Folding@home

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Folding@home
F@H Logo 2012.png
作者 Vijay Pande
開発元 スタンフォード大学 / Pande Group
初版 2000年10月1日(19年前) (2000-10-01
最新版 7.5.1 / 2018年5月31日(21か月前) (2018-05-31[1]
プラットフォーム クロスプラットフォーム
対応言語 英語,日本語
種別 分散コンピューティング
ライセンス プロプライエタリ [2]
公式サイト foldingathome.org
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5ペタフロップスを達成

Folding@home(FAH、フォールディング・アット・ホーム[3])は、は、タンパク質の分子動力学シミュレーションを実行するための分散コンピューティングプロジェクトである。当初はタンパク質のフォールディングに焦点を当てていたが、アルツハイマー病COVID-19エボラなど、より多くの生物医学的な問題にシフトしている。このプロジェクトでは、ボランティアが所有し、そのシステムにソフトウェアをインストールしているPCのアイドル処理リソースを利用している。Folding@homeは現在、グレッグ・ボウマン博士の指揮のもと、ワシントン大学セントルイス校医学部に拠点を置いている。スタンフォード大学のパンデ研究室では、ヴィジェイ・パンデ教授の指揮のもと、2019年までプロジェクトを主導していた。2019年以降、Folding@homeは、パンデ教授の元教え子であるグレッグ・バウマン博士が主導している。

概要[編集]

本プロジェクトでは、CPU(中央演算処理装置)、GPU(グラフィックス処理装置)、PlayStation 3メッセージ・パッシング・インターフェースマルチコア・プロセッサ上での計算に使用される)、一部のSony Xperiaスマートフォンなどを、分散コンピューティングや科学研究のために利用する先駆的な取り組みを行っている。本プロジェクトでは、従来のコンピューティング手法からパラダイムシフトした統計シミュレーション手法を採用している。クライアントサーバーモデルのネットワークアーキテクチャの一部として、ボランティアのマシンはそれぞれシミュレーションの一部(作業単位)を受け取り、それを完成させ、プロジェクトのデータベースサーバーに戻す。ボランティアは、Folding@homeのウェブサイトで自分の貢献を追跡することができ、ボランティアの参加を競争力のあるものにし、長期的な参加を促す。

コロナウイルスの発生による新規ユーザーの大量流入により、2020年3月25日、Folding@homeの演算能力は約1.5エクサFLOPSに達した[4]。この値はTOP500に掲載されている世界のスーパーコンピューターの上位500機を単純に足した値を超えている。この大規模なコンピューティングネットワークにより、研究者はタンパク質の折り畳みに関する計算コストのかかる原子レベルのシミュレーションを、これまでの数千倍長いタンパク質でも解析を実行することができるようになった。2000年10月1日の発足以来、パンデ研究所はFolding@homeの直接の成果として223の科学研究論文を発表してきた[5]。このプロジェクトのシミュレーションの結果は、実験とよく一致している。

経過[編集]

  • 2007年3月22日、PlayStation 3 (PS3) でも参加可能になった[6]。3日後には700テラFLOPS以上の演算能力を記録、1年以上かかる複雑なシミュレーションが数週間で完了した[7]
  • 2007年9月16日、分散コンピューティング史上初となる1PFLOPSを達成した(1秒間に1000兆回の演算計算が可能)。
  • 2007年9月24日、PS3が単独で当時のスーパーコンピュータと同等の値である1ペタFLOPSに到達[8]
  • 2007年11月1日、世界一強力な分散コンピューティングネットワークとしてギネスに認定された[要出典](これは前述の1PFLOPS超えによるものである)[9]
  • 2008年11月9日現在、総合で4.247PFLOPS、そのうちGPUの処理能力は2.226PFLOPS、またPS3による処理能力は1.733PFLOPSに上る。
  • 2012年3月23日現在、総合で5.427PFLOPS[10]
  • 2012年10月22日、PS3での終了を発表(2012年11月6日終了、延べ1500万人のユーザーが参加した)[11]
  • 2015年1月13日、Android4.4以降のパージョンを搭載したスマートフォンタブレット向けにアプリケーションが配信され参加出来るようになる。当初はXperiaシリーズにしかインストール出来なかったが後のバージョンアップによりXperia以外の端末でも前述の条件を満たせばインストール出来るようになっている。
  • 2016年1月6日現在、総合80.79PFLOPS、そのうちGPUの処理能力は78PFLOPSで96%となる。GPUの中ではNVIDIAのFermiが約80%を占める。
  • 2016年11月12日現在、“Today we are 111,795 computers strong outputting  101,550 teraflops of computing power. ”と表示されている。しかし、通常のパソコン1台にビデオカード2枚を装着してFAHを実行している場合には、3台のコンピュータとして計算されてしまう。また数台のパソコンを使用している人も居る。そのため、現時点でプロジェクトに参加している人数は、11万台というコンピュータよりは、かなり少ないことが想像される。
  • 2020年3月26日、分散コンピューティング史上初となる1エクサFLOPSを達成した(1秒間に100京回の計算が可能)。

脚注[編集]

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関連項目[編集]

外部リンク[編集]