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夏のおたより郵便葉書

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
かもめ〜るから転送)

夏のおたより郵便葉書(なつのおたよりゆうびんはがき)は、お年玉付郵便葉書等に関する法律に基づき日本郵便株式会社が発行していた郵便はがきの一種。愛称は「かもめ〜る」。

なお、日本郵便では顧客向けには「夏のおたより郵便はがき」という表記を行う[1]が、プレスリリース等の正式表記では「葉書」を使用する[2](他の「はがき」も同様)。 毎年6月初旬に発行され、くじの抽せんは9月上旬に行われた。

歴史

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1950年(昭和25年)から発行されており、当初は『暑中見舞用郵便葉書』と呼称していた。1986年(昭和61年)より「くじ」(懸賞)付きとなり、愛称「かもめ〜る」が付けられた。愛称の制定にあたっては、夏をイメージする「かもめ」(ただし、日本での実際のカモメは冬季に越冬のため飛来する冬鳥)と「メール」を合わせた造語で、「カモン・メール」の意味も込められている。なお、符号は長音符(ー)では無く波ダッシュ(〜)が正式である。日本郵政公社時代の2006年(平成18年)より名称が『夏のおたより郵便葉書』に変更された[3]

2020年(令和2年)夏のおたより郵便葉書をもって発行は終了した[4]。以降、暑中見舞い・残暑見舞いに適したはがきとして2021年(令和3年)には『絵入り葉書』を[5]、2022年(令和4年)には『夏用はがき』を販売している[6]。いずれもくじがないなど相違点がある。

発売枚数は1993年(平成5年)の3億4千万枚がピークで[4]2000年代前半に急減し、2008年(平成20年)に2億1,530万枚と一旦底を打った[7]。その後、「かもめタウン」サービスが好調だったことにより、2015年(平成27年)は2億7,138万枚[8][7]2016年(平成28年)は2億7,246万枚まで回復したものの[9]電子メールソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)をはじめとした電子媒体の普及、郵便料金の改定によるコスト増加などで2019年は2億1,441万枚と急減し[10]新型コロナウイルス感染症の影響を受けた最後の2020年(令和2年)は1億4,005万枚であった[11]

くじ

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年賀はがきや年賀切手と同様にくじがついていた。

年賀はがきと比較して、高額当せん品については、低額なものが高確率で当せんするように設定されていた。逆に末等の郵便切手は、2018年までは当せん品の額面が高い反面[注釈 1]、年賀はがきと比較して当せん確率が低かった[注釈 2]。なお2017年は、末等がQUOカードとなり、切手ではなかった[15]

2019年2020年は年賀はがきの当せん品と類似の小型切手シート[16]が100枚に1枚の当せん確率で加わった[10][11]。2020年は小型切手シートの印刷不良により、引換開始が延期された[11]。なお小型切手シートは2005年までは賞品として存在したが[17]2006年からはなくなっていた[3]

かもめタウン

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2009年(平成21年)、指定した配達地域すべてに『かもめ〜る』を配達することができる特定期間引受配達地域指定郵便(愛称「かもめタウン」) のサービスを開始した[18][7]

「かもめタウン」の取扱対象については、2021年(令和3年)6月1日から「かもめ~る」から「通常葉書」に変更された[19]

脚注

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注釈

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  1. ^ 2016年・2018年は、はがき料金に相当する切手10枚のシートが当せん品であった[9][12]。年賀はがきの当せん品は、はがき料金と最低額の封書料金を組み合わせた小型シートである[13][14]
  2. ^ 2016年・2018年は、それぞれ500・2000枚に1本で[9][12]、年賀はがきの33ないし50枚に1本に比較すると当せん確率が低かった[13][14]

出典

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  1. ^ かもめ〜る”. 日本郵便. 2020年5月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月10日閲覧。
  2. ^ 2020(令和2)年夏のおたより郵便葉書(かもめ〜る)の発行および販売” (pdf). 日本郵便 (2020年4月23日). 2020年6月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月10日閲覧。
  3. ^ a b 平成18年夏のおたより郵便葉書(かもめ〜る)の発行”. 日本郵政公社 (2006年4月27日). 2006年5月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月8日閲覧。
  4. ^ a b 郵便「かもめ〜る」廃止 メール普及で発行枚数低迷”. 一般社団法人共同通信社 (2021年3月29日). 2021年3月29日閲覧。
  5. ^ 2021年絵入り葉書の発行および販売” (pdf). 日本郵便 (2021年3月29日). 2021年5月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月8日閲覧。
  6. ^ 日本郵便プレスリリース 2022年夏用はがきの発行および販売”. 日本郵便. 2022年4月21日閲覧。
  7. ^ a b c “かもめ〜る“V字回復”のなぜ…「ポスティングより効果大」 顧客リストなしでDM地域全戸配布の魅力”. 産経新聞. (2016年6月1日). https://www.sankei.com/article/20160601-TNS6V7Q56JM4PDA4EPMNX7GG5I/ 2016年8月18日閲覧。 
  8. ^ 2015(平成27)年 夏のおたより郵便葉書(かもめ~る)の総発行枚数の確定 - 日本郵便
  9. ^ a b c 2016(平成28)年夏のおたより郵便葉書(かもめ〜る)の当せん番号の決定” (pdf). 日本郵便 (2016年9月5日). 2016年9月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月8日閲覧。
  10. ^ a b 2019(令和元)年夏のおたより郵便葉書(かもめ〜る)の当せん番号の決定” (pdf). 日本郵便 (2019年9月2日). 2021年5月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月8日閲覧。
  11. ^ a b c 2020(令和2)年夏のおたより郵便葉書(かもめ〜る)の当せん番号の決定” (pdf). 日本郵便 (2017年9月4日). 2019年5月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月8日閲覧。
  12. ^ a b 2018(平成30)年夏のおたより郵便葉書(かもめ〜る)の当せん番号の決定” (pdf). 日本郵便 (2018年9月3日). 2021年2月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月8日閲覧。
  13. ^ a b 2016(平成28)年用年賀葉書及び寄附金付お年玉付年賀切手当せん番号”. 日本郵便 (2016年1月17日). 2020年11月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月8日閲覧。
  14. ^ a b 2021(令和3)年用年賀葉書および寄付金付お年玉付年賀切手当せん番号の決定”. 日本郵便 (2021年1月17日). 2021年1月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月8日閲覧。
  15. ^ 2017(平成29)年夏のおたより郵便葉書(かもめ〜る)の当せん番号の決定” (pdf). 日本郵便 (2017年9月4日). 2019年5月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月8日閲覧。
  16. ^ 2019(令和元)年夏のおたより郵便葉書(かもめ〜る)のくじ賞品「特別小型切手シート」の発行” (pdf). 日本郵便 (2019年7月10日). 2021年5月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月8日閲覧。
  17. ^ 平成17年暑中見舞用郵便葉書の発行”. 日本郵政公社 (2005年4月28日). 2005年4月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年5月8日閲覧。
  18. ^ 特定期間引受配達地域指定郵便(愛称「かもめタウン」)の試行実施等” (PDF). 郵便事業 (2009年5月28日). 2016年8月18日閲覧。
  19. ^ 内国郵便約款の変更認可”. 総務省. 2022年5月5日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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