三木成夫

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

三木 成夫(みき しげお、1925年12月24日 - 1987年8月13日)は、香川県丸亀市出身の解剖学者発生学者である。

丸亀中学から六高九州帝国大学航空工学科、東大医学部と進み、東大助手を経て、東京医科歯科大学助教授、東京芸術大学教授。1963年「オオサンショウウオに於ける脾臓と胃の血管とくに二次静脈との発生学的関係について」で東大医学博士

生前に出版された本は二冊(『胎児の世界』中公新書、『内臓のはたらきと子どものこころ』築地書館)にすぎないが、死後続々と遺稿が出版され、解剖学者・発生学者としてよりも、むしろ特異な思想家・自然哲学者として注目されている。[要出典]

三木が思想的影響を受けた人物としては、冨永半次郎ゲーテクラーゲス宝井其角などを挙げることができる。自然科学者としての三木は、西欧近代の硬直化した機械論的、実証主義的立場から距離を置き、人間と自然との生きた自然感覚とでもいえるものを取り戻そうと試みた。そのことが、自然界の中で持っていた固有のリズムを喪失した現代人に、強く訴えかけるものを持っていると考えられる。[要出典]

著書の中では、植物器官(消化生殖)と動物器官(感覚運動)という観点から、発生学古生物学比較生物学進化について考察している。著書『胎児の世界』では、一例としてホヤの生涯をあげ、以下のように説明している。ホヤは生殖期以前には動物として移動するが、生殖期には摂取した栄養を生殖につぎ込むため植物のように移動をやめ定着して過ごす。これと比較して、脊椎動物では、栄養を動物器官に生涯使い、移動を行い、生殖に注力することはない。これは幼形成熟(ネオテニー)の一例であると述べている。[1]

死後、ほぼ毎年、「三木成夫記念シンポジウム」が開催されている。

著作[編集]

  • 『内臓のはたらきと子どものこころ』築地書館 みんなの保育大学 1982 「内臓とこころ」河出文庫
  • 『胎児の世界 人類の生命記憶』中公新書 1983
  • 『生命形態の自然誌 第1巻 (解剖学論集)』うぶすな書院 1989
  • 『海・呼吸・古代形象 生命記憶と回想』うぶすな書院 1992
  • 『生命形態学序説 根原形象とメタモルフォーゼ』うぶすな書院 1992
  • 『人間生命の誕生』築地書館 1996 『生命とリズム』河出文庫 
  • 『ヒトのからだ 生物史的考察』うぶすな書院 1997
  • 『生命の形態学 地層・記憶・リズム』うぶすな書院 2013

脚注[編集]

  1. ^ 三木成夫. 胎児の世界. p54-56.

外部リンク[編集]