New Horizon (松本孝弘のアルバム)

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New Horizon
Tak Matsumotoスタジオ・アルバム
リリース
録音 2012年 - 2014年
ジャンル インストゥルメンタル
ジャズ
レーベル VERMILLION RECORDS(日本盤)
335 Records(米国盤)
プロデュース Tak Matsumoto
ポール・ブラウン
チャート最高順位
ゴールドディスク
  • 第29回日本ゴールドディスク大賞インストゥルメンタルアルバム・オブ・ザ・イヤー
松本孝弘 年表
Strings Of My Soul
2012年
New Horizon
(2014年)
enigma
(2016年)
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New Horizon』(ニュー・ホライズン)は、日本音楽ユニットB'zギタリストである松本孝弘の10作目のオリジナル・アルバム。

日本で国内盤を先行発売した後、アメリカ合衆国でUS盤をリリースする。

概要[編集]

ベスト的な内容の作品だった前作『Strings Of My Soul』以来、約2年ぶりのリリースとなるアルバム。しかしながら近年の松本の作品が、過去の自身の楽曲が中心の作品(『House Of Strings』『Strings Of My Soul』)、他アーティストとのコラボレーション作品(『TAKE YOUR PICK』)、カバー曲がメインの作品(『THE HIT PARADE』『Theatre Of Strings』)が続いていたことを考えると、松本単独での新作を網羅したアルバムは2002年に同時リリースしたアルバム『西辺来龍 DRAGON FROM THE WEST』『』以来、約12年ぶりとなる。

本作では、リリース発表前からCMソングとして流されていたアルバムタイトル曲「New Horizon」や、2013年に敢行されたB'zのライブツアーで先行披露された「Rain」、2003年放送のアニメ主題歌として制作された楽曲のリアレンジバージョンである「BLACK JACK」等を収録。また、ジャズの名曲の再カバーや、昭和フォークソングカバーなどにも挑戦している。

購入特典として、付属の応募抽選カードを用いて応募すると、抽選で300名にアナログレコード盤がプレゼントされるというキャンペーンが行われた(2014年6月15日締切)。

ジャケットでは、小笠原諸島南島扇池を模したと思しきギブソン ファイヤーバードがフィーチャーされている。

アルバムタイトルである『New Horizon』には、その名の通り「インストゥルメンタルの無限の可能性や新境地に踏み込んだ」という意味が込められている。元々は楽曲「New Horizon」のタイトルとして先に決定しており、改めて収録曲を見直した際に松本が「アルバムタイトルとしてふさわしい」と感じて、アルバムタイトルに決定した。

松本は、リリースの約2年前から楽曲の制作を開始した。2013年はB'z結成25周年の活動を優先したため制作を一旦中断。同年12月に、約1か月間という短期間でアルバムとしての形にまとめていった。しかし松本は制作当時について、2013年12月までの段階でアルバム制作の方向性が定まっておらず、迷い続けていたという。この時期にはすでに2014年5月から始まる松本初の単独ソロツアーのスケジュールも決定していたが、松本は「常に楽曲は作り続けていたものの、12月にスタジオに入って2週間で形が見えなければ、(アルバムリリースやライブツアーも含めて)すべてキャンセルしようと思った」と当時の思いを語った。実際は、スタジオ入りしてロサンゼルスでギター収録をしたり、ブラスセクションをダビングしていくうちに「やって良かった」と最終的に思えたという。

本作リリースから約2年後、次回作『enigma』リリース時のインタビューで松本は、『New Horizon』はファイヤーバードを使うことに執着していたために、音はいいのだがどの曲も同じトーンになってしまった、という反省点があると振り返っている[1]

記録[編集]

2014年5月12日付オリコンウィークリーチャートでは初登場3位[2]。TOP3入りしたのは、ラリー・カールトンとの共作アルバム『TAKE YOUR PICK』(2位)以来、3年11ヶ月ぶり。単独名義のインストゥルメンタルアルバムでは、『Wanna Go Home』(3位)以来、約22年ぶりとなる。

収録曲(日本国内盤)[編集]

  1. New Horizon(4:38)
    アルバムタイトル曲。松本の曲の中でも珍しいタイプの曲構成になっており、松本は「意識していつもと違う構成にした」と語っている。曲中では、各楽器それぞれの即興演奏によるソロパートもある。
    本楽曲には、米倉涼子が出演した佐川急便のCMのタイアップが付いた。松本は事前に米倉が出演している映像を見てから、今回レコーディング中の楽曲からCMに合いそうな曲として本楽曲を選んだ。CMに使用されているバージョンは、CMのために松本が編集し直したものである。
  2. Take 5(3:33)
    ポール・デスモンドによる1959年のアルバム『タイム・アウト英語版』に収録されている、ジャズスタンダード・ナンバーテイク・ファイヴ」のカバー。松本にとっては、1988年リリースのアルバム『Thousand Wave』でカバーして以来2度目のカバーとなる。しかし松本は、以前のカバーは聴き直さずに今回のカバーを制作しており、アレンジは前回の面影は全くない。
    「Take 5」のカバーに関しては、今回プロデューサーとして参加したポールが、「ラジオ向けの曲としてカバーしよう」と提案して決定した。アレンジは、寺地のアイデアでボサノヴァを基調としたものになっている。
  3. Feel like a woman tonite(3:52)
    女性シンガーのウェンディ・モートンボーカルに迎えた楽曲。しかしながら松本は、ボーカルのダビング作業はポールに任せていたため、ダビング作業には立ち会っておらず、リリース時点でウェンディに一度も会っていないという。歌手の選定に関しては、ポールから「男性と女性どっちがいい?」と確認されたときに、「絶対に女性がいい」と返答し、ポールがウェンディを選定した。
  4. Rodeo Blues(3:14)
    本アルバム制作過程で最初に取り掛かった楽曲であるが、当時はワンコーラスしか出来なかった。その後2013年12月、アルバム制作過程の最後の方で再びこの楽曲制作に取り掛かり、完成させた。
  5. Island of peace(5:22)
    ビーチの波の音から始まる穏やかな楽曲。ハワイで制作された楽曲で、タイトルである「Island of peace(平和の島)」も、そのままハワイをイメージして命名された。
  6. That's Cool(3:18)
    本アルバム制作過程の後半に制作された楽曲。数曲制作した後に、松本が「メロウな楽曲が多い」と感じたため、明るい楽曲として制作された。
  7. Shattered Glass(4:56)
    マイナーコードを基盤とした楽曲。制作経緯は珍しいもので、最初は松本が「Shattered Glass」という言葉の響きを気に入り、タイトルに使用したいと思ったことがきっかけ。その後、「Shattered Glass」をテーマにした英語のストーリーを松本が制作し、そのストーリーをイメージして制作された。松本が制作のストーリーは、本作付属のブックレットに掲載されている。
  8. 月のあかり(5:25)
    桑名正博が1978年にリリースしたアルバム『テキーラ・ムーン』収録の、桑名の代表曲「月のあかり」のカバー。原曲はボーカルのある楽曲であるが、今回はギターによるインストゥルメンタルでのカバーとなる。
    元々松本は22〜23歳の頃、桑名のライブやレコーディングのサポートメンバーとして参加していたことがあり、桑名には世話になっていた。2012年に桑名が他界して、松本はすぐに「月のあかり」を録音したという。
  9. Reason to be...(4:00)
    この楽曲もハワイで制作された。2007年制作の「THE WINGS」、2010年制作の「hotalu」の流れを汲む作品で、この3曲は戦争をイメージして制作された。タイトルは和訳すると「...がそうなった理由」という意味であるが、「...」と言う部分には、「それが起こったのは理由があったのか?」「なんでこんなことになってしまったのか?」という自分自身の問いかけの意味が込められている。
  10. BLACK JACK(4:33)
    2003年12月22日に日本テレビ系列で放送されたアニメ『ブラック・ジャック2時間スペシャル 〜命をめぐる4つの奇跡〜』のテーマ曲として書き下ろされた楽曲「THE THEME OF B.J.」(2014年現在、未音源化)の、リアレンジバージョン。2004年にオーケストラバージョン「BLACK JACK」が製作されており、それとはタイトルが変更されていないが異なるアレンジとなっており、今回で3バージョン目となる。
    選曲の際に、本楽曲かアニメ『真救世主伝説 北斗の拳』のために書き下ろされた楽曲「Theme from Fist of the North Star 〜The Road of Lords〜」とで迷ったらしいが、最終的に「BLACK JACK」が選ばれた。
  11. 学生街の喫茶店(3:58)
    ガロが1972年にリリースした「学生街の喫茶店」のカバー。原曲はボーカルのある楽曲であるが、今回はギターによるインストゥルメンタルでのカバーとなる。松本は選曲の理由を「メロディがちょっと怪しくてインストゥルメンタルにすると面白くなりそうと思った」と語っている。
    日本の過去の名曲のカバーとして、「天城越え」も案として挙がっていたらしいが、The NAMM Show 2014マーティ・フリードマンがカバーしているのを見て断念したという。
  12. Rain(5:38)
    2013年のB'zのライブツアー「B'z LIVE-GYM Pleasure 2013 -ENDLESS SUMMER-」で先行披露された楽曲。
    楽曲には効果音として、雨音が使用されている。これは、楽曲完成後に松本が「何か場面を空想させるようなSEがあるといい」と考えた際に、「やっぱり雨かな」と思い追加した。そのSEから、楽曲タイトルが「Rain」に決定された。

収録曲(米国盤)[編集]

  1. Take 5
  2. New Horizon
  3. Feel like a woman tonite
  4. Rodeo Blues
  5. Island of peace
  6. That's Cool
  7. Shattered Glass
  8. Light of the Moon
  9. Reason to be...
  10. Black Jack
  11. Once Upon a Love
  12. Rain

日本国内盤との相違点[編集]

  • 1曲目が「Take 5」、2曲目が「New Horizon」となっており、日本国内盤と1曲目と2曲目が逆になっている。
  • 日本語の曲名は、英語の曲名に変更されている。「月のあかり」は「Light of the Moon」、「学生街の喫茶店」は「Once Upon a Love」と改題された。

参加ミュージシャン[編集]

脚注[編集]