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バージョン3.11がリリースされ、2時間前後の動画データを[[CD-R|CD]]1枚分である約700[[メガバイト|MB]]程度にまで[[データ圧縮|圧縮]]できることで、人気を集めた。しかし、このバージョンはビデオコーデック・オーディオコーデック ('''DivX Audio''')共に[[マイクロソフト]]社が提供していた[[MS-MPEG4]]・[[Windows Media Audio|WMA]]の[[海賊版]]であり(DivX,Incは否定している)、[[FourCC]]をDIV3からMP43に書き換えればそのまま再生できていた。
バージョン3.11がリリースされ、2時間前後の動画データを[[CD-R|CD]]1枚分である約700[[メガバイト|MB]]程度にまで[[データ圧縮|圧縮]]できることで、人気を集めた。しかし、このバージョンはビデオコーデック・オーディオコーデック ('''DivX Audio''')共に[[マイクロソフト]]社が提供していた[[MS-MPEG4]]・[[Windows Media Audio|WMA]]の[[海賊版]]であり(DivX,Incは否定している)、[[FourCC]]をDIV3からMP43に書き換えればそのまま再生できていた。


その後、MS-MPEG4の[[バイナリ]]を使用せず、独自に開発したビデオコーデックがバージョン4としてリリースされた。[[MPEG LA]]からのライセンスも取得し、法的な問題は完全に解決された。また、このバージョンからはオーディオコーデックが除外されており、現在においてもこの構成は引き継がれている{{要出典|date=20010年1月}}。近年では、一部の[[DVDプレーヤー]]、[[ゲーム機]]、ネットワークプレーヤーなどが、AVIコンテナに格納されたDivXビデオの再生をサポートするなど、[[パーソナルコンピュータ|パソコン]]上で使用できるビデオコーデックという、機器の枠を超えた広がりを見せている{{要出典|date=2010年9月}}。
その後、MS-MPEG4の[[バイナリ]]を使用せず、独自に開発したビデオコーデックがバージョン4としてリリースされた。[[MPEG LA]]からのライセンスも取得し、法的な問題は完全に解決された。また、このバージョンからはオーディオコーデックが除外されており、現在においてもこの構成は引き継がれている{{要出典|date=2010年1月}}。近年では、一部の[[DVDプレーヤー]]、[[ゲーム機]]、ネットワークプレーヤーなどが、AVIコンテナに格納されたDivXビデオの再生をサポートするなど、[[パーソナルコンピュータ|パソコン]]上で使用できるビデオコーデックという、機器の枠を超えた広がりを見せている{{要出典|date=2010年9月}}。


== DivX, Inc. ==
== DivX, Inc. ==

2010年10月25日 (月) 19:34時点における版

DivX
開発元 DivX, Inc.
最新版
対応OS WindowsWindows MobileMac OS XLinux
プラットフォーム クロスプラットフォーム
種別 ビデオコーデックメディアプレーヤーメディアフォーマット
ライセンス プロプライエタリ・ソフトウェア
公式サイト DivX.com
テンプレートを表示

DivX(ディビックス[1][2])はビデオコーデックの一種。

概要

DivXはDivX, Inc.(旧称DivX Network) がMPEG-4技術をベースに独自に開発したビデオコーデックである。当初はオーディオ(音声)コーデックも存在していたが、近年のバージョンでは除外されており、ビデオコーデックやメディアプレーヤーエンコーダなどが提供されている。

バージョン6までのDivXコーデックは、MPEG-4 Part 2(MPEG-4 ASPとして知られている)をベースにした圧縮技術である。DivXコーデックは高い画像品質を保ちながら、長時間のビデオを小さいファイルに圧縮できることから広く使われるようになった。また、多くの「DivX認証」 (DivX Certified) が付与されたDVDプレーヤーをはじめ各種家電製品でDivX形式での動画再生が可能となっている。

コンテナ形式

DivXビデオのバージョン3からバージョン6までは、AVIが使用されてきた。

ASFOGMMOVMP4などといったAVI以外のコンテナフォーマットに格納することもできる。しかし、各種ハードウェアでの再生互換性を維持するため、AVI形式(DivX形式を含む)での作成が推奨されている[3]

特に、AVI2.0 (OpenDML) に非対応の機器が数多く存在しているため、その場合はAVI1.0へ変換する必要がある。

バージョン7では従来のAVIに代わり、Matroska(MKV)を標準コンテナとして採用している[4]

インターレース解除に対応

2007年のバージョン6.5から、インターレース動画の、リアルタイムでのデインターレースに対応。 これにより、インターレース撮影されたビデオ(DVD映像やビデオカメラ映像など)をDivXビデオに変換する際、エンコード時にデインタレースすることなく再生できるようになり、MPEG-2などと同等にPCでの観覧が可能になった。(このフィルターは、サードパーティによるデコーダ《例:CCCPなど》には搭載されておらず、オフィシャルプログラムインストール時のみ機能する。)

DivX Media Format

DivX Media Format
拡張子.divx
タイプコードDIVX
開発者DivX, Inc
種別メディアフォーマット
包含物動画音声字幕
派生元AVI

バージョン6では、新たにDivX Media Format (DMF)に対応した。DivXファイル、DivXコンテナなどと呼ばれている。拡張子.divx

DivX Media Format は、AVI2.0 (OpenDML) を拡張したファイルフォーマットで、従来のAVIフォーマットと互換性がある。XSUB字幕、対話式ビデオメニュー、複数DivXビデオの格納、多重音声、チャプターポイント、XTAGビデオタグなどに対応する。

これら新機能を含むDivXビデオは、DivX Ultra(ディビックスウルトラ)とも呼ばれ、DivX Ultra対応機器で再生できる(パソコンではDivX Playerで対応)。

ただし、DivX Media Format は従来のAVIフォーマットを拡張したものであり、多重音声、XSUB字幕などといった情報は、AVIのRIFFヘッダに格納されている。従って、ビデオと音声の再生は、DMFに盛り込まれた新しい機能に対応していない、古いプレーヤーでも可能である。(但し、この場合は新しい機能を利用できない。)

代表的なDivX用オーサリングツールとして、DivX Authorがある。

DivX Plus HD

DivX Plus HD
拡張子.mkv
開発者DivX, Inc
種別メディアフォーマット
包含物動画音声字幕
派生元Matroska

バージョン7では、ビデオコーデックとしてH.264、音声コーデックとしてAAC、コンテナ形式としてMatroskaを採用する、ビデオフォーマットとなった。この組み合わせの動画ファイルはDivX Plus HD(ディビックスプラスエイチディー)と呼ばれ、従来のDivXビデオとの互換性は無い。

H.264の画質性能では、DivX H.264はオープンソース開発のx264に劣るといわれている。

複数字幕、複数音声、チャプターポイントの自動作成、なめらかな早送りと巻き戻し、メタデータ情報の表示などの機能を持つ。

DivX Plus HDも参照。

プロファイル

プロファイル Qmobile Mobile Home Theater HD 1080p
DivXバージョン 5? 5? 3.11? 3.11?
最大ビットレート 0.46Mbit/s 1.25Mbit/s 8Mbit/s 36Mbit/s
最大解像度 176x144@15fps 320x240@30fps 720x480@30fps
720x576@25fps
1920x1080@30fps
1280x720@60fps
オーディオ MP3 MP3 MP3/MPEG Layer 2 MP3/MPEG Layer 2
AC3
MP3 Surround
多重音声 1チャネル 1チャネル 最大8チャネル 最大8チャネル
字幕 無し 無し 最大8つ 最大8つ
DRM DivX DRM DivX DRM DivX DRM DivX DRM

FOURCC

コーデック FourCC
DivX3.11 DIV3 (= MP43)
OpenDivX DIV4
DivX5 DX50
DivX6 DX50
DivX7 無し

略歴

バージョン3.11がリリースされ、2時間前後の動画データをCD1枚分である約700MB程度にまで圧縮できることで、人気を集めた。しかし、このバージョンはビデオコーデック・オーディオコーデック (DivX Audio)共にマイクロソフト社が提供していたMS-MPEG4WMA海賊版であり(DivX,Incは否定している)、FourCCをDIV3からMP43に書き換えればそのまま再生できていた。

その後、MS-MPEG4のバイナリを使用せず、独自に開発したビデオコーデックがバージョン4としてリリースされた。MPEG LAからのライセンスも取得し、法的な問題は完全に解決された。また、このバージョンからはオーディオコーデックが除外されており、現在においてもこの構成は引き継がれている[要出典]。近年では、一部のDVDプレーヤーゲーム機、ネットワークプレーヤーなどが、AVIコンテナに格納されたDivXビデオの再生をサポートするなど、パソコン上で使用できるビデオコーデックという、機器の枠を超えた広がりを見せている[要出典]

DivX, Inc.

当初のDivX コーデックは、フランスエンジニアのジェローム・ロタによって、MS-MPEG4のバイナリを改造して公開されたものであった(詳細は、略歴を参照)。人気の高まりに伴い、元MP3.com社のジョーダン・グリーンホールらと共に、2000年にDivX, Inc.(旧称:DivX Network)が設立され、法的な問題を解決したDivXコーデックが、現在までの主力商品となっている。再生に必要となるデコーダ機能のみは無償で提供されており、これをインストールした時点から一定期間は、DivX Proと呼ばれる拡張機能が試用版として動作する。2005年9月29日(日本時間)には、このDivX, Inc.創立5周年を記念して、通常は同社サイト上で販売されているDivX Proのライセンスキーが無償配布された。ウィキニュース

また、DivX, Inc.はOpenDivXとして、DivXの開発をオープンソースプロジェクト化する動きを見せた事があるが、その後方針を転向している。この際、プロジェクトに参加していた一部の者はDivX開発チームを去り、オープンソースプロジェクトとして活動を継続した。同プロジェクトの成果として、フリーの独自ビデオコーデックであるXvidが完成した。

2007年秋には、H.264技術を有するメインコンセプト社を買収しており、バージョン7ではH.264技術が採用された。

DivXソフトウェアにはYahoo!ツールバーなどが含まれ、DivX, Inc.は広告収入を得ていた。 しかし、米Yahoo!側から一方的に契約を打ち切られたため、DivX, Inc.は契約不履行でYahoo!を提訴している[5][6]

2010年6月、ソニックソリューションズに買収されることが決定し[7]、2010年10月8日に買収が完了した。

DivX エコシステム

DivXをビデオ再生における共通メディア言語とする事で、DVDプレーヤをはじめとする、ビデオ再生機能を持つ様々なデジタル機器で、より簡単に便利にビデオを楽しむ環境のこと。DivXが搭載されたデジタル機器が増えることで、ユーザーがファイル形式などに悩まされることなく、ビデオの撮影・編集・再生・鑑賞をスムーズに楽しめるとされる。DivXが搭載されているデジタル家電には、DVDプレーヤー、ポータブルメディアプレーヤーデジタルカメラホームシアターカーナビ携帯電話、ゲーム機、テレビ等がある。

ゲーム機への対応

2007年11月13日ソニーのゲーム機・プレイステーション3 (PS3)に、DivXビデオテクノロジーが搭載される事が発表された[8]

同年12月18日、PS3のエンドユーザー向けのシステムソフトウェアアップデート(Version 2.10) により、PS3がDivXビデオ再生を公式にサポートする、最初のゲームシステムになると発表された[9]

Stage6

沿革

1999年
2000年
  • 5月 - DivX Networksを設立。
2004年
2005年
  • 6月15日 - DivXバージョン6を公開。DivX Media Formatに対応。
  • 9月29日 - 会社設立5周年を記念して、DivXソフトウェアのライセンスキーを無償配布。
2007年
2008年
2009年
  • 1月6日 - DivXバージョン7を公開。
  • 3月31日 - DivXバージョン6.xのサポートを終了。
  • 9月11日 - パナソニックと「DivX Plus HD」のライセンス契約を締結。
2010年
  • 1月21日 - 東芝と「DivX Plus HD」のライセンス契約を締結。
  • 3月16日 - DivX Plusを公開。
  • 4月30日 - DivXバージョン7.xのサポートを終了。
  • 6月3日 - 米ソニックソリューションズに買収されることが決定。
  • 10月8日 - ソニックによるDivX, Inc.の買収を完了。

脚注

  1. ^ 公式サイト上での表記。
  2. ^ 以前、2004年頃の公式サイトの画像プレス向けに配布されたTシャツに「デイヴエツクス」という文字が入っていたこともある。
  3. ^ MOV形式のDivXビデオを作製しようとすると非推奨の警告が発生する。
  4. ^ MKVをコンテナに採用、H.264/AACに対応した「DivX Player」v7.0 Beta 1が公開
  5. ^ 米ヤフー、広告提携契約の打ち切りでDivXに提訴される
  6. ^ DivX、契約不履行でYahoo!を提訴
  7. ^ ソニック、DivXを買収
  8. ^ DivX, Inc. (2007年12月13日). “DivX Technology to be Added to PLAYSTATION®3” (英語). 2008年12月30日閲覧。
  9. ^ DivX, Inc. (2007年12月18日). “DivX® Video Support Added to PLAYSTATION®3 With Latest System Software Update” (英語). 2008年12月30日閲覧。

関連項目

外部リンク