JPEG XL

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JPEG XL
拡張子.jxl
MIMEタイプimage/jxl[注釈 1][1]
マジック
ナンバー
  • 00 00 00 0C 4A 58 4C 20 0D 0A 87 0A
  • FF 0A
開発者
種別非可逆/可逆圧縮ビットマップ画像ファイルフォーマット
派生元
国際標準ISO/IEC 18181
オープン
フォーマット
Yes
ウェブサイト
JPEG XL Reference Software
開発元 the JPEG XL Project
最新版
0.8.2[4] ウィキデータを編集 / 2023年6月14日 (5か月前)
リポジトリ https://github.com/libjxl/libjxl[5] ウィキデータを編集
プログラミング
言語
C++
対応OS
サポート状況 開発中
種別 画像コーデック
ライセンス 修正BSDライセンス (以前はApache License 2.0)
公式サイト jpeg.org/jpegxl ウィキデータを編集
テンプレートを表示

JPEG XLは、Joint Photographic Experts Groupが開発中のオープンかつロイヤリティフリー画像ファイルフォーマットである。 「ISO/IEC 18181」として国際標準となる予定である[6]

概要[編集]

JPEG XLは従来の画像ファイルフォーマットの問題点を解決し、現代の画像ファイルフォーマットで必要とされている全ての機能[注釈 4]を備えることを目標としている[7]JPEGの置き換えを試みた画像ファイルフォーマットは多数存在するが、これらにはJPEGと比較した際に問題点があることから、この試みは未だに成功していない。 JPEG XLはこの問題点を解決し、JPEG、PNG及びGIFなどの画像ファイルフォーマットを置き換えることを目指している。 JPEG XLは技術的にはGooglePIKCloudinary英語版FUIFを基盤としている[2]。 また、可逆圧縮JPEG変換層はGoogleのBrunsliを基盤としている[3]

特徴[編集]

レスポンシブウェブデザインへの最適化
レスポンシブ画像はレスポンシブウェブデザインの一部であり、画面サイズ解像度に応じて最適な画像を提供するので、帯域幅を無駄にすることを防いでいる。
従来の画像ファイルフォーマットの場合は、複数の異なるサイズのソースファイルを用意してこれを実現している。
JPEG XLは1つのファイルに元のサイズの画像とその画像の複数の小さなバージョンを含むことができるので、1つのソースファイルでこれを実現することができる[7]
高品質
JPEG XLは数学的な可逆圧縮に加えて、視覚的な可逆圧縮にも対応している。これは数学的には非可逆圧縮だが、ヒトには違いが分からないものである[7]
幅広い用途への対応
JPEG XLは現代の画像ファイルフォーマットで必要とされている全ての機能を備えているので、幅広い用途で使用することができる。JPEG XLは携帯機器でもハードウェアアクセラレーション無しに効率的にエンコードとデコードが行えるように設計されている[6]
JPEGからの移行への対応
JPEG XLエンコーダは拡張メタデータを追加した後方互換性のあるJPEGファイルを生成することができる。このファイルはJPEGデコーダでデコード可能であり、JPEG XLデコーダの場合は拡張メタデータを使用して画質を向上させることができる。
また、JPEGファイルを可逆圧縮することができる[注釈 5]
これらの機能は従来のJPEGからのスムーズな移行を目的としている[6]

歴史[編集]

2017年8月13日、Joint Photographic Experts Groupは圧縮率を従来のJPEGから60%の向上を目指す次世代画像ファイルフォーマット「JPEG XL」を策定中であることを公表し、仕様を満たす技術の公募を開始した。 草案では、8Kなどの高解像度画像を扱えること、4:4:4、4:2:2、4:2:0のサンプリングに対応すること、ビット深度 (最大16ビット) へ対応することが最低限要求された[8]

2019年12月リファレンス実装が公開された。これはC++で実装されており、フリーかつオープンソースであり、Apache License 2.0の下で配布されている[9]

ファイル形式(内部構成)は2020年12月25日に決定され[10]、2021年10月13日に正式に規格化された[11]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 暫定
  2. ^ 公式ウェブサイト
  3. ^ 詳細情報ウェブページ
  4. ^ ハイダイナミックレンジビット深度 (16ビット)、アニメーションアルファチャンネル可逆圧縮など。
  5. ^ JPEGをPNGや可逆圧縮のWebPなどに変換した場合にはファイルサイズが大きくなるが、JPEG XLではそのようなことは起こらない[7]

出典[編集]

  1. ^ Provisional Standard Media Type Registry”. IANA. 2020年7月4日閲覧。
  2. ^ a b c fuif/README.md”. GitHub. 2020年4月7日閲覧。
  3. ^ a b brunsli/README.md”. GitHub. 2020年4月7日閲覧。
  4. ^ "Release 0.8.2".
  5. ^ "PLEASE DO NOT OPEN NEW ISSUES HERE"; 閲覧日: 2021年5月27日.
  6. ^ a b c JPEG XL”. The Joint Photographic Experts Group. 2020年4月7日閲覧。
  7. ^ a b c d Next-generation of Image Formats for the Internet - YouTube
  8. ^ 佐藤亮 (2017年8月15日). “圧縮効率60%向上を目指す新規格「JPEG-XL」策定にむけ技術公募へ”. PC Watch. 2020年4月7日閲覧。
  9. ^ jonsneyersのツイート(1210661205624459264)
  10. ^ v0.2 JPEG XL Reference Software” (英語). GitLab. 2021年10月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年2月19日閲覧。
  11. ^ ISO/IEC 18181-2:2021 Information technology — JPEG XL image coding system — Part 2: File format

関連項目[編集]

外部リンク[編集]