農業経済学

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農業経済学(のうぎょうけいざいがく、: agricultural economics)は、農学あるいは経済学の一分野。本稿では、農業経済学を教授・研究する学科である農業経済学科(のうぎょうけいざいがっか)についても記す。

概要

農業経済学は、農業農村について社会科学的側面を研究対象としている。

日本では、農学部やそれに類する学部に農業経済学科やそれに類する学科が設置されていることから、農学の一分野と考えられているが、アメリカ合衆国では応用経済学を中心に学ぶ学部として農業経済学部を持つ大学が散見されるなど、経済学の一分野と考えられてもいる。

近年、従来の農業・農村問題以外にも、食料環境の問題について研究する学問となっている。

研究方法

日本では、農村地域に赴いての現地ヒアリング調査や統計・文献の分析・解読などによる研究が中心であったが、現在は、計量経済学的手法による定量的分析が多くなってきている。

一方で、アメリカやヨーロッパ等においては、計量経済学的手法による定量的研究が中心となり、日本での研究方法による研究は、「農村社会学」に分類されるケースも多い。

農業経済学の分野一覧

農業経済学科

日本では、1919年9月、北海道帝国大学(現在の北海道大学)に日本で初めて、農業経済学科が設置された。ただし、これは、あくまでも「農業経済学科」という名称が初めて登場しただけであり、同年3月に東京帝国大学農科大学が東京帝国大学農学部に改組された際、農業経済学を研究する農学科第二部が設置されている。

1922年宇都宮高等農林学校(現在の宇都宮大学)が、1924年1月に京都帝国大学(現在の京都大学)が農学を社会科学面で研究する学科を設置する際、それぞれ「農政経済学科」、「農林経済学科」という名称で設けられており、全ての学校で「農業経済学」という名称が使われていたわけではないが、後に、1925年3月に東京帝国大学(現在の東京大学)が、1939年4月東京農業大学が、また1943年5月日本大学(旧)農学部が、農学を社会科学面で研究する学科を設置する際、「農業経済学科」という名称で設けられた。

また、農業経済学科は、農学を社会科学面から研究する学科であったため、学徒出陣の際、農学部でありながら「文系」とみなされ、農業経済学科で学んでいた学生は徴兵対象となった[1]。なお、農学部でありながら、高等学校の「地理歴史科」「公民科」の教員免許を取得できる大学もある。

近年、農業経済学科の改組・改称の際に、食料や環境といった新たな問題を研究することを表した学科名が登場している。

農業経済学科のある大学・学部

農業経済学科に類似する学科のある大学・学部

農業経済学が学べるコース等をもつ大学・学部

(研究室単位)

※なお、通常の経済学部においても農業経済学を専門とする研究者は多く所属し、それぞれ本務校にて講義・研究指導を担当している。

脚注

  1. ^ 具体的な例として、李登輝中華民国総統1943年10月に当時の京都帝国大学農学部に進学をし、農業経済学を学んでいたが、学徒出陣により出征をしている。

関連項目

外部リンク