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渡邊晃一

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渡邊 晃一(わたなべ こういち・Artist名:渡辺晃一 / WATANABE, Koichi)は、絵画現代美術インスタレーション)を中心に活動する日本の画家美術家福島大学人間発達文化学類教授福島大学藝術による地域創造研究所所長

「福島ビエンナーレ」芸術監督(企画監修)。 http://wa-art.com/bien/

油彩画を基盤に絵画を制作。1998年より大野一雄をモデルに作品を制作。展示空間で氏や大野慶人をはじめとした舞踏家 とのコラボレーションや、新国立劇場での平山素子ダンス「Life Casting」の美術、山下洋輔のジャズやオペラの舞台美術、様々な文化人の手型作品シリーズ「Life Hands」、映画の制作など広範囲に及ぶ活動で知られているが、幅広い制作は一貫して「生命」と「気」をテーマにしている。


■ 主な著書に、『渡邊晃一作品集 テクストとイマージュの肌膚』(青幻舎)、『モナ・リザの教科書』(日本文教出版)。

「生命形態と美術教育 〜三木成夫の解剖学からの接近〜」にて第30回佐武賞(研究論文部門最優秀賞)

▲ 近年は、油彩画の古典技法、制作学や美術解剖学研究、海外研修(エコール・デ・ボザール客員教授)などの経験や知識から、日本テレビ『ルーヴル美術館 特別番組』や映画『万能鑑定士Q -モナ・リザの瞳-』(《モナ・リザ》の秘密:ホームページ、パンフレット監修)など、レオナルド・ダ・ヴィンチに関する書籍やテレビ番組の監修や解説もしている。

 生命形態 ( 人体、動植物、地球 ) をテーマにした < 三つの柱 ● ■ ▲ > による連鎖的な研究

● 美術制作 (絵画、版表現、現代美術/インスタレーション 、映像メディア)
■ 美術理論 (制作学、美術解剖学/生命形態学、レオナルド・ダ・ヴィンチ論)  
▲ 美術教育  (芸術教育学、アートマネージメント、STEAM教育) 

http://www.wa-art.com/

https://search.adb.fukushima-u.ac.jp/Profiles/3/0000292/profile.html

来歴・人物

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北海道夕張市出身。

母方の縁戚に、画家俣野第四郎本郷新がいる。俣野は三岸好太郎と2人で画家を志し東京へ出たが、24歳という若さで他界した。父方は、佐藤忠良の母親に祖母が裁縫を習っていたことから交流があった。父親の務めていた夕張南高等学校(現在の北海道夕張高等学校)の美術教師、河副穆敬との出会いや、幼少の頃からの両親の理解が美術に向き合う契機だったと講演等で語っている。

札幌藻岩高等学校卒業。

2027年度に札幌藻岩高等学校は統合再編されることになっている。同窓には、俳優でラジオパーソナリティーのやまだひさし、俳優の大泉洋、政治評論家の杉村太蔵ノンフィクション作家の梯久美子がいる。

1990年 筑波大学芸術専門学群美術専攻卒業 1992年 筑波大学大学院 修士課程 芸術研究科 美術専攻(洋画分野)修了

1992年 東京藝術大学大学院 美術研究科 美術解剖学研究室(高橋彬、宮永美知代、養老孟司): 「手」をテーマに、レオナルド・ダ・ヴィンチ高村光太郎洞窟壁画など美術作品の解剖学研究

1993年 筑波大学大学院 医学部(河野邦雄研究室)にて解剖実習

ロイヤル・カレッジ・オブ・アート/Royal College of Art (Sculpture course )Post Graduation

職歴

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1995年より 福島大学教育学部に着任

2001年2002年 文部科学省在外派遣研究員としてアメリカイギリスに滞在

  • ロンドン芸術大学(チェルシー・カレッジ・オブ・アート・アンド・デザイン/University of the Arts London/Chelsea College of Art and Design)客員研究員

2018年 エコール・デ・ボザール(École des Beaux-Arts de Paris )客員教授

芸術活動

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(参考文献:『渡邊晃一作品集 テクストとイマージュの肌膚』)

絵画現代美術インスタレーション)による作品を国内外の美術館、アートギャラリーで発表。

  • 「生命形態」や「肌膚」をテーマとし、ArtとScienceを往還する作風は一貫している。主に巨樹陰陽五行、宇宙からみた大地(《On An Earth》というタイトル)の「Taoタオ」思想や「veronica(聖ヴェロニカ)」をキーワードとした表現で制作している。

http://wa-art.com/koichi-w/index.html

●主な美術の発表活動

● 主な作品の展開 (参考文献:『渡邊晃一作品集 テクストとイマージュの肌膚』)


● 主な作品の展開コラボレーション

2000年『大野一雄 疾走する肌膚』、川口現代美術館スタジオ。 大野一雄をモデルにした絵画、全身から型取った彫刻を中心にインスタレーション。会場では作品と絡む大野一雄のパフォーマンスがなされ、映像が上映されていた。

2006年『平山素子Life Casting』コバヤシ画廊(銀座)。 NECと福島市の笠原樹脂工業の協力により等身大の人体の3Dデジタイザーや3Dプリンターによる作品を制作。

  • 詩人とのコラボレーション/

1997年『胎動』和合亮一ほか、インフォミューズ(日本橋)、コバヤシ画廊(銀座)。1998年、福島県立美術館 における渡邊晃一作品の展示空間。


● オペラの舞台美術

「乙和の椿」 「こうもり」 「蝶々夫人」 「魔笛」 「いのち甦る」  福島オペラ協会ほか


●「Veronica -Life Hands-」(手の石膏型による作品シリーズ)

稀有な才能を持つ人々の「手」をかたどることから生まれた作品。

これまでに制作した主な人物

 靉嘔(美術家)、秋山祐徳太子(パフォーマンスアーティスト)、朝倉摂(舞台美術家)、アントニー・ゴームリー(彫刻家)、一色采子(女優)、伊藤公象(陶芸・美術家)、伊藤有壱(美術家)、宇野亜喜良(イラストレータ)、大友良英(音楽家)、大野一雄(舞踏家)、大野慶人(舞踏家)、岡部昌生(美術家)、唐十郎(劇作家、俳優)、河口龍夫(美術家)、北川健次(美術家)、木下史青(東京国立博物館デザイン室長)、京極夏彦(小説家)、栗原小巻(女優)、斎藤岩男(映画美術)、三枝成彰(作曲家)、酒井はな(バレリーナ)、佐藤忠良(彫刻家)、芹沢高志(アートディレクター)、多賀新(版画家)、舘形比呂一(舞踏家)、建畠覚造(彫刻家)、田中英道(美術史)、種村季弘(独文学者)、David Nash(彫刻家)、中垣内祐一(バレーボール)、仲代達矢(俳優)、中林忠良(版画家)、奈良美智(美術家)、萩原美樹子(バスケット)、服部克久(ピアニスト)、羽田健太郎(音楽家)、日野皓正(トランペット奏者)、平山素子(ダンサー)、深作健太(映画監督)、Bob James(ピアニスト)、Brent Wilson(芸術教育学)、細江英公(写真家)、松本零士(漫画家)、港千尋(写真家)、宮脇理(芸術教育学)、宗像亮一(陶芸家)、ヤノベケンジ(美術家)、山折哲雄(宗教学者)、山口昌男(文化人類学)、山崎バニラ(活弁士)、山下洋輔(ピアニスト)、湯浅譲二(作曲家)、養老孟司(解剖学者)、吉増剛造(詩人)、四谷シモン(人形作家)、リティ・パニュ/Rithy Panh(映画監督)

主な著書、論文、学会発表

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■主な著書(単著):

1995年・『生命形態と美術教育〜三木成夫の解剖学からの接近〜』 第30回 佐武賞(教育美術 論文部門 最優秀賞)

2010年・『テクストとイマージュの肌膚』(青幻舎)

2021年・『モナ・リザの教科書』(日本文教出版)


■共著、教科書等

1991年・『造形教育事典』建帛社

2000年・『絵画の教科書』(編者)日本文教出版

2006年・『ベーシック造形技法』建帛社

2007年『絵画の制作学』日本文教出版

2010年・ 保育内容シリーズ6『造形』一藝社

2016年・『アート エデュケーション思考』/執筆:「芸術と技術の間」学術研究出版

2020年・『民具・民芸からデザインの未来まで』/執筆:「習俗と<祈り>のアート&デザイン」学術研究出版


■近年の主な発表

*所属学会: 大学美術教育学会・美術科教育学会、美術解剖学会、INSEA・・・「制作学」「身体」「レオナルド・ダ・ヴィンチ」「STEAM教育」をテーマにした研究を発表


2015年

  • 「モナ・リザの解剖学的一考察」第21回 美術解剖学会口頭発表/於:東京藝術大学
  • 「モナ・リザの解剖学的一考察 2」韓日美術解剖學 シンポジウム/於:韓国ソウル故宮博物館
  • 「3Dに再現すること  –芸術(アルス)と技術(テクネ)の間で〜」美術科教育学会公開シンポジウム/於:北海道教育大学『3Dプリンターの登場する時代の造形美術教育』パネリトとして
  • 「モナ・リザにおけるデフォルメ」第22回 美術解剖学会口頭発表/於:東京藝術大学
  • 「科学と芸術の狭間」市民科学者国際会議、於:代々木オリンピックセンター

2016年

  • 「3D画像としての《モナ・リザ》~絵画と両眼視差との関わりからの一考察~」第55回 大学美術教育学会口頭発表/於:北海道教育大学(札幌)
  • 「3D画像の肖像画 ~《モナ・リザ》からの仮説~」韓日美術解剖學シンポジウム/於:淑明女子大學校

2017年

  • 「地域文化と芸術」奄美市 生涯学習講座企画 パネリスト(武蔵野美術大学・三澤一実教授 、カリフォルニア州立大学・徳雅美教授 と)
  • 「モナ・リザの姿勢に関する一考察」第24回 美術解剖学会口頭発表/於:東京藝術大学

2019年

  • 「ダ・ヴィンチ:“五千枚の手記”に視る「科学からアートへ・アートから科学への構想世界」美術科教育学会口頭発表/於:札幌大谷大学短期大学部(芸術学部)
  • 「レオナルド の<自然>と<科学>」第26回 美術解剖学会口頭発表/於:東京藝術大学
  • シンポジウム レオナルド没後500年記念「レオナルド ・ダ・ヴィンチ  美術と科学」第26回美術解剖学会(大会実行委員長)/於:東京藝術大学

2020年

  • 「レオナルド の解剖学と描線」第27回 美術解剖学会口頭発表/於:東京藝術大学

詳細

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●企画監修/芸術総合監督(アートディレクター)

2004年〜「福島ビエンナーレ」(隔年開催)福島市:福島県文化センター、須賀川市:福島空港

2007年 「風と土の芸術祭」 会津美里町/本郷(2008,2009,2013)

2014年 「豊穣の芸術祭」湯川村

2016年 「重陽の芸術祭」二本松市(2017、2018、2019)

2018年 「海神の芸術祭」南相馬市

2020年 「風月の芸術祭」白河市(2022、2024)


● 「鯉アートのぼり Art-KOINOBORI」・・「鯉のぼり」をアートであしらえた幟旗

2011年〜 東日本大震災直後、福島在住の立場から、長期的、当事者の視点に立った復興支援活動を継続的に展開。避難所のアートデザインも提起している。これまでの展示は、福島市街地、福島空港、福島県立博物館、福島県立美術館、郡山市立美術館、福島空港ほか(以後、福島市街地パセオ通りにて毎年掲揚)。NHK放送や図画工作教科書(日本文教出版社、開隆堂)他、全国誌でも紹介されている。http://wa-art.com/koi/

●映画協力

2014年

  • 『万能鑑定士Q - モナ・リザの瞳 -』東宝(株)、TBS、株式会社KADOKAWA/レオナルド・ダ・ヴィンチ資料の取材協力、《モナ・リザ》の秘密(ホームページ、パンフレット ほか)監修
  • 『コトコトコトコ』楽映舎、美術協力

2015年

  • 『図書館戦争 The Last mission 』協力(茨城県立美術館での展示シーン)

■メディア(主な紹介記事、TV) 

1995年 日本経済新聞(文化欄特集)、雑誌「太陽」

1995年 NHK衛星放送『エンターテーメントニュース・特集 渡辺晃一「肌膚の厚さ・熱さ」』

2000年 NHK衛星放送『(真夜中の王国) 疾走する肌膚  渡辺晃一×大野一雄』

2006年 NHK東北放送『(特集)出会った人を作品に  渡辺晃一』

2014年 NHK 『日曜美術館  福島ビエンナーレ』

     NHK 『明日へ』解説

2015年 日本テレビ『ルーヴル美術館 特別番組 レオナルドが夢見た幻の3Dモナ・リザ』監修、解説

2022年 小峠英二のなんて美だ 『特集 レオナルド・ダ・ヴィンチ』監修、解説

▲講師

  • 大学(非常勤講師):明星大学、岩手大学、福島県立総合衛生学院、福島県立医科大学 医学部、看護学部、宇都宮大学、大阪教育大学、会津大学 短期大学、放送大学ほか
  • 教育関連:福島県教育センター経験者研修、神奈川県教育センター研修、鳥取県高等学校教育研究協議会(美術)、郡山市小学校教育研究会(図画工作)/郡山市立美術館、花巻小学校教育研究会図画工作部会実技研修会、福井県教育総合研究所中学校美術科・高等学校研修講座
  • 福島市の地域支援として、渡利学習センター「アンリの会 油彩画教室」(第2、4 土曜日)、三河台学習センター「朋友会 水彩画教室」(第1、3 月曜日)
  • 福島大学企画「LifeDrawing・人体素描コース]、「わくわくJrカレッジ~未来のスーパーアーティスト養成講座~現代美術クリニック」
  • その他、講座/ワークショップとして、神奈川県立美術館、福島県立美術館、郡山市立美術館、郡山ふれあい科学館等で活動

■地域貢献

会津若松技術支援センター ハイテクプラザ 講師

CCGA(大日本印刷株式会社) ゼミナール企画監修

郡山市文化芸術振興基本計画策定委員会委員

経済産業省 地域資源活用型研究開発事業 アドバイザー

第20回全国生涯学習フェスティバル  アートアドバイザー

福島県キャラクター NHK「八重の桜」関連 「八重たん」審議委員

はま・なか・あいづ文化連携プロジェクト(福島県立博物館) 理事

アール・ブリュット美術館(はじまりの美術館)設置検討委員会

森のはこ舟アートプロジェクト実行委員会

福島県 環境保全農業課 環境と共生する農業PRポスター制作

第69回全国植樹祭シンボルマーク専門委員会 副委員長

国立研究開発法人 海洋研究開発機構 海洋科学技術戦略部 アート・アドバイザー

■主な受賞関係

茗渓会奨励賞受賞

ホルベインアクリラ奨学生

第30回教育美術賞(佐武賞) 研究論文部門 最優秀賞 受賞

第 1回 PHILIP MORRIS ART AWARD  

第7回朝日舞台芸術賞、キリンダンスサポート賞  平山素子Life Casting -型取られる生命-」(美術担当作品)

公益財団法人アサヒグループ芸術文化財団 助成事業 「福島ビエンナーレ2016」(企画監修)

那須国際短編映画祭 受賞作品ノミネート

映画『黒と光』(監督:古田晃司、企画監修・美術: 渡邊晃一、主演:大野慶人)