宗教番組

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宗教番組(しゅうきょうばんぐみ)は、宗教を主題に置く番組。ここでは、特定の宗教団体が、自らの布教目的で放送するものを主に扱う。

概観

日本において、布教番組は、放送枠買い取り・持ち込みが殆どを占めている。教義上の理由(朝のお務め等)もあるが、費用(スポンサー料)が廉価である早朝・深夜に主に放送されている。ラジオ番組に関しては、基本的に中波放送局(AM局)の単独による全国ネットだが、『天使のモーニングコール』だけは例外で、超短波放送局(FM局・広域コミュニティとも)とAM局の混合全国ネットとなっている。

宗教団体が自らの専用放送局を所有する例は、外国には例が多いが(後述)、日本では放送法の取り決めによりこれらの布教番組だけを専門に扱う放送局の開設が認められておらず(文化放送の成立経緯[1][リンク切れ]も参照)、アメリカ合衆国の占領下にあった沖縄県をサービスエリアとした極東放送でも、日本復帰(1972年5月15日)に伴いFEBCの手を離れ、財団法人が運営する純民間放送に移行した。

現状ではコスト面以外にもリスナーの高齢化や聴取者の減少もあり、ラジオ放送からの撤退(インターネット番組への転換も含む)ないしネット局を大幅縮小する宗教団体が増えており[1]、特に仏教系の番組は、若者仏教離れが著しいということもあり、放送終了が特に多くなっている。かつては民間放送事業者が直接制作する宗教番組も放送されていたが、2016年3月の『浄土宗の時間』(文化放送自主制作)の終了を最後に姿を消し、それ以降、民放ラジオで放送される宗教番組は、全て宗教団体の自主制作となっている。

一方、多チャンネル化が著しいテレビ放送では、BSデジタル放送・CS放送CATVが、廉価に全国放送可能なメディアとして注目され、インターネットと共に有力な布教手段として多用される傾向にある。

日本で放送中の宗教番組の例

日本でかつて放送されていた宗教番組の例

宗教枠(超宗派)

単一の宗教団体で箱番組を維持するには多費を要するため、複数の団体が共同で1つの枠を買い取って輪番制で用いたり、また放送局・財界の理解と支援によって、同様に超宗派の時間枠を廉価に、或いは無償提供される場合がある。以下に例挙する。

日本国外の状況

キリスト教信者が多い国においては、ラジオ局自体がキリスト教の宗教放送専門放送局の場合があり、よく「クリスチャン・ラジオ」「バイブル・ラジオ」と呼ばれる。これらの局においては、ほぼ一日中話題は聖書にちなんだ話題が選ばれ、音楽ゴスペル賛美歌などが選曲される。

もっとも、一般視聴者へ向けて大衆的な番組が放送される場合もある。世界的にラジオ局を有するFEBCアンデスの声を始め、欧米には中波短波FMによるクリスチャン・ラジオが多い。韓国では基督教放送がラジオ及び衛星放送で放送され、仏教放送圓音放送のような仏教系のラジオ局もあり、これらの放送局の時報音は、梵鐘の音をそのまま使用している。FEBCも言語統制令(1980年12月発効)によるマスメディアの統合・整理以前からソウル済州島から中波放送(のちにFMも開局)を行っていたが、統制令の事実上の解除(1988年)以後は、上記の仏教放送、圓音放送などと同様に全国ネットワークが敷かれた。

アメリカ合衆国など、国によっては「映像布教」として、宗教専門テレビ局があり「テレビ伝道師」が聖書の教えを説いており、ラジオと同様に説教が映像で配信される。衛星放送が普及した現在では、国内のみならず海外での布教を目的に、複数の放送衛星を通じて、世界で視聴できるようにしている放送局もある。アメリカの場合は、宗教放送局が「布教目的の宗教法人」として、放送局に対する租税が免除されている。宗教放送局の経営は、信者の献金で運営している。

ちなみに初期の文化放送は、カトリック修道院(聖パウロ修道会)が、布教を目的に開局を申請した局であったが、日本では宗教放送専門放送局が認められず、宗教色を薄めてようやく認可された経緯がある。2006年7月24日港区浜松町に移転するまで使用された新宿区四谷(若葉)の本社社屋が特徴的な形をしているのは、教会施設(教会堂)を改修して転用されたため。

その他

脚注

  1. ^ “ラジオの「宗教の時間」どこへ 撤退と拡大、宗派で違い”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). (2015年9月23日). http://www.asahi.com/articles/ASH9866DPH98PLZB01D.html 2015年9月23日閲覧。 [リンク切れ]
  2. ^ 2018年3月までの名称は「浄土真宗親鸞会の時間」

関連項目