「ネオアコ」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
出典追加、他
各部に追加、他
2行目: 2行目:
{{出典の明記|date=2020年1月}}
{{出典の明記|date=2020年1月}}
{{独自研究|date=2020年1月}}
{{独自研究|date=2020年1月}}
'''ネオアコ'''とは、[[ポスト・パンク]]の流れから派生した音楽[[ジャンル]]/[[スタイル]]のひとつ。'''ネオ・アコースティック''' ('''neo acoustic''') の略称。なおネオアコ(ネオ・アコースティックも含む)と言う言葉自体は[[和製英語]]であり、欧米では通用しない言葉である。
'''ネオアコ'''とは、[[ポスト・パンク]]の流れから派生した音楽[[ジャンル]]/[[スタイル]]のひとつ。'''ネオ・アコースティック''' ('''neo acoustic''') の略称。なおネオアコ(ネオ・アコースティックも含む)と言う言葉自体は[[和製英語]]であり、欧米では通用しない言葉である<ref name="タワレコ90-1">{{Cite web |author=北爪 啓之、柴田 かずえ、村尾 泰郎 |date=2009-06-10 |url=https://tower.jp/article/series/2009/06/10/100044100 |title=第90回 ─ ネオアコ |website=TOWER RECORDS ONLINE |publisher=タワーレコード |accessdate=2020-02-07 }}</ref>


== 概要歴史 ==
== 概要歴史 ==
{{出典の明記|date=2020年1月|section=1}}
{{出典の明記|date=2020年1月|section=1}}
[[1980年代]]初頭、[[イギリス]]のチェリー・レッド、ラフ・トレード、ポストカード、[[ベルギー]]の[[クレプスキュール]]といった[[レコードレーベル|レーベル]]から、「[[パンク・ロック|パンク]]以降」を感じさせる新しい感覚の[[アコースティック]]・サウンドを奏でるアーティストが登場した{{sfn|辻󠄀口|2000|page=80}}。「ネオ・アコースティック」という呼称は、これらのアーティストまたはムーブメントに対して、日本の評論家やレコード会社が名付けたのが始まりとされる{{sfn|宮子|1998|pages=12-13}}。
[[1980年代]]初頭、[[イギリス]]の[[チェリー・レッド・レコード|チェリー・レッド]][[ラフ・トレード・レコード|ラフ・トレード]]、ポストカード、[[ベルギー]]の[[クレプスキュール]]といった[[レコードレーベル|レーベル]]から、「[[パンク・ロック|パンク]]以降」のDIY精神継承しつつ新しい感覚の[[アコースティック]]・サウンドを奏でるアーティストが登場した{{sfn|DIG|2000|page=80}}<ref name="タワレコ90-1" />。「ネオ・アコースティック」という呼称は、これらのアーティストまたはムーブメントに対して、日本の評論家やレコード会社が名付けたのが始まりとされる{{sfn|宮子|1998|pages=12-13}}。


呼称の由来として、当時[[パンク・ロック|パンク]]以降に登場した様々な音楽スタイルに対して「ネオ○○」というジャンル名が与えられていたことが背景にある(ネオ・サイケ、ネオ・モッズなど)。この場合の「ネオ」は[[ポスト・パンク]]に近い意味合いであると思われ、音楽業界において「[[パンク・ロック|パンク]]が旧来の価値観を破壊した」という認識のもと、旧来の音楽スタイルと区別する意味で使われたものである{{sfn|宮子|1998|pages=12-13}}。
呼称の由来として、当時[[パンク・ロック|パンク]]以降に登場した様々な音楽スタイルに対して「ネオ○○」というジャンル名が与えられていたことが背景にある(ネオ・サイケ、ネオ・モッズなど)。この場合の「ネオ」は[[ポスト・パンク]]に近い意味合いであると思われ、音楽業界において「[[パンク・ロック|パンク]]が旧来の価値観を破壊した」という認識のもと、旧来の音楽スタイルと区別する意味で使われたものである{{sfn|宮子|1998|pages=12-13}}。


[[1980年代]]半ば頃まで、ネオアコは[[イギリス]]および日本の”少数の”[[リスナー]]に一定の人気を保っていた。[[1983年]]から[[1985年]]にかけては、[[アルバム]]が発表されるが、当時の日本においてネオアコのファンは、あくまで一部の洋楽リスナーに限定されていたと言っていいだろう。日本ではネオアコとされたオレンジ・ジュースだが、彼らの曲「リップ・イット・アップ」<ref>https://www.discogs.com/Orange-Juice-Rip-It-Up/master/220713</ref>はシックなどの影響を受けたダンサブルな曲だった。音楽的には、ニール・ヤング、ボブ・ディラン、[[バーズ]]をはじめとする[[1960年代]] - [[1970年代|70年代]]の[[アメリカ合衆国|アメリカ]]、イギリスの[[フォーク・ロック|フォーク]]と同様に[[アコースティック]]楽器を中心としていが、それらよりも「青臭く」て大人の視点が欠落した透明感のあるサウンドを特徴とする<ref name="タワレコ90-2">{{Cite web |author=北爪 啓之、柴田 かずえ、村尾 泰郎 |date=2009-06-10 |url=https://tower.jp/article/series/2009/06/10/100044100/100044101 |title=第90回 ─ ネオアコ(2) |website=TOWER RECORDS ONLINE |publisher=タワーレコード |accessdate=2020-02-03 }}</ref>。1980年代半ば以降はアーティストの音楽性が洗練されていった影響もあり、この動きは一時下火ってい
音楽的には、ニール・ヤング、ボブ・ディラン、[[バーズ]]をはじめとする[[1960年代]] - [[1970年代|70年代]]の[[アメリカ合衆国|アメリカ]]、イギリスの[[フォーク・ロック|フォーク]]と同様に[[アコースティック]]楽器を中心としてい、それらよりも「青臭く」て言わば大人の視点が欠落した透明感のあるサウンドを特徴とする<ref name="タワレコ90-2">{{Cite web |author=北爪 啓之、柴田 かずえ、村尾 泰郎 |date=2009-06-10 |url=https://tower.jp/article/series/2009/06/10/100044100/100044101 |title=第90回 ─ ネオアコ(2) |website=TOWER RECORDS ONLINE |publisher=タワーレコード |accessdate=2020-02-03 }}</ref>。一説によると「ドライで軽快そしタメをつくらな演奏」であり、また「成熟拒否」いうべき観念にも繋がっている{{sfn|岡村|2015|pages=4-6}}


[[オレンジ・ジュース (バンド)|オレンジ・ジュース]]のシングル曲「リップ・イット・アップ」<ref>https://www.discogs.com/Orange-Juice-Rip-It-Up/master/220713</ref>は[[シック (バンド)|シック]]などの影響を受けダンサブルなものだった{{sfn|大谷|2013|p=45}}。[[アズテック・カメラ]]やペイル・ファウンテンズが登場した[[1982年]]頃から[[1985年]]頃にかけて、ネオアコと呼ばれる一群の名盤が次々とリリースされた{{sfn|岡村|2015|page=94}}。当時、ネオアコのファンはイギリスおよび日本において、あくまで一部の[[リスナー]]に限定されつつ一定の人気を保っていた、と言っていいだろう。1980年代半ば以降は、アーティストの音楽性が多様化したり洗練されていった影響もあり、この動きは一時下火となっていた<ref>{{Cite web |author=blueprint |date=2015-01-23 |url=https://realsound.jp/2015/01/post-2314_3.html |title=(3ページ目)カジ ヒデキが語る、80年代UKインディシーン「レーベルもやっていたS・パステルは神様でした」 |website=Real Sound |publisher=blueprint |accessdate=2020-02-07 }}</ref>。
[[1989年]]、日本でネオアコから多大な音楽的影響を受けた[[フリッパーズ・ギター]]がメジャー・デビューした。TVドラマの主題歌に使われた「恋とマシンガン」でブレイクを果たして以後、彼らが影響を受けたネオアコのアーティスト達を様々な媒体で紹介した。また彼らが導火線の一つとなったとされる[[渋谷系]]の勃興も相まって、[[1990年代]]初頭にネオアコの人気が盛り上がり、多くの新しいファンを獲得した{{sfn|宮子|1998|pages=39}}。

[[1989年]]、日本でネオアコから多大な音楽的影響を受けた[[フリッパーズ・ギター]]がメジャー・デビューした。TVドラマの主題歌に使われた「恋とマシンガン」でブレイクを果たして以後、彼らが影響を受けたネオアコのアーティスト達を様々な媒体で紹介した。また彼らが導火線の一つとなったとされる[[渋谷系]]の勃興も相まって、[[1990年代]]初頭にネオアコの人気が盛り上がり、多くの新しいファンを獲得した{{sfn|宮子|1998|page=39}}。


== 代表的なミュージシャン ==
== 代表的なミュージシャン ==
=== イギリス ===
=== イギリス ===
====80年代====
====80年代====
*[[アズテック・カメラ]] ([[:en:Aztec Camera|Aztec Camera]])<ref name="タワレコ90-2" />{{sfn|辻󠄀口|2000|page=8}}
*[[アズテック・カメラ]] ([[:en:Aztec Camera|Aztec Camera]])<ref name="タワレコ90-2" />{{sfn|DIG|2000|page=8}}
*[[プリファブ・スプラウト]] ([[:en:Prefab Sprout|Prefab Sprout]]){{sfn|辻󠄀口|2000|page=50}}
*[[プリファブ・スプラウト]] ([[:en:Prefab Sprout|Prefab Sprout]]){{sfn|DIG|2000|page=50}}
*[[フェルト (バンド)|フェルト]] ([[:en:Felt (band)|Felt]]){{sfn|辻󠄀口|2000|page=13}}
*[[フェルト (バンド)|フェルト]] ([[:en:Felt (band)|Felt]]){{sfn|DIG|2000|page=13}}
*[[エドウィン・コリンズ|オレンジ・ジュース]] ([[:en:Orange Juice (band)|Orange Juice]])<ref name="タワレコ90-2" />{{sfn|辻󠄀口|2000|page=49}}
*[[エドウィン・コリンズ|オレンジ・ジュース]] ([[:en:Orange Juice (band)|Orange Juice]])<ref name="タワレコ90-2" />{{sfn|DIG|2000|page=49}}
*[[ペイル・ファウンテンズ]] ([[:en:The Pale Fountains|The Pale Fountains]]){{sfn|辻󠄀口|2000|page=17}}
*[[ペイル・ファウンテンズ]] ([[:en:The Pale Fountains|The Pale Fountains]]){{sfn|DIG|2000|page=17}}
*[[エヴリシング・バット・ザ・ガール]] ([[:en:Everything but the Girl|Everything but the Girl]]){{sfn|辻󠄀口|2000|page=10}}
*[[エヴリシング・バット・ザ・ガール]] ([[:en:Everything but the Girl|Everything but the Girl]]){{sfn|DIG|2000|page=10}}
*[[フレンズアゲイン]] ([[:en:Friends Again (band)|Friends Again]]){{sfn|辻󠄀口|2000|page=37}}
*[[モノクロームセット]] ([[:en:The Monochrome Set]])<ref group="注">ネオアコ前夜から原型の一つとなった</ref>{{sfn|DIG|2000|page=48}}
*[[フレンズ・アゲイン]] ([[:en:Friends Again (band)|Friends Again]]){{sfn|DIG|2000|page=37}}
*[[ウィークエンド (バンド)|ウィークエンド]] ([[:en:Weekend (Welsh band)|Weekend]])<ref name="タワレコ90-2" />
*[[ウィークエンド (バンド)|ウィークエンド]] ([[:en:Weekend (Welsh band)|Weekend]])<ref name="タワレコ90-2" />
*[[ザ・スミス]] ([[:en:The Smiths|The Smiths]])<ref group="注">後期の多彩さはこの範疇に収まらないが、初期から中期の繊細な楽曲・歌詞・演奏はネオアコと呼ばれた</ref>{{sfn|DIG|2000|page=54}}
*[[イースト・ヴィレッジ]] ([[:en:East Village (band)|East Village]]){{sfn|辻󠄀口|2000|page=10}}
*[[ジャスミン・ミンクス]] ([[:en:The Jasmine Minks|The Jasmine Minks]]){{sfn|辻󠄀口|2000|page=42_}}
*[[ジャスミン・ミンクス]] ([[:en:The Jasmine Minks|The Jasmine Minks]]){{sfn|DIG|2000|page=42}}
*[[ザ・パステルズ]] ([[:en:The Pastels|The Pastels]]){{sfn|辻󠄀口|2000|page=111}}
*[[ザ・パステルズ]] ([[:en:The Pastels|The Pastels]]){{sfn|DIG|2000|page=111}}
*[[アイレス・イン・ギャザ]] ([[:en:Eyeless in Gaza (band)|Eyeless in Gaza]]){{sfn|辻󠄀口|2000|page=11}}
*[[アイレス・イン・ギャザ]] ([[:en:Eyeless in Gaza (band)|Eyeless in Gaza]]){{sfn|DIG|2000|page=11}}
*[[ロータス・イーターズ]] ([[:en:The Lotus Eaters (band)|The Lotus Eaters]]){{sfn|辻󠄀口|2000|page=45}}
*[[ロータス・イーターズ]] ([[:en:The Lotus Eaters (band)|The Lotus Eaters]]){{sfn|DIG|2000|page=45}}
*[[ザ・ブルーベルズ (スコットランドのバンド)|ザ・ブルーベルズ]] ([[:en:The Bluebells|The Bluebells]])<ref name="タワレコ90-2" />{{sfn|辻󠄀口|2000|page=27}}[[パティ・ラベル]]のコーラスグループのブルーベルズとは異なる。
*[[ザ・ブルーベルズ (スコットランドのバンド)|ザ・ブルーベルズ]] ([[:en:The Bluebells|The Bluebells]])<ref name="タワレコ90-2" />{{sfn|DIG|2000|page=27}}<ref group="注">[[パティ・ラベル]]のコーラスグループのブルーベルズとは異なる。</ref>
*[[フレンズ(バンド)|フレンズ]]([[:en:Friends (band)|Friends]]){{sfn|辻󠄀口|2000|page=13}}
*[[フレンズ(バンド)|フレンズ]]([[:en:Friends (band)|Friends]]){{sfn|DIG|2000|page=13}}
*[[ヒット・パレード]] ([[:en:The Hit Parade|The Hit Parade]]){{sfn|辻󠄀口|2000|page=14}}
*[[ヒット・パレード]] ([[:en:The Hit Parade|The Hit Parade]]){{sfn|DIG|2000|page=14}}


====90年代以降====
====90年代以降====
*[[トラッシュキャン・シナトラズ]] ([[:en:The Trash Can Sinatras|The Trash Can Sinatras]]){{sfn|辻󠄀口|2000|page=66}}
*[[トラッシュキャン・シナトラズ]] ([[:en:The Trash Can Sinatras|The Trash Can Sinatras]]){{sfn|DIG|2000|page=66}}
*[[ベル・アンド・セバチャン]] ([[:en:Belle and Sebastian|Belle and Sebastian]]){{sfn|辻󠄀口|2000|page=64}}
*[[イート・ヴィレッジ]] ([[:en:East Village (band)|East Village]]){{sfn|DIG|2000|page=10}}
*[[ベル・アンド・セバスチャン]] ([[:en:Belle and Sebastian|Belle and Sebastian]]){{sfn|DIG|2000|page=64}}


=== オーストラリア ===
=== オーストラリア ===
*[[ゴー・ビトウィーンズ]] ([[:en:The Go-Betweens|The Go-Betweens]]){{sfn|辻󠄀口|2000|page=38}}
*[[ゴー・ビトウィーンズ]] ([[:en:The Go-Betweens|The Go-Betweens]]){{sfn|DIG|2000|page=38}}


=== ギリシャ ===
=== ギリシャ ===
*[[ファンタスティック・サムシング]](Fantastic Something) - 1980年代に登場したヴェイス兄弟のユニット。ギリシャ生、米国育ち。一部では「ギリシャの[[サイモン&ガーファンクル]]」と呼ばれていた。唯一発表されたアルバム制作には、実際サイモン&ガーファンクルの楽曲制作にも長く携わっていたエンジニアの[[ロイ・ハリー]]が担当{{sfn|辻󠄀口|2000|page=12}}。
*[[ファンタスティック・サムシング]](Fantastic Something)<ref group="注">1980年代に登場したヴェイス兄弟のユニット。ギリシャ生、米国育ち。一部では「ギリシャの[[サイモン&ガーファンクル]]」と呼ばれていた。唯一発表されたアルバム制作には、実際サイモン&ガーファンクルの楽曲制作にも長く携わっていたエンジニアの[[ロイ・ハリー]]が担当</ref>{{sfn|DIG|2000|page=12}}。


=== 日本 ===
=== 日本 ===
49行目: 53行目:
*[[カジヒデキ]]<ref>{{Cite web|url=https://natalie.mu/music/news/327447|title=ゴス少年だったカジヒデキ、思春期を振り返りアルバム「GOTH ROMANCE」制作|date=2019年4月10日|publisher=音楽ナタリー/ナターシャ|accessdate=2020-01-06}} - 初出は『bounce』 251号 (2004/2/25)</ref>
*[[カジヒデキ]]<ref>{{Cite web|url=https://natalie.mu/music/news/327447|title=ゴス少年だったカジヒデキ、思春期を振り返りアルバム「GOTH ROMANCE」制作|date=2019年4月10日|publisher=音楽ナタリー/ナターシャ|accessdate=2020-01-06}} - 初出は『bounce』 251号 (2004/2/25)</ref>
*[[b-flower]]<ref>{{Cite web |url=https://ototoy.jp/_/default/a/104807 |title=b-flower |publisher=[[OTOTOY]] |accessdate=2018-01-10 }}</ref>
*[[b-flower]]<ref>{{Cite web |url=https://ototoy.jp/_/default/a/104807 |title=b-flower |publisher=[[OTOTOY]] |accessdate=2018-01-10 }}</ref>
*ペニー・アーケード<ref>{{Cite web |url=http://kilikilivilla.com/post/138655099754/news-20160216-penny-arcade-a-girl-from-penny |title=PENNY ARCADE / A GIRL FROM PENNY ARCADE |publisher=KiliKiliVilla |date=2016-02-16 |accessdate=2018-01-10 }}</ref>
*[[ペニー・アーケード]]<ref>{{Cite web |url=http://kilikilivilla.com/post/138655099754/news-20160216-penny-arcade-a-girl-from-penny |title=PENNY ARCADE / A GIRL FROM PENNY ARCADE |publisher=KiliKiliVilla |date=2016-02-16 |accessdate=2018-01-10 }}</ref>
*[[デボネア]]<ref>{{Cite web |url=http://kilikilivilla.com/post/165253395119/news-20170912-debonaire未発表音源集lost-and |title=Debonaire未発表音源集『Lost And Found』先行予約受付開始。 |publisher=KiliKiliVilla |date=2017-09-12 |accessdate=2018-01-10 }}</ref>
*[[デボネア]]<ref>{{Cite web |url=http://kilikilivilla.com/post/165253395119/news-20170912-debonaire未発表音源集lost-and |title=Debonaire未発表音源集『Lost And Found』先行予約受付開始。 |publisher=KiliKiliVilla |date=2017-09-12 |accessdate=2018-01-10 }}</ref>
*ネロリーズ ([[:en:Nelories|Nelories]])<ref>{{Cite web |url=https://artist.cdjournal.com/a/nelories/122974 |title=ネロリーズ |website=CDJournal |publisher=シーディージャーナル |accessdate=2020-02-06 }}</ref>
*[[ネロリーズ]] ([[:en:Nelories|Nelories]])<ref>{{Cite web |url=https://artist.cdjournal.com/a/nelories/122974 |title=ネロリーズ |website=CDJournal |publisher=シーディージャーナル |accessdate=2020-02-06 }}</ref>


==関連項目==
==関連項目==
58行目: 62行目:


== 脚注 ==
== 脚注 ==
=== 注釈 ===
{{Reflist|group="注"}}
=== 出典 ===
{{Reflist}}
{{Reflist}}


== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
*{{Cite book |和書 |author=辻󠄀口稔之 |coauthors=浅見広樹・岩渕尚史・岡 人史・金沢和重・鈴木哲哉・多澤佳代・中村清子・松本淑子 |date=2000 |title=ネオ・アコースティック |publisher=[[シンコーミュージック・エンタテイメント|シンコー・ミュージック]] |series=THE DIG PRESENTS DISC GUIDE SERIES |isbn=4-401-61650-2 |ref={{sfnref|辻󠄀口|2000}} }}
*{{Cite book |和書 |author=辻󠄀口稔之 編著 |coauthors=浅見広樹・岩渕尚史・岡 人史・金沢和重・鈴木哲哉・多澤佳代・中村清子・松本淑子 |date=2000 |title=ネオ・アコースティック |publisher=[[シンコーミュージック・エンタテイメント|シンコー・ミュージック]] |series=THE DIG PRESENTS DISC GUIDE SERIES |isbn=4-401-61650-2 |ref={{sfnref|DIG|2000}} }}
*{{Cite journal |和書|author=宮子和眞監修 |title=ギター・ポップ・ジャンボリー |date=1998 |publisher=[[ミュージック・マガジン]] |journal=MUSIC MAGAZINE 増刊 |volume=30 |issue=16 |ref={{sfnref|宮子|1998}} }}
*{{Cite journal |和書|author=宮子和眞 監修 |title=ギター・ポップ・ジャンボリー |date=1998 |publisher=[[ミュージック・マガジン]] |journal=MUSIC MAGAZINE 増刊 |volume=30 |issue=16 |ref={{sfnref|宮子|1998}} }}
*{{Cite journal |和書 |author=大谷英之 編 |title=80's ギター・ポップ・ディスク・ガイド |date=2013 |publisher=シンコーミュージック・エンタテイメント |journal=シンコー・ミュージック・ムック CROSSBEAT Presents |isbn=978-4-401-63917-5 |ref={{sfnref|宮子|1998}} }}
*{{Cite book |和書 |author=岡村詩野 監修 |year=2015 |title=GUITAR POP definitive 1955-2015 |publisher=[[Pヴァイン]] |isbn=978-4-907276-42-3 |ref={{sfnref|岡村|2015}} }}


==外部リンク==
==外部リンク==

2020年2月7日 (金) 12:31時点における版

ネオアコとは、ポスト・パンクの流れから派生した音楽ジャンルスタイルのひとつ。ネオ・アコースティック (neo acoustic) の略称。なおネオアコ(ネオ・アコースティックも含む)と言う言葉自体は和製英語であり、欧米では通用しない言葉である[1]

概要・歴史

1980年代初頭、イギリスチェリー・レッドラフ・トレード、ポストカード、ベルギークレプスキュールといったレーベルから、「パンク以降」のDIY精神を継承しつつ新しい感覚のアコースティック・サウンドを奏でるアーティストが登場した[2][1]。「ネオ・アコースティック」という呼称は、これらのアーティストまたはムーブメントに対して、日本の評論家やレコード会社が名付けたのが始まりとされる[3]

呼称の由来として、当時パンク以降に登場した様々な音楽スタイルに対して「ネオ○○」というジャンル名が与えられていたことが背景にある(ネオ・サイケ、ネオ・モッズなど)。この場合の「ネオ」はポスト・パンクに近い意味合いであると思われ、音楽業界において「パンクが旧来の価値観を破壊した」という認識のもと、旧来の音楽スタイルと区別する意味で使われたものである[3]

音楽的には、ニール・ヤング、ボブ・ディラン、バーズをはじめとする1960年代 - 70年代アメリカ、イギリスのフォークと同様にアコースティック楽器を中心としていながら、それらよりも「青臭く」て言わば大人の視点が欠落した透明感のあるサウンドを特徴とする[4]。一説によると「ドライで軽快、そしてタメをつくらない演奏」であり、また「成熟拒否」というべき観念にも繋がっている[5]

オレンジ・ジュースのシングル曲「リップ・イット・アップ」[6]シックなどの影響を受けダンサブルなものだった[7]アズテック・カメラやペイル・ファウンテンズが登場した1982年頃から1985年頃にかけて、ネオアコと呼ばれる一群の名盤が次々とリリースされた[8]。当時、ネオアコのファンはイギリスおよび日本において、あくまで一部のリスナーに限定されつつ一定の人気を保っていた、と言っていいだろう。1980年代半ば以降は、アーティストの音楽性が多様化したり洗練されていった影響もあり、この動きは一時下火となっていた[9]

1989年、日本でネオアコから多大な音楽的影響を受けたフリッパーズ・ギターがメジャー・デビューした。TVドラマの主題歌に使われた「恋とマシンガン」でブレイクを果たして以後、彼らが影響を受けたネオアコのアーティスト達を様々な媒体で紹介した。また彼らが導火線の一つとなったとされる渋谷系の勃興も相まって、1990年代初頭にネオアコの人気が盛り上がり、多くの新しいファンを獲得した[10]

代表的なミュージシャン

イギリス

80年代

90年代以降

オーストラリア

ギリシャ

日本

関連項目

脚注

注釈

  1. ^ ネオアコ前夜から原型の一つとなった
  2. ^ 後期の多彩さはこの範疇に収まらないが、初期から中期の繊細な楽曲・歌詞・演奏はネオアコと呼ばれた
  3. ^ パティ・ラベルのコーラスグループのブルーベルズとは異なる。
  4. ^ 1980年代に登場したヴェイス兄弟のユニット。ギリシャ生、米国育ち。一部では「ギリシャのサイモン&ガーファンクル」と呼ばれていた。唯一発表されたアルバム制作には、実際サイモン&ガーファンクルの楽曲制作にも長く携わっていたエンジニアのロイ・ハリーが担当

出典

  1. ^ a b 北爪 啓之、柴田 かずえ、村尾 泰郎 (2009年6月10日). “第90回 ─ ネオアコ”. TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード. 2020年2月7日閲覧。
  2. ^ DIG 2000, p. 80.
  3. ^ a b 宮子 1998, pp. 12–13.
  4. ^ a b c d e 北爪 啓之、柴田 かずえ、村尾 泰郎 (2009年6月10日). “第90回 ─ ネオアコ(2)”. TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード. 2020年2月3日閲覧。
  5. ^ 岡村 2015, pp. 4–6.
  6. ^ https://www.discogs.com/Orange-Juice-Rip-It-Up/master/220713
  7. ^ 大谷 2013, p. 45.
  8. ^ 岡村 2015, p. 94.
  9. ^ blueprint (2015年1月23日). “(3ページ目)カジ ヒデキが語る、80年代UKインディシーン「レーベルもやっていたS・パステルは神様でした」”. Real Sound. blueprint. 2020年2月7日閲覧。
  10. ^ 宮子 1998, p. 39.
  11. ^ DIG 2000, p. 8.
  12. ^ DIG 2000, p. 50.
  13. ^ a b DIG 2000, p. 13.
  14. ^ DIG 2000, p. 49.
  15. ^ DIG 2000, p. 17.
  16. ^ a b DIG 2000, p. 10.
  17. ^ DIG 2000, p. 48.
  18. ^ DIG 2000, p. 37.
  19. ^ DIG 2000, p. 54.
  20. ^ DIG 2000, p. 42.
  21. ^ DIG 2000, p. 111.
  22. ^ DIG 2000, p. 11.
  23. ^ DIG 2000, p. 45.
  24. ^ DIG 2000, p. 27.
  25. ^ DIG 2000, p. 14.
  26. ^ DIG 2000, p. 66.
  27. ^ DIG 2000, p. 64.
  28. ^ DIG 2000, p. 38.
  29. ^ DIG 2000, p. 12.
  30. ^ 梶本聡 (2004年3月4日). “フリッパーズを知るための10の項目 TEN SENSES OF FLIPPERS GUITAR”. タワーレコード. 2020年1月6日閲覧。 - 初出は『bounce』 251号 (2004/2/25)
  31. ^ BRIDGE INTERVIEW 2017”. ポプシクリップ。 (2017年4月23日). 2018年1月10日閲覧。
  32. ^ ゴス少年だったカジヒデキ、思春期を振り返りアルバム「GOTH ROMANCE」制作”. 音楽ナタリー/ナターシャ (2019年4月10日). 2020年1月6日閲覧。 - 初出は『bounce』 251号 (2004/2/25)
  33. ^ b-flower”. OTOTOY. 2018年1月10日閲覧。
  34. ^ PENNY ARCADE / A GIRL FROM PENNY ARCADE”. KiliKiliVilla (2016年2月16日). 2018年1月10日閲覧。
  35. ^ Debonaire未発表音源集『Lost And Found』先行予約受付開始。”. KiliKiliVilla (2017年9月12日). 2018年1月10日閲覧。
  36. ^ ネロリーズ”. CDJournal. シーディージャーナル. 2020年2月6日閲覧。

参考文献

  • 辻󠄀口稔之 編著、浅見広樹・岩渕尚史・岡 人史・金沢和重・鈴木哲哉・多澤佳代・中村清子・松本淑子『ネオ・アコースティック』シンコー・ミュージック〈THE DIG PRESENTS DISC GUIDE SERIES〉、2000年。ISBN 4-401-61650-2 
  • 宮子和眞 監修「ギター・ポップ・ジャンボリー」『MUSIC MAGAZINE 増刊』第30巻第16号、ミュージック・マガジン、1998年。 
  • 大谷英之 編「80's ギター・ポップ・ディスク・ガイド」『シンコー・ミュージック・ムック CROSSBEAT Presents』、シンコーミュージック・エンタテイメント、2013年、ISBN 978-4-401-63917-5 
  • 岡村詩野 監修『GUITAR POP definitive 1955-2015』Pヴァイン、2015年。ISBN 978-4-907276-42-3 

外部リンク