臼井 (つくば市)
臼井 | |
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臼井・立野集落(2013年11月) | |
北緯36度12分9.3秒 東経140度5分39.7秒 / 北緯36.202583度 東経140.094361度 | |
国 | 日本 |
都道府県 | 茨城県 |
市町村 | つくば市 |
地区 | 筑波地区 |
面積 | |
• 合計 | 3.392001 km2 |
標高 | 55 m |
人口 | |
• 合計 | 624人 |
• 密度 | 180人/km2 |
等時帯 | UTC+9 (JST) |
郵便番号 |
300-4211[2] |
市外局番 | 029 |
ナンバープレート | つくば |
※座標・標高は臼井児童館(臼井683番地)付近 |
臼井(うすい)は、茨城県つくば市の大字。郵便番号は300-4211[2]。
筑波山の南麓に位置する集落で、縄文時代の遺跡や古墳が多く見つかっている[3]。
地理
[編集]つくば市北部の旧筑波町北東部に位置し[4]、筑波研究学園都市周辺開発地区に含まれる。筑波山の南麓にあたり、山から流出する豊かな沢水に恵まれている[5]。農業地域であり、臼井・立野(たての)・六所(ろくしょ)の3つの集落がある[4][6]。
- 川 - 男女川、逆川(鴨井川・酒香川)、橘川
- 滝 - 六所の滝
- 沢 - 六所沢、立野沢
北はつくば市筑波、東は石岡市小幡、南はつくば市神郡、西はつくば市筑波(飛地)・沼田と接する。
小・中学校の学区
[編集]市立小・中学校に通う場合、秀峰筑波義務教育学校の学区となる[7]。
歴史
[編集]縄文時代中期の遺跡が小字臼井、六所、立野、裳萩津(もはきつ)で発見されており、裳萩津遺跡からは土師器や須恵器の出土もあった[3]。裳萩津は奈良時代に歌垣(嬥歌)が行われた地「裳羽服津」(もはきつ)とされ、夫女が原(ぶじょがはら)の異名を持つ[3][6]。このほか、赤塚古墳群、七三塚古墳群[3]、3つの円墳を持つ臼井古墳群、6つの円墳を持つ燧ヶ池古墳群、水城を思わせる遺構のある十三塚遺跡がある[6]。南隣の神郡と同じく[6]、臼井にも古代の条里制遺構があったが、1979年(昭和54年)の耕地整理で失われた[3]。
文字による記録では、文禄4年7月16日(グレゴリオ暦:1595年8月21日)付の佐竹義宣知行充行状写に「四百九拾六石五斗壱升 臼井」という記載がある[3]。江戸時代を通して常陸国筑波郡に属した[3]。当初佐竹氏領であったが、慶長7年(1602年)に天領、慶長11年(1607年)に真壁藩領、正保2年(1645年)に旗本の井上氏領、元禄年間(1688年 - 1704年)に護持院領、幕末に筑波山神社領と目まぐるしく変遷した[3]。元禄8年(1695年)に中禅寺領となったとする記録もある[6]。この時代には近隣の村と水争いや山林所有を巡る争いを展開し、支配者である護持院に強訴することもあった[3]。農村であったが、筑波山への登山口として発達し、幕末には水車を利用した製粉や油搾りが行われた[3]。
明治以降は大字となり、今日まで存続している。1966年(昭和41年)には、筑波山の観光開発が原因の山津波(土石流)が発生した[3]。1989年(平成元年)、都市住民が自然や農村を体験することのできる場として「筑波ふれあいの里」が開業した[8]。ふれあいの里は宿泊・研修施設を中心に、遊歩道や冒険広場、展示館、各種体験を提供する施設を有する[8]。
臼井では農業従事者の減少により耕作放棄地が増え、イノシシなどによる食害が増えるとともに、地区の過疎化が進んでいる[9]。一方まちづくり活動も行われ、里山の整備によって姿を現した滝に「六所の滝」と名付ける[10]、筑波大学の教授や学生と協力して古民家を臼井に移築し、グリーンツーリズムの拠点とするなどの取り組みが見られる[11]。
沿革
[編集]- 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制の施行により筑波郡田井村大字臼井となる。
- 1955年(昭和30年)2月1日 - 田井村が筑波町、北条町、小田村と合併し、筑波郡筑波町大字臼井となる。
- 1988年(昭和63年)1月31日 - 筑波町がつくば市と合併し、つくば市大字臼井となる。
- 2002年(平成14年)11月1日 - 住所より「大字」表記が撤廃され、つくば市臼井となる。
地名の由来
[編集]諸説ある[3]。
世帯数と人口
[編集]2017年(平成29年)8月1日現在の世帯数と人口は以下の通りである[1]。
大字 | 世帯数 | 人口 |
---|---|---|
臼井 | 217世帯 | 624人 |
人口の変遷
[編集]1891年(明治24年)[3] | 148戸 876人 |
1980年(昭和55年)[4] | 170世帯 746人 |
2013年(平成25年)[12] | 220世帯 668人 |
交通
[編集]首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス(TX)つくば駅から自動車で北へ約40分ほどの距離にある[9]。
- 公共交通
- ■ つくタク
- 道路
- 茨城県道139号筑波山公園線(つくば道) - 臼井西部を南北に通過する。
- 茨城県道236号筑波公園永井線(表筑波スカイライン) - 臼井東端を南北に通る[4]。
施設
[編集]- つくば市筑波ふれあいの里
- 常陸牛料理 ひたち野
- 特定非営利活動法人 自然生クラブ
- つくばねカントリークラブ(敷地の一部)
寺社
[編集]- 飯名神社 - 『常陸国風土記』に記載のある古社[4]。
- 蔵王神社 - 立野にある[6]。
- 旧・六所神社 - 1910年(明治43年)、蚕影神社に合祀される[3][6]。跡地は「六所皇大神宮跡」として奣照修徳会によって整備されている[13]。筑波山神社で行われている「御座替り」は、筑波山神社と六所神社の間で行われる祭であった[6]。
脚注
[編集]- ^ a b “平成29年度行政区別人口表”. つくば市 (2017年8月9日). 2017年8月15日閲覧。
- ^ a b 日本郵便"臼井の郵便番号 - 日本郵便"(2013年11月7日閲覧。)
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編(1983):148ページ
- ^ a b c d e 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編(1983):1256ページ
- ^ 平凡社(1982):559ページ
- ^ a b c d e f g h 平凡社(1982):560ページ
- ^ 義務教育学校への就学(2018年4月17日閲覧)
- ^ a b 「ふれあいの里 つくば」朝日新聞1992年3月7日付朝刊、茨城版
- ^ a b 「旧筑波町、進む過疎化 上 地域格差」朝日新聞2012年10月18日付朝刊、茨城版28ページ
- ^ "茂みの陰に涼やかな滝 山の手入れで姿現す 筑波山麓 公募で「六所の滝」と命名"朝日新聞2010年8月2日付朝刊、茨城版25ページ
- ^ 斉藤佑介「農村・里山、古民家で発信 築150年、移築進む つくば・臼井地区 農業体験■休憩所・食品加工場も」朝日新聞2012年9月18日付朝刊、茨城版31ページ
- ^ つくば市役所市民課"つくば市 行政区別人口統計表"平成25年10月1日現在(2013年11月7日閲覧。)
- ^ 奣照修徳会"六所 - 奣照修徳会"(2013年11月16日閲覧。)
参考文献
[編集]- 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典 8 茨城県』角川書店、昭和58年12月8日、1617p.
- 人文社観光と旅編集部 編『茨城県 郷土資料事典 観光と旅』県別シリーズ8、人文社、昭和60年4月1日(改訂新版)、199p.