特別送達

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特別送達(とくべつそうたつ)とは、日本において、民事訴訟法に規定する方法により裁判所等から訴訟関係人などに送達すべき書類を送達し、その送達の事実を証明する、郵便の特殊取扱。特送(とくそう)と略されることもある。法律上は郵便法第四十九条、民事訴訟法第百三条などに規定がある。

概要[編集]

郵便配達担当者が配達時に受取人に受領印またはサインをもらい、郵便送達報告書を作成し、郵便認証司が認証することによって、日本郵便株式会社が送達の事実を証明する。差出人は、郵便物の表面の見やすい所に「特別送達」(名宛人の就業場所を送達場所とするときは「特別送達(就業場所)」)と記載し、裏面に所定の郵便送達報告書用紙を貼り付けて差し出さなくてはならない。また、一般書留の特殊取扱とする必要があるが、「書留」の表示は省略することができる。ちなみに郵便物の裏面に添付されている郵便送達報告書は郵便物の重量には入らない。なお、特別送達は必ず書留とする必要があるから、普通郵便で特別送達が送られてくることはない。

配達方法[編集]

郵便配達員は、受送達者(=名あて人)もしくは代理の者に、手渡しにより配達を行う。受送達者が不在の場合や、受送達者が会社の場合は、従業員及び同居人等で書類の受領に相当のわきまえがある者に配達することができ、これを正当な理由なく受取拒否することはできない。また、郵便局の窓口で書類を交付する場合も同様である。「就業場所配達」の場合は、使用人など相当のわきまえがある者が、「その受領を拒まないときに限り」、配達できる(補充送達、民事訴訟法106条1項、2項)。 受取人が受送達者本人の場合は、(苗字だけの)印鑑(シャチハタ)でよく、サインの場合は楷書でのフルネームサインが必要。受取人が受送達者本人でない場合も、その受取人のフルネームを配達員が知っていれば印鑑で良いが、知らない場合は印鑑は認められず、楷書でのフルネームサインが必要。

受送達者または、従業員及び同居人など相当のわきまえのある者が、正当な理由なく受領を拒否した場合には、その場に当該郵便物を差し置くことにより、送達が完了する(差置送達、民事訴訟法第106条第3項)。ただし就業場所配達の場合は使用人等は受取を拒否することができる。

利用[編集]

利用する際は一般書留の特殊取扱にしなければならない。

特別送達扱いとして利用のできる書類は次のものが挙げられる

  • 裁判所が差出人になる場合
    • 民事訴訟手続きや破産手続きに関する書類
    • 審判書謄本等
    • 裁判員等選任手続期日のお知らせ(呼出状)
  • 公正取引委員会が差出人になる場合
    • 独占禁止法の法律の規定に基づき出される書類
  • 特許庁が差出人になる場合
    • 特許・意匠登録などに関する書類
  • 収用委員会が差出人になる場合
    • 土地収用法施行令の規定に基づいて差し出される土地収用に関する書類

在監者[編集]

在監者に対しても送達は可能である。その場合は監獄の長(少年院長及び少年鑑別所長)に宛てでの送達になる。送達を受ける本人が在監していない場合に監獄の長は、返送の手続きとして返送請求書と(在監していない等の旨を記した)付箋を付けた特別送達郵便物を返送することになる。

関連項目[編集]