスの調整としてだけでなく、地域の特徴、敵キャラクターの生態など世界観の演出を意図して設定されていることも多い。
[編集] プレイヤーの任意による変化
戦闘はヒットポイントやマジックポイントの消耗、移動の阻害などにつながるため、時としてプレイヤーには戦闘回避の欲求が生じる。この心理に対し、戦闘回避の手段として「エンカウント率を下げる」または「ランダムエンカウント自体を無くす」効果の魔法やアイテムが用意されている作品もある。『ドラゴンクエスト』シリーズの「しのびあし」「せいすい」「トヘロス」などがこれにあたる。
また一方、戦闘は経験値やアイテムを得る手段でもあり、プレイヤーが積極的に戦闘を望む場面もありうる。この要求を満たすため、上記とは逆に「エンカウント率を上げる」または「エンカウントを発生させる」手段が用意されている作品もある。『ドラゴンクエストIII』における「おうごんのつめ」「ぎんのたてごと」[2]など。
そのほか特殊な事例としては、エンカウント直前にプレイヤーへ「戦闘開始か、戦闘回避か」の選択権を与えている作品もある。『ワイルドアームズ セカンドイグニッション』における「エンカウントキャンセル」など。
[編集] シンボルエンカウント
フィールド上にあらかじめ敵の形が見えており、プレイヤーキャラクターがそれらの敵キャラクターと接触することにより戦闘が始まる形式をシンボルエンカウントという。『ロマンシング サ・ガ』、『MOTHER2』『MOTHER3』、『スーパーマリオRPG』、『テイルズ オブ シリーズ』[3]、『ヴァルキリープロファイル』以降のトライエース作品などで採用されている。
一般的に、敵シンボルは出現地点付近をうろついているがプレイヤーキャラクターを発見するとスピードを上げて追ってくることが多い。なかには接触した時の両者の位置関係によって、戦闘開始時の展開が変化する作品もある。たとえば、敵がプレイヤーキャラクターの背面に接触すると敵の先制攻撃で、プレイヤーキャラクターが敵の背面へ接触すると自軍の先制攻撃で戦闘が始まる、などである。
シンボルエンカウントの作品では、一般的にリアルタイムで敵シンボルが移動する。このため、プレイヤーの反射能力によっては戦闘頻度が増大することとなり、非常に難しいゲームになってしまう可能性がある。しかしながら、エンカウントの数と接近を視覚的に把握できること、操作次第で戦闘回数を減らせることから、やり込みを行うプレイヤーには概ね好まれる傾向にある。
[編集] シンボルエンカウントにおける補助システム
シンボルエンカウントを採用している作品では、戦闘回避を補助するシステムとして「フィールド上を高速で移動する手段」があり、これに何らかの対価を求められるケースが多い。『ロマンシング サ・ガ』シリーズ(2・3および1作目のワンダースワンカラー版)ではBダッシュが可能だが、ダッシュ中に敵と触れた場合、プレイヤー側に不利な状態で戦闘が開始する。『MOTHER2』ではアイテム「スキップサンド」を食べると一時的に高速移動でき、続編の『MOTHER3』ではBボタンを押し続けて離すとダッシュできる。
戦闘回避の補助としては、ほかにも『テイルズオブ』シリーズの「ホーリィボトル」のように「敵にプレイヤーを追わせず、避けさせるようにする」手段が用意されているケースもある。
逆に、積極的に戦闘を行うための補助としては『リンダキューブ アゲイン』における「肉」のように「敵を呼び寄せる」手段を用意されているケースがある。
[編集] 強制エンカウント
エンカウント率や敵シンボルの有無に関係なく、ある地点や区域を通過すると強制的に戦闘が始まる場所をエンカウントゾーンと呼び、ここを通過することで発生する戦闘を強制エンカウントと呼ぶ。特定の場所を調べたり、特定のキャラクターとの会話・接触によって戦闘が発生する場合も強制エンカウントである。
いわゆるボス戦や、宝箱や通路に仕掛けられた罠として戦闘が発生する状況がこれにあたる。シナリオ展開または罠としての戦闘であり、この戦闘からは逃げられないようになっている場合が多い。
[編集] その他のエンカウント
ザコ戦のエンカウントについて、これまでの分類にあてはまらない、特殊な設計が行われている例もある。
- 『ライブ・ア・ライブ』 - オムニバス形式の各シナリオごとに異なるエンカウント方式が採用され、敵との遭遇方法までもが演出の一部になっている。
- 『Sa・Ga2 秘宝伝説』 GB版 - 外見上はランダムエンカウントだが、エンカウント発生のパターンにランダム性がない。次回エンカウントまでの歩数はあらかじめ規定されており、その歩数を進めば必ずエンカウントが発生する。
- 『クロノ・トリガー』 - 基本的にシンボルエンカウントだが、一部「敵シンボルが地形に隠れている」「敵シンボルはなく、フィールドにエンカウントゾーンがある」シーンもあり、シンボルエンカウントと強制エンカウントが織り交ぜられている。フィールドがそのまま戦闘画面となるため、外見上は後述の「シームレスなシステム」にも近い。
[編集] エンカウントの概念が無いRPG
『ゼルダの伝説』『聖剣伝説』『キングダムハーツ』などに代表されるアクションRPG、『トルネコの大冒険』『風来のシレン』などのローグライクゲーム、および多くのMMORPGでは、フィールド画面と戦闘画面との区別が無く、フィールド画面上に点在する敵キャラクターとそのまま戦闘するシームレスなシステムが存在する。つまりこれらのシステムでは「エンカウント」という概念そのものが無い。
一般的なRPGの大部分は、前項までに説明したランダムエンカウントかシンボルエンカウントかのいずれかを採用していた。しかし近年ではハード性能の向上、ゲーム性の広がりなどにより、シームレスなシステムを選択した作品も増えている。『ファイナルファンタジー』シリーズはランダムエンカウント方式を用いていたが、2006年に発売された『XII』ではアクションRPGなどと同様の戦闘システムに刷新している。
[編集] 脚注
- ^ 『天下一武士 ケルナグール』修行モードにおける舗装路など。
- ^ 「おうごんのつめ」は、ファミコン版では所持中にはエンカウント率が大幅に上昇。「ぎんのたてごと」は使用すると必ずエンカウントが発生。
- ^ シンフォニアチームによるもの、外部制作の『テイルズオブイノセンス』、混合チームの『テイルズオブハーツ』も含む。
[編集] リンク
- エンカウントについて考えてみる - ランダムエンカウント率についての考察と解説

