「新生代」の版間の差分

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2012年3月5日 (月) 18:57時点における版

地質時代 - 顕生代[* 1][* 2]
累代 基底年代
Mya[* 3]
顕生代 新生代 第四紀 2.58
新第三紀 23.03
古第三紀 66
中生代 白亜紀 145
ジュラ紀 201.3
三畳紀 251.902
古生代 ペルム紀 298.9
石炭紀 358.9
デボン紀 419.2
シルル紀 443.8
オルドビス紀 485.4
カンブリア紀 541
原生代 2500
太古代(始生代) 4000
冥王代 4600
  1. ^ 基底年代の数値では、この表と本文中の記述では、異なる出典によるため違う場合もある。
  2. ^ 基底年代の更新履歴
  3. ^ 百万年前

新生代(しんせいだい、: Cenozoic era)は、古生代中生代・新生代と分かれる地質時代顕生代の大きな区分の一つである。約6,500万年前から現代までに相当し、恐竜が絶滅した後、哺乳類鳥類が繁栄したことで特徴づけられる。

区分

長い間、第四紀の定義は確定しておらず、議論の的となっていた。国際地質科学連合(IUGS) による改訂作業が進行する中、地質科学関連学協会連合(日本地質学会など日本における関連学会の連合体)では、1989年に発表された次のものを、正式のものとして当面これを使用すべしとしていた[1][2]

新生代は、第四紀新第三紀古第三紀の3つのに区分される。また、新第三紀と古第三紀を合わせた地質時代を、非公式な用語として第三紀と呼ぶことが許されている。

非公式用語
新生代 第四紀 完新世  
更新世
新第三紀 鮮新世 第三紀
中新世
古第三紀 漸新世
始新世
暁新世

第四紀の範囲の問題

その一方で、第四紀の専門家の間では、当時、鮮新世の最後期とされていたジェラシアンを第四紀に含め、第四紀の始まりを258万年前のピアセンジアン・ジェラシアン (Piacenzian-Gelassian) 境界とするのが一般的となっていた。氷河時代がこのころ始まっているなど、第四紀を特徴付ける気候変動が起こっているからである。

第四紀の専門家以外(特に第三紀の専門家)は、公式の区分どおり、ジェラシアンを第三紀に含めることが多い。この不一致を解消するため、時代区分の改訂作業が進められた。

2004年の提案

2004年、IUGSは新しい改訂作業を開始し、第四紀を廃止し、新生代を新第三紀・古第三紀の2つの紀に分けた時代区分を発表した。ただしこの区分は、同年の万国地質学会 (IGC) では批准されなかった。

新しい新第三紀は、第四紀に含まれていた時代を含む。そのため、新第三紀という訳語はまぎらわしく、新第三期・古第三期の新しい訳語を作るべきだという意見も多いが、定訳はまだ無い。カタカナでネオジン、パレオジンと書かれることもある。

以前の紀(参考)
新生代 新第三紀 完新世 第四紀
更新世
鮮新世 新第三紀
中新世
古第三紀 漸新世 古第三紀
始新世
暁新世

2005年の提案

この改定に対しては、国際第四紀学連合 (INQUA) などから反対が起こったため、IUGSの下部組織である国際層序委員会 (ICS) の第四紀層序小委員会 (ICS-SQS) とINQUAからなる合同チームで調整が図られ、2005年に新しい提案がなされた。[3]

新生代を新第三紀・古第三紀に分けることはIUGSの提案と同じである。しかし、第三紀・第四紀は新生代を(新第三紀・古第三紀とは別の境界で)2つに区分する亜代とされた。新しい第三紀と第四紀の境界は、従来の新第三紀と第四紀の境界だった181万年前の鮮新世・更新世境界から、258万年前の鮮新世ピアセンツィアン・ジェラシアン境界に移動させられた。これは、第四紀の研究者の間では258万年前を第四紀の始まりとすることが多いことを反映させたものである。

亜代 期(一部) 以前の紀(参考)
新生代 第四紀 新第三紀 完新世 第四紀
更新世
鮮新世 ジェラシアン 新第三紀
第三紀
(非公式用語)
中新世
古第三紀 漸新世 古第三紀
始新世
暁新世

2007年の提案

しかし、この案は伝統的な階層構造と適合しないため、IUGSに拒否された。それに応じINQUAは、2007年5月、新しく次のような提案をし、ICSも承認した。

第四紀を亜代ではなく正式な紀とするが、範囲は2005年の提案と同じに広げる。それにともない、階層構造を維持するために、更新世も広げられる。つまり、従来、新第三紀鮮新世に含まれていたジェラシアンは、第四紀更新世に移される[4]

期(一部) 以前の世(参考) 以前の紀(参考)
新生代 第四紀 完新世 完新世 第四紀
更新世 更新世
ジェラシアン 鮮新世 新第三紀
新第三紀 鮮新世
中新世 中新世
古第三紀 漸新世 漸新世 古第三紀
始新世 始新世
暁新世 暁新世

2008年の第33回万国地質学会議 (IGS) で調整が図られ、まもなく正式な結論が出ると見られている[5]

第四紀の地位と定義の確立

2007年のINQUA提案と2008年のIGCでの討論会を受けて、ICSにおける議論と決定が急速に進んだ結果、2009年6月30日にIUGS執行委員会は新たな第四紀の定義を批准した。新しい定義では、

  1. 更新世の下限をジェラシアンを含むように引き下げ、ジェラシアンの下限が定義されているモンテ・サン・ニコラGSSP(Global Boundary Stratotype Section and Point)によって定義する。
  2. 第四紀と新第三紀の境界は、モンテ・サン・ニコラGSSPによって公式に定義される。すなわち、更新世及びジェラシアンの下限に一致する。
  3. 以上の定義により、ジェラシアンを、鮮新世から更新世に移動する。

とされた。これにより第四紀の地位と定義に関わる問題は解決した[6]

脚注

参考文献

  • 国立天文台編『理科年表 平成20年』丸善、2007年。ISBN 978-4-621-07902-7http://www.rikanenpyo.jp/ 

関連項目

外部リンク

  • 仲田崇志 (2009年10月29日). “地質年代表”. 2010年11月15日閲覧。